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シナリオ詳細

ゼシュテル春のスチパン祭り!
ゼシュテル春のスチパン祭り!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●すちぱんってこういうことだろォ!?
 ぐおん。ぐらがあがあ。
 地響きにも似た咆哮が、天空へと放たれた。
 土を割り、岩を蹴り、雲をうごかさんばかりに立ち上がる青銅の巨体。
 四つ足で歩くさまは熊に似て、しかし全長5メートルをゆうに超える姿と顔つきは、熊とはまるで比べものにならなかった。
「おお、おお……よみがえったァ……!」
 妙に迫力のあるババアが、両目を見開いて狂気の叫びをあげた。

「太古この大地に埋もれ眠った強大なる兵器――!」
 闇のように黒い手足。
「野を焼き空を穿ち、人々を恐怖と混乱に陥れた巨兵の末裔――!」
 雲の如く白い胴体に、白と黒の混じった顔つき。
 目の周りと耳のみが黒く、他は白いというそのカラーパターンは、まさに!
「スチームパンダ!!!!」
『ぐおおおおおおおおおおおおおおん!!』
 巨大なパンダちゃんは口をあのなに腹話術人形みたくパカーって縦向きに開くと、内側から露出したパンダちゃんバスターから青白い光を放射。図太いビームが左から右にキュンッてなって直後にどかーんとやった。
 このギャグなのかシリアスなのかはっきりしねー古代兵器が……。

●もしくはスチールパンツだろ!
「ゼシュテルの町を襲おうとしているのです!」
 ばんばん、とスチールデスクをぶっ叩いて『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)は叫んだ。
 『スチパンっつーから来たのにパンダちゃんじゃねえか』と最初は帰りかけたイレギュラーズたちだが、話を聞いてみると案外『っぽい』話であった。
 隣では金のパイプをくわえたオールドワン髭老人ことゲンさんが、腕組みをしたまま語り始めた。
「スチームパンダちゃんは工房にも文書資料しか残ってねえ貴重な兵器だ。
 どこに埋まってンのかも分からず、お宝探しにあちこち掘り返す連中もいたくらいさ。
 しかしもし掘り返されたなら、真っ先にぶっ壊さなきゃあならねえ。
 なぜなら……」
 ゲンさんは深刻きわまる表情で言った。
「スチームパンダちゃんはかつて七日間で国を滅ぼしたと言われておる」

 むかしむかし。古代にさかえたある国の記録。
 兵器技師の男は国王から超兵器の開発を命じられ、秘宝パンダストーンを授けられたが、秘宝から得られるエネルギーを制御しきれないままスチームパンダちゃんをうっかり量産しうっかり五千台作り上げうっかりまとめて暴走させうっかり国を滅ぼしたという。
「当時の技師サクパンのテヘペロ顔は後世に語り継がれておる」
「なんでそこ語り継いだのですか」
「五千台のうちの一台とはいえ、そして長き眠りでエネルギーや耐久力がカツカツとはいえ、動き出せば相当の被害を生むの明らか。
 今より馬車で現場に向かい、スチームパンダちゃんを破壊するのだ!」

●かくしてパンダの足下へ
 ぐおーんぐおーん。
 すげー遠くから見たらパンダちゃんにしか見えない巨大兵器が、邪魔するみな破壊する勢いで突き進んでいる。
 突き進んでいるってゆーか、遊園地によくあるコインいれるとぐーわぐーわすすんでいくパンダ的な乗り物……あるじゃん? あれの巨大版だった。
 いつゼシュテルにつくのかもあやしいゆっくりな動きだった。
「奴がこのまま進んでいけばまず間違いなく最初にワシの工房が吹っ飛ぶ。
 さあゆけ、イレギュラーズよ! スチームパンダちゃんを止めるのだ!」

GMコメント

 話があっちこっち行ったので一旦まとめましょう。
 高さ5メートル近い古代兵器『スチームパンダちゃん』を破壊・沈黙させるのが今回の依頼内容です。
 パンダちゃんは遊園地とかデパートの屋上によくあるコインいれるとうごくパンダちゃんの乗り物をくっそでかくしたような外見をしていますが、強さはガチガチのガチです。
 フィールドデータも併せて解説していきましょう。

●フィールドデータ
 くっそ平坦な荒野です。
 元々それなりにごつごつしていたのですがパンダちゃんがキュンッてやったせいでこうなりました。
 馬や馬車で走り回ると結構便利な筈です。

●エネミーデータ
 スチームパンダちゃんにはいくつかの機能があります。
 まず近づく段階で破壊ビームを打ってきます。
 遠くの対象を薙ぎ払うのが目的であるため、皆さんが接近する際にも必ず初撃にこいつをくらいます。
 状況によりけりですが。味方全体に1~3回の攻撃が来る想定で備えてください。(ばらけた場合各個別々にくらうだけなので、一塊になっておいたほうがお得です)
 この攻撃をしのぐ手段を、チーム単位で用意して置いてください。
 味方を庇ったり回復でカウンターしたりしてみてください。事前の付与スキル使用はOKとします。

 次に、ビームから生き延びて直接戦闘圏内に入った対象を見つけると『ミニパンダちゃんドローン』を発進させます。
 ドローンは『1ターンにつき5~10体ずつ』敵性ユニットとして新たに配置されます。
 プロペラ飛行する全長50センチ程度のミニパンダちゃんで、サブマシンガン(物中単【足止】)を武器に戦闘を行ないます。
(配置されてから行動順がすぐにくるため、自主的に一塊になっているタイミングは恐らくありません。範囲攻撃で一掃したい場合は相応の工夫を行なってください)

 以降、スチームパンダちゃんは小型ミサイルを次々に放つことで攻撃を行ないますので、ミサイルをかいくぐって巨体にダメージを与えていってください。
 細かいスペックは分かっていませんが、EXAとCT、そしてHPが高いことが予想されています。

●まとめ
 必要とされるプレイングは三つです。
・薙ぎ払いビームへの対処(チーム全体で協力してフォローしあいましょう)
・ミニパンダちゃんドローンへの対処(攻撃を引きつけたり誰かが撃墜を担当したりしましょう)
・スチームパンダちゃんの撃破(大物相手の派手なアクションを考えましょう)

【アドリブ度】
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用くださいませ。

  • ゼシュテル春のスチパン祭り!完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年05月20日 22時25分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)
無敵鉄板暴牛
亘理 義弘(p3p000398)
義に篤く
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
藤野 蛍(p3p003861)
学級委員の方
秋空 輪廻(p3p004212)
ナインライヴス
桜咲 珠緒(p3p004426)
司令官
岩倉・鈴音(p3p006119)
放課後のヴェルフェゴール

リプレイ

●きっと名前先行で生まれたであろう古代兵器、スチームパンダ
 ぼーん、ぼーん、とどこか陰気な音が大気を振動させている。
 四足歩行する巨大パンダ型古代兵器スチームパンダから発せられる音だということは、その様子を確認できる誰もが直感するところである。
 しかしなぜこんな音を発しているのかは、誰にも理解できなかった。
 重要なのは市街地へ向けて一直線に移動していることであり、これだけの破壊力をもった古代兵器が一切の操作を受け付けないまま市街地へ突っ込めば地獄のごとき事態に発展することは、誰でもわかった。
「そんな古代兵器と戦える機会なんて滅多にないよネ。モエテキター!」
 ふんすといってやる気を見せる『放課後のヴェルフェゴール』岩倉・鈴音(p3p006119)。
「しかしまた随分と面白そうなものが現れたな。後で是非とも分解して調べたいものだ」
 鉄帝に限らず、古代兵器のメカニズムは技術者たちにとって注目の的だ。
 特に古代兵器の出土頻度が多い鉄帝には、シリコンバレーにIT技術者が集まるように多くの技術者たちが集まる。ゼフィラもその一人といって過言では無いだろう。
「それにしても……」
 ぼーんぼーんと陰気な音をまき散らしながら市街地へ進む巨大なパンダ。
 子供の考えた終末風景のごときおかしな有様に、『要救護者』桜咲 珠緒(p3p004426)はゆっくりと首を振った。
「あの外見は制作者の趣味なんでしょうかね。パンダ、可愛いですから」
「ああ、いや、分かるが……なぜロールアウトしたんだ。団体規模で分からねえ」
 片手で目を覆う『義に篤く』亘理 義弘(p3p000398)。
 五千体ほど巨大なパンダを作った挙げ句滅亡した国。
 にわかには信じがたいおとぎ話だ。
 横目に見る珠緒。手を下ろす義弘。
「まあ、こういう場合は大体、想像を絶する途中経過が連続しただけですよ」
「どういうことだ?」
「偶然が重なるとああいうものが生まれるんです。まれに」
「陰謀説とかは、いわねえんだな?」
「その方がずっと楽ですし、楽な考えに寄りかかりたい気持ちもありますけど、まあ……それで終わらないことのほうが殆どですから」
「殆ど、ねえ……」
 『ナインライヴス』秋空 輪廻(p3p004212)はほうと暖かい息をつき、頬に手を当てた。
 女は目で人を堕とすという言葉があるが、サングラスめいた仮面で目を隠してもなお、輪廻の肢体にはなにかえも言えぬものがあった。
 和服の下で組んでいた片腕を解き、袖から指先を出す輪廻。
「それにしても、パンダの乗り物と戦うなんて私初めてよ。ありえそうで、ありえなかったわねえ」
「なんだぁ? でっかいパンダの乗り物が暴れててもおかしくねえ世界から来たってか? ぶははっ」
 棍棒でとんとんと自分の肩を叩く『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)。
 でっぷりとした腹を片手でさすると、軽く腹の上の方を叩いた。
「ま、見た目の割にはガチらしいからな。気を引き締めていこうぜ」
「分かってるわん」
 輪廻は言葉の語尾をわざとくねらせると、そばに控えさせていた軍馬に飛び乗った。
「油断はしないわよ」
「して得するもんでもねぇしな!」
 同じくHMKLB-PMに飛び乗るゴリョウ。
 既に同種のハイパーメカニカルコロリババア量産型『魚塚』に跨がっていた『学級委員の方』藤野 蛍(p3p003861)が中指で鋭く眼鏡の位置を直す。
 レンズが光を反射して、目元が隠れた。
「今更かもしれないけど……古代の国々っていうのは本当になんなのかしらね。今とは比べものにならないテクノロジーがごろごろしてて、それが今でも埋まってるなんて」
 と同時に、それらを幾度となく滅ぼしたと言われる七罪の魔種の強大さを思った。
 そして。歩くパンダの発する陰気な音に眉を下げる。
「それにしても、なんでパンダなのかしら」

●無差別破壊ビームを抜けて
 高さ五メートルの景色は広い。まるで雲に手が届きそうなほどの位置から、暴走古代兵器『スチームパンダちゃん』は接近する未確認ユニットを発見した。
 ロバロボットと軍馬の混成集団。八人の騎馬分隊がまっすぐに『スチームパンダちゃん』へと向かってきているのがわかる。
 スチームパンダちゃんは両目にあたるパーツをちかちかと点滅させると、鼻先のハッチを展開。ビーム砲を露出させると、左から右へ景色を薙ぎ払うように光を走らせた。

 発光。一瞬遅れてキュンという空気を裂くような音。
 続けて周囲の地面が連続して爆発し始める。
 一塊になった騎馬分隊の中央で、鈴音は咄嗟に頭を下げた。
「くるヨー!」
「応!!」
 棍棒を繰り回すゴリョウ。
 盾と棍棒をそれぞれ前方に交差させるように構えると、隊の先頭へと飛び出した。
「偃月の陣を組んでお互いをフォロー。できるよね?」
「えんげつ?」
 愛馬『レベルマックス』の上で身を伏せたリュカシスが、横に並ぶ鈴音へと振り返った。
「一部横並びになったまっすぐの陣形だよ」
「単縦陣デス?」
「それは艦隊陣形のやつ。とにかくゴリョウさんを盾にして伏せる!」
「ハイ!」
 伏せた二人の前で防御を固めるゴリョウ。
 ゴリョウは爆発の中へ突っ込み、彼の防御に守られた斜め後ろの二人は力を温存した。
 先頭のメンバーを盾にするだけでなく、する後ろのメンバーから空気抵抗を減らし人馬双方の体力を温存する意味もある陣形である。
 ちなみに本当に縦一列になる陣形を長蛇の陣といい谷など特殊な地形で用いる一点突破陣形をさす。
 A字型の偃月陣形を選んだのはゴリョウに二人分のガードをさせる目的と、中央にいる鈴音の付与効果を万全に行き渡らせる目的の二つがあった。
「ぐおおっ……思ったよりきついぜ! たまに防御を抜いて来やがる」
 豪雨のフロントガラスワイパーの如く幾度も走るビームの光と爆発に、ゴリョウが歯を食いしばった。
「とにかく近づかなきゃあ話にならねえ。気合いで耐えるぞ」
 義弘は身体にぐっと気を巡らせ巻き起こる爆発と吹きすさぶ砂煙に腕を翳した。
 スーツの袖を口元に当て、馬の腹を蹴るようにして加速をつける。
 ゼフィラはポケットから『タウリーナZ』というエナジードリンクを取り出すと義弘へ投げた。
「途中でへばらないようにな」
「分かってる」
 親指ひとつで瓶キャップを捻り開けると、義弘は中身を豪快に飲み干した。
「それじゃあ、私はこっちの担当ね」
 輪廻は馬をずらして蛍と珠緒の間に割り込ませるように位置どると、次なる爆発を自らの身体で吹き払った。
 爆風と炎で着物が焼け焦げるが、素早く降った手刀がビームの光を僅かながらに打ち返し、スチームパンダちゃんへと放っていく。
「無茶するわね。直撃じゃないの」
「その方がいいのよ。回復は任せるわね」
 仮面の下でウィンクをする輪廻。
 蛍は仕方ないと呟くと、『天使の歌』による治癒空間を形成。
 めりめりと減っていく魔力リソースを空に浮かぶ月光を吸収することで補った。
 さらに蛍のローブを単独で聖域化。いわゆる『歩く教会』状態にして魔力循環をおこしはじめた。
「これで暫くは連発できると思うけど……桜咲さん、そっちはどう?」
「こっちも準備OKで――がっふ!?」
 馬上で激しく吐血する珠緒。
 珠緒と付き合いの長い蛍は見慣れたものなのでスルーしたが、見慣れていないゼフィラたちはぎょっとして振り返った。
 珠緒のはき出した血が内包した魔術によって増幅し、人体から放出されたとは思えない両の質量になってHMKLB-PM『みうらさん』と自身の肉体を覆った。
 覆った血液が幾何学模様の呪印となり、人馬の全身を鎧のごとく覆っていく。
 直後に打ち込まれたビームを、全身に巡らされた呪印がオートカウンタースペルによって一部を打ち返し、オートアクイジションスペルによって吸収、エネルギー転換していく。
「さあ、どんとこいです。きっとそっちのダメージの方が大きくなりますよ」

●包囲殲滅
 優秀なヒーラーやタンクの力もあってかほぼダメージを蓄積せずにスチームパンダちゃんの下までたどり着いたゼフィラたち。
「あそこを見て、上れるところがある」
 鈴音が指さしたさきを見て、リュカシスは拳をがつんと打ち合わせた。
「先に行きマス! 援護をよろしく! デス! ――レベルマックス!」
 軍馬に勢いをつけさせると、リュカシスはスチームパンダちゃんの足側面についたタラップバーへと飛びついた。
「素晴らしい走りでした。戦闘後に会いましょう、レベルマックス!」
 軍馬と離れ、がしがしとよじ登るリュカシス。
 スチームパンダちゃん上部からは次々と攻撃ドローンが発進し、登るリュカシスをたたき落とそうとサブマシンガンの狙いをつけてきた。
「ははっ! 随分と忙しいな。実にスリリングな冒険だ」
 ゼフィラはリボルバー拳銃を腰の後ろから素早く抜くと、ドローンめがけて連射した。
 銃撃をしながらスチームパンダちゃんに飛びつき、リュカシスを追って上り始める。
 鈴音はその後に続く形でスチームパンダちゃんをよじ登っていった。
 五メートルの高さを一息に登るのは簡単ではないが、不可能でもない。
 まるで獣が駆けるかのごとき速さで最上部まで上り詰めると、リュカシスはスチームパンダちゃんの首元へと拳を押しつけた。
 拳にアタッチメントめいて装着されたミニガンがうなり、装甲表面を猛烈に攻撃し始める。
 と、その時。
「あぶないっ!」
 鈴音が声をあげると同時に、ミサイルの爆発が彼女たちを包み込んだ。

「やべぇな」
 爆発を見上げる義弘。
 しかし彼らの役目は別にあった。
 発進した攻撃ドローンを引きつけ、撃墜するという役目である。
「仮にやられても無事に脱出できるはずよ。こっちはこっちの仕事を全うしましょ」
 蛍は眼鏡両端を中指と親指で押さえるようにすると、HMKLB-PM『魚塚』を蹴ってスチームパンダちゃん前方をわざとうろうろさせた。
 攻撃ドローンが前方の障害物を排除しようと集まってくる。
「ゴリョウ君!」
「よしきた! お前は逃げとけロバロボット!」
 HMKLB-PMから派手に飛び降りたゴリョウは土の上をごろごろと転がるようにしてから立ち上がり、集まってくる攻撃ドローンの前でずどんと足踏みをして見せた。
 力士の四股踏みにも近い動きである。四股は元々大地の邪霊を踏み鎮める儀式的動作であり、その例に限らず大きな音と大地の振動は必ず注目を集めるものとして様々な国の文化に浸透している。
 それは混沌世界のルールを通して、攻撃ドローンにも通用する誘因技術へと唱華した。
「ほれ、かかって来やがれ!」
 四方八方からの集中砲火。
 いかに防御の硬いゴリョウといえどこうして攻撃を受け続ければただではすまないだろう。
 だが、我慢するのは一度でいい。一度だけで済む。
「今だ、俺ごとやれッ!」
 どっしりとした構えのまま叫ぶゴリョウ。
「二言はねえな」
「無論!」
 馬から飛び降りた義弘は、叫ぶゴリョウ『を』両手で掴むと、豪快なジャイアントスイングを繰り出した。
「ぬおおおおおおおおおお!?」
 群がるドローンたちをまとめて打ち落とす義弘。
「オラァ!」
 遠心力をつけてぶんなげたゴリョウが、空中のドローンに激突。ドローンは粉々に砕けて散っていった。
「ごととは言ったが……おまえ……!」
「次いくぞ」
「エッ」
「じっとしててゴリョウ君」
 馬からぴょんと飛んだ蛍が、ゴリョウを引っ張り起こして背中と首筋に手を当てた。
「あ、あとでちゃんと回復するから!」
 そして魔力をあらんかぎりゴリョウの肉体に打ち込むと、ゴリョウの口から放射させた。
 先程の攻撃で生き残ったドローンたちが一つ残らず撃墜されていく。
「ほ、ほがあ……」
 口から煙を出すゴリョウ。
 蛍はその肩をぽんと叩いた。

「そろそろ決着をつけたいわねん」
 唇に指を当てる輪廻。
 ゴリョウたちに代わってスチームパンダちゃんの眼前へ駆け込むと、軍馬を乗り捨てにして身構えた。
 無数のミサイルが輪廻めがけて集中。
 そこへ、珠緒が一足遅れて転がり込んだ。
「ご相伴に」
「あら、じゃあ一緒に」
 珠緒は手のひらを翳すと、カウンタースペルを任意発動。
 集まったミサイルの爆発が二人を包むが、爆発を抜けて二人は大きく跳躍した。
 珠緒の手には血のネットでとらえた一本のミサイル。
 その後ろで空中回し蹴りの姿勢を取る輪廻。
 ミサイルの尻を蹴る勢いで発射。
 まるで弾丸のように飛んだミサイルは、スチームパンダちゃんの鼻先についた砲身に激突し、激しい爆発を引き起こした。

●古代兵器と赤の女王
 次々とおこる小爆発に、スチームパンダちゃんが崩壊していく。
 随分な傷を負ったイレギュラーズたちは、スチームパンダちゃんの沈黙を確認してから改めて残骸へ近づいていった。
「これなんかいい鉄デスね。持って帰りましょう」
 パーツのひとつを拾い上げてしげしげ眺めるリュカシス。
 ゼフィラも残骸をかき分け、興味深そうに調べ物をしていた。
「ふうむ……」
「ん? なにかありますね」
 その一方、珠緒がスチームパンダちゃんの内部にあったパーツのひとつから、奇妙な石版を発掘した。
 両側から覗き込む義弘とゴリョウ。
「なんだこりゃあ」
「石碑……じゃないな。メモ書きか?」
「文字が掘ってあるみたいだね。それも古代の暗号で」
 鈴音が表面を撫で、珠緒に解読をするように求めた。
「ちょっと自信ないですけど……『赤の女王』って単語と……『ご命令のままに』っていう言葉……あと『滅亡のパーティ』って言葉が読み取れますねえ」
「赤の女王?」
 蛍は小さく首を傾げ、そして巨大なパンダちゃんの頭へと振り返った。
「まって。じゃあ文献にあった『うっかり』って……『わざと』、ってこと?」
 悪い予感が、頭の中をよぎる。
 これがただの予感で終わってくれればいいが。
 そんな風に想いながら、鈍く光る大きな石を見た。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 mission complete!
 congratulation!

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