PandoraPartyProject

シナリオ詳細

もものはな

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●桃源郷と呼ばれるところ
 桃の花が淡く色づいて、柔い枝をしならせる。満開にはもう少しかかるが、色とりどりの桃の品種が植わっている此処は『桃源郷』と言う別名でちょっとした観光地にもなっている桃園だった。桃の実の出荷以外にも、花の時期は観光客を募って桃園を開放している。春には花が、夏には熟れた桃の実が沢山生って、まさにただの果樹園と言うよりは神話の世界の様相を呈する。
 その準備をしている花の時期。この花にも高価な価値がある。美しい桃の花はこの時期、観賞用に貴重だと高価で取引され、特にこの果樹園の桃の花は女神のご利益があると言われていた。女神のご利益で長生き出来る、等と謳われていて、切り取った枝に生った花を有難く飾るのが富裕層に人気だったりした。
 この時期になると果樹園を警邏する人々にも力が入る。折角丹精を込めて手入れした桃の枝を切り取られ、使い物にならなくなった樹は此処数年、後を絶たない。幾ら大きな果樹園とは言え、損失は大きい。
 ――さて。花盗人は罪なのか。それとも、求める人が罪なのか。

●市場に出回る桃花
「……キューピッド・ピンクの依頼ね。グレイ・クォールツの無粋な人々には分からないわ……嗚呼、ロザリオの色の心には通じるのかしら……」
『色彩の魔女』プルー・ビビットカラー(p3n000004)は、煌めく衣装を物憂げに春の風に靡かせ、相変わらずの色彩で綴られた言葉を連ねていた。
「そう、桃源郷の桃花ね。あの花を勝手に盗まれる事が多いらしいの。凡人にはあの桃花が甘美な蜜になるまで待てないのね。クラウド・ブルーの心は本当に厄介だわ……余裕のない人達は目先の事に捕われる……」
 つまりは、桃源郷と言われる果樹園に忍び込み花を盗む輩を退治して欲しいと言う事らしい。相手は盗人に毛が生えた程度の小銭稼ぎの小悪党だが、果樹園が荒らされないように細心の注意を払わないといけないだろう。
 甘い蜜になるその前に、艶やかな花は手折られる運命か?

GMコメント

●成功条件
 桃の果樹園を守りきる。

●敵
 泥棒×15
 弱いですが、ちょろちょろと逃げ回って桃花を回収して逃げようとします。
 戦う事は余り考えておらず、逃げる事ばかり考えています。

●状況
 果樹園は100メートル×100メートル程です。
 泥棒を見付けるのに時間がかかるかもしれません。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • もものはな完了
  • GM名江戸崎竜胆
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年03月31日 21時50分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

キドー・ルンペルシュティルツ(p3p000244)
社長!
レスト・リゾート(p3p003959)
にゃんこツアーコンダクター
ラルフ・ザン・ネセサリー(p3p004095)
我が為に
シラス(p3p004421)
竜剣
ポワニャール・リューシュ(p3p004625)
特異運命座標
美咲・マクスウェル(p3p005192)
玻璃の瞳
ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)
甘夢インテンディトーレ
空木・遥(p3p006507)
接待作戦の立案者

リプレイ

●もものはな、侵入経路を掴め
 果樹園は広い。盗賊が何処から来るか、予測は不可能に近い。
 8人は区分けをして、それぞれの担当を決めて警邏する事にした。隣合った場所にはすぐに駆け付ける事が出来るように、と罠を仕掛けて。
 簡単に図にすると、以下の通り。

①②③
④⑤⑥

①『おばロリババア』レスト・リゾート(p3p003959) 
②『カオスシーカー』ラルフ・ザン・ネセサリー(p3p004095) 
③『鳶指』シラス(p3p004421)
④『盗賊ゴブリン』キドー(p3p000244) 
⑤『見敵必殺』美咲・マクスウェル(p3p005192)
⑥『特異運命座標』ポワニャール・リューシュ(p3p004625)

 以上の範囲を受け持ちして、隣の領域に賊が入り込めばすぐさま隣合った者同士が連携して協力出来るように配置した。
『チア衣装でジャンプし以下略』ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)は、
「ボクは果樹園の中央を陣取って感情探知で欲望の感情を持った人が果樹園に近づいてこないか探知するよ! やましいことを考えてくる相手は泥棒と思っていいからね♪」
 と、果樹園の中央に陣取る。
『接待作戦の立案者』空木・遥(p3p006507) は、
「賊を敷地内に侵入させない、侵入を許した場合には速やかに撃破し、枝を折った賊を逃がさない」
 と、果樹園の外の警邏を受け持った。
 遥の笛の音色を事前にメンバーへ周知、長音・短音と音色の組み合わせでエリアを割り当て、離れた味方へ速やかに警戒を促せるようにして、外を巡回するようにする。
 流石に小悪党な盗賊は白昼堂々と来るような度胸は無いと見て、昼間は罠を仕掛ける時間にして、賊が現れるのを待つ。
 ラルフが園外周部に万能金属でこれ見よがしに罠を配置し固める反面、わざと手薄な箇所を作る事で、敵の侵入路を誘導、限定させ、強く警戒するエリアを絞る。
 園全体に箇所に複数の鈴を配置し、風鈴の様に揺らぐ音でエコーロケーションを行い、園全体にソナー探知を行い、警戒エリア外に異常を探知した時は一番近くの者に異常を知らせ自分のエリアのフォローを頼み、自ら全力移動で急行、と言った具合。
 警戒エリアを絞るのは相談の結果、ポワニャール自然知識のスキルを用いて、事前に狙われそうな枝を持つ樹を見定めた結果、⑤。一番見事な大樹がある場所に決定。その他も勿論狙われる危険はあるので、あくまで⑤のエリアを重点的に警戒して、他のエリアも守る、と言う作戦に出た。
 レストは本命用の罠を作成。
「ラルフちゃんが誘導用の罠を作ってくれるみたい、おばさんは果樹園全体に本命の罠を作れるだけ作ってみるわね。外周付近の特に綺麗な樹の近くが良いかしら?」
 と、ロープで跳ね上げ式の網罠や、自然会話で樹を傷付けない様にシャベルで落とし穴を掘る。
 罠には鈴を付け、落ちた花びらや落ち葉で隠す。罠に掛かればふわりと花びらが舞って、可愛らしい鈴の音で知らせてくれる、との事。
「仕掛けた場所は皆に教えておくわね~。それにしても、あらあらまあまあ~、なんて綺麗な果樹園なのかしら~?素敵な果樹園に悪い事をする子にはお仕置き、しちゃいましょうね?」
「へっ、盗賊の俺が泥棒退治とはね。たまには追う側になるってのも悪くないモンだ。蛇の道は蛇。任せとけって。しかし、やっぱり俺はこういう数に物を言わせるような無粋な盗み方は気に食わねえな。盗むモンひとつ見ても先見性が皆無だ」
 盗賊であるキドーがそう果樹園に忍び込む小悪党共を評すると、同じく思うところがある者も多い。
「美しい枝を小銭の為に折るか……実に美しくないが、残念ながら需要があるからこういった行為を行う者は後を絶たぬ」
 憂うようにラルフが呟くと、ポワニャールが憤慨して言う。
「ぜ゛っ゛た゛い゛に゛ゆ゛る゛さ゛な゛い゛!!! 成敗、成敗そして成敗。しかるのち成敗。需要を生み出してるお金持ちもだよ。もし特定出来たら、お宅にカチコミ緑化運動しに行くから覚悟してよね!
「誰が一番悪いかは、この際考えても仕方ないかな」
 果樹園中央で空踏呪を使って高度を取り、超視力と瞬間記憶で広域把握&記憶。
『仲間が配置した罠の位置を種類を記憶する』
『視界に捉えられる限りで、果樹園とその周辺の地形を記憶』
『準備中に泥棒が来た場合に備えた見張り』
と言う陰の苦労をして、マッピングを終えた美咲がどうどうと、諌めるように冷静に言う。
「さしあたって、彼らの『支払い』は花の対価として不足である、と理解させればいいのよね」
 思うに、果樹園を荒らされる依頼主にとっては生きる糧を奪われるわけで――
「枝の一本二本がヒトゴロシに繋がる、なんて想像、できないからやるんだろうなぁ」
 馬鹿は死ぬまで治らないって、このことだわ、と美咲は呟いた。

●夜の花盗人
 ぼう……
 遥がつけたカンテラが夜の果樹園の外に灯る。遥は感情探知にて「警戒」の感情を中心に探知しつつ果樹園の外周付近を順に巡って警邏していた。
 見せつける程では無いが、敢えて姿を隠さずに「警戒している」ことを賊にも察知できるようにする。威嚇でもあり、感情を煽る目的もあった。
 感情探知にて察知した感情の数と方向を確認し、ある程度引き付けた時点で笛を用いてその内容を味方へ連絡するつもりであった。
(来た……)
 警戒心を顕にした気配が果樹園に近付いて来る。遥が居るところは⑤の近辺。矢張り手薄に見える且つ立派な木がある場所を狙って来たらしい。
 気配は8人と言った所。元の情報と合わせれば他の場所から複数狙って来ているに違いない。複数方向からの同時侵入には注意を払い、笛で侵入者が集っている場所を皆に告げる。
 遥の感情探知ではそれ以上の広範囲は分からない。中央のミルキィに合流しようと移動し始めた。
 合流したミルキィの感情探知にも賊が来たのが引っ掛かっていた。
「地図で言うと、⑤に8人、②に5人。あと、①と③に1人ずつだよ」
 そうミルキィとの情報共有をして、笛の音でその旨を周知する。
「了解よ~。こっちの方は任せてね~」
①を担当するレストがそう応える。
 レフトは夜間用にサイバーゴーグルを活用し、巡回しつつ、ギフトで呼んだ梟に果樹園を飛び回らせて常に五感を共有。梟の視点からも悪党を視認する。
 確認した悪党は全力移動で近づき、威嚇術で怯む相手を、ロープで拘束。
「は~い、悪い子は捕まえましょうね~」
 そのまま、隣の②へと移動を開始。
 ③を担当するシラスは気配を殺しながらエリア内をパトロール。夜目をサイバーゴーグルで補う。温度視覚は常に使っていく。
「もう直ぐ春だってのに寒ぃなあ……早く来てれよ! ……って来た!」
 盗人を見つけたら直ぐに仕留めに向かう。なるべく殺さないように注意を払って。
 超遠距離から精密魔弾による足を狙って動きを止める作戦。
 見事に足に命中した魔弾にもがいて逃げようとする盗人を反応と機動力を活かして追跡。
「俺から逃げられると思うなよ!」
 足をやられてほとんど動けない盗人はあっさりと捕まった。
「悪いな、見逃すわけには行かねえんだ」
 確りとKOされた盗人から、他の盗人の情報を聞き出そうと思ったが、仲間の伝達により、②に向かう事にした。
 チリンチリン、チリンチリン。
 前もって仕掛けておいた鈴の音が響き渡る。
 ラルフがエコケーションを使い、確認した所、事前の本命用の罠に盗人の約半数が引っ掛かって悲鳴をあげていた。
 ②には3人のみ。
 ラルフの敵への攻撃は周囲に被害をもたらすメギドイレイザーは封印、一撃一撃を丁寧に狙い定めて逃げ惑う盗人を倒しに掛かる。
まずは遠距離からマギ・ガン、中距離からカース・マグナムで足を狙う。動けなくなった盗人に近付き、止めはQSMβ。致命傷を避ける攻撃にかくりと2人の盗人は動けなくなった。
 残りの1人は駆けつけたラルフが超遠距離から精密魔弾で足を穿ち、レストの威嚇術で殺さずに倒してしまった。
 その他の『殺さない事を前提に』動いていた者と違い、⑤を防衛しようとしていた者達は「盗人は死んでも構わない。自業自得」と考えていた。
 結果論からすると、死人が出なかったのが盗人にとっては幸運だった、と言うべきか。
 ④を巡回していたキドー、⑤の防衛に当たっていた美咲、⑥の桃の木を心配していたポワニャール、中央を護るミルキィ、皆、敢えて殺す気はなかったが、防衛の方を優先として考えていた為、死人が出てもおかしくない状態だった。外周を回っていた遥は賊と対峙した際には保護結界を発動し、果樹園への副次被害を防止するのを最優先としていた為、他の者の方まで手が回らない。
 勿論、皆殺意があった訳ではない。ただ、果樹園を護りたかっただけ、と言えるだろう。
「基本的に殺さないようにするがよ、出方次第じゃ容赦はしねえぜ」
 と言うキドーの言葉が物語るように、盗賊の出方次第でもあった。
 8人いた盗人が4人にまで減っていたのは、事前の罠のお陰だった。
 美咲は罠の作動音、鈴の音を感知して攻撃を開始していた。遠距離からライトニングを放ちつつ、果樹への誤射がないように注意。盗人に殺害意図が薄い事前情報を信じ、防御は考えずに接近して近距離になれば魔弾を放つ。威力に手加減はない。
 追い付いたキドーは基本的に一定の距離を保ち、小鬼の懐鎖で泥棒の足を狙って動きを止めている。
 ポワニャールは、草木の影に身を潜めて、盗人が作業に取り掛かろうとしたところを襲おうか、高所で作業する梯子を蹴って落として、と考えていたが、そんな悠長な事はしていられないと判断。主に毒撃で攻撃する。特に殺意は無いつもりだが、殺さないで倒す方法を持たない為、『果樹園の女神様の気分次第』と、遠慮なく賊を攻撃。
 ミルキィは敵が纏まっている所を目掛けてハバネロミストをおみまい。
「二度とこの果樹園に手を出そうと思わないくらい徹底的に叩いてあげるよ!」
 と、矢張り進んでトドメを刺すつもりはないものの、手加減は特に考えていない。
 遥は敵の人数次第でPaso Zapatearや演説で注目を集めるつもりでいたが、既に敵が少ないと悟ると、速やかにノーギルティでの攻撃に移り、無力化を試みる。
 そして、呆気なく15人の盗賊は捕まった。

●花盗人への罪と罰
「盗みやんならよ、引き際上手く見極めろっての」
 一網打尽にされた盗賊を見て、キドーがへ、と同じく盗みを働くものとして、忠告めいた言葉を吐く。
「泥棒やめちまえこの下手クソ! 盗みナメてんじゃねえぞ」
 レストが仕掛けた罠を回収して回りながら、
「捕まえた悪い子は依頼人に引き渡しちゃおうかしら? 悪い事をすれば捕まると噂が広まれば、今後の被害が減らせそうだもの」
 と提案する。
「その前に、だ」
 万能金属による鋼線で捕縛した盗賊に、人心掌握術とギフトで流通ルートを洗おうとラルフが盗賊を脅す。
「そうか、いや言いたくなければ良い。そうそう私の故郷の世界のとある王朝では桃の木を傷付けた罰則は一族郎党皆殺し、だそうだ」
 怯えた盗賊は流通ルートをぺらぺらと話してしまい、ふむふむとメモを取ってそれも依頼人に提出するつもりでメモ帳を閉じた。
 ポワニャールは、傷つけられた樹の応急手当をしていた。
「個人的には樹液塗りたくって一晩放置して、それからおまわりさんに突き出すぐらいが妥当と思うけど」
 どうする? と首を傾げるポワニャールに、他の面々も、大体は同じだった。
 遥は、
「無力化した賊はロープにて縛り、見せしめに果樹の幹へ括り付ける。後に依頼人を通して官憲に突き出す、程度で良い」
 と言って、大体の賊の処罰は決定した。
 盗賊を幹に括り付けて樹液を塗りたくって、依頼人に盗賊を捕まえた旨を伝えると、依頼は終了。
「みんなお疲れさま!これに懲りて花泥棒がこなくなるといいね☆」
 ミルキィがそう元気に皆に声をかけて回る。
「あ、そうだ!防衛成功祝いに桃の花をお花見していかない?見てくだけだったら桃の実に影響はないだろうし、いいよね?」
 皆も賛成して、夜の桃の花を改めて見やる。盗人が出る程の果樹園だけあって、見事なものだった。
「綺麗……」
 誰かが呟いた。
「梅とも桜とも違う美しさがある。これは神仙の加護があると噂されても仕方がない」
 そう感嘆の溜息を漏らす程、桃の花は可憐に咲いていた。
 桃はたおやかに、礼を言うようにその桃色の花を8人に甘い香を与えて、満開の花を夜風に身を震わせていた。

成否

成功

MVP

キドー・ルンペルシュティルツ(p3p000244)
社長!

状態異常

なし

あとがき

桜も良いけれど、桃の花も良いですね。

PAGETOPPAGEBOTTOM