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シナリオ詳細

俺はワルだぜ、ワルい奴だぜ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


「お、こっちだこっち!」
「くそ、また出たか……! 俺が手塩にかけて育てた野菜が……!」
 とある幻想内の村。根菜が名物のこの村に、毎年恒例の災害が訪れようとしていた。“そいつ”はよく育った根菜をもりもりと食べ、しっぽを振っている。洗い整えられた髪のようなしっぽがふさりと揺れる。
「あいつを追い払うにはアレっきゃねえ」
「けど、そろそろネタ切れなんだよなぁ……あれはやったし、これもやったし」
 物陰から見守る農家二人は、指折り何かを数えている。どうやらそいつが出たのは数えるほどではないようだ。
「そういや近所のセゴどんって猟師がよ、“いやーイレギュラーズは頼りになるべー”っていってたぞ」
「お、本当か? そういえばこの前は戦線でも大活躍だったって聞いたからなぁ。よし、ローレットに頼んでみるか! ローレットで良いんだよな?」
「そうそう、ローレット」
 イレギュラーズの活躍は、この辺境の村にも届いているようだ(情報は曖昧だけど)。
 そいつは農家二人の恨みも知らず、二本の角を揺らして…ブヒヒン、と鳴いた。


「バイコーンという獣を知っているかな」
 グレモリー・グレモリー(p3n000074)は、めずらしく絵具を持たずにイレギュラーズの面々を見回した。その目は疲れ果て、目の下にはクマが出来ている。むにゃむにゃと唇を動かすと、耐えきれずにあくびを一つ。
「ふああ。……失礼。クリスマスの街を見ていたら、アイデアが止まらなくて。書き散らしていたらこんな日になっていた。そう、バイコーンだったね。あれは二本の角を持ったユニコーンだと思ってもらっていい。いわゆる『悪いユニコーン』だと言い伝えているところもあるが、まあ、そんな事はどうでもいい。出たんだ、バイコーンが」
 そもそも実在していたのか、と誰ともなく驚く。
 二本の角がある事以外、大きさや生態は殆どただの馬と変わらない、とグレモリーは言う。……けれど、と付け足した。ほら来たぞ。
「バイコーンを捕まえるには、あれの気を引く必要がある。……そこがちょっと厄介なんだ。バイコーンは『悪い奴』に惹かれる習性があってね。認めた人間には頭を下げて、舎弟になるんだそうだ。……別に、ユニコーンみたいに失格者を突き殺したりはしないけどね」
 思案するように顎を撫でるグレモリー。無精ひげが生えている。服の襟もちょっとよれている。仕事熱心なのはいいが、そこはきちんとしてほしい。
「別に悪い奴のフリでもいいらしいから、とにかく、バイコーンを舎弟にしてくれ。被害を受けているのは辺境の村で、根菜が有名なんだ。このままでは全部食べられてしまう」
 僕はこの時期のニンジンが好きなんだ。
 馬のような事を言って、グレモリーは再び顎を撫でた。

GMコメント

 こんにちは、奇古譚です。
 今回はバイコーンを連れてきました(?)さて、皆さんに悪い奴になって頂きましょう。

●目的
 バイコーンを舎弟にせよ

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●立地
 辺境の村、そこから少し歩いた場所にある畑です。
 村はこの時期が一番豊かなので、嗜好品程度なら村人から譲ってもらえるでしょう。大がかりなものは自分で調達してください。

●エネミー
 バイコーンx1

 悪い奴に引かれる習性があります。もちろん悪いフリで構いませんし、後から態度を変えるような事はしません。
 ※むしろ本当に悪い奴だと判ると逃げてしまうビビリ幻獣です、

 角は薬に使われます。削れば良い値で売れるでしょう。(バイコーンの角採取は成否判定に影響しません)


 アドリブが多くなる傾向にあります。
 NGの方は明記して頂ければ、プレイング通りに描写します。
 では、いってらっしゃい。

  • 俺はワルだぜ、ワルい奴だぜ 完了
  • GM名奇古譚
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2019年01月16日 21時25分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

アラン・アークライト(p3p000365)
勇者の使命
【心情】
バイコーンか…
割とレアな感じの動物かと思ったらそうでもねーんだな
説得ってんなら今日は楽そうだし、少し頑張るか

【行動】
刀根が提案した堆肥の周辺の草を草結びと畑への落とし穴(天地返し)の作成を手伝うとともに、バンコーンに向けて角を装飾をすることを提案するぜ
上手いことジェスチャーを交えつつ、バイコーンの角を削る事に成功すれば次は鬣をモヒカンにセットするように誘導するぜ
あくまで、角を削って薬にするっていう目標がバレないようにしよう
「まるで世紀末ヤローだな。ま、カッコいいんじゃねぇか?パンクって奴だ!」

次にクライムのカツアゲの支援でもしてやろうかな
バイコーンの見えないところで村人達に説得してカツアゲをする演技をしよう
いざカツアゲを実行する時は【一喝】で注目を集めて、それから取り掛かろうとしますかね
「まーまー、そう言わずに、な?少しだけでいいんだわ?金少し貸してくれるかな?」
演技といえど少しばかり本気にやっちまおう……勇者より不良のが向いてるかもな。俺…
ジェイク・太刀川(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
アドリブ歓迎

心情
バイコーンてさ
ちょいワルに惹かれるなんざ可愛いじゃねえか
不良に憧れる田舎の少年といった感じだ

事前準備
村人に被害者役をやって貰える様に協力を仰ぐつもりだが
俺も顔だけは村人に見せるぜ
説得は説得役に任せる

行動
俺達は善良な村人を脅かす流れの悪人として動くぜ
俺の見た目は割とワイルドな感じだし
悪役としては最適だろうぜ
どうせなら、ロリババアのダリアにもサイバーゴーグルをかけさせて
ダリアもクールでワイルドな悪役に仕立てるつもりさ

俺の役割は畑の前で被害者役の村人からカツアゲをする事だ
まあ、無論演技だがな
畑仕事をする村人にガンをつけてから
脅す様にして胸ぐらを掴んで
「ゼニを出せおら!隠してもわかるんだよ。だったら、ジャンプしてみろ!」
と、こんな感じで脅していくつもりだ
ダリアにも村人に睨みを効かせさせて、ガンをつけさせたいぜ
「ゼニがねえなら、畑の人参を貰っていく事になるが文句ねえよな?」
人参に関しては事前に話を通しておき
許可の降りた場所から決められた量の人参を持っていく予定だ

バイコーンが俺達に興味を持ったら口説き落とすつもりだぜ
「ついてこいよ。俺達の仲間になれば、お前も一流の悪党に仕立て上げてやるぜ」

村人とバイコーンに提案
村人は建前上バイコーンの舎弟となる
村人はバイコーンの角を整えるという建前で角の粉を採取
バイコーンには作物の一部をみかじめ料として払う事により
他の作物を荒らすのを辞めさせる
刀根・白盾・灰(p3p001260)
屑鉄卿
☆行動
・堆肥の周辺の草を草結び
丁度いい感じの悪い行為かなと!地面も柔らかいですし転んでも大きな問題は起きにくいと判断しての行動です!

・畑への落とし穴(天地返し)の作成
落とし穴を作るという体で天地返しを作ります。穴を掘って山にすることで、土の表層と下層を入れ替えるやつです。気分は収容所!

・バイコーンの角の手入れ
【信仰蒐集】のカリスマ性を発揮しつつ『一端のワルになるためなら見た目もクールにしなきゃだぜ』と説き、ニエル殿の【手術】クリストファー殿の【医療技術】で角に模様を入れていただきます。鬣もモヒカン等のグレイトなやつにして差し上げましょう。
我々はその削り屑を貰います。バイコーンはイカした見た目になって我々もヤク…じゃなく薬の原料が手に入って嬉しい。WINーWINです!

・バイコーンへの協定呼びかけ
『ここはバイコーン、お前のシマだ。みかじめを貰って、誰にもナメさせるな。』
『誰彼構わずに喧嘩を売ったりするなよ?ワルの世界で敵を作りすぎたら身が持たない。』
的な理論で、村人と上手いこと協調してもらうよう説得してみます。バイコーンがその他害獣から守ってくれるように出来ないかなと。
ここでも【信仰蒐集】のカリスマ性を用いれないでしょうか?

☆心情
憧れますよね、悪っていうかワルって。
私の13歳くらいの頃憧れていた雑誌の理論を遺憾なく発揮する時が来ましたね!
理論は稚拙でも、熱い魂なら伝わりますよ!…多分!
エリザベス=桔梗院=ラブクラフト(p3p001774)
特異運命座標
 まずはバイコーン様が実際にどんな悪さをしているのか見てみとうございますね。生活サイクルを知れば接近するタイミングも計れるでしょうし。
 それにしても畑の野菜を食べるだけならば、もうそれはただの馬なのでは(身もふたもない)。

 わたくしは『動物疎通』や『精霊疎通』を習得しておりますし、バイコーン様への接触を図ってみようかと。「フッ、お前の悪事、まるでなっちゃあいねぇぜ」なんて登場の仕方、まさに悪役ではございませんか。そこにシビれる憧れるゥ!
 他の皆様の悪事が着々と進行してバイコーン様がそわそわし始めましたならば、背後からスススッと接近。絵による筆談やボディランゲージも駆使して、「ユニコーンに化けて村人を騙さないか?」と持ち掛けてみましょう。聖なる獣だと思って近づいた村人は絶望に打ちひしがれるでしょう……何ておそロシア。
 白粉か、さもなければ全身に小麦粉をまぶして白く染め、角を一本削り落とす事で完璧に変装――はい、回収しました角の粉は高値で売り払いたいかと存じます(ひどい)。
 悪の為には己が身をも顧みない! そんなバイコーン様は一流の悪でございますわ!!(←精一杯持ち上げている)

 村の方々には事前にネタを説明しておきますし、ある意味ドッキリ企画気味なのは胸が痛むのですが、バイコーン様に悪というものをしっかり堪能していただきましたならば、大人しく確保させていただきたいですわね。

アドリブ歓迎
ニエル・ラピュリゼル(p3p002443)
性的倒錯者で快楽主義者
目的
角の採集

動機


行動
私は一人で行動しようかしらぁ。もちろん、要請があれば手伝おうのは手伝うけどぉ。
私は悪名結構持ってるから、知ってる人結構いるんじゃないかしらぁ?適当に歩いてるだけでも畏怖されたりとか出来るかもねぇ?自分の村に国王すら狙った快楽殺人者が来た、ってなれば、ねぇ?
……まぁ、私は「殺人許可証」もってる人間しか殺しはしないんだけどぉ。痛めつけはするかもだけどねぇ?
私の気性的に悪いことをしようとしたら多分バイコーン逃げちゃうから悪いことはせず、ただバイコーンに見せつけるように歩いておくわぁ。

うまいこと誰かが舎弟にできたら、手術の応用で角の彫刻をさせてもらおうかしらぁ。可能なら村人も交えて、ねぇ?出た粉はもちろん収集して、アナザーアナライズで解析。有効成分を調べてどんな薬か調査。有効な病気、調合の仕方を紙に書いて、村人に渡すわぁ。薬を調合して精製できれば、粉末を売るより高く売れるでしょうし。その見返りも捻出出来るんじゃないかしらぁ?そうすればWin-Winの関係の出来上がりねぇ?ついでに番犬代わりにいさせてもいいんじゃないかしらぁ?


あぁ、採集した粉末の一部は持って帰るわぁ。薬と毒は紙一重。うまく利用したいわねぇ…?
リナリナ(p3p006258)
原始力
おーっ、ワルもの! ワルもの!
リナリナいっぱい考えた!
ワルそうと本当にワルい、違いむずかしい!
リナリナ頭痛くなったゾッ!!
パイコーン区別つくのか! 頭良いなっ!

●リナリナ的けつろん
う~ん、リナリナもっといっぱい考えてちょっとわかった!(知恵熱出そう)
パイコーン、ワルっぽさに憧れてる!
カタチ! カタチ! ワルいすたいる!
悪事する気、きっと無い!
ワルっぽさ! ワルっぽさ!

●ワルぶってみる
おーっ、みんな作戦じっこー!
リナリナもがんばるゾッ!
リナリナ、村外れでワルぶってみる!

※髪の毛をオールバックにしてサングラスを着用。
※焚き火の横でウンコ座りで肉や野菜を焼いて食べてる。

「おーっ、何見てんだ! こっちこい! 野菜食え! 野菜!」
※結局は食い物頼み(笑)
※万が一パイコーンがつれたら、もう一つサングラスを出して着けさせる。(舎弟化?)
クリストファー・J・バートランド(p3p006801)
俺の冒険はこれからだ
悪さしてるっていうから来てはみたが、何かかわいいな。
いや農家の人にとっちゃ大問題なんだが。うちの村に来たら今晩のおかずになるレベル。
まーでも、まだ困るレベルで済んで何よりだ。これ以上被害が出る前に舎弟に出来るよう頑張るぜ。
ちゃんとワルっぽく振舞えるか心配だが、先輩方が何かめちゃくちゃ頼りになるからたぶん大丈夫だと思う。

■みんなワルだぜ
村人に仕掛けの説明やら被害者役をお願いした後はせっせと悪さをするぜ。
といっても俺は特に思い浮かばなかったんで皆の悪戯の手伝いだな。
草結びも穴掘りも【罠設置】で巧妙に隠しておくぜ。穴掘りは天地返しがメインだけども。
村人やバイコーン絡んだりはボロが出ると困るんで極力喋らずに後ろで威圧する感じでいこうと思う。

■バイコーンのイカした角
刀根さんが角の彫り物を提案したら頷いて同意しつつ
【動物疎通】で『世界で一つだけのイカした角になるぜ』と勧めてみる。
ニエルの【手術】と俺の【医療技術】、あと【動物疎通】で反応を確かめつつ
めちゃ格好いい感じの模様を彫る。俺はかなり真面目にやるんで炎っぽい模様とか梵字とか入れちゃう。
鬣のセットはちょっと俺にはよく分からん!髪切る要領でやればいいのかな?
ヨシト・エイツ(p3p006813)
いいひと
アドリブ歓迎
未記載事項は他の人参照

事前準備として村人達に被害者役の依頼しておくぜ!
他面子に絡まれても演技なんで、迫真に見えても実際に怪我させるこたぁねぇから安心してほしいってな!
……こういう時に地味にギフトが役立ちそうなのが割と不本意なんだが、この辺ちゃんとしとかねぇと普通に悪人になっちまうだろうしなぁ。

バイコーンと合流後には説得したり解説したりはするが、あんまり積極的に絡まねぇモブチンピラその1として背景の賑やかしだ!
いや、積極的に絡むとギフトが邪魔しそうでなぁ。それとなく絡む程度なら俺がナメられる程度で済むだろ。
後は角の手入れについてもただの角であるよりも意匠がある方がロックだよな!って感じの空気作っておくぜ!

畑への落とし穴(天地返し)の作成については事前に村人達にも説明しとくぜ。
この寒い時期に天地返ししとくと冬眠中の害虫やその卵とか蛹、色々な病原菌が寒さによって死んだり、
雑草の根も枯れて土も柔らかくなるから春からの畑仕事が格段に楽になるから、穴ボコボコ空けてても見逃しといてほしいって感じだな。

加えてバイコーンとの協定の件についても村人達を『説得』しとくぜ。ある程度の作物(売れなさそうな不出来物)を集めて『みかじめ料』として渡し、他の害獣から守ってもらえば良いって感じでな!

……何か今回村人との交渉ばっかやってんな俺。まぁそっちも含めての説明も仕事の一環ってヤツよ!

リプレイ

●ワルになるために
 さて、辺境の村にて。
 村人たちをひそりと集めて、イレギュラーズは事前打ち合わせをしていた。
「という訳で、カツアゲするのはあくまで演技という事でな!」
「は、はい! お手柔らかにお願いします!」
 村人に交渉しているのは『張子のヒャッハー』ヨシト・エイツ(p3p006813)。ゴーグルとかつけてちょっとワルに見えるけど……なんか善人っぽいんだよなぁ。ギフトのせいかなぁ。そのおかげで村人との交渉役になっている訳なのだけれども。
「怪我させたりとかはしないから安心してくれ! カツアゲ役はこの二人」
「ん」
「おう、宜しくな」
 『勇者の使命』アラン・アークライト(p3p000365)と『『幻狼』灰色狼』ジェイク・太刀川(p3p001103)が頷く。村人は目に見えてビビる。この二人めっちゃ怖いじゃん……ワルそうじゃん……とヒソヒソする奴もいるが、アランの眼差しで一発で黙る。
「畑の草結びと天地返しの許可もありがとうございます。助かります」
「いやぁこちらこそ、村の土が豊かになりますし、バイコーンがなんとかなるのでしたらお安い御用です」
 にこりと笑みを浮かべるのは『屑鉄卿』刀根・白盾・灰(p3p001260)。こう見えて結構ワルに憧れてた時期があるという可愛い人である。
「うん! リナリナ、穴掘るぞ! 穴掘ればいいんだな?」
「ええ。しっかりと深い穴を掘って下さいませ」
 元気よく言う、ワルとは無縁そうな『原始力』リナリナ(p3p006258)。何も考えてないように見えるがちょっとは考えているぞ! そして片手に骨付き肉を持っているが説明不要なギフトだから説明不要だな!
 『特異運命座標』エリザベス=桔梗院=ラブクラフト(p3p001774)がゆるりと頷いて、足元に積み上げた荷物を見下ろす。町から持ってきた小麦粉だ。これの出番はあるのだろうか。
「薬は一旦こっちで解析してから、幾らかお渡しするわねぇ」
「は、はい……」
 辺境の村に悪名は轟いておらずとも、その異様な雰囲気は判る。一見穏やかな少女に見える『性的倒錯者で快楽主義者』ニエル・ラピュリゼル(p3p002443)は、ガチでヤバい奴である。ただ、今回はワルい事はしない。つもりである。つもり。
「という訳だ。こっちは怪我させる気とか悪気は一切ないんで、一発バイコーンをだましてやろうぜって感じで、宜しくお願いしまっす」
 『俺の冒険はこれからだ』クリストファー・J・バートランド(p3p006801)がそう挨拶をして、事前ミーティングは終わる。村人は誰がカツアゲされる役になるかで相談を続けるようだが、イレギュラーズの面々はまずはバイコーンの生態観察から、という事で畑の方へ向かった。


●ワルになりたいお年頃
「あれがバイコーンか……割とレアな感じだと思ったらそうじゃないんだな」
 バイコーンは、今日も元気に畑を荒らしていた。といってもこの畑は生態観察のための囮である。囮役になった村人は泣いていた。
 もりもりと根菜を食べながら、糞を畑にぼとぼと落としている。
「……完全に馬だな。あれでワルに憧れてるとか、可愛いとこあるじゃねぇか」
 ジェイクの言う通り、馬である。ただ角が2本あるだけの馬にしか見えない。可愛いかどうかはさておいて、完全に馬だと判ったところで各々は作戦の準備に取り掛かる。
 バイコーンが根菜を食べ終わり、次の畑を物色し始めたら。それが作戦開始の合図だ。

 さて、バイコーンは腹が減っていた。
 此処の根菜は美味いが、美味いから、食べているとすぐなくなってしまう。次の畑でも探すか、と振り仰ぐと、ふと肉の香りがした。
「もりもりもりもり」
 見れば、髪の毛をオールバックにしてグラサンをかけたリナリナが肉を食べている。何処から出したのかは説明不要である。だが一緒に焼いている野菜は村人から提供されたものである。
 ――なんだこいつ、ワルそうだな……
 興味を持ったのかじっと見つめるバイコーンに、リナリナが言う。
「おう! 何見てんだ、こっちこい! 野菜食え! 野菜!」
 うーん。
 バイコーンは突然の命令に、言うことを聞くかどうか迷っているようだ。リナリナはその間にも肉と野菜をむさぼっている。
「ブヒヒン」
 バイコーンはリナリナに背を向けた。ちょっぴりワルそうだったけど、根は純粋なのを見抜いてしまったのかもしれない。
「あっ! ……いってしまったゾ……だけどリナリナはまだまだだゾ! これからワルの恐ろしさが、バイコーンを襲うゾっ!」

 その通り、次の畑へと足を踏み入れたバイコーンは、さっそく洗礼を浴びる事となる。
「!?」
 いつもより柔らかい土のなか、何かが蹄に引っかかった。大きくよろけた先で、また何かに足を取られる。何かが引っかかっている! 判らないままに大きく暴れ、解放されて何事かと確かめる。……草だ。草が結んである。
 ――なんだこいつは……どこのワルの仕業だ!?
 バイコーンは慄く。今まで畑にこんな仕掛けをした村人など、彼は知らない。村人にとって畑は大事なもので、草結びなんてしてはいけないものだと思い込んでいたからだ。
 しかも一つではない。よくみれば二つ、三つ、いくつも結ばれた草が土に紛れて隠れている。
 ……村人も最早手段を選ばなくなってきたか。だが、このオレにかかれば草結び程度ぉぉぉああああ!?
 バイコーンは心の中で絶叫した。草結びを悠然と避けて歩いていたら見事に落とし穴に引っかかったのである。そりゃ絶叫もする。幸い這い上がれる程度の浅さであったので、時間をかけながらも必死で落とし穴から這い上がった。
 なんだ、なんだこれは。畑の草を結ぶだけじゃなく、土を掘り返して落とし穴だと……!? 畑が使い物にならなくなってもいいのか!?
 この馬は天地返しというものを知らないので、無茶苦茶にビビっている。

「よしよし、結構効いてるみたいだな。じゃあ次、カツアゲ組行ってくれ!」
「おう」
「よっしゃ、いっちょやるか」
 その様子を物陰から見ていたヨシトが計画通りだと頷く。リナリナに引っかからないくらいの勘はあるようだが、ここから先は、どうかな……?

 バイコーンはこの畑に根菜はないと判断し、別の畑に移動していた。丁度畑仕事をしている村人がいるが、そんなものは関係ない。どうせ怯えて近寄ってこないのだ、目の前で根菜を半分だけ食べてやるという悪行を犯してやろう。お前は残りの半分を見て絶望するがいい……ククク……!
「おっとお!」
「あっ、すみません」
 悪事を考えていたバイコーンの耳に、そんな声が入ってきた。なんだ? と顔を向けると、いかにもヤバそうなお兄さんが村人にぶつかっている。ついでにそのお兄さんの傍にはグラサンをかけたロバ……? ババア……? みたいな何かがいる。
「いてえな……折れちまったなァこりゃ。治療費が必要だなァ……」
「ええ!? ち、ちょっとぶつかっただけじゃないですか!」
 ジェイクとアランである。ジェイクとか毛皮かぶってて明らかにヤバいお兄さんである。あ、いつもの事でしたね。でも村人はガチでビビってますよ。
「兄貴が折れたっつったら折れたんだよォ! なあ、持ってない訳じゃないんだろ? お・か・ね。少しでいいんだよ、安い医者行くからさァ」
「い、いえ、今は持ち合わせが……」
 アランが一喝を使って声を上げ、バイコーンの目を引く。バイコーンは目が離せない。どきどきと鼓動が高鳴っている。あれはワルのやる事……! そう! カツアゲではないのだろうか……!?
「いいからゼニ出せオラァ!! 隠してても判るんだよ!」
「ひいっ! で、ですから持ってないって……!」
「ジャンプだよ! ジャンプしてみろオラ!」
「兄貴を怒らせると怖いぜ~? 言うとおりにした方がいいと思うぜ~!」
 そこに更にヨシトも参戦する。二人舎弟を引き連れた兄貴という構図。最高にクールである。バイコーン的に。
「ひいっ、ひいいっ……」
 怖がりながらもその場でジャンプする村人。無情にも、ちゃりん、ちゃりんと硬貨の音がした……
「あ~れ~? いま何か音したよなァ。ちゃりーん、ちゃりーんってなァ」
「俺にも聞こえたぜェ! な、兄貴ィ!」
「聞こえたなァ……知ってるか? 嘘つきは天義だと舌を抜かれるんだぜ……」
「ひいっ……すいません、すいません……! 治療費お支払いしますっ……!」
 村人がポケットから硬貨を出して、アランに渡す。アランは見せつけるように、いーち、にーい、と硬貨を数え……足りねェなァ、と呟いた。
「こんなんじゃ兄貴の肩を治すには足りねェよ……骨を治すには滋養強壮にいいものを食べなきゃいけないんだぜ?」
「ああ、俺の肩はもう複雑に折れてるからな……足りないんだったら、此処の作物をもらっていくが……文句はねェよな?」
 ジェイクが村人の畑を顎でしゃくる。無論、この辺りも話は通してある。許可の下りた場所で決められた分だけ根菜を持っていき、後でバイコーンの目の届かない場所で返却する予定だ。
 そのバイコーンはというと、目をきらきらさせてジェイクたちを見ていた。きっと草結びや畑荒らし(だと彼は思っている)も彼らの仕業に違いない。なんてワルなんだ……! 根菜半分だけ食べてやろうなんて、俺はなんてちっぽけなワルだったんだろう!
「ふっ、貴方様もまだまだでございますね……」
 ハッ、何奴!
 後ろに現れたエリザベスを振り返るバイコーン。感じるぜ、この女もどこかしらにワルを隠し持っている。そしてなぜかこの女とは会話が出来る気がする……いや、出来ている……!
 エリザベスはすっと大判のノートを持ち出すと、絵をかいたりジェスチャをしたりして会話を試み始めた。すなわち。
「バイコーン様、貴方様の悪事は全くなっておりません。あれこそが真のワルというもの……民草が痺れて憧れるクールなワルなのでございます」
「ああ、感じるぜ。あの兄貴からはワルを感じるぜ。俺もいつかは……」
「あんな風になりたいのでございましょう? 判ります。大丈夫、あちらも貴方様に気付いたようでございますよ」
 エリザベスの言(?)にバイコーンが振り向くと、ジェイクたちがこちらを見ていた。まるでガンをつけられているようだ……あんな鋭い視線、幾年ぶりに受けただろう……!

「おう、ついて来いよ。お前もなりたいんだろ? 一流の……悪党ってやつによ」

 あ、兄貴ー!

 ……かくして、バイコーンは見事イレギュラーズのワルさに惚れ込み、舎弟となったのであった。


●真のワルとは
「という訳で、舎弟になったぜ」
「おお! シャテイ! シャテイってなんだ?」
「手下ってことですな」
 仲間にバイコーンを紹介するという体で、ジェイクはイレギュラーズを集めていた。中にリナリナの姿を見つけたバイコーンは、この村はもうジェイクのシマなのかと尊敬のまなざしを送る。
 その中でリナリナにいろいろと説明していた参謀的ワル(だとバイコーンは見ている)――灰がバイコーンによってきて、ふむふむと上から下までを検分する。な、なんだか緊張するぜ。
「駄目だな」
 ……何?
「一流のワルっていうのは、見た目もクールなもんだ。この兄貴を見てみろ、毛皮が最高にクールだろ?」
 灰はジェイクを指して言う。確かに、ワイルドな見た目が非常にワルっぽい。――…でも、毛皮をくれる友達なんていないしなぁ。俺に合うような毛皮となると……
 というバイコーンの微妙なチキンマインドをエリザベスが通訳する。
「と仰っておりますね」
「成る程。大丈夫だ、お前にはその立派な角があるだろ? わた……俺たちに任せてくれればクールに仕立ててやるよ」
 本当ですか兄貴!
「ああ、俺たちに任せとけ! ちょっとそこら辺で彫り師を捕まえてくるからな!」
 いうと、ヨシトは善人っぽさが出る前にすたこらさっさと走っていく。打合せ通り、彫りが出来る二人を連れてくるために。
「鬣ももう少しワイルドにした方がいいな。俺たちにちょっと任せてみろよ」
「ブヒヒン!」
 はい、兄貴! 宜しくオネシャス!

「という訳で連れてこられたわぁ……通りすがりの彫り師よぉ」
「彫り師その2だぜ!」
 ヨシトが連れてきたのはニエルとクリストファー。ちなみにクリストファーも動物疎通のスキルを持っているため、万が一のトラブルは未然に防げるだろう。彫りというのは一事が万事。少しでも失敗すればワルの道をそれてしまうのである……多分。
 ニエルの放つ異様なオーラに気おされるバイコーン。この子本当にヤバくない?
「あはっ。大丈夫よぉ……私は通りすがりの彫り師だから、悪い事なんてしないわぁ……? ちょっとその角をかりかりって、するだけよぉ」
 メスをゆらゆらと振りながら笑うニエル。実際、彼女は「許可の下りている人間」しか殺める事はないのだが、その名声は見事に悪寄りなのだからビビられても仕方がない。
 一方クリストファーは燃えていた。やるなら徹底的にやる。炎とか梵字とか、カッコイイ角にしてやると意気揚々である。
「よし、じゃあお前らに任せるぜ。いい感じに仕立ててやってくれ」
「いいわぁ。任せて……じゃあ簡単な模様は私が彫るから、細かいのをお願い出来る?」
「おう、良いぜ! じゃあちょっと失礼しますよっと!」
 ジェイクが軽くバイコーンの頭を撫でて、頭を下げるように言う。バイコーンは兄貴には逆らわない。ニエルにも届くように頭を下げ、その角を二人に預けた。
 ごりごり、かりかり。二人が真剣に(あるいは楽し気に)角に彫りを入れていく。
 その傍で、ひそひそと一同は話をしていた。

「あとは村人を呼んで終わりだな。」
「ええ。――ですが、どうせなら角を一本にして、ユニコーンにしてもよかったのでは?」
「いや、それは駄目だろう。いずれ小麦粉は取れてしまうし、バイコーンのままの方がいろいろと都合がいい」
「そうですわね。ユニコーン様になられたら、また別の形で悪人に狙われるかもしれません」
「その通り。では取り敢えず、この後も計画通りで」
「リナリナは? リナリナはなにかすることあるか?」
「リナリナさんはバイコーンの見たままを褒めて下されば結構ですよ」
「おー! 褒めるんだな! わかったゾ!」

「おう、どうだ? 痛くないか?」
 あれからどれくらい経っただろう。クリストファーの問いかけに、バイコーンは大丈夫だというようにか、確かめるようにか、その首を振るった。粉が落ちてこないのは、ニエルが削り粉をこっそり回収してあるからだ。
「じゃ、通りすがりの彫り師はこれで……ね」
 彼女はバイコーンの角を解析するため、いったん退場する。タイミングを計り、ジェイクたちがバイコーンの方へとやってきた。
「おー!!! すごいゾ!! 角、かっこいいな! いっぱい文字とか彫ってあるゾ!」
 リナリナが言う。バイコーンの角は見事に、繊細な模様と炎や梵字に当て字などが相俟って禍々しく(?)なっていた。これにはジェイクも本気で頷かざるを得ない。
「なかなかイカすじゃねえか! なあヨシト」
「おう! あとは鬣をちょいちょいと立てたら最高よ! 最高のワルだぜ! 勿論兄貴の次にな!」
「この姿を見れば村人もイチコロだな。……お前に提案がある、聞いてくれるか? エリザベス、通訳してもらっていいか」
「ええ、勿論ですわ」


●ワルい護衛がやってくる
「すごいねぇ……溶かして軟膏にすれば外傷にも効くし、軽い炎症くらいなら飲んで寝てればよくなる……こんな良薬中の良薬、見たのは初めてかもねぇ…」
「ありがとうございます。これで村人もたすかります」
 ニエルはバイコーンの角から取れた粉末を解析し、村人に渡していた。むろん己のポケットにないないしたものもあるが、村人に渡したものに比べれば少量の、当然の報酬であるといえよう。
「と、来たね……」
「おう、待たせたな」
「ひっ、ひえぇぇぇ……!? ば、バイコーン!」
 村人はジェイクたちの後ろにいる存在を見て慄く。角を魔改造されたバイコーンは、しかし村人たちに攻撃する意思はないようだった。
 打ち合わせをしてあるとはいえ、村人にとってバイコーンは恐ろしい存在。それを改めて確認すると、灰は頷いて話し始めた。
「よし、村人にも話は通してある。これから村人たちはお前の舎弟だ。兄貴ってのは舎弟を守るモンだ、判るな」
「ブルル」
「村人には“みかじめ料”として作物をお前に渡すように言ってある。お前はその代わり、この村を守るんだ。それが舎弟を守る兄貴の務めだ。誰彼構わず喧嘩を売ったりするのももうやめとけ、ワルの世界じゃ身が持たないぜ」
 こくり、とバイコーンが頷く。角を彫り、本物の兄貴を見たことで、ワル(?)としての自覚が出てきたのだろう。
 アランが村人に向かって頷くと、村人の一人が売るには使えない人参をかご一杯に持ってきた。
「バ……あ、兄貴。今回の、みかじめ? です」
「ブルル」
 バイコーンは根菜の質にはこだわらないようだ。

 かくして、バイコーンはただの不良から村を守るワルへと進化した。
 エリザベスはその様子を見て……木陰に隠してある小麦粉を使えなかったと溜息を一つ。ある意味、角一本を削り取ろうとした彼女こそ本当のワルだったのかもしれない。

成否

成功

MVP

エリザベス=桔梗院=ラブクラフト(p3p001774)
特異運命座標

状態異常

なし

あとがき

お疲れさまでした。
皆さんの見事なワルっぷりにバイコーンは感服したようです。
寧ろ私も感服。なんてワルなんだ……
これから村はバイコーンとうまくやっていくことでしょう!
お疲れさまでした!

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