PandoraPartyProject

シナリオ詳細

緊急発信! メカオゼウ――GOッ!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●今のうちに綺麗なおぜうさまを見といてください(TOP)
 君は知っているか!
 先の戦争において鉄帝の将ザーバと相対したリーゼロッテお嬢様が重傷を負ったという噂を!
 君は知っているか!
 王が鉄帝を退けたことをねぎらって盛大なパーティを開いているという話を!
「だというのに! おぜうさまは出席なさらない! なぜなら! 怪我をなさった姿をおぜうさまは王や皆に見せたがらないからだ!」
 ずだーんと両手をグーにしてテーブルに叩き付ける彼はアーベントロート派小貴族。練達出身のセンコ・シャー博士である。
「だがご安心くださいおぜうさま! こんなこともあろうかと、わたくしおぜうさまの完全なる影武者ロボットを作り上げたのでございます!」
 虚空、というか壁にかけられた美しきリーゼロッテお嬢様の水着写真(最近どっかのファンドから買い付けたやつ)を見上げ、センコ博士は感涙した。
「見ていてください。おぜうさまが出席されないなどという事実は消え去り、怪我をなさったという事実も消え去り、ただ無敵最強究極令嬢の伝説だけが残るのです! そう、この――」
 キーを操作盤に差し込むと、プラスチック製安全カバーに覆われた赤いボタンが現われる。
 と同時に、シャッターが開き人型の――いやお嬢様型のシルエットが浮かび上がる。
 いざ見よ!
 Gカップの胸!
 ウィッグ感ばりばりのプラチナブロンド!
 頑強なメタルボディ(みんながついさっき想像した骨っぽいやつ)。
 お好み焼きのヘラみたいな手!
 ほぼ板! って感じの顔で両目のライトを点滅させて喋った。
『ワタシオゼウ! ヨロシクネ!』
「今こそお前の出番だ!」
 プラカバーをたたき割り、赤いボタンを殴るように押すセンコ博士。
「メカオゼウ――GO!」
『ブドウカイヨー!』
 目をまばゆく光らせて、メカオゼウ一号二号V3の三機は一斉に研究所を飛び出していったのだった。
 いざゆけ、王のもとへ!

●「オイオイオイ」「死んだわあいつ」
「明日にでも彼の首は柱にくくりつけられるだろうね……」
 『黒猫の』ショウ(p3n000005)は悲しげに言った。
「けれど、出撃してしまった『メカオゼウ』三機は止まらない。
 というか、このまま止まらなかった場合は王城へ突入してとっても大変なことになる」
 どう大変かは……わかるよね?
 言わずと想像のついたイレギュラーズたちはみな一様に頷き、そして顔を覆った。

 メカオゼウ。
 それはセンコ博士が作り上げたリーゼロッテお嬢様の影武者ロボである。
 どう考えても似てないので資金援助も断たれていたのだが、どうやらセンコ博士は疲れていたらしい。憑かれていたのかも。
 これらをあろうことか今出撃させてしまったのだ。
 だがまっすぐ王都へ向かうはずなので途中の路上で迎え撃つことができるだろう。
「アーベントロート領地を出る前に、この三機をなんとしても――なんとしてもたたきつぶさないと行けない! いいね!?」
 ショウが、珍しく必死に語っていた。
 彼も死にたくないんだろうな。

GMコメント

 おぜうさまが重傷でイベントに出られないというので。

【オーダー】
 目的:メカオゼウ全機を確実に粉砕すること。それはもう粉々に。

【データー】
 メカオゼウは一号二号V3の三機。

・一号
 黒いドレスの一号。
 華麗かつパワフルな腕力でもって無駄に青いバラとか散らしながら格闘をこなします。

・二号
 水着の二号。
 華麗かつスピーディーな機動力でもって無駄に白いバラとか散らしながら斬撃しゃ射撃をこなします。

・V3
 クリピン仕様のV3。
 華麗かつエキセントリックな技を使って無駄に黒いバラを散らしながらオゼウビーム(神超貫)やオゼウダイナマイト(物自範【識別】)などをぶちかまします。範囲攻撃が得意そう。

 ロケーションは路上です。
 民間人は出てきません。関わったらあとで目とか焼かれそうじゃないですか。

【アドリブ度】
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用くださいませ。

  • 緊急発信! メカオゼウ――GOッ!完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年12月31日 21時45分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ルアナ・テルフォード(p3p000291)
魔王と生きる勇者
海音寺 潮(p3p001498)
揺蕩う老魚
イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
黒撃
エスラ・イリエ(p3p002722)
牙付きの魔女
天之空・ミーナ(p3p005003)
貴女達の為に
ガーベラ・キルロード(p3p006172)
noblesse oblige
シエル(p3p006444)
天空の狙撃役
VeMP 49(p3p006711)
汎用殲滅型機械式戦闘人形

リプレイ

●おぜうさま療養中に起こる惨事のひとつ
「ワタシオゼウ! ワタシオゼウ!」
「ブドウカイニ! イカナクチャ!」
「コロス! フレルモノミナ、キヅツケル!」
 すんげーやばいボディした三体のロボがバランスのおかしい歩き方をしながら王都めざして進行している。
 雪降る町はいつもなら雪かきをしに出る人々もいそうなもんだが、誰一人として外出していない。一斉にみんな風邪でもひいたのかってくらい扉も窓も閉め切っていた。
「このサムゾラの下で、このメカたちの格好はなかなかのハカイリョクだね」
 屋根の上から観察していた『無影拳』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)はこほんと咳払いした。
 ドレスの一号水着の二号、クリスマスピンのV3。
 顔も体型もおぜうさまに似ていないっていうか人間にすら見えないのだが衣装だけはそこそこ似ていた。博士は目が悪かったんだろうか。
「このコウケイが幻想に広まったらシャイネン・ナハトが血に染まりかねないや」
「やめて」
 『牙付きの魔女』エスラ・イリエ(p3p002722)が口封じという名のおぜうさま殺意フォームが自分たちにむくのを想像して身震いした。
「というか、前評判にも似てないって聞いてたけれど……これは聞いてた以上の酷さね。センコ博士についてはもうどうなるかってところだけど、こんなのがのうのうと王城へ突入しようものならここにいるメンバー含め、罪のない人達が何人巻き込まれるか分からないわ」
 この場合の『巻き込まれる』はおぜうさまの口封じも含まれる。
 物理的な攻撃に巻き込まれるかどうかつったら、城に近づく前に粉と化すくらいには大丈夫だと思われる。伊達に国はやってねえ。
「それに見事なまでに誰も出て来ないわ。一般の人達を避難誘導する立場の私達からしたらこの上なくありがたい話ではあるのだけど……」
「それな」
 『茜色の恐怖』天之空・ミーナ(p3p005003)がやんわりと飛行しながらメカオゼウたちの進行方向を確かめる。
 同じく確認のためにひょっこりと顔を出す『揺蕩う老魚』海音寺 潮(p3p001498)。
「人の形をした物には魂が宿りやすいという言い伝えがあるそうじゃな。きっと、メカオゼウたちも舞踏会に行きたかったんじゃろうなあ……」
「シンデレラかよ。だとしたら魔法使いが雑すぎるだろ」
 ミーナはセンコ博士をおもった。
「そもそもリーゼロッテとは全然似ても似つかないじゃねーか。これでどうにかなると思ってたのか?」
「だよね。リーゼロッテはそんなにアツイ胸はしてなかったと思うんだけど、それは気を使ったケッカなのかな?」
「巨乳だったら何でもいいって訳じゃねーんだよ、女の子の胸は千差万別でそれぞれの良さがあるんだよ。だからリーゼロッテにはリーゼロッテにちょうどさあ……」
「もしかしてホンニンがキボウして?」
 ででどん、という謎の効果音がイグナートとミーナの頭上にあがった。
 なんのおとだろう。なぞだな。

 一方。
「あわわわまさかリーゼロッテ様お怪我をなされるなんてそれにメカオゼウ様が突然三体も現われてそれを私が傷付けるなど許されるのかしらあわわわわですがここで食い止めねばリーゼロッテ様のご迷惑に! どうすれば! 私どうすれば!」
 心の声がフルボリュームで出力されている『農家系女騎士令嬢様』ガーベラ・キルロード(p3p006172)。
 ローゼロッテ派のキルロード男爵家としてもはや本能で反応していた。
 そんな姿を見ていたら突如ぶるりと震えがくる『命の重さを知る小さき勇者』ルアナ・テルフォード(p3p000291)。
「……ねえ、ルアナたち大丈夫? 死なない? 来週あたりお風呂で転んだことにして湯船に浮いたりしてない?」
 最初は呼び出されてギザギザする板に正座させられたり巨大な鳥籠に入れられたりする想像をしたルアナだが、イメージは秒でアウトレイジ化した。
 おしおきで終わるなら暗殺令嬢とかいう名はつかない。
 実際どうするのって聞いたらなにかしらお上品で若干色気のある語彙を使って冗談めかしつつ遠回しに釘だけ刺してくると思われる。要するにこわい。
「が、がんばろう!」
 ――といった具合におぜうさまにおびえる者もあれば、オゼウロボのできに同じロボ(?)として哀れみを覚える者もいる。
(シャイネンナハトが終わって、新年ムードだと言うのに……正直、呆れて返す言葉が出ないわよ……自動人形(オートマタ)の私から言うのもなんなのだけれど……いくらなんでも完成度低すぎるわ)
「リーゼロッテ嬢の特徴を狙ったかのように捉えていなくて全然似ていないわね」
 『命の重さを知る小さき勇者』ルアナ・テルフォード(p3p000291)の若干だけ漏れ出た言葉に、『高機動偵察兵』シエル(p3p006444)が無表情に頷いた。
「しかし作られたモノに罪はありません」
「けれどこれを直でリーゼロッテ嬢が見てしまった時は……」
「これも任務ですから割り切って破壊しましょう」
 考えないようにしよう。とでも言うように声のトーンを強めるシエル。
「時に……製作したハカセにはモデルがこう見えていたのでしょうか? それとも理想像的なものなんでしょうか?」
「頭がどうかしちゃったんだと思いたいわね」
 知らぬ間に深い業を見せつけられていたらいやだ。
「幻想とローレットの平和のために、あとショウの命とお金のために破壊させてもらいましょう」
「任務了解」
 VeMP49たちは民家の屋根から跳躍し、メカオゼウたちの前へと立ち塞がった。

●ビームだけは自重したので各自想像で済ますように
 拳を地面に叩きつけるスーパーヒーロー着地で割り込むイグナート。
 その様子に、メカオゼウ一号はブレーキをかけた。
「アラアラ。ゴキゲンヨウ」
 同じくブレーキをかける二号とV3。
「ワタシオゼウ。ヨロシクネ」
「オドリマショッタラ、オドリマショ」
 似てなさ過ぎるモーションだが、誰かが立ち塞がった時に余裕を見せたりジョークを飛ばすところは若干おぜうさまぽかった。
 なに変なところだけ似せてきてんだ。
「このままだと皆のイノチが危ないんでね。ここで壊れて貰うよ!」
 イグナートはすり足のようなスムーズ移動で一気にメカオゼウ一号に距離を詰めると、超握力でパンチを繰り出した。
「アン――ドゥ」
 それを、メカオゼウはのけぞって回避。
 謎のバランスで高速回転すると、ドレスフリルや裾などあらゆる場所から青い薔薇花弁状の刃を出した。
 全身それ回転のこぎり。刃は接触のたびに交換され舞い散るさまはまるで花吹雪のようであった。
「おっと……!」
 イグナートの腕が瞬く間に切り裂かれ、血が噴き出していく。魔術刃に毒要素でも仕込まれていたのか血はまったく止まらない。
 なんでそこだけ優秀なんだこいつ。
「これは、ちょっとヤッカイかもね……」
「それでも力を合わせれば取り押さえられるはず! いくよ!」
 ルアナはかついだミニガンを乱射しながら接近。
 刃の高速回転と舞い散る花弁の刃で弾をはじくメカオゼウ一号を路上の壁際まで追い詰めていく。
「ええと。神妙にお縄についてほしいのだけど! おとなしくててほしいんだけど! こう……みょーに胃が痛いんだけど!!」
「心を鬼にするのですわ! 心を鬼に! 鬼! 鬼ですわ!」
 テンションがいつにもましてどうかしてるガーベラ。
 メカオゼウ二号は水着を見せびらかすようにセクシーポーズをとると、謎のオイルを頭から被った。
「オイルヌッテクダサル?」
「自分で被っておいて……!?」
「サモナクバシネ!」
 両腕をX字に交差して急にロケットみたいにすっとんでくるメカオゼウ二号。
「クッ! 例えリーゼロッテ様を模した物でも……私は負けませんわ!」
 ガーベラは誇り高きキルロード家の宝剣っていうか鍬みたいなやつをおもむろに振り込んだ。
「我が身は仲間を、そして敬愛するべき方を守る為の盾! オーホッホッホ!私を誰と心得ますの! 南部唯一のアーベントロート派貴族、キルロひいいいいっ!?」
 鍬の刃が直撃したかと思うとなんか表面でにゅるんってすべり、飛び散るオイルが白バラの香りと共に花弁となって散った。
 螺旋回転しながら懐へ飛び込んでくるメカオゼウ二号。
「カカッタナ!」
 メカオゼウ二号の手刀に仕込まれた超振動ブレードがガーベラの頸動脈を襲う!
 だからこの見た目でなんでそこだけ優秀なんだよ。
 ガーベラはその場で高笑いのポーズのまま盛大にブリッジ。
「ガーベラ・キルロードですわよ! 控えなさい! リーゼロッテ様の贋作!」
 回避したガーベラに対し、メカオゼウ二号はジェット噴射で高速ターン。
 胴体に仕込まれたマイクロウェーブピンポイントレーザー板を開放。発射。
 咄嗟にかつ奇跡的に飛び退いたガーベラのすぐ脇に立っていたお馬さんがばひゅんつって爆発四散した。
 だからなんで(略)。

「まず狙うはメカオゼウV3だ。奴のビームやらダイナマイトやらは連発されると面倒だからな!」
 ミーナはダッシュジャンプから飛行状態にのると、メカオゼウV3を挑発した。
「おっと、そこなお嬢さんよ。私はまだここにいる、遊んでくれや!」
「ゴキゲンヨウ。ゴキゲンヨウ」
 メカオゼウV3は正座の姿勢になると膝からキャタピラを出現させ、ミーナの進行方向上に割り込むように飛び込んできた。
 挑発が利いた――わけではない。ミーナと別の仲間たちをライン上におさめたのだ。
「やべっ!」
 急に真面目なこと言って申し訳ないが単体に対する名乗り口上の失敗はほぼイコールで空振りにあたる。メカオゼウV3はその隙につけ込み、ミーナと彼女が間接的に庇おうとしていた別の仲間を同時に狙ったのだ。
「オゼウビーム!」
 放射された真っ黒なビームは黒いバラの幻影を散らしつつも避けようとした人々を強制的に引きずり込んでいく。ビームそのものにわずかながら引力が発生しているのだ。
 回避はできないとふんだミーナはビームをHPで受け、さらなるブロックを敢行。
 メカオゼウ一号二号V3は戦闘スタイルの違いから陣形を縦長にとりやすく全員をブロックしV3から倒そうとすると必然的に一号二号の間に大きなレンジを開けてしまい最悪そのまま戦域が乖離してしまう。
 とはいえV3が自由に動ける状態をつくるとたちまちこちらの陣形が破壊される。特別な解決手段を持たない限りは仕方の無い流れである。
 結果、一号、V3、二号というながーい直線上の戦域乖離がおき、各ブロッカーはその両端にてメカオゼウと一騎打ちをするハメになっていた。
 V3を短期決戦で倒せなければブロッカーが潰され、挟み撃ちにされる。もしくは逃げられる。
「止まってください」
 シエルはマジックロープを発射。
 メカオゼウV3の首に巻き付くが、メカオゼウはそれを手刀で切断。腋を見せるように折った肘から放ったミサイルがシエルに命中。防御姿勢のまま吹き飛ばされたシエルは近隣の民家の壁を破壊して屋内へと転がり込んだ。
「「…………」」
 そんなシエルをなんともいえない顔で見る無関係(ということにしている)の民間人。
 今日はシャイネンナハトだねーといってパーティに集中していた彼らは、突然の闖入者であるシエルになーんにも気づかないふりをした。サンタさんかな? とかいって。
「失礼しました」
 びぎゅんと音を立てて(あえて煙突から)脱出するシエル。
 一方で範囲攻撃を警戒し包囲陣形をとっていたVeMP49が屋根の上を走りながら腕をプラズマライフルに変形。メカオゼウV3へと連射していく。
 メカオゼウV3はブロッカーに対して後方移動を行ないながらオゼウビームとオゼウダイナマイトをそれぞれ発射。優先撃破の都合上追いかけねばならないVeMP49は機動力の都合からじきに置いていかれつつあった。
「あんな見た目の連中に苦戦することになるなんて……まって? センコ博士って兵器開発の一点においては優秀だったんじゃ?」
 いるよね。壊滅的に料理できないのに料理好きな人。
「皆! もう少し頑張るのじゃ!」
 潮はトォーウといって市場の屋台を飛び越えると、空中で手刀をきった。
 いつかおぼえたサメ手刀。えらいぞ潮サメ手刀。
 サメの幻影が次々と発射されメカオゼウV3へとぶつかっていく。
 着地と共に前転し、追加でもう一発繰り出した潮のサメ手刀はサンタ帽子とサンタ服を纏った特別クリスマスバージョンだった。なあにこれ特撮番組のクリスマス回みたい。
「メリークリスシャークじゃ!」
 ラッキーなサメが出たのでまあまあ潮が言わなそうな単語をあえて言ってみる。
「能力的にはおぜうさまの名前を冠しているだけあってけっこうそれぞれに厄介だったりするわね。ただ、やっぱりあなた達に無事でいてもらうわけにはいかないの。ごめんなさいね」
 一方でエスラは逃げるメカオゼウV3を追いかけながら連続ソウルストライク。
 間に挟むように最近覚えた魔力吸収弾を発射。
 メカオゼウV3に直撃し、メカオゼウV3のボディはしめやかに爆発四散した。
「メ、メリークリスマース!」
 さあ、ここからは大忙しだ。
 途中から別の路地に入ってひたすら後退していたメカオゼウV3とそれを追いかけていた八割方のイレギュラーズたち。
 のこる一号二号はまったく別の方向にダッシュしているので見つけて追いかけて素早く潰さねばならない。
 足の速さと町中の移動術がものを言うタイミングだ。こういうの滅多にないが、メカオゼウの目的が舞踏会への参加な上フィールドが住宅街でかつメカオゼウ各個がそれぞれ強くブロッカーを結果的に一人ずつしかつけられなかったことでなんか偶発的にこんなことになった。
 よっしゃ運動会っぽいクラシックミュージックをせわしなくかけよう!

「見つけました! ここです!」
 自慢の機動力で空を飛んだシエルは拡張した視野とズームアップした視力そしてハイテレパス能力を駆使してイグナートの居場所を特定。味方に座標を伝えつつ突入した。
 マギシュートの連射に青いバラが散る。
 かけつけた潮がぐったり倒れたイグナートを抱きかかえた。
「無事か!」
 潮はそっと出てきたポチを直に撫でさせたり写真を見せたりとかわいさをイグナートに自慢しなんかほんわかした気持ちで回復を試行。
 すると若干ながら回復したイグナートがむくりと起き上がった。
「オレたちはヘイワな夜を守らなきゃならない。ゲンケイを留めないように粉砕するよ!」
「ワタシオゼウ! オドリマショ!」
 敵が多くても全くひるまない所やスタンドプレイで全然いけるところとかよく考えたらおぜうさまっぽい。
 さておき。事前に頭に叩き込んでいた町の俯瞰風景(シエルとかに運んで貰って確認)をもとに民家の中を直接突っ切ってきたエスラがソウルストライクを発射。
「今よ!」
「全く、手間かけてくれたわね……!」
 ほとんどエスラに引っ張られるようにしつつエネミーサーチでなんとなく方向を定めることで一緒にショートカットしてきたVeMP49がプラズマライフルを連射していく。
「兎に角、くたばりなさい!」

 一方こちらはルアナ。
「ふう、ふう……し、しにそう……」
 ぷすぷす煙を上げるミニガンを投げ捨て、ルアナはジェット噴射で逃げるメカオゼウ二号を必死に追いかけた。
 町をなんかしらぐるーっと回って味方に合流されたらコトだ。見失うわけにも逃がすわけにもいかない。
 その間打ち込まれ続ける謎のビームが死ぬほどつらい。
 と、そこへ。
「お待たせ、しましたわ!」
 ガーベラが窓をクロスアームで割りながら路上へと飛び出してきた。
 逃げる二号のゆくさきに回り込むような立ち位置だ。
「オーホッホッホ! 所詮は贋作! 本物のリーゼロッテ様には遠く及びませんわ。一度ネジの取り換えでもしてきたほうがよろしいのでは?」
「ワタシオゼウ! アソンデアゲル!」
 カマキリみたいな構えをとるメカオゼウ二号。
 ガーベラは対抗するように鍬を振り上げ突撃。
 もうげんかいと呟いてうつ伏せにぶっ倒れたルアナの上を、ミーナがバトンタッチするように飛び抜けていく。
「よくがんばった! あとはまかせろ!」
「たのむよー!」
 うつぶせのまま手を振るルアナにかわって、ミーナが剣をメカオゼウ二号へと叩き付けた。
 前後からのサンドアタック。
 二号は回避に失敗。バラバラに砕け散ったのであった。

 ……こうして、おぜうさまの平和は守られた。
 みんなこの件に関しては徹底的に知らんぷりしたので事件はほぼ明るみに出なかったが、その影にイレギュラーズたちの活躍と献身があったことを関係者の皆様は忘れない。あとおぜうさまも多分わすれてない。こわい。メリークリスマス。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 メリークリスマス!

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