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シナリオ詳細

荒野を泳ぐ大型魚

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●パサジール・ルメスも困惑の事態
 混沌世界を移動するとある少数勢力、『パサジール・ルメス』。
 主要七か国を渡り歩く民達は各国を渡り歩き、様々な情報を手に入れている。
 現状、彼らは海洋、鉄帝など、物資を運ぶキャラバンを編成しており、道中の護衛を依頼している状況だ。
 依頼を受け続け、適正勢力を排除しているローレット。さらなる信頼を得る為に、うってつけの依頼だ。
 『パサジール・ルメス』の物流強化にも一役買うことになるので、イレギュラーズは奮って参加されたし。

●少数勢力を脅かす魚影
 幻想のローレットを訪れた海種の少女、『パサジールルメスの少女』リヴィエール・ルメス(p3n000038)。
「地面を泳ぐ大きな魚を見たっすよ!」
 お気に入りのキャンディをぺろぺろとなめながら、彼女は元気な様子で話す。
 相槌を打ちながら聞いていたのは、年の程はさほど変わらぬ同じ海種の少女、『穏やかな心』アクアベル・カルローネ (p3n000045)だ。
 同じ海種同士とあって話がしやすいらしく、リヴィエールも親しげに語りかける。
 さて、ローレットを訪れたイレギュラーズは、そんな微笑ましい2人のやり取りの中、地面を泳ぐ魚に興味を引かれる。
 現場となるのは、鉄帝付近の荒野。
 そこに、素早く泳ぎ回る大きな魚影があるのだとリヴィエールは言う。
「鉄帝で……大陸中央部の荒野で魚影……ですか?」
「あたしも驚いたっすよ。この目で見るまでは信じられなかったっす!」
 地面から突如現れるは、全長5mほどもある怪魚。
 そいつは一度姿を現せば、土埃を上げて獲物へと突撃し、食らい付いてくるのだという。
「すごいっすよ。逃げなきゃ馬車すら丸ごと飲み込まれそうだったっす」
 幸い、固い岩盤のある街道まで来れば、追ってくることはないようだが、それでも往来を行くパサジール・ルメスの民にとっては脅威以外の何物でもないだろう。
「そうですね。皆さんにこの魚を退治していただければ……」
 困っている人がいるなら、ローレットとしても見過ごしてはおけないとアクアベルも話す。

 現場周辺は荒れ果てており、ひび割れる土の地面と所々に岩肌が隆起しているだけでほとんど何もない荒野だ。
 相手も近辺に獲物が少ないことは理解しており、確実に獲物を仕留めようと狙ってくる。
「見つけるのは難しくないと思うっす。何せ土埃を上げて移動しているっすからね」
 問題は異常なまでの追尾能力と、硬い表皮だ。
 荒野の地面を難なく砕くことのできる体を持ち、さらに捕捉した相手を逃がすまいと見た目に似合わぬ動きで追ってくる。
 接近戦を行うメンバーの抑えはもちろん、狙撃役の牽制など広い戦場を活かした立ち回りが重要となる。
 あちらこちらに段差を伝って登ることができる岩があるので、それを活かしつつ襲撃したいところ。
 ただ、相手は礫岩を飛ばしたり、近づいて地面を砕いて広範囲にダメージを与えたりしてくることもあるので注意したい。
「無茶苦茶な敵っすよ。くれぐれも注意してほしいっす」
 そう告げ、リヴィエールは説明を締めくくったのだった。

GMコメント

 イレギュラーズの皆様、こんにちは。なちゅいと申します。
 某狩猟ゲームさながらの狩猟討伐を、お楽しみいただけたなら幸いです。

●目的
 巨大怪魚の撃破。

●敵
○大型怪魚……1体
 全長5mもある怪魚です。
 保護色の為か全身が淡い茶色をしております。
 異様に表皮が硬く、やや尖った頭で硬い地面を砕きながら、
 荒野を泳ぎ回っております。

・尾ヒレ(大)……物近列・飛
・食らいつき(大)……物中貫・HP回復
・礫岩クラッシュ……神遠扇
・グラインドアタック……神特レ・泥沼(自身を中心に半径10m以内)

●状況
 現場には、イレギュラーズのみで向かいます。
 鉄帝付近の荒野に、大型の怪魚が棲息しております。
 荒れた荒野の中で土埃を上げつつ、確実に獲物を仕留めようと狙ってきます。
 比較的自由に立ち回ることは可能ですが、岩場などの高台に登る際は1,2ターン要します(飛行などのスキルを除く)。
 また、岩場は敵のグラインドアタックで破壊されることもあるので、ご注意ください。対策がない場合、落下ダメージも付与いたします。

●情報確度
 A。想定外の事態(オープニングとこの補足情報に記されていない事)は絶対に起きません。

 それでは、よろしくお願いいたします。

  • 荒野を泳ぐ大型魚 完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年12月20日 21時25分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

如月 ユウ(p3p000205)
浄謐たるセルリアン・ブルー
エマ(p3p000257)
女三賊同盟第一の刺客
シャルレィス・スクァリオ(p3p000332)
タント様FC会長
マルベート・トゥールーズ(p3p000736)
饗宴の悪魔
ウィリアム・M・アステリズム(p3p001243)
天翔る彗星
七鳥・天十里(p3p001668)
矢都花 リリー(p3p006541)
壺焼きにすると美味そう
クリストファー・J・バートランド(p3p006801)
俺の冒険はこれからだ

リプレイ

●世にも珍しい荒野の魚
 幻想を出たイレギュラーズ達は、一路鉄帝を目指す。
「荒野を泳ぐ巨大魚、ねえ。外にはトンデモ生物がいるもんだ」
 赤茶髪、釣り目の少年、『天翔る彗星』ウィリアム・M・アステリズム(p3p001243)は移動途中にそんな本音を漏らす。
 混沌の人間種である彼がそうなのだ。半数が旅人であるメンバー達が驚かないはずも無い。
「この間パサジール・ルメスのキャラバンを守った時は空飛ぶ魚を見たけれど、今度は地面を泳ぐ魚!?」
 青髪ストレートの『青き鼓動』シャルレィス・スクァリオ(p3p000332)は、その魚の存在に感動すらしていた。
「海の魚。川の魚。色々な魚を食べてきたけど、荒野の魚とは珍しい」
 ペロリと舌なめずりする『饗宴の悪魔』マルベート・トゥールーズ(p3p000736)は、是非とも味身をしてみたいのだろう。
 それにしても、問題はその大きさだ。
「5mとは、また大物ですね」
「……獲物も少ないでしょうに、よくそこまで大きくなれたわね」
 タレ目の太眉の『こそどろ』エマ(p3p000257)の言葉に、クールな銀髪少女、『浄謐たるセルリアン・ブルー』如月 ユウ(p3p000205)も素直な感想を口にする。
「まあ……、その分獲物を見つけたら、全力で狩りに来るってことかしら?」
「……安全の為には狩らなきゃいけないんだろ? なら、やるしかないな」
 近場には街道もある。被害が出る前に何とかせねばとユウが主張すると、ウィリアムが気合を入れる。
 そのやりとりを聞き、シャルレィスも気を引き締めて。
「かなりの強敵みたいだし! 未来の大冒険者としては、強敵との戦いだって望む所だよ!」
 未知なる強敵との戦いに、彼女のボルテージも高まっているようだ。

 メンバーは街道から外れ、岩肌の露出した荒野へと向かう。
 癖のあるふわふわした黒髪のいわゆる男の娘、七鳥・天十里(p3p001668)が視覚、聴覚、嗅覚を研ぎ澄ませて索敵を行う。
 程なく、天十里は前方の奥に砂埃を上げて動き回る大きな何かを発見する。
「あれかな……?」
「えー……何アレ……? 魚……?」
 頭に貝殻、左手がハサミの海種、『なげやどかり』矢都花 リリー(p3p006541)が眠たげな視線をそれに投げかける。
 強靭な膂力と硬い頭で荒れた地面を割り、大地を泳ぐ大型怪魚の姿があった。
「おぉー、こりゃすごい。本当に地面を泳いでいるぞ」
 筋骨逞しい肉体を持つ人間種、クリストファー・J・バートランド(p3p006801)もまた荒野を泳ぐ生き物に圧倒され、世界の広さを体感していた。
 さらに、大型魚は高く跳び上がり、地面を強く叩きつける。
 それだけで近場の岩場が崩れ去ってしまい、周囲の地面までも破壊し、地面を泥の様に変えてしまう。
「記念すべき初仕事から良いもの見た……来れて良かった」
「……どっちかっていうと、パリピ的な……? イキって床抜いて暴れてる感じの……面妖でメンドーだねぇ……」
 同じ物を見た、クリストファーとリリーの反応の差はあまりにも大きい。
「……ところで、これ喰えたりすんのかな」
「さてね。……一体どんな味がするんだろう。食感は? 匂いは? ワインとの相性は?」
 ウィリアムの問いに応じたマルベートは、獲物となる怪魚を食べることしか頭にないようで。
「いや、いつだって、初めて食べる味にはわくわくするよ。実に楽しみだね」
 食べる気満々の彼女に、ウィリアムは嘆息しつつも。
「大きな戦いの後だけど、まあ良いさ」
 彼は少しばかり体の重さを感じてはいたが、魔術を編むには支障ない様子だ。
「しっかり狩ってやろうじゃねーか」
 その怪魚はこちらに気付いたようで、ゆっくりと反転して迫ってくる。
「上手くやらねば、刃が通らなさそうです」
「銃弾もそうかな。しかも、こういう単純に大きい敵って苦手なんだよね……」
 地面を泳ぐほどの体表を持つ敵を見たエマが告げると、天十里は銃に手をかけつつ相手を観察する。
「うーん、難しい……。ま、頑張って隙間探して狙えばいっか!」
「放っておくとキャラバンが危ないとなれば、手加減も無用だな」
 ここからは、狩りの時間。自身が未熟者だと自覚するクリストファーに、手加減などする余裕はない。
「足を引っ張らないよう頑張るとしよう!」
 彼は仲間に続き、荒野の大型魚と対していくのである。

●荒野の怪魚をどう攻略するか……?
 ひび割れた地面を泳ぐ大型魚の討伐に当たり、メンバー達はローレットを出てからここに至るまでに案を出し合っていた。
「相手のサイズがサイズだし、固まって行動するにも、近すぎたら範囲に巻き込まれかねないわよね……」
 先ほどエマも言っていたが、ユウもまた大きい相手との戦いにやりにくさを感じる。
 相手は高く跳び上がった勢いで地面を叩きつけ、周囲の岩場ごと破壊してくるのは、先ほど見た通りだ。
「陣形を展開する場所と、イレギュラーが起きた時のフォローも考えなければならないわね」
 ユウのそんな意見もあり、この場の8人のイレギュラーズ達はチームをA、Bの2班に分けることなる。
「被害を軽減する為……だな」
 そう納得したクリストファーはウィリアム、天十里と共に、相手の気を引くマルベートと共にB班として行動する。
 分かれて攻め入るイレギュラーズ達を、大型魚も腹をすかせて獲物と見定めたようだ。
 早速、地面から複数の礫岩を飛ばそうとしてくる怪魚。
 メンバー達はそれに備えつつ、敵へと近づいていく。
(私の役割は『最前衛での引き付け役』であり、『皆を守る盾』だ)
 マルベートは魔術を行使し、今まで喰らって来た命を自らの血肉と変換する。
 その間に同班メンバーや、相手後方へと回りこむ仲間達との挟撃。それが今回イレギュラーズ達のとった作戦だ。
「仲間達こそ、我らの『槍』だ。見事群れにて仕留めきってみようじゃないか」
 1人で遮二無二突っ込むだけが狩りではないのだ。
 大型魚がどいつから食らおうかと品定めしているところで、マルベートが獣製を呼び覚ます呼び声を上げる。
「さあ、私、マルベート・トゥールーズが食べてあげるよ」
 それはこちらのセリフを言わんばかりに、大型魚もマルベート目掛けて大きく口を開こうとする。
「シャルレィス・スクァリオ! こっちにもいるよ!」
 敵の反対側からは、シャルレィスも名乗り口上を切った。
 2人が挟んで相手の気を引く間に、メンバー達は広範囲に散開していく。
 そうしている間に、大型魚は結局マルベートへと狙いを定めて食らい付いていった。
 彼女は両手に持ったディナーフォークとディナーナイフを模した2本の片手槍でその巨体を受け止めようとする。
 一見すれば、マルベートが食材を捌くようにも見えるが、大型魚の勢いは凄まじい。
 シャルレィスも相手が反転することを懸念し、防御態勢のままで相手の気を引くことにしていたようだ。
「でかいしうるさいし散らかすし……。さっさとボコろ……」
 そのすぐ後ろに位置取るリリーはA班として、同班メンバーと縦横に並ばぬよう気にかける。
 その上で彼女は手にした血染のバールを投げつけ、大型魚の身体を傷つけていく。
 さらに、エマが敵の側面から仕掛ける。
 メンバーを2班に分けて、ということだが、彼女はその班分けをあまり深く意識することなく立ち回っていた。
(あまり厳密に守るとドツボにハマるかもなので、状況を見て動きましょ)
 その辺りは、やや緩めに考えて立ち回るエマ。
 彼女は隼の名を持つ短刀『ペレグリン』を手に、相手の巨体の傍で流麗な舞いを舞い、側面に斬撃を浴びせかけていく。
 その傷から赤い体液が流れ出すと大型魚は痛みに激しく暴れ、激しい砂埃が辺りに舞い上がる。
 戦場において、砂埃はさほどメンバーの障害とまではならないが、この場の全員の服を汚してしまう。
「……ていうか、土埃で服が汚れたんだけどさぁ……。一着しかないんだけど……」
 砂埃を浴び、一張羅を汚されたリリーは苛立ち、自らの力を高めていた。
「……悪いけど、今回はこちらが狩る側よ。確実に仕留めさせて貰うわ」
 ユウも仲間との距離にしながらも、口上を述べた2人を食らおうとしていた大型魚へ氷の鎖を放ち、相手の体を凍りつかせようとしていく。
(範囲攻撃に巻き込まれないよう気をつけないとね)
 気を引く2人から注意がそれれば、それだけで広範囲に被害が及ぶ。
 また、ユウは同じ班のシャルレィスの状態からも目を離さず、すぐに治癒魔術によるフォローができるよう構えていたようだ。
 マルベートの傍で身構えていたB班、クリストファーは、2人がうまく敵の気を引いていたことで、攻撃に出る。
「暴君の力、とくと味わってみろ」
 『暴君暴風』という名の大戦斧を握る彼は、猛然とその刃で大型魚の身体に傷を増やしていく。
 その間も、マルベート、シャルレィスから敵が注意を反らさないかとクリストファーは注視する。
 そこから少し距離を取り、天十里は相手の背後に回りこむ位置を意識して攻撃を仕掛けていく。
 後衛と考える彼だが、開戦直後は取り出したナイフで直接切りかかっていた。
「僕、後ろから銃を撃ってるだけじゃないんだよ」 
 狙った相手の体はかなり硬いが、天十里がうまく鋸刃のナイフで相手の表皮を切り裂くと、傷口から血が噴き出す。
 さらに、天十里は別のナイフを投擲する。
 突き刺さった瞬間に刀身が爆発炎上させると、彼は相手の攻撃を危険視して仲間の後方に下がっていく。
 そして、ウィリアムは自らの傷を気にかけてか、メンバーの中で最も敵から距離を置いていて。
「告げる。夜空を翔る星よ、剣と成して射貫き穿て」
 星の魔力を結集した彼は蒼く煌く『星の剣』を創造し、彗星の如く軌跡を描いて大型魚の身体を切り裂く。
 今のところ、相手が大きく動く素振りはない。
 それを見て、ウィリアムは距離を維持したまま、再度『翔星の剣舞』でさらに斬りかかる。
 彼らの遠方攻撃に対し、大型魚は今のところ、ほとんど注意を払っていない。
 牽制を行う2人が耐えてくれている間に、メンバー達はできる限り攻撃を繰り返してその全身に傷を増やしていくのである。

●暴れる大型魚を抑えつけて……
 思った以上に抵抗力の高い大型魚。
 すぐ、相手は冷静になって広範囲に取り付くイレギュラーズ達を意識してしまう為、マルベートも抑えに必死だ。
 彼女の抑えがうまく行かぬ場合は、すかさずシャルレィスが敵の怒りを買う。
 この2人が如何にして相手の気を引くか。
 そして、その間にどれだけダメージを与えられるか。
 それらがこの戦いの決め手となるのは間違いない。
 だが、正気に戻ったタイミングで大型魚は跳び上がり、しならせた尾ビレを叩きつけてシャルレィスを弾き飛ばす。
「ほら、こっちだよ!」
 マルベートがまたも名乗りを上げたが、大型魚は見向きもせずに他メンバーへと視線を向け、荒野を泳ぎ始める。
 イレギュラーズ達は布陣を整え直すが、相手も礫岩を飛ばして応戦してきた。
 布陣が崩れたこともあり、両班のメンバー数人がそれぞれ礫岩に巻き込まれる形となる。
 天十里は元々深手を負っているウィリアムを庇うように前に出て、飛んでくる大きな岩をその身に受けてしまう。
 そのウィリアムは相手が大きく口を開いているのを見て、敵の体内を直接狙った。
 星の剣を飛ばし、相手の口を直接切り刻むウィリアムは明らかに刃の通りが体表面よりも良いと判断して。
「幾分か体内は柔らかいようだな」
「やっぱり、そうなんだね」
 天十里もそれを耳にし、仲間の付けた傷痕や、大きく口を開いたタイミングを図り、黒い中折式のリボルバー『リ・バースデイ』で直接鉛の言葉を撃ちこんでいく。
「洗濯代……弁償……賠償……。……無いの……?」
 それを浴びたリリーは、じと目で相手を睨みつけて。
「ギルティ……もう完全ギルティ……。もうキレたから……もう潰すから……」
 相手が近づいてきたタイミング、岩の陰に隠れながらも、『血染めのバール』を投げまくる。
 エマやユウは岩場を活かし、攻撃を仕掛けていた。
 相手が離れるまでは、エマは相手の側面に刃を浴びせていたが、やはり暴れられると近寄るのが難しいと判断したようで。
「ひひひっ、私は盾役ってわけでもないですからね」
 引き笑いする彼女は跳躍して岩場に飛び乗り、そこから直接動き回る敵の背面目掛けて刃を振り下ろす。
 大型魚の背面に飛び乗ったものの、暴れる敵に乗ったままとはいかない。
「さっさと逃げたほうが良さそうですね」
 すぐにエマは振りほどかれそうだと判断して高く跳躍し、その背から退避していたようだ。
 精霊の力を使って岩場の上に飛び上がるユウはそこから氷の鎖を放ち続ける。
 岩場が崩される懸念もあり、彼女は浮遊したままで攻撃を続けていた。
 直後、不意に大型魚が飛び上がる。
 イレギュラーズ達目掛けてダイブしてきた敵は、周囲の地面、岩場ごと破壊してきた。
 その衝撃に煽られたリリーは隠れる岩場を失い、別の岩場へと移動して。
「もう投げまくる……ずっと投げる……」
 状況が整い次第、彼女はバール投げを再開していた。
 一度動き出せば、抑えるのが面倒な相手。
「クリストファー・J・バートランドだ。食べられるものなら食べてみろ」
 代わりに、クリストファーが相手を引き寄せようとする。
 ただ、相手の気を引くことはできたが、どうやら怒りを煽ることまでは出来なかった様子。
 敵は尾ビレを使い、クリストファーの身体を強く弾き飛ばしたところへ、シャルレィスが声を上げる。
「ほらほら、こっちだよ!」
 彼女の一言で、心なしか大型魚の頭から煙のようなものが上がっているようにも見えて。
 その間に、傷ついていたマルベートはエスプリ『再生する肉体』の効果もあって、ある程度傷を塞いでいた。
「時間稼ぎ、ありがとう」
 彼女はシャルレィスのサポートに感謝しつつ、状況を見て再び悪意ある呼び声を上げて敵の気を引き始める。

 その後は、再び、マルベート、シャルレィスが大型魚を引き付けていく。
 牙を剥いて食らい付いてくる大型魚。
 気力との勝負。彼女達が場を持たせる間、エマは相手が不利を悟って逃げ出す可能性も考えながら、再びサイドから刃を刻み込む。
 リリーも状況を見て近づき、全力で殴りかかっていく。
 敵が暴れ回っていた間、リリーはかなり消耗していたようだったが、相手が静かになるまではと仲間がつけた傷目掛けてぶん殴り続ける。
 ユウはそんなリリーや、消耗するシャルレィスの傷の癒しに動いていた。
 互いに疲弊が重なってきている状況だ。ユウは相手の体力を見つつ、トドメの技をいつでも繰り出せるよう構える。
 天十里も相手の体内を狙い、銃弾を浴びせ続けていく。
 彼女、もとい、彼は自身にとって特別なリボルバー銃を使い、敵を鉛の銃弾で射抜こうとする。
 さすがにその巨体を穿つことは難しいが、鉛の弾はかなりの数が大型魚の中に埋め込まれているはずだ。
 大型魚を直接抑えるマルベートは、ウィリアムが高度な治癒魔術を使うことで癒しに当たる。
 相当弱ってはいるが、それで大型魚の攻撃力が落ちるわけでもない。
 しっかりとメンバーをサポートし、彼はこの場を持たせようと尽力していた。
 一度は吹き飛ばされたクリストファーは戦線に復帰し、コンビネーションを活かして敵へと戦斧を打ち込む。
「これなら……」
 クリストファーの破壊の一撃を受け、大きく怯む大型魚。
 すかさず、ユウが地面から氷の槍を発生させ、敵の体に更なる傷を与える。
 しかし、怪魚は最後の力を振り絞り、マルベートへと大きく口を開いて食らい付いてきた。
 ナイフとフォークの形をした片手槍でそれを受け止め、防御態勢を続ける彼女の後ろ、同じく抑えに当たっていたシャルレィスが後方で蒼い刀身の片手半剣『烈風』を手にする。
 素早くその刃を突き出し、さらに斬撃を繰り返す彼女。
「おりゃあああっ!」
 刃が深く食い込んだところで大型魚はようやく気を失い、半身が埋まった状態のままで崩れ落ちる。
 荒い息をしていたメンバー達。
 砂埃が収まりを見せる中、リリーがぽつりと一言。
「……静かになった……? ……つかれた……おやすみ……」
 彼女はそのまま倒れこみ、寝息を立て始めたのだった。

●狩りの後は……
 怪魚の討伐を終え、その大きさに感心していたクリストファーがぽつりと一言。
「なあ、ところでこの魚……食べられるのか?」
 食えるなら食べてやりたいと彼が主張する横から、マルベートが前に出て。
「倒した後はお楽しみ、『剥ぎ取り』の時間だ」
 彼女は美味しそうな部位を見分け、両手のナイフとフォークで切り分けていく。
「やっぱり硬いね。でも、部位によっては普通に食べられそう」
 その間も、マルベートは期待に胸を膨らませ、ディナーのメニューを考える。
「このまま放置しても、やがて自然に還っていくのだろうが」
 折角だから糧にしたいと、クリストファーもまた豪快に己の大斧でその身を捌いていたようだ。

 なお、その味を確認した2人によると。
 肉質は全体的に非常に硬く、ぱさぱさした食感だったそうだ。
 ただ、脂が蓄えられた腹やキモ、歯応えのあるヒレ、などはなかなかに香ばしく、凝縮された味だったとのことだった。

成否

成功

MVP

シャルレィス・スクァリオ(p3p000332)
タント様FC会長

状態異常

なし

あとがき

リプレイ公開です。
大型怪魚の討伐お疲れ様でした。
MVPは抑え補助として、幅広く戦略を考えていた貴方へ。
混沌にはまだ見ぬ生物、珍味がたくさんありそうですね。
たくさん紹介できればと考えております。
今回は参加していただき、ありがとうございました!

……なお、スキルの(大)表記は、
ギリギリまで同スキル(小)を使う小型を
出すべきかどうかと悩んだ名残です。
申し訳ありません。

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