PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<ジーニアス・ゲイム>ゼロネイム・ロンギング

完了

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 俺は戦争孤児だった。この世界においてはそんなことは珍しいものでもなんでもない。
 しかし、親と家のない子どもにとっては其の日が平穏に終わるなんて簡単なことさえ難しいことだった。
 俺ら孤児にできることは他者から奪い盗み、腹を満たして其の日がすぎることをただ願うだけだ。
 もちろん官憲に盗みがバレるなんてよくある話だ。よってたかって蹴られて殴られて血反吐を吐く。
 痛む体と、悲鳴をあげる胃袋を両手で押さえつけて丸くなって眠ればやがて其の日は終わる。
 夜があけ、そして憂鬱な朝がくる。そんな無味乾燥な日々がいつまで続くのか見当もつかない。
 あるとき、自分の住む街に蠍の王と呼ばれる悪党が来たことをきいた。
 そのときには俺は、一端の盗人になっていた。
 多少の無理は武力と器用さで切り抜けることができるようになった。だから、俺は箔をつけるために、蠍の王の財宝を盗むことにしたのだ。
 なんなく蠍の王の塒には侵入することができた。
 蠍の王の塒には目がくらむほどの財宝。全部をもっていくより一つもっていくくらいが粋だとおもった俺は、真っ赤な宝石をひとつだけ手にした。
「おい、ここがどこか知っているのか」
 低い声。塒に入ったときは誰もいなかったはずだ。経験上気配の察知に関しては鈍いどころか鋭いほうだと自負もある。
「クソガキ、肝試しにはここは過ぎた場所だぜ。なにしにきたのかわかってるのか?」
 ここでもう俺は死ぬのだと思った。だから、せめてもの虚勢をはる。
「わかっている、悪党の塒から財宝を奪ったすげえ悪党になるんだ」
「そりゃあ傑作だ」
 蠍の王が楽しそうに笑う。
「なあ、ガキ、俺を楽しませてくれや。それが出来たら殺さねえよ。こっちむいてみな」
 その声に振り向こうとした瞬間、王の手刀が顔の横を掠めた。近づかれたことさえ気づくことが出来なかった。
 耳がちぎれ、ぼとぼとと宝石より赤い血が流れおちる。
「悪党になりたきゃ、もっと警戒しろ。悪党ってのは嘘をつくもんだぜ? お前みたいなガキなんざ一瞬で殺せるんだ。騙し騙されが悪党の世界だぜ。まあ、いい。お前の名前をきいてやるよ。言ってみろ」
 千切られた耳の所為で頭までズキズキと痛む。それでも俺は必死で振り向き王を真正面から見た。
 そこには――神がいた。圧倒的な存在感とカリスマ。
「名前は、ない。あんたがつけてくれ。そうしたらそれが俺の名前だ」
 そう絞り出すと、王は一層楽しげに口元を歪ませた。
「ジョンドウ」
 それが俺に与えられた名前。はじめて俺を個体識別するための名前だった。俺は神に名前を与えられたのだ。
「ジョンドウ」
 俺は繰り返した。『誰でもない』という意味の其の名前を。
「俺はアンタに名付けられた。だったら俺はあんたのモノだ」
「そうかい」
 そういった王の顔は逆光で見えなかった。

 懐かしい夢をみた。
 俺と王との出会い。つい最近のような気もするし、随分と前だったきもする。
 節目のこのタイミングでみるというのはなにかの意味があるのか。
 俺の役目はこの幻想をぶち壊して、蠍の王を真の王にすることだ。
 盗賊王という渾名ではなく真の王に。
 そのためなら――。
 俺は自分の命なんざ捨ててしまってもかまわない。
 王の道を阻む、あのクソみたいな砦に風穴をぶち開けるのが俺の役目だ。

 王の覇道を邪魔をするやつらはだれだろうと。
 ――ぶち殺してやる。

GMコメント

 鉄瓶ぬめぬめです。
 最近のマイブームはミルクティです。

 今回は蠍の王のためにジョンドウがんばりますので本気で殺意マシマシです。
 あとちょっとで王が幻想を落とせるので、その邪魔をするものは誰であれぶっ殺します。
 ですので、ジョンドウ含め敵は戦闘不能になったNPCやPCを積極的にトドメをさします。

 ・ロケーション
 メフ・メフィートの王都につながる街道沿いにある重要な南方守備拠点の砦です。
 ここが落とされると、王都に王が侵攻しやすくなります。
 ここを落とそうとジョンドウが魔法的な爆弾を抱えて突っ込んできますので、それを止めてください。
 この拠点が落とされるとかなりまずいことになります。
 ジョンドウたちは100m先から突っ込んできます。0mに達した時点で爆弾は大爆発して砦を破壊します。

 兵士とPCの初期位置は指定できますが、一人突出したりバラバラですと集中攻撃をうけたりするのでご注意ください。
 
 砦が破壊されたら失敗です。
 下記のぞうさんが倒されても、ジョンドウは爆弾をもってますので特攻をかけてきます。
 それで死んでも悔いはありません。説得に応じることはありません。
 王が王になるためなら手段は選びません。
 爆弾の威力はおおきいので巻き込まれたら大怪我します。
 パンドラの残量によらない即死判定もあります。
 ジョンドウが爆破することなく殺害されたら、すべてのユニットは撤退するでしょう。

 ・エネミー
 
『屍』ジョンドウ
 東洋の刀を携えた剣豪です。強いです。今回の指揮官です。飄々としたお兄さんです。ラサのやつらまじだいきらい!!!!!!
 
 拙作『狂騒スコルピオ』、『<Liar Break>痴愚神礼讃バーレスク』『<蠢く蠍>棘毒デスペラード』『<刻印のシャウラ>スコルピオプワゾンと不可逆のアンチテーゼ』などで登場しております。
 
 抜刀術でめっちゃ高火力の近接スキルも使えます。速度、回避型のようです。
 
 EXスキル:阡穿月衝(せんがげっしょう)
 超長距離・万能・貫通 BS 出血流血失血 溜めあり。
 高命中、高火力衝撃波を刀からずばーって出します。
 みなさんよりもレベルは高めです。

 
 ぞうさん(ぱおー)×2(編成は同じ)
 背中にと賊2人を背負っています。砦と0距離になったらどかーんてします。
(ぞうさんの爆弾は魔術的なものが体内に設置されています)
 魔術的な暗示がかかっているので、ビビらずまっすぐに向かいます。おっきいよ!
 たおすのであればHPは多め。PCが3人で足止めはできます。足止めスキルは効きません。(NPCが足止めすることはできません)
 攻撃されたら近接範囲をなぎ倒すようなかんじで鼻で攻撃してきます。(登ればその攻撃に当たることはありません)

 1ターンに20mほど進みます。
 上にのってる盗賊が操っています。魔法使い系ジョブと近接系ジョブです。ぞうさんのうえに登ったら戦えます。
 魔法使いがぞうさんを操っています。近接系ジョブは魔法使いを守っています。ノックバック攻撃をもっていますので、ぞうさんからおとされないようにがんばってください。
 レベルは最高レベルよりはすこし低い目です。

 彼らを倒したからといってぞうさんの足が止まるとは限りません。
 何らかの対応スキルを持っていればなんとかなるかもしれません。

 砦の20m付近にたどりついたら盗賊は飛び降りて距離をとります。
(イコール爆発に巻き込まれない距離はそれくらいになります)

 ぞうさんが二匹とも倒されたり止められたりした場合はジョンドウが爆破しにいきます。

 盗賊たち×20
 レベルはみなさんの最高レベルと同じくらいです。
 アタッカー、タンカー、ヒーラーとバランスよく揃っています。
 範囲攻撃ができるメンツもそこそこに。
 攻撃範囲も近遠そろっています。
 
 ジョンドウをワントップに連携してきます。
 基本ぞうさんにちかづくやつらに攻撃しにいきます。


・おともだち

 兵士×30
 防衛拠点に詰めていた兵士のみなさんです。防衛を中心に動きます。
 練度はまちまち。皆様よりだいぶ弱いのもいればそこそこなのも。
 ヒーラーアタッカータンカーといます。
 ヒーラー5人、アタッカー15人、タンカー10人くらい。
 もちろんジョンドウを止めることはできませんし。(ブロックさせてももって1~2ターンです)ぞうさんを足止めするのも難しいです。
 基本的には自分で戦いますが、指示をかけてもらってもかまいません。
 基本的に砦のすぐ近くに配置してます。

 状況は厄介です。
 NPCの目的なども類推してがんばってみてください。

  • <ジーニアス・ゲイム>ゼロネイム・ロンギングLv:7以上完了
  • GM名鉄瓶ぬめぬめ
  • 種別EX
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2018年12月12日 22時00分
  • 参加人数10/10人
  • 相談6日
  • 参加費150RC

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(10人)

アラン・アークライト(p3p000365)
太陽の勇者
暁蕾(p3p000647)
超弩級お節介
恋歌 鼎(p3p000741)
尋常一様
エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)
愛娘
楔 アカツキ(p3p001209)
踏み出す一歩
アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)
無限円舞
クロジンデ・エーベルヴァイン(p3p001736)
受付嬢(休息)
ルフト=Y=アルゼンタム(p3p004511)
アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)
大樹の精霊
久住・舞花(p3p005056)
氷月玲瓏

リプレイ


「なあ、王よ、俺の名前はどういう意味なんだ? ……ですか?」
「『誰でもない』だ」
「誰でもない?」
「ああ、誰でもないから、何にでもなれる」
「なんにでも……」
 ガキだった俺にとって、王につけられたその名前はその日から何にも勝る宝物になった。
 俺を俺という個人と認識たらしめたその皮肉な名前は俺と王との絆なのだ。


「ああ、やっぱり、奴らはいたでさぁ。お前らいいな? 皆殺しだ。砦だけじゃねえ、あいつらも。ローレットのやつらもぶち殺しちまえ!」
 眼の前の砦には詰めていた兵士と、そして『ローレット』の『知っているやつら』。ああ、それも知っていた。自分が止めにこい、と言ったのだ。
 ――なあ、俺の王よ。蠍の王。俺はアンタがこのくそったれの世界で唯一の光だ。
 俺はアンタのためなら命だって惜しくない。アンタがこの世界で王になるためならなんだってする。
 細目の男――ジョンドウは細い目をさらに細め、おおよそ60メートル先で行く先を阻む。
「動きがありませんね、アニキ」
「後の先を取るつもりだろうさぁ、かまわねえ、その先(みらい)ごとぶった切ってやれ!」

「さあて、二回目の対面だ。あいつはこなかったが、まあしかたねえ。それもめぐり合わせってやつだ。
 あいつの代わりに俺が殺ってやるさ」
 偽千剣を肩に担ぎ『太陽の勇者様』アラン・アークライト(p3p000365) は不敵に笑う。
「ジョンの力は惜しいわ。蠍の王の侵攻はここで止まるでしょう。だから――」
 『彷徨のナクシャトラ』暁蕾(p3p000647)は先日の失敗に唇を噛む。敵対したその相手の行く末を案じ女は未来がないかと模索する。それは感傷に過ぎないのかも知れない。無駄なことかもしれない。それでも思わずにいられないのが、この暁蕾という女である。
「一途で情熱的だね」
 『尋常一様』恋歌 鼎(p3p000741)が誰にむけるでもなくつぶやいた。
 そういうノリは嫌いではない、というよりも好ましい。――でも。その焦がれた想いはさらに焦がして、そして――燃え尽き消えてもらうよ。
 たとえば爆炎で。そうつなげて面白くなってしまってこんな状況だというのに笑みがこぼれた。
 決死の覚悟のある相手ほど恐ろしいものはない。こちらはもちろん死にたくはない。けれども相手は死んでもかまわず任務の遂行を求めるのだ。そんな相手が怖くないわけがない。ふるりと体を震わせた『カースドデストラクション』アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701) は目の前に迫りくる盗賊の一団を見据える。
「ぞうさん。大きい、な」
 場をなごませるためか、そうでもないのか『神話殺しの御伽噺』エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787) が茫洋な瞳の先のゾウをみて呟く。
「あいつが指揮官かー、ちゃんと見るとずいぶんとつまんない奴だね」
 忠誠を捧げることが本懐だと、それが何よりも正しいと盲信し、死すらいとわないその相手がなんともバカバカしかった。忠誠は自分を救うためのものじゃないのに。なぜだか『悪意の蒼い徒花』クロジンデ・エーベルヴァイン(p3p001736) はそのバカバカしさに胸の奥のほうがチリチリとする。
「忠臣が本当に必要なのは王になってからだろうに」
 クロジンデの想いを言語化するように ルフト=Y=アルゼンタム(p3p004511) が唾棄する。
 『軋む守り人』楔 アカツキ(p3p001209)がルフトに目配せをする。それに呼応するようにルフトは頷くと、咳払いをひとつしてから、一歩前にでて兵士たちを振り返る。背には敵の一団。倒すべき敵だ。
「お前たちはなぜここにいる」
 朗々とした静かな、だというのによく通る声でルフトは兵士たちに演説をはじめる。
「過程なんて二の次だ。お前らの後ろには、過去も、今も、そして未来への夢もすべてが詰まっている国がある。今お前たちはその国を背負っている。前を見ろ。強兵が攻め込んでくる。
 ならばお前たちは何をすべきだ?」
 ルフトは問いかける。守る、と誰かがいった。
「そうだ。
 敵兵は強い。だが周りを見ろ。ともに背負う仲間がいる。そして、俺たちもだ。
 頭に熱はこもっているだろう。頭を冷やして、その熱を心に回せ。
 ともに守り抜き、生きて未来へいくぞ!」
 ルフトが拳を振り上げ兵士を鼓舞すれば、兵士たちはみな声をあげ士気を高める。
 流石だなとアカツキがルフトに目をやれば当の本人は、どうだか? と肩を竦めた。
 砦を爆破すればこの人達も、そして王国の未来も喪われる。犠牲者だって出るだろう。『希望の蒼穹』アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630) はそれが許せない。だから。「兄さん」のようにヒーローになるのはいまだと思う。
「こんなところまでゾウを運ぶなんて、ラサはどんな商業ルートをもっているのかしら」
 ゾウの巨体と己の力。どれほどまでに活かすことができるのかと『示した力で仲裁を』久住・舞花(p3p005056)は鯉口を鳴らす。
 
 イレギュラーズは動き出す。アンナに統率、指示されたとおりに兵士たちは散開する。
 まずは引き込んでから。追って、エクスマリアが彼らに具体的な戦略を指示すると、彼らは頷く。兵士たちには盗賊を任せイレギュラーたちはゾウとジョンドウのブロックに専念する。
「さて、鉄火場だ、さて見事な演説だったよ。私ですら心が揺すぶられた」
 鼎は冗句を交えながらルフトに祝福をささやく。
「そりゃあどうも」
「アランくん!」
「応よ」
 アレクシアも同じくアタッカーのアランを祝福すれば、アランは短く答える。
「では、参ります」
 行動待機で十分に引き込んだことを確認した舞花は皆に目配せをし、アタッカーたちは片方のゾウに集中攻撃をかける。
 舞花は踏み込み、後の先に反応した心のままに、体を動かし斬魔の刀を抜き放つ。
 舞花の広がる髪をかすめ、ルフトの魔弾による砲撃がゾウごと魔道士を穿つ。追ってアカツキの光の柱がゾウに命中すれば、ゾウはその痛みに長い鼻を振り回す。
 その鼻をかいくぐるようにエクスマリアは地面から巨大な拳を生やし、横合いから殴りつけた。
 暁蕾はコンセントレーションで自らを高めながら、ゾウに「砦を破壊するなら貴方を殺さざるを得なくなってしまう」と動物疎通で叫ぶが、ゾウからの返答はなく暴れまわっていることに舌打ちをする。
 どうにも象に騎乗している魔術師の精神支配が邪魔をしている。ゾウからの思念にゾウ本体の意志というものを感じることはできない。ゾウもトドメを刺さずになんとかしたいとは思うがこの状況で、手加減などできようはずもない。思い通りにならないこの状況に暁蕾は焦れるしかない。
「だりゃああ!」
 アランの憎悪の爪牙がゾウの厚い皮膚を削り取る。イレギュラーズの総攻撃をうけても、ゾウは倒れる素振りはみせない。ああ、こりゃ長期戦になるなと、アランはかえって笑みを深くする。
 ジョンドウは突出してはこない。彼もまた戦況をみて様子見している。口元を三日月のようにつりあげ、盗賊に対応していた味方の兵士に刀を振るえば、兵士の首が跳ねとびアンナの足元に転がってきた。アンナはその兵士の恨みがましい目と自分の目があう。まるで、あのときの家族のような理不尽を突きつけられたものの目。こみ上げる吐き気を必死でこらえてジョンドウをにらみつけ相対する。ああ、自分の表情が薄くてよかった。
「盗賊王には借りがあるの。貴方を通すわけにはいかない」
「あの女は居ないんでさぁ、そりゃあ残念だ。今度はアンタか。どうにも俺は女子どもと相性がいいんすかねぇ? なあ、名前は?」
「アンナ・シャルロット・ミルフィール。ナンパかしら? こんなところでなんて場所を選ばないのね」
「一期一会ともいうさぁ。その名前。ネメシスかどこかの貴族かい?」
「さあね、所詮は肩書だけよ」
「神様は救ってくれるんですかねぇ?」
「信じるものは救われるとはいうわね」
「俺の神は、奪え、殺せ、とおっしゃった」
「随分即物的な神様ね」
「神なんてそんなものでさぁ」
 嬲るような邪悪な剣戟を黒い布で払い受け流す。連続するその剣戟をいなしてはいるが、ダメージはじわじわと蓄積していく。
「さて、私達はあっちのゾウのあしどめだね。ああ、忙しい」
「……」
「うん、わかった」
 鼎と、アカツキ、アレクシアはうなずきあうと、もう片方のゾウが動きを始める前にその場に縫い付けるために足止めに向かう。
 アランはじめアタッカーに兵士が抑えきれなかった盗賊たちが攻撃を仕掛ける。
「ああ、うざってぇ!」
 アランは腕に刺さった矢を乱雑に引き抜けば、味方兵士のヒールが届く。
「焦りは禁物ですよ。気持ちはわかりますが」
 舞花の指摘にアランはバツが悪そうな顔で象に爪牙を突き立てた。
「わーってるっつの。やるべきことはわかってる。ならばそれをやり遂げるさ」
「私も、そのつもりです」
 アランの穿った傷を更に深くするために舞花は水月を刻む。ダメージは確実に通っている。魔術師がゾウの上で回復を続けているが、焼け石に水だろう。
 クロジンデとルフト、エクスマリアと暁蕾の砲撃が次々とゾウに着弾する。
「ォオオオオ!」
 その痛みにゾウはめちゃめちゃに鼻を振り回し、アランと舞花が強かに体をうちつけられ体勢を崩したところに、盗賊の範囲攻撃が飛んでくる。
 状況は前衛後衛問わずの混戦といって差し支えないだろう。一人、二人と味方の兵士が倒れていく。
 ご丁寧にも兵士にトドメを指すことに手番を使っている盗賊たちのイレギュラーズへの攻撃は散発的ではあるものの、馬鹿にできたものではない。
 ダメージは鼎とヒーラー兵が回復している。もしこのヒーラー兵へのタンク型の守りがなければ早々に盗賊たちに殺されていただろう。ヒーラーから倒すという定石は敵とて狙ってくる。
 ドウ、と大きな音を立てて、足を折ったゾウが倒れた。だらりと地面に落ちた鼻はピクピクとうごめいてはいるが動かなくなるのも時間の問題だろう。暁蕾はその痛ましさに目をそむけた。 
「ぞうさん、かわいそう」
 言葉にするのはエクスマリア。
 せめて爆弾のゾウさんは、神殺しの御伽噺に刻んであげようと思う。
 自らの伝説にして。あの大きなゾウさんを包み込んであげよう。
「ちっ」
 砦からの距離は40m。ここで爆破しても味方を巻き込むだけであると判断した魔術師はゾウから飛び降り、次いで護衛の盗賊も飛び降り、戦線に加担しはじめる。
 どのような魔術で爆破するのかわからない以上、戦場に爆破物があるというのは士気にもかかわる。エクスマリアは卓越した戦略眼でそれを看過できないとし、最も練度の高い味方兵に魔術師の排除を委ねた。その判断に、アレクシアも頷く。
 彼らは次のゾウの排除に向かう。
「サクラさんと決着をつけたかったんじゃないの? せっかくできた因縁……絆じゃない? こんなところで終わっていいの?」
 暁蕾は声を張り上げ、説得なんかはきかないとわかっているがジョンドウに問いかける。
「絆ねぇ? 戦場で敵同士の絆てのはどうにも薄いみたいでさぁ。 あの女はここにいない。それで絆は断ち切れたってとこさぁ。ああ、とどのつまりはもう終わったのさぁ」
「貴方自身が終わっていいの?」
 その問は、砦爆破という彼の任務に込められた覚悟を見抜いた女の勘からでたもの。あの男は究極的において蠍の王がこの国を簒奪すれば自分がどうなっても構わない。そう思っているのだと戦いながら感じた。彼はこの任務が成功しても失敗しても死ぬのだろう。
「ああ、そうさぁ。俺はここで終わるだろうな。それでも王はこの国を奪う。それが俺の夢さぁ」
 暁蕾が驚くほどの優しい笑みでジョンドウはそう答えた。その笑みは蠍の王が失敗するという未来がないと言わんばかりだ。
「バカよ、馬鹿だわ。貴方は」
 もし、生き残って、蠍の王もいなくなったら、ローレットにくればいいと誘うつもりだった。だけれども笑みをみてわかった。それは彼にたいする愚弄でしかない。だから暁蕾は馬鹿と断じることしかできなかった。
「男ってのは多かれ少なかれ馬鹿ばっかりさぁ。あんたはいい女なんだろうな。わかったんなら通してくれでさぁ」
「貴方の思いも夢もあるんでしょう」
 足止めに専念するアレクシアが口を開く。
「ああ」
「私だって。夢がある。兄さんの冒険譚のヒーローみたいになるんだ!」
 動悸が激しくなってきた。もともと体力がないのだ。防御に集中してるとはいえ、長引く戦闘で傷は増えていっている。限界は近いかもしれない。でも限界の先を超えるのがヒーローだ。
 だから少女は憧れに自分がなるために立ち続ける。こんどは兄さんに自分の英雄譚を話すのだと。
「だから、ここで折れるわけにはいかない!! 絶対に砦は守ってやる!!」
 その言葉に一瞬だけジョンドウが目を大きく開く。
「はは、ローレットには英雄がいるってわけでさあ」
 ジョンドウは彼ら10人をひとりひとり見やる。それでもアンナに対する剣戟は止まらない。
「アンナ、お前もよくやってるでさあ」
「……撃ってきなさい」
 それは安い挑発。あまりにも稚拙な挑発。ジョンドウは悪党だ。だからこそこの英雄の挑発を無視するわけにはいかない。アンナとて撃たれれば膝をつくことになるだろう。
「はは、こりゃあ、こんな悪党としての花道を用意されたんじゃあ、俺も撃たないわけにはいかないでさぁ」
 ジョンドウは己が磨き上げた必殺のスキルの構えを取ればそれを感知したイレギュラーズは指示をだし味方兵も含め退避させる。
 状況を確認する。兵士に関してはやや盗賊のほうが圧してはいる。兵士の死体も随分と増えた。変なロバみたいな機械仕掛けが戦闘不能の兵士を移動させてはいるが、焼け石に水だとおもう。どうでもいい。ゾウに関しては……まあ、あのエイユウ様たちの火力だ。そのうち倒されるだろう。ここで嫌がらせにゾウの爆破を指示してもいいが、自分の部下も巻き込まれる。それに足止めされた場所は砦からは随分に遠い砦にダメージを与えれずに部下を削るなんて本末転倒にも過ぎる。どうにも過剰なほどまでの対策をとられてしまったようだ。それにそんなだまし討は悪党として粋ではない。悪党とてそれなりの美学はあるのだ。
 残された手段は決まった。
 自分の目の前にはアンナとそして35m弱先の砦の城壁。思ったよりは砦に向けて踏み込むことは出来なかったとはいえ、まあ、城壁に距離としては衝撃波は届く。引っ掻いた程度だろうけれども。
 アンナは思う。自分が剣をとって戦った理由。その信念。守る道をこんなところで穿たれるわけにはいかない。これを捌けないようでは盗賊王に一矢報いるなんて夢物語だ。
「阡穿――」
 涼しい顔なんてしているが内心はヒヤヒヤしている。話にはきいている威力。ディークロースはすでにボロボロだ。耐えれるかどうかはわからない。
「月衝――」
 至近距離で振り下ろされた衝撃波が少女を襲う。スカートがちぎれ、太ももの重要な血管が弾け富んだ。お気に入りの洋服の袖も上腕の肉ごと吹っ飛んだ。どくどくと煩いほどに血の流れる音が聞こえる。
 一瞬後、鋭い破壊音が聞こえた。城壁の一部が衝撃波で破壊されたのだろう。振り向くことはできない。けれど霞んできた視界の向こうでもう一匹のゾウが倒れる音が耳鳴りと一緒に届いたような気がする。
 ゆっくりと暗転していく景色のなかで、目の前の男が笑った気がした。
 ぐらりと揺れながら。大量の流血を流しながら少女は膝をつき、パンドラの箱を開き、希望を引き寄せ立ち上がるが、限界は近い。揺れる景色の向こうで男の影が長い刀を振り上げた。
「よくやったでさあ、じゃあな」

 ドッ――っと鈍い音。ぱたぱたとアンナの顔に赤いものが降り注ぐ。
「――――ッ!! 絶対、死なせない……!」
 歯を食いしばったアレクシアがアンナを抱きしめ身を呈して庇ったのだ。背中が痛む。だけれども。
 味方が目の前で死ぬのに比べたらこんなの全然平気だ。
 アレクシアもまたパンドラに祈り、ついた膝をあげるとアンナを抱きしめ前に走る。
「むりしないで」
 アンナのその言葉は声にでていただろうか? 血液が流れて出ていく音が大きすぎてわからない。体中痛くないところなんてない。
「大丈夫。貴方は私が死なせない」
 アレクシアの体が暖かくて、なんとなくお母様に抱きしめられたことを思い出して、そして、アンナは意識を失った。エクスマリアが慌ててハイヒールを施すが血は止まらない。
 アレクシアは意識の無いアンナを抱きしめ戦線を抜けようとする。アンナの出血量はともすれば命にかかわる。一刻でもはやく医者に見せなくてはならない。
 アレクシアは痛む背中を無視するように足を引きずりあるき出す。それをやすやすと許すジョンドウではない。
「まったく……」
 目の端で振り上げられる刀。

 ギィン……!
「……」
 声なき戦士、アカツキが手甲から高い衝撃音を出してその剣筋を止める。
「死んでも通すわけにはいかない」
 その思いは目を通して雄弁に語る。
「どいつも、こいつも……ッ!」
 アカツキは守り人だ。軋む守り人だ。記憶は軋む。思い出せない記憶。守人であることは覚えている。それが何かはわからない。それは目的だったのだろうか? いいや、それは手段であった。守り人という手段。
 けれど手段であれど彼の守り人としての矜持が今体を動かしている。自らを武器とし、驚異から『守る』ために。
 ルフトが言った。未来の希望を守れと。
 この砦は王国の未来だ。その希望をまもるためにアカツキは『希望の■■■■』となる。
 渾身の一撃をジョンドウに穿つ。しかして彼は倒れない。ならばこの『希望(おれ)』と絶望(おまえ)どちらが先に倒れるかの勝負だ。
「君のそのスキル、失うにはもったいなのだけどね」
 背後から音もなく鼎がマークをしかけながら、アカツキに祝福を捧げる。
「うわっと、アンタ神出鬼没とかいわれないか?」
「さあて」
 戻ってきたロバの機械人形が命令待機しているのを横目でみた鼎は状況を分析していく。
 情報こそが力。少女は老獪な笑みを浮かべ情報を分析整理し、戦場をタクトで操る。ファミリアで確認した戦況は良いとはいえない。ゾウを倒したここからが勝負だ。仲間たちの気力も体力も今や尽きかけている。けれどそこからひっくり返すのがたのしいのだと、少女は笑みを深めた。
「悪いけれど、その死に方は遠慮していただきます。自爆は、させない」
 舞花もまた斬魔の刀で、悪を断つ。彼女を動かすのはたった一人で生き残ってしまったサバイバーズギルト。運良く生き残ったのだ。余生は慎ましく過ごせばいい。それが一般人なのだから。けれど彼女は自分の無力が許せなかった。だから人の道をはずれ斬魔の道をあゆみはじめた。そしてこの世界に召喚された。また失った。元の世界に戻ることを諦めたわけではないが、かつての仲間に恥じぬよう、この異界にあっても少女は剣を振るう。
「特攻なんてさせんよ。お前の夢はもう先なんてない。俺が穿ってやる。
 これ以上の犠牲も、茶番もこれで終わりにしよう」
 ルフトが封印の術式を組み立て、放つ。刀に払われ入りが浅い。ならばひとつ、ふたつと重ねるまで。あいにくと、貴様のために咒力は残してあるからなと嘯く。
 ルフトは一見冷静な青年だ。然し、その奥にたぎる情熱はマグマの如くに燃え盛る理想。理想を為すためにかれはいつでも魔術を編み上げる。
「てかさー、おまえだってもー無理ってわかってんだろー? やめちまえよー、ばかばかしい」
 青い徒花の悪意が不可視の衝撃でジョンドウを襲う。
「そういえばその黒い肌、あんたもラサの出か?」
「まー昔の話だけどねー」
「こんなときにまで顔を出すったあ、まったくもってうぜぇ」
 ジョンドウが生き残りの盗賊に指示をだしクロジンデを狙うことを指示する。
「うわーきたねー、かよわいんだぞー、ボクはー」
「ジョン! もうやめましょう」
 ジョンドウに魔力を放ちながら暁蕾は叫ぶ。記憶を失った彼女のなかで思い出した一つがある。
 「求めよさらば与えられん」。それは彼女の世界におけるマタイ伝の「神に祈り求めなさい。そうすれば神は正しい信仰を与えてくださるだろう」という一節。その言葉はこの世界にきた彼女の寄る辺。だから彼女はその言葉に従い与えられるのを待つのではなく、自らが求めるというあり方をやめない。
「やめられねえよ、しつこいんでさあ」
 何度も告げられた否定。それでも。求めることを止めてしまうことはまた大切ななにかを失ってしまうから。叶わないのなんて知っている。煩わしいと思っているだろう。それでも。死に向かう男を止めれるのであれば――。
「あああ!! うだうだうっせぇ!!」
 偽千剣をジョンドウに振り下ろすが避けられてしまう。かまわねえ。このぐだぐだした空気をぶった切りたかったからちょうどいい。
「お前らそろってうっせえんだよ! んなもんなぁ!! 『屍』よ。忠誠だ死ぬだどうでもいいわ!! 俺には関係ねーわ!! おい、俺ら倒したらあいつのケツでも追うんか?」
「因縁なんてもんはどうでもいいんでさあ、俺は王の邪魔するやつをぶっ殺すだけでさあ」
「ああ!!? それはそれで腹たつな!!」
「アンタもめちゃくちゃでさぁ」
「まあいい、ここでお前ぶった切って、本物の『屍』にしちまえば、俺にとっちゃ万事解決ってもんだ」
「ああ、その通りだ。俺があんたらをまとめて『屍』にしてぶちころしちまえば俺にとっても万事解決でさぁ」
「へっ、それが一番わかり易いな、だったらさっさと消えろや!」
 剣を振りかぶって飛び込むアランをジョンドウがカウンターで蹴り飛ばした。
「ほんとに、馬鹿ばかり」
 暁蕾はうんざりするが少しだけそのバカバカしさにモヤが晴れたような気はした。求めるべきはこの状況の解決だ。諦めたわけではないけれどそれでも、やるべき指針ははっきりとした。
 兵士を倒し終えた盗賊たちが集まって来る。
 死屍累々の戦場はなおも熱をもっていく。
 クロジンデが囲まれている状況を改善すべく鼎が向かう。彼女は今や生命線であるスキルをもっている。故にブロックよりも遊兵にしたほうがいいという判断だ。
 アタッカーがフリーになった以上自分の役割はちがうものに変遷する。
 戦闘の天秤は刻一刻とイレギュラーズの方向に傾いていく。囲まれることで回避力が落ちているジョンドウの傷も深くなってきた。
 阡穿月衝を1度撃たれたところでなんとかルフトの封印が入った。
 が、それと引き換えにルフトも倒れる。機械仕掛けのロバがせわしなく動きルフトを避難させる。
 アランと舞花とアカツキは最前衛で剣戟を繰り返し一度は膝をついた。
 けれどもパンドラにいのり戦線を維持し続けている。
「ハッハァ!! たのしくなってきたなあ!」
「あんたらもなかなかヤルでさぁ」
 お互い血みどろで目も霞んでいる。外野の盗賊からの攻撃もくるが前衛にとってはそれすら関係ない。
 泥と血にまみれお互いの境界線すらもわからなくなってきている。
 足は折れているし腕も動かない。
 けれど牙はのこっている。
 戦場で踊る獣たちの状況は悲惨だ。然し彼らの目は決して死んではいない。
 舞花はかろうじて動く右手で額から流れる血を拭う。アカツキは、記憶も意識も茫洋だが、自分は一個の武器であると認識して、体を動かしていた。
「『屍』ェ!! これが俺の正真正銘最後の一撃だ!」
「とかいっててめぇ、それ2度繰り返したんでさぁ!」
 獣達は獰猛な笑みを浮かべ牙を、爪を繰り出している。
「そうだったか? まあいいじゃねえか、二度あることは三度ある。今なら四度目だって五度目だっていける気がするぜ!」
「うぜぇ」
「『屍』!死に際にこの太陽(オレ)を焼き付けろ
 アランはフラフラになりながらも切り落とされた自分の片腕をつま先で蹴り飛ばし偽千剣=フラガラッハ・レプリカを口に加えた。
「これで終わりにしましょう。男の人の意地につきあうのはうんざりです」
 舞花の結い上げた髪はすでに解かれ、ざんばらに切られている。
「……」
 アカツキは言葉を話さない。両手は脱臼した。片足は随分前から感覚は喪われてる。折れた歯を口から吐き出した。けれどまだ戦う意志はある。
 後衛たちから、なけなしの咒力を使い切った援護射撃が放たれる。魔力の奔流が今や避けることも叶わないジョンドウに集中する。横合いからは土塊の拳が強かにジョンドウを打ち据える。
 アランが、
「”ふぇいとれっひょひょらんうるっ!!!(ヘイトレッド・トランプル)“!!」
 舞花が、
「水月……ッ!」
 アカツキが、
「――ッ!!」
 その後衛たちの組み上げた魔力の爆炎の弾幕を抜けてジョンドウに最後の一撃をあたえてそのままその場に倒れ込んだ。
「まったく」
 ボロボロのジョンドウが左右非対称に笑む。
「だめ!」
 体内に装着した魔法爆弾をジョンドウが起爆する。
「俺らの負けだ! おい! お前ら。王に伝えてくれ。俺はアンタの望みを叶えることができなくてすまないと!!!」
 そのボロボロの体にそれほどまでのちからがあったのかと思うほどの声量でジョンドウは部下の盗賊たちに叫んで、言外に逃げろと伝えた。
「じゃあな」
 別れの声に反応して、痛む体に鞭うって、暁蕾、鼎、エクスマリア、クロジンデが彼ら三人の前衛を抱えてその場から全力移動で脱出する。

 ――なあ、王よ。
 俺はなんになれたんだろうな? なあ、王。俺はいなくなるけれど、でも。
 あんたはこの世界を統べる王になってくれ。

 ドォン……。
 低い爆発音が響いた。
 振り向けば砦の少し前で爆発に巻き込まれた木々が燃えている。城壁は多少は破壊されてはいたが、修復は十分に可能な範囲だ。

「馬鹿……」
 暁蕾が、爆炎に顔を赤く染めて誰にも聞こえない程度の声でつぶやいた。

成否

成功

MVP

恋歌 鼎(p3p000741)
尋常一様

状態異常

アラン・アークライト(p3p000365)[重傷]
太陽の勇者
楔 アカツキ(p3p001209)[重傷]
踏み出す一歩
アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)[重傷]
無限円舞
久住・舞花(p3p005056)[重傷]
氷月玲瓏

あとがき

みなさまお疲れ様でした。
見事な作戦により、砦にちかづけませんでした。
兵士たちの采配もみごとです。敵陣営、味方陣営ともに大きなダメージはうけていますが、砦はまもられました。
MVPは相談で見事な采配と分析をされていた鼎さんへ。

参加ありがとうございました。

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