シナリオ詳細
<刻印のシャウラ>メイド・イン・レガド
オープニング
●メイドたちの逆襲
『義に強いものに限って金はない』と申しまして、幻想の貴族様であっても貧乏なかたはどうもいらっしゃるようでございます。
「カチュウさんカチュウさん。頼んでおいたお手伝いの方はいつくるのかな」
「今参りましたよ。ローレットの方々です。挨拶をされますか?」
「彼らかあ。もう四度目になるね。うん頼むよ。数日ばかりとはいっても、メイドとするからには家族も同然だからね」
希少木材の机について金色の髭をついっとなでるこの方は幻想貴族のノージィ氏。
昨今砂蠍の軍勢が幻想の田舎を襲っては略奪をする。住み込みのメイドが里の両親が心配だといって仕事に手が付かない。――というんでノージィ氏は可哀想だからと家族もまとめて安全な王都の宿に暫く避難していなさいと金貨を持たせて休みを取らせたのでございます。
勿論その場の義理人情でうっかりと休みをやってしまったもんですから、お屋敷はがらがらでございます。
代々メイド長を仰せつかっているメイド長のカチュウさんも『また急なお金の使い方をして』と形ばかりは怒ってみせますが、ノージィ氏の人情の深さは領地でも評判ですしメイドたちもそこが好きだというんで慕っておりますから、さらさらとローレットにお手伝いの依頼を出したのでした。
けれどそれが、よもやあんな事件に発展しようとは……。
メイド仕事と聞いてやってきたローレットのイレギュラーズが5名ばかり。
ノージィ氏に歓迎をうけカチュウさんに師事をうけ、掃除洗濯料理に庭の手入れと忙しい日々を送っておりました。
そんなある日のこと。
「貴族貴族ってどいつもこいつもチョーシ乗ってるよなー。どうせ俺ら貧乏人から金を巻き上げて贅沢することしか考えてねえんだろー?
俺らに分けてくれてもいいんじゃないのー? ま、全財産いただくけどなっ」
砂蠍の軍勢が、お屋敷に押し寄せてきたのでした。
リッパーJと名乗る男は新生砂蠍という盗賊の大軍団の下部組織、『切裂部隊』とよばれる連中のリーダーでした。
戦って蹴散らそうと考えたイレギュラーズたちでしたが、相手には多くの盗賊部隊に加えて狂裂滅法斎という用心棒とその弟子たち。実質2部隊が屋敷に集まっておりました。
とてもではありませんが5人ばかりで切り抜けられる状況ではございません。いえ、たった1部隊ですら難しいでしょう。
ですから、カチュウさんが妙案を述べました。
「皆さんがローレットのイレギュラーズだとは彼らも気づいておりません。今はか弱いメイドのふりをして、彼らの隙をつくのです。
今頃外へ飛ばした魔法伝書鳩が外の助けを呼び寄せているはず……内からの奇襲と外からの強襲。ふたつの挟撃でかれら2部隊を倒すのです」
そういって用意されたのは給仕のワゴン。
大広間ではリッパーJと部下の盗賊たちが我が物顔でごちそうをだせと騒いでいます。
さあ。
料理を持って広間へ行き、いざ反撃ののろしをあげるのです。
●イレギュラーズ強襲作戦
「どうもよくいらっしゃいました! 話にゃ聞いてございます。イレギュラーズの旦那方ですね?」
こっそりと領地のはずれまでやってきたイレギュラーズたちを呼び寄せたのは、この地で暮らすパン屋の男だった。
「朝方砂蠍の軍勢がワッと押し寄せてきたんです。ジブンは早くに起きるもんですからそれに気づいてみんなを逃がしたんですが、ノージィの旦那は『自分はいいから皆を逃がせ』って……くぅ、俺にもっと力がありゃあ……」
パン屋の男は腕や足をひどく怪我していた。
どうやら砂蠍の軍勢に抵抗したようだが、それもむなしく敗走してきたのだろう。
その無念を想ってか、今回ローレットから5人ほどのイレギュラーズを雇って砂蠍切裂部隊への強襲を依頼したのがこのパン屋である。
「中の情報は魔法伝書鳩で伝わってございます。どうぞこちらを」
新生砂蠍は謎の資金力と人脈そしてカリスマをもって幻想中の盗賊を束ね巨大な盗賊軍隊を作り上げた。
彼らの力は侮れず、此度の電撃作戦によって幻想南部のうちいくつかの町は落とされてしまっている。
むろん幻想貴族たちは排除を試みたのだが間の悪いことに鉄帝の軍隊が領土拡大を狙った大規模な南下作戦を実行。北方ラインに兵を集めざるを得ず、今や幻想南方は無防備状態となっていた。
今回イレギュラーズたちが砂蠍への強襲作戦を依頼されたのも、無理からぬことであろう。
「――どうです。この作戦で、夜に連中へ襲撃をしかけるって寸法なんです。
外を守ってる狂裂滅法斎ってヤロウは幻想でもちょっと名の知れた用心棒で、その弟子たちもずいぶんと腕が立つらしいんですが……なあに、イレギュラーズの皆さんならなんとかできますよ!」
パン屋の男は景気よく腕を叩いて見せ、その腕が折れていたものだから痛みに悲鳴をあげた。
「イテテ……一緒に行けねえのが無念です。
ノージィの旦那は貴族だっていうのに俺たち平民にもほんとうによくしてくれて、今回だってあの人に命を助けられたようなもんだ。ここの領地の連中はみんなそう思ってる。
イレギュラーズの皆さん。どうか頼みます。ノージィの旦那がたを、どうか助けてください!」
- <刻印のシャウラ>メイド・イン・レガドLv:8以上、名声:幻想20以上完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別EX
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2018年11月15日 21時10分
- 参加人数10/10人
- 相談7日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
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参加者一覧(10人)
リプレイ
●無力なメイドになりすませ
「おーい! ねーちゃんたち、さっさと料理を持ってこい!」
長く大きなテーブルを中心とした広間を、盗賊たちが我が物顔で占拠していた。
焼いた肉を汚らしく食べる者。高級な酒を瓶ごとあおる者。高い壺をボール代わりにして遊ぶ者。
部屋の隅にはロープで拘束された貴族のノージィ氏が大人しく地面を見つめている。
「うーん、どうしてくれようかね……」
食堂の裏。広いキッチンルームからそれらを覗いていた『Jaeger Maid』シルヴィア・テスタメント(p3p000058)。
ギザギザの歯をがちがちといわせ、獲物を狙う獣のような目をしていた。
「奴らの脳天に鉛玉をくれてやれば大人しくなるかぁ?」
「気持ちは分かる……が、落ち着け」
『狼少女』神埼 衣(p3p004263)は一緒になってのぞき込みつつ、煙草を一本だけスッと取り出してシルヴィアへ突きだした。
『分かってる』と手でジェスチャーしつつ二人はキッチンルームへと戻った。
首をこきりこきりと左右に傾けるように鳴らし、苦笑いを浮かべるシルヴィア。
「気分を変えてメイドっぽい仕事でもしてみようかと思ったらコレだよ」
「普段からメイドじゃないんだ……」
その格好で? という衣の視線に手だけ振って応えるシルヴィア。
衣はくわえていた煙草を灰皿に押しつけると、こほんと小さく咳払いをした。
「暫く、メイドっぽくしよう。んっん……ご主人さまー?」
薄味のコンソメスープみたいな表情をして首だけ傾げる衣。
「メイドらしくねえ……こうかしら」
『ミスプラチナ』十六女 綾女(p3p003203)がキッチンの大きな作業テーブルに腰掛けると、スカートの内側が見えるか見えないかの瀬戸際みたいな角度で足を組み替えた。訓練された動きだった。
「ご主人さま」
「エロすぎる」
「エロすぎるな」
「そういうお店みたい」
「全裸を超えたな」
「難しいわね。メイドって接客業のようでいて接客業じゃないし……いっそ水商売なら得意なんだけど」
バランスが難しい。
奥で料理をこなしていたメイド長のカチュウさんがエプロンを外してやってくる。
「正しいメイド像を作らなくても大丈夫ですよ。彼らはメイドのなんたるかすら知らない筈です。この際ですから、実力を駆使してたっぷり油断させてやりましょう。美味しい料理と優しい笑顔。女性の色気を堪能させる……」
『そして殺す』と眼鏡の奥のまなざしで語るカチュウであった。
ノージィ家は珍しく執事や料理人を雇わず、すべてメイドで家事を回していた。メイド長にあたるカチュウはいわば秘書的立場であり、そんな彼女にとって主人をナメられたり暴行を加えられるのは最上級に嫌なこと、なのだろう。
それが表情に出ないのは流石プロといったところである。
「数日だけど、一通り学んだもの。折角学んだんだから、今日はおしとやかなメイドを演じてみましょ」
『宵歩』リノ・ガルシア(p3p000675)そう言いながらもスカートをつまんでしなを作ってみせた。
しなやかに鍛えられた身体の曲線が美しいラインを描き、白と黒のメイド服を一層に際立たせる。
「きちんとおもてなししてあげようじゃないの」
唇の端を釣り上げるリノ。
「私は、もっとメイドでいたかったけれどな」
『特異運命座標』久遠・U・レイ(p3p001071)は小さく肩を落として、フリルのついたクラシックなメイド服を見下ろした。
「せっかく教わった内容になれてきた所だったのに。まったく台無しだ」
「そうね。お代を払ってもらいましょうか」
レイたちは料理ののったワゴンに手をかけ、食堂広間へと歩き出した。
「ラサから流れてくるのはバザールと実家の酒だけで腹一杯だっての……」
相手側から見つからないように身を伏せて、『ノベルギャザラー』ジョゼ・マルドゥ(p3p000624)は山猫めいたひげをため息に振るわせた。
同じく身を伏せていた七鳥・天十里(p3p001668)がふふーんと笑顔を浮かべる。
「あっちもこっちも盗賊ばっかりだね。もうっ、悪者って嫌い!」
「盗賊なだけなら悪くないのである。けどいい人に暴力を振るうのは許せないのである!」
『ぽやぽや竜人』ボルカノ=マルゴット(p3p001688)が赤いしっぽをびったんびったんさせながら歯噛みしていた。
首を傾げるようにして振り返る天十里。
「ボルカノ君はあの貴族さんと知り合いなんだっけ?」
「一度お世話になったのである。貴族らしくないくらいいい人なのである。我が輩おこなのである!」
「うわー、目に見えてキレてる……」
貴族付き合いがそれほどないジョゼはピンとこなかったのか、耳をぴくぴくとさせるだけにとどめた。
「だが、まあ、言わんとすることはわかるな……」
草むらに紛れるような色合いをした帽子を被り直し、『ShadowRecon』エイヴ・ベル・エレミア(p3p003451)が呟いた。
「自分を残して領民を逃がす。幻想の貴族にもこのような人もいるとはな」
幻想とは、弱みを見せれば即座に喰われる政治の魔境。ある意味、戦わなければ生き残れない世界だ。
そんな世界で自己犠牲の選択ばかりとっていれば、当然損もするだろう。実際ノージィ氏の領地も広いとは言えない。
『こげねこ』クーア・ミューゼル(p3p003529)が仰向けに寝転んでいた。流れゆく雲の形を見つめている。
「正直者がそんをする世界なのです」
「……だが、それゆえに愛され慕われた。嫌いでは無い」
依頼は必ず遂行しよう。
エイヴはそう言って、匍匐移動を始めた。
狙撃に適した位置まで移動するつもりのようだ。その移動技術はかなりのもので、移動を始めた段階から既に存在感が希薄になった。ついさっきまで会話していたクーアでさえ、意識して目でおわなければ見失ってしまうほどである。
ころんと転がってうつ伏せになるクーア。しっぽをふらふらと左右にふりはじめる。
「それにしてもメイドさんたちが心配なのです」
理由があって家事能力が壊滅的なクーアも、いわく元はメイドであったという。メイド仕事がろくに出来なくなった今でもメイド服を脱がないのは、それだけ思い入れがあるということなのだろうか。
横目に見ていたボルカノは怒りにまかせていたしっぽの動きをゆるやかに止めた。
そこで、ふと。
天十里が目を見開いた。
「みんなが出てきたよ。連絡、始めるね」
望遠鏡並みに強化された天十里の拡張視野が、屋敷の食堂広間にワゴンを持って現われた仲間たちの姿をとらえた。
その姿を視認。念話接続を開始する。
●作戦決行
ハイテレパスによる配置完了の知らせを受けたリノたちは今、メイドになりすましていた。
はたと片眉の端だけをあげるリノ。
「どうした?」
「いいえ。その指輪、綺麗ですわね?」
口調をどこかわざとらしく変えて、リノは盗賊のつけている金の指輪に目をやった。
「そうだろ? そこのデブから貰ったのさ。指のサイズは案外ぴったりでさ」
そこの、と言って指をさしたのは、拘束されたノージィ氏だ。頭にひどいこぶを作ってぐったりしている。
暴力で奪い取ったものを、その場で女性に自慢すること。
その心の醜さに顔をしかめそうになるが、リノは無知な女を装って耐えた。
もしこれが演技の最中でなければ、スカートパニエの下に忍ばせた大ぶりのナイフを今すぐ引き抜き指ごと切り落としてやった所だ。
この鉄面皮こそ、カチュウの教えた接客術の基本である。己はノージィの指先である。指先が少しでも震えれば事をし損じる。たとえ相手が怪物であっても、メイドであるうちは我を出すな。
それはレイも同じだった。綺麗な絵画や彫刻をどう売り払おうか話し合う盗賊たちに、まるで従属したかのように振る舞っている。
盗賊の煙草に火をつけてやり、高くて美味い酒を只管に飲ませる。
普段からこういった高級な酒にふれていないのだろう。盗賊たちは安酒をあおるようにがばがばと飲んでいった。
元々容姿の整ったレイである。長い髪を後ろに縛ってまとめ、ややぴったりとしたメイド服に身を包んでみればどこからみても屋敷のメイドである。
他の者がこっそりと武器を隠し持っている中で、レイはひときわ無防備だったが……それにはちゃんと理由がある。
「おい、そこの! 丸焼き肉をもっともってこい。貴族のメシはちまちましてて喰った気がしねえぞ」
大柄な男がラムチョップを不作法に食いちぎりながら怒鳴った。
「はい。ただいま」
衣はしゃんとした立ち振る舞いでお辞儀をすると、ほがらかに笑顔を作った。
メイドの基本は笑顔、と言いながら作法を仕込んだカチュウ氏と、知り合いの美少女(?)メイドを思い出す。服は彼女にぴったりに仕立てたそこはかとなくへっちなメイド服があったおかげで随分と見栄えがした。
普段から煙草くわえて鉄塊を振り回してはいるが、ちゃんとお手入れするときっぱりと美少女なのだ。
小柄な身体でちょこちょこと歩き、大皿の料理を苦労して運んではテーブルに並べていく。
「おいガキ、よくできたな。ほれご褒美だ」
食べかけの骨を床に放り投げてくる大柄な盗賊男。
衣は『殺そう』と頭の中で呟きつつ、ご冗談をーとにっこり笑顔を顔に貼り付けた。
カチュウの言葉によれば、メイドは技術ではないという。
在り方であり、生き様であり、心意気であるという。
ゆえに家事も接客も料理も、まして礼儀作法や知識すら、あとからついてくるものだと。
シルヴィアはなるほどと頷いて、思い切って行動に出た。
「まさか今幻想中で噂の新生砂蠍さんに歯向かおうなどという気にはとてもとても……」
長いものに巻かれる女。これを装うべく早口で盗賊にまくし立てる。
生きることに強く執着した彼女の図太さが、言葉に不思議な説得力を持たせた。
「こういう時は強い側に付いて良い汁を吸わせてもらうのが世渡りってモンですよ旦那。よかったら一口いただいても?」
盗賊のグラスに注いでいたワインを持ち込んだ自分のグラスにも注いで飲み始める。
強い人間に従って甘い汁を吸う。
今現在の砂蠍にもそういう人間は多くいたのだろう。それゆえシルヴィアの言い分は受け入れられた。
どうぞどうぞと言って酒を追加しつづけるシルヴィア。
しかし彼女の目の奥にある深い人情や、目の前の獲物をいずれとろうとしている鋭さは……そして袖の内に仕込まれたフォトンシュリケンの発射装置は、盗賊たちには知られていない。
カチュウに教わるまでもなく、綾女は色気のなんたるかを知っていた。
ある人物いわく、色気とは『すこし押したら落とせそう』なことだという。
つまりは隙。つまりは弱み。
綾女はそれを意図的に表層化することに長けていた。
相手が触れても拒みそうに無い距離感や、夜とぎを命じてもついてきそうな危うさを、所作のひとつひとつににじみ出す。
それゆえ、盗賊たちは綾女に強く注目していた。
それゆえ、綾女を含む二人のメイドがリッパーJに近づき、シルヴィアが射撃をするのに有効な位置ギリギリに立ったことに、その場のメイド以外誰も気づかなかった。
リッパーJのそばにつき、酒瓶を傾ける。
ハイテレパスによる通話をオンにしたまま、絶好のタイミングを――突いた。
綾女の肘が、ワゴン上のグラスを落としたのだ。
きわめて高級なグラスは彫刻が走っているものがおおく非常に割れやすい。
パリンという音が、部屋中に響いた。
合図の正確さたるやコンマ一秒レベル。
いやむしろ、動き出す速さで言えばマイナス数秒の迅速さである。
隠密な会話に適したハイテレパスと、遠距離間での視認状態を可能にする超視力をあわせたことで実現した、天十里の機転であった。
「襲撃開始、ゴーゴーゴー!」
こういうときこそ満面の笑顔で、天十里はノージィ邸の庭を駆け抜けた。
花が散り、鳥が飛び、いちはやく気配に気づいた狂裂滅法斎が振り向いたその瞬間よりも早く、天十里のリボルバー拳銃が怒濤の六連発を放った。
左から右へ標的点を線でなぞるように。そしてリズミカルに引き金をひく。
振り切った腕と銃弾倉が美しく発光。弾倉に詰まった空薬莢が銃弾へと無理矢理に変換された。
くるりとスピンしてもう一巡のラインと連射を繰り出していく。
「敵襲!」
刀に手をかけ、動き出す弟子たち。
が、その一人の手首が突如として吹き飛んだ。
ギャッと声を上げる弟子。
時間を巻き戻して見たならばわかるだろう。
庭を大きく迂回して彼らを狙撃するのに最も適したポイントへと、エイヴが事前に移動していたのだ。
スナイパーライフルならまだしも、撃ったのは対物ライフルである。
腕が吹き飛んだだけで済んだのはむしろ、狂裂の弟子たちが相応の訓練を積んだ戦史であることを示していた。
ならばとエイヴは精密機械のような手際で銃をリロードし、再びの銃撃をしかけた。
今度の銃撃は腕を飛ばすためのものではない。初撃よりずっと命中精度は劣るが、仲間たちの突撃を助けるための援護である。
「おのれ、伏兵か!」
振り向き、飛翔斬を繰り出してくる弟子。
エイヴは射撃とほぼ同時に伏せていた身に側転運動をかけて斬撃を回避。周囲の芝が土ごとえぐられていく。
一方でボルカノは猛ダッシュで狂裂へタックルをかけると、吠えるように叫んだ。
「盗賊の用心棒風情に身を窶した、錆びた刀に我を斬る事能わず!」
ボルカノの挑発に、狂裂は乗った。それ以上に、弟子たちがそれに乗った。
斬りかかろうとする狂裂。ボルカノは腰めがけてタックルで組み付き、相手を押し倒す。
弟子の斬撃をかわすようにして転がると、起き上がりざまの狂裂による上段斬りをかざした両手で挟むように受け止めた。
「もう少し、相手をしてもらうである!」
そこへ突入していくジョゼたち。
ジョゼはエメスドライブを狂裂へとしかけた。
彼が混乱して味方を攻撃することを期待してのものだ。
一度は攻撃を受けた狂裂だが、自力でそれを克服。首を振ってボルカノへと斬りかかる。
「ま、思ったほど簡単にはいかないか。そっちは任せるぜ」
ジョゼはすぐさま弟子たちへと標的をシフト。魔力撃での攻撃を始める。
時を同じくして、屋敷の中でもメイドに扮した仲間たちがリッパーJの一団と戦い始めていた。
屋敷へと駆けつけようとする狂裂を行かせまいと、両腕を広げて立ち塞がるボルカノ。それに伴って後ろから攻撃をしかけるジョゼ。
「ボルカノもあっち行きたかったんじゃないの? メイド服姿見たかったナー」
「我輩そんなの着ないである!」
「おのれ、謀ったな……」
「謀ったのです!」
クーアが火炎瓶に火をつけ、弟子の一人に投げつけた。
ぎらりと見開いたクーアの目には、燃えさかる何かの思い出が映っていた。
僅かに気圧される狂裂の弟子。刀を突き出し、振り払おうとする彼に対し、クーアは両手に燃えさかる松明をもって突撃した。
しなばもろとも。いや、むしろ自分ごと燃えてしまいたいと言う想いが炎をより強く燃え上がらせた。
「メイドの恐ろしさを見せてやるのです!」
●奇襲と強襲
メイドの恐ろしさを一番実感しているのはリッパーJたちであった。
テーブルフォークが突き刺さったままの右手を庇うようにして屋敷の中庭に飛び出すリッパーJ。
「なんなんだあいつら。クソ、俺としたことが騙された……!」
時はわずか数十秒前へ遡る。
グラスが床でぱりんと割れたその瞬間を境に、従順なメイドたちは恐ろしい暗殺者へと姿を変えていた。
色気を振りまいていた綾女は手にしていた酒瓶を大胆にも投擲。
魔力を帯びて回転しながら軽く部屋の端まで飛んだ酒瓶は今まさにシルヴィアが接待していた盗賊の顔面へと直撃。
文字通り浴びるほど酒を飲むことになった彼を椅子ごと蹴倒し、シルヴィアは袖をまくってフォトンシュリケンの籠手を露出。発射トリガーを指に素早くひっかけると、リッパーJめがけて連射した。
慌ててよけようとしたリッパーJ。その手を、衣の振りかざしたテーブルフォークが突き刺した。
貴族のフォークやナイフは刃や突起が丸くなっている。武器にはむいていない。
が、衣は自らの腕力で無理矢理手の皮を貫き、骨を砕きにかかった。
刺すというよりは、殴って砕くかのような攻撃だ。
「てめえ、突然なにしやが――」
「こっちの台詞よ、おばかさん」
リノはブーツをテーブルの縁につけるようにして膝をあげ、スカートを大胆にまくり上げた。
その所作にうっかり見とれた盗賊の指、無骨なナイフが繰り出される。
ノージィ氏から奪ったらしい指輪が四本の指ごと飛んでいった。
続くもう一本のナイフを引き抜き、リッパーJへと投げつける。
咄嗟に椅子から転げ落ちてナイフを回避するリッパーJ。
そんな彼の目の前に、まるで無防備なレイが立っていた。
スカートの裾を持ってしとやかに礼をした、その瞬間、彼女の手元に恐ろしく無骨な大鎌が現われた。武器を隠し持つのに最適なスキル、変身バンクによる瞬間装着である。
「悪いねご主人様。遊びの時間はおしまいなんだ」
レイの鎌が、リッパーJへと迫る。
飛び退こうとした彼の首に、しっかりとひっかかる鎌の根元。
レイはそれから逃れようとするリッパーJの胸元を踏むように足を押しつけると、首を僅かに傾げてみせた。
「お帰りの時間だよ」
リッパーJの首が、切断され――る寸前に、彼の両手にナイフが握られた。
恐ろしい速度でふるわれたナイフがレイの足や腕を切りつける。
リッパーJがその調子こいた名前をなのったことには理由があるのだ。彼の手にかかれば人間はたちまち手足を切り落とされてしまうという。
が、レイは攻撃の予兆を瞬時に察知し、攻撃から回避へと行動を転換。素早く飛び退いて斬撃をかわした。
転がるように部屋を飛び出していくリッパーJ。
それを逃すまいと、レイは走り出す。
そうしているうちに、カチュウはノージィ氏の拘束をナイフで解き、彼を庇って一緒に中庭へと走り出した。
リノや綾女、シルヴィアたちもそれを追って走り出す。
リーダーが殺されれば一大事だ。
部下の盗賊たちが自分の装備を手にとって戦いに加わろうとした。
中でも出遅れたのは大柄な男盗賊だ。両手にラムチョップを握っていたせいで出遅れたのだ。壁際にたてかけた大きな剣をとろうと手を伸ばす。
が、その剣を先に握ったのは衣だった。
「おいガキ、そいつを寄こ――」
「うるさい」
衣の腕力によってふるわれた剣が、盗賊の首をはね飛ばした。
肉を囓ったままの首が食堂広間の中央を回転し、テーブルの真ん中に置かれたフルーツ盛りの中へと落ちた。
そして、時は現在へと至る。
中庭に逃げ出したリッパーJと、それを追いかけて流れ込むレイたち仮メイド部隊&盗賊の部下たち。
正面玄関から駆け込むようにして入り込む狂裂とその弟子たち。それを追いかけるように銃撃をしかけながら走る天十里たちの強襲部隊。
それぞれが屋敷中庭にて合流し、総力戦へともつれ込んだ。
リッパーJが放つ投げナイフ。それを鎌の回転で打ち払うレイ。
飛んだナイフが窓を割り、ノージィの部屋に置かれた蓄音機にぶつかった。
セットされたレコードディスクに針がおり、偶然にもスイッチの入った蓄音機が爆音でクラシックミュージックを流しはじめた。
「リッパーJ、助太刀いたす!」
狂裂が刀を抜いて中庭に踏み込んでくる。
その瞬間を、リノのナイフが鋭く狙った。
首へと走った殺意100%のナイフを、狂裂は刀で跳ね上げる。踊るようにスピンしたリノはもう一方に握ったナイフを振り込み、狂裂はそれを歯でがちりととめた。
白銀の月をかたどった彫刻がきらりと光り、黄金の星が彫刻された両刃のナイフをくるりと逆手に返す。
「師匠!」
こんどこそと振り込まれたリノのナイフが、弟子の割り込みによってリノごとはねのけられた。
後ろからエメスドライブを仕掛けるジョゼ。
刹那の疑似生命が狂裂を襲うが、同じく割り込んだ弟子が刀でそれを打ち払った。
その勢いのまま、ジョゼは幻影のジャカランダを抜き斬りかかる。
刀とナイフがぶつかり、一瞬だけ火花を散らした。
走るリッパーJ。
それを追いかけるように走るレイ。
リッパーJの前に立ち塞がった盗賊が次々に鉄串を投擲してくるが、対するレイはそれを大鎌の回転で次々にはねのけ、迫っていく。
一方でカチュウは拘束を解いたノージィ氏を背後に庇いながら中庭の端に陣取っていた。
ノージィ氏を人質にすれば有利をとれるのではと考えた盗賊の一部が襲撃をかけてくる。
「どきやがれメイド風情が」
「メイドを」
カチュウはメイド服のポケットに手を突っ込むと、黄金のメリケンサックを引っ張り出した。くるくると回転させ、勢いよく拳に握り込む。
「「舐めるな」」
眼鏡の奥で光るカチュウの目。
猛烈な勢いで迫るクーアの目。
短剣を突き込む盗賊の肘にカチュウの拳が、首にクーアの燃えさかる刀がそれぞれ添えられ、猛烈な勢いで腕をへし折り首を切り裂いた。
「――なのです」
振り抜いた姿勢のまま吐き捨てるように付け加えるクーア。
「そーだそーだ。メイドはヤバイんだぞ……」
自前の剣をがりがりと地面に引きずりながら現われた衣。
食堂に置き去りにされていた葉巻きをくわえ、オイルライターのフリントホイールをこする。猛烈に吹き上がった炎で葉巻きに火をつけると、深く深く息をついた。
「さて、と……」
「ノージィ殿、助けにきたのである!」
飛び込み前転でノージィやカチュウの前に飛び出してきたボルカノ。
カラテの構えで立ち塞がると、しっぽをびたんと地面に叩き付けた。
カチュウの後ろから顔をだすノージィ。
「おや、君は」
「お久しぶりです」
「挨拶は後である! ――盗賊ども。何人でも来い! 意気込み在らば鱗一枚程度はくれてやる!」
「ぬかしおる……!」
ハンマーをかついだ盗賊がボルカノへと殴りかかってくる。
「ふんぬ!」
頭の上で両腕をクロスするボルカノ。ハンマーの直撃を自らの硬い鱗で受け流す。カッと輝いた彼のオーラが真っ赤な鱗の鎧としてボルカノを覆った。
「効かないのである!」
「でもちょっとだけ痛そうね」
背後にさらっと回った綾女がボルカノの背中をすすっと指で撫でた。
「ヒッ!? なんかびっくりするほど元気になったのである! なにこれ恐い!」
「オトコを元気にする方法は、ね?」
中指を恐ろしく器用にくねくねとさせてみせる綾女。普段は割と見せないプロの技であった。
さておき。ふとカチュウたちの方へと振り返る綾女。
「ノージィさんたちには逃げてほしいんだけれど……」
「外にどんな戦力があるかも分かりません。現状ここが一番安全でしょう」
ノージィを狙う銃弾をどういう理屈か拳ではねのけつつ語るカチュウ。
「私が死に絶えない限りノージィ様には指一本触れさせません。どうぞご存分に」
「そういうことなら……お言葉に甘えて」
綾女は長い髪をなまめかしく払うと、高級な指輪に口づけをした。
先程銃撃を仕掛けてきた盗賊に反撃の魔術を放つ。
と、その時。
屋敷二回の窓を突き破って天十里が現われた。中庭を眼下におさめ、ポーチから取り出したルージュ型爆弾を投擲。
ノージィを狙って銃撃をしかけていた盗賊たちの中央へ落ちた爆弾が激しく爆発を起こした。
天十里はくるりと回転してから中庭中央へ着地。リロード済みの銃をリッパーJめがけて乱射した。
同じく二階の窓からライフルの狙いをつけたエイヴがリッパーJめがけて連射。
「狙い放題だな」
「オラオラぁ、おかわりなら沢山あるぞー」
窓縁に足をつけて身を乗り出し、拳銃を乱射しまくるシルヴィア。
「うおっと!?」
盗賊のひとりが射撃にて反撃してきた。
流石に砂蠍。こっぱな盗賊とは思えないような立派なアサルトライフルで攻撃してくる。
シルヴィアは急いで部屋の中に飛び退き銃撃を回避。
射撃が途切れた隙を狙って頭を出し、銃撃を叩き込みまくる。
盗賊の額にそれぞれ打ち込まれた鉛玉。崩れ落ちる盗賊たちを確認して、シルヴィアはニッとギザギザの歯で笑った。
「やっぱアタシより弱いヤツはダメだな」
「さて、そろそろ仕上げだ」
エイヴが再びライフルの狙いをつけた。
狂裂滅法斎の頭部である。
引き金をひくまで時間はかからない。
ライフル弾が、無数の銃弾が、狂裂滅法斎の頭や胸や腹や足を破壊し、美しく整えられた中庭へバラバラに部位を吹き飛ばしていく。
ほぼ同時刻。リッパーJの身体に無数の刀とナイフが突き刺さっていた。
「くそが……貴族のなにが、そんなにいい……」
「決めつけてかかってる限り、一生わかんないわよ」
ナイフを引き抜いて、リノはリッパーJに背を向けた。
盗賊の肉体が、ぼろぼろに崩れ落ちる。
●反撃の狼煙
シルヴィアの頬についた血をハンカチでぬぐうノージィ氏。
「ごめんね。君たちを危険にさらしちゃったね」
「ちょ、なにすんだ!?」
貴族らしからぬモーションに慌てて引くシルヴィア。
カチュウさんが斜め上の虚空を見つめていた。またやってるなこの人はという顔である。どうやらノージィはメイドを保護するのは自分の責務だと考えているらしく、たとえ一時雇用扱いにあるシルヴィアたちであっても危険にさらすべきではないと考えたらしい。
「危険に晒されたのはあなたの方でしょう。ノージィさん」
綾女がノージィの服についた血やらなにやらをぬぐっていく。
自分が汚れていたことに今気づいたという顔のノージィに、小さく肩をすくめる。
こんなことでは魔境のごとき貴族社会を生き残れないのではと思う一方、慕われる理由が何となく分かった。
「旦那ぁー! 旦那ぁー!」
松葉杖をついたパン屋やハサミをもった仕立屋や大根をもった八百屋たちが屋敷になだれ込んでくる。
「お怪我はないですかい!?」
「すまねえ、俺らじゃ連中に歯が立たなくて」
なんだか好かれてんなあと想いながら後片付けに勤しむジョゼ。
同じく片付けをしていたボルカノがお腹をさすった。
「沢山動いたらお腹すいたのである……」
「料理なら、残してあるけど?」
葉巻き(結構な高級品)を加えたまま『寄ってく?』みたいなモーションをする衣。
「食堂はずいぶんな有様になっちゃったけど、ね」
リノが目をぐるりとやる仕草をした。
首やら指やらが飛び散ってテーブルも大変な有様になっているはずだ。
「そういえば、あちこちを壊しちゃったよね。仕方なかったけど……大変な損害じゃないかな」
天十里がついさきほど突き破った窓やらなにやらを見て顔を引きつらせた。
今更だけどあの窓、結構高そう。
「いいんだよ。しばらくは周辺貴族たちの対応もないだろうしね。美術品なら買い直せばいいだけだし。ねえ?」
ノージィがニコニコして言うが、カチュウさんは損害額を頭で計算して軽く半眼になっていた。
「まあ……なんだろう。私たちはまだメイドの仕事を請け負ってるんだし」
レイが鎌をしまって振り向いた。
「もう少し、手伝うよ」
「あっ、なのですなのです」
衣のオイルライターに夢中になっていたクーアがハッとして顔を上げた。
帽子を被り直すエイヴ。
「しかし……この後はどうするんだ?」
「ははは、もちろん」
ノージィがにっこり笑ったまま、遠くへと振り返った。
「僕のメイドや民を傷付けた報いを、盗賊たちに受けさせるよ」
新たな戦いは、もうそこまで迫っている。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
――mission complete!
――congratulation!!
GMコメント
ごきげんよう、イレギュラーズの皆様。
このシナリオは実質的な2面作戦となっております。
『メイドチーム』『強襲チーム』の2チームに分かれ、この依頼を成功させましょう。
・成功条件:ノージィ氏の生存
・オプションA:リッパーJを倒す
・オプションB:狂裂滅法斎を倒す
・オプションC:切裂部隊全員を倒す
【チーム分け】
元々メイド仕事のお手伝いとしてイージーな依頼にはいった5人ほどと、後に砂蠍の部隊を倒すべく呼び寄せられた5人ほど。
そのふたつのチームに分かれます。
大体半分になっていればOKですので、6:4くらいになっても一応大丈夫です。
【メイドチーム】
あなたがたはノージィ氏に雇われた臨時メイドと執事です。
リッパーJはものを知らないのかもしくは愚かなのか、メイドが時として死ぬほど強いことを知りません。
夕餉の給仕にみせかけて大広間で宴会を開く彼らに近づき、奇襲を仕掛けましょう。
●現場の状況
大広間はながーいテーブルと無数の美術品に彩られた美しい部屋です。一番貴族っぽい部屋ともいいます。
この部屋は今リッパーJとその手下たちが酒とごちそうを飲み食いして勝利の宴会を開いています。
部屋の隅にはノージィ氏が拘束されており、人質にされています。
大広間といっても幅が100メートルあるわけじゃないので、大体レンジ2程度の攻撃におさめると安定するでしょう。範囲攻撃は十中八九味方を巻き込むのでお勧めしません。
●奇襲と戦闘
もし皆さんがかよわいメイドのふりをして、礼儀正しく彼らに料理を出したりお酒を注いだりしてやれば彼らも気を許してしまうでしょう。
そうなったところで一斉に奇襲攻撃をしかけます。
メイドらしく取り入れたかを判定基準として、成功した個人に頭3ターンの間『クリティカル+50』のボーナスがかかります。軽い無敵状態を想像してください。
この間カチュウさんも戦闘に加わりますが、行動はほぼ全ターン『ノージィ氏をかばう』に費やされる予定です。カチュウさんに敵を倒すほどの攻撃性はないですが、案外タフで防御が硬くなぜか毎ターン50くらい再生します。メイド長の戦闘モードです。
【強襲チーム】
夜間、屋敷に襲撃をしかけます。
しかけるタイミングは内部のメイドチームが奇襲をしかけるのとほぼ同時。
すごく目がいい人がいたり、きわめて適切な合図の手段が用意されていたらタイミングがばっちりあいます。(なくてもそこそこは合います)
狂裂滅法斎とその弟子たちを相手に戦闘をしかけ、彼らの戦力を削りましょう。
ここでの戦闘はかなりガチめになりますが、主な目的は狂裂滅法斎たちを『数ターンの間』屋敷内の援護に向かわせないことです。
これが長ければ長いほど成功条件に近づきます。オプション達成条件にも近づくでしょう。
●現場の状況
貴族の庭園。屋敷正面での戦闘になります。
一応大広間からも様子が見えるので、互いの状況をなんとなーくは確認できるはずです。ただし距離が遠いので戦闘が交わることはありません。
【合流パート】
もし双方の作戦があるていど美味くいった場合、リッパーJと狂裂滅法斎はそれぞれ庭に飛び出すなり屋敷に逃げ込むなりして合流するでしょう。
(どのあたりで、どの程度の戦力を残して合流するかはここまでの作戦次第です)
合流したら今度はイレギュラーズ側も合流し、残る戦力でもって総力戦をしかけます。
【エネミーデータ】
・リッパーJ
強盗の常習犯。小回りのきくスピードタイプのスペックをしている。
コンバットナイフと投げナイフが武器。
・盗賊の手下たち
10人前後。ナイフや銃で武装している。室内で戦うさいはナイフがメインになるはずだが、慌てるとうっかりレンジにあわないスキルをつかって命中値の減少を起こすことも。
・狂裂滅法斎
腕利きの用心棒。日本刀を武器とし、ひとりだけでも充分強い。
攻撃力が高くその他のバランスもよいため弱点らしい弱点がない。
純粋な戦闘力で勝負するのが吉。
・滅法斎の弟子たち
5人程度。滅法斎ほどではないがそれなりの手練れ。
戦闘力は滅法斎をそのままレベルダウンしたような具合。武装も日本刀。
【おまけ解説】
ノージィ氏はローレットともなじみのある貴族です。(発足当初からのおつきあい)
いい人すぎて損をするという人柄で、そのぶん多くの人々に愛されています。
ローレットが荒事関係で関わるのは、地味に今回が初めてでした。
関わりのある依頼はこちらの三件。みなメイドのお手伝いです。
https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/3
https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/280
https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/605
【アドリブ度】
ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用くださいませ。
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