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シナリオ詳細

<Je te veux>轍に沈む力

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<Je te veux>轍に沈む力
 幻想王国、イレギュラーズたちの集まる『ギルド・ローレット』。
 つい先日は、冠位色欲の進軍を許してしまい一時の危機に瀕したのは間違いない事実。
 しかし、そこは一致団結してその進軍を食い止める事ができた。
 だが……そんな『ギルド・ローレット』のギルドオーナーであるレオンの影は……そこにはなかった。
 突然姿を消してしまい、今や行方もしれず……そして、彼の背中を追いかけていたユリーカが、その代行を今、精一杯努めている様で。
『まったく、レオンは何時もかってなのです。何処かをほっつき歩いて……ですが、ボクたちはやれることをしましょう!!』
 と、集まったイレギュラーズ達の瞳を見上げて、元気いっぱい声を上げる。
 そしてそんな彼女が説明するのは、終焉の獣『ベヒーモス』の動向。
「最近『でっか君』から零れ落ちたちいちゃな『でっか君』、わかりにくいから『ちっさ君』と呼ばせてもらいますけど、これが世界各地に次々と転移してしまっている様なのです。どうも各国にある『パンドラ』を集める『パンドラ収集機』の気配を察知して、そこにワープする、という行動を繰り返している様なのです」
「加えてこの『ちっさ君』の周りには狂暴な終焉獣が、ちっさ君を護る様に姿を表している様で、これが更なる被害をもたらしてしまっています。このままでは混沌の国が本当に崩壊に近づいてしまいかねないですし……そこで皆さんの力を貸してほしいのです!」


 そして君たちに振り返ってユリーカは。
「ええと……皆さんには鉄帝国で、おとり作戦をお願いしたいのです!」
 と言いつつ、鉄帝国首都から東に進んだ先にある『鉄道都市ルベン』を指す。
「皆様の記憶にもあるでしょうけれど、この都市の地下には地下鉄道の路線の遺構が残っています。当然そこには人々の思いが依然として色濃く残っており、パンドラも残っている様です」
「でも、パンドラが強く残っているという事もあり、ここでパンドラ収集機を動かせば、効率的に回収できるのはまず間違いありません。ですが、収集機が動けば、『ちっさ君』に感知されるのは時間の問題です」
「とは言え悠長に敵の妨害を恐れていては、事態は悪い方向に向かうばかりです。逆に言えば、収集機を使うことであえて彼らをおびき寄せて倒せば、敵の数が減らせて一石二鳥、という訳です!」
「という訳で、イレギュラーズの皆さん。『ルベン』に向かってほしいのです。よろしくおねがいします!!」
 と、精一杯イレギュラーズ達の背中をたたくが如く送り出すのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 鉄帝国の地下に広がる『地下鉄網』……懐かしい場所ですね。


 ●成功条件
  『パンドラ収集機』を持ち『鉄道都市ルベン』にて発動させ、おびき寄せられた『ちっさ君』らを一網打尽にする事です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はCです。
  情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

 ●周りの状況
  鉄道都市ルベンの地下鉄道網が舞台となります。
  光がないと真っ暗なので、光を持って行く必要があります。
  また冬の季節もあり、極寒……かつ、氷の精霊の力が強く働いている様で、敵の取り巻きになる終焉獣も『氷の力をまとった』敵陣となります。
  当然攻撃手段は冷気を中心軸とした攻撃を回してきますので……バッドステータスによく注意して対峙する様にしてください。

 ●討伐目標
 ・パンドラ収集機を狙う『ちっさ君』
   ベヒーモスの姿形をした、一目的にはかわいい風体のマスコット敵なキャラクターに見えます。
   とは言え戦闘方法として、冷気の精霊を食らっている様で前方範囲を氷結させるような攻撃を行います。
   加えて皆様の攻撃を見て、学習する習性がある様です。
   ゆえに下手に能力を使って攻撃すると、更なる強化になってしまう……という事すら有り売るので、特に注意が必要です。
 
 ・氷のオーラをまとった『終焉獣』
   氷狼の群れになります。
   攻撃手段は通常の獣の様な攻撃手段に加えて、氷のブレスをはく行動を行います。
   また、仲間の氷のブレスを浴びると、逆に体力を回復する……という、攻撃かつ防御の一挙両得な攻撃手段をとってくる様です。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <Je te veux>轍に沈む力完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2024年02月27日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

オリーブ・ローレル(p3p004352)
鋼鉄の冒険者
シラス(p3p004421)
超える者
ソア(p3p007025)
無尽虎爪
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
柊木 涼花(p3p010038)
絆音、戦場揺らす
イルマ・クリムヒルト・リヒテンベルガー(p3p010125)
生来必殺
三鬼 昴(p3p010722)
修羅の如く
紅花 牡丹(p3p010983)
ガイアネモネ

リプレイ

●寒空の下
 ギルドマスター、レオンの姿が消えて暫し。
 世界に漂うパンドラを求め、混沌世界に突如姿を表した【ちっさ君】と……それに対抗すべく、パンドラと共に世界各国を飛び回るイレギュラーズ。
 護らねばなるまいという意思……の傍らで。
「……クソッ……寒い……」
 フードを深く被り、舌打ちしながら雪道の街道を歩くは『竜剣』シラス(p3p004421)。
 彼が舌打ちしたくなるのも当然の事。
 ここは混沌世界の中でも北方に位置する、鉄帝国。
 冬というこの時期柄もあり、足跡が深く残るように津々と降り積もる雪と、極寒の風が吹きすさぶ。
 そんな冬の厳しい天候が……皆の体力を、ジリジリと貪り喰らっていた。
「うん、すっごい寒いよね。でも……こんな寒さに負けるわけにはいかないんだよ!!」
「ああ……そうだな。この寒さ、去年も散々味合わされたんだ。そんな所を舞台にして、巫山戯た真似をしている奴らには、負ける訳にはいかねえんだよな」
 『無尽虎爪』ソア(p3p007025)の言葉に頷きつつ……寒さに気合いと共に己を奮い立たせるシラス。
 更には、『灯したい、火を』柊木 涼花(p3p010038)も。
「そうですね……寒い……でも、この程度で凍えてなんていられません。今回も精一杯、わたしにできる事をしなければなりません……!」
 僅かに震える手を、拳を、ぎゅっと握りしめ、寒さを耐える。
 そんな仲間達の、寒さ対策の仕草に対して……『鋼鉄の冒険者』オリーブ・ローレル(p3p004352)はというと、震えることも無い。
「……皆さんからすれば、この寒さは堪える寒さなのですね?」
「ええ……オリーブさんは、寒く無いのですか?」
「はい。極寒は、鉄帝に居る者として慣れていますから。更に暗い所も問題ありません。自分に取っては恐怖も何もありませんし、どちらも自分に有利な条件、と言えるでしょう」
「そうですか……凄いですね」
 オリーブの言葉に、素直に感心する涼花。
 ……と、そうしていると。
「あっ。あそこだ!」
 雪降り続ける街角を左へ、右へと曲がり……ソアが指指した先にはマンホール。
 そこを開けば、地下へと続く梯子階段が掛かっていて……一人ずつ、そこを下ると、降りきった先には、暗闇に包まれた広大な空間。
 コツ、コツと言う足音すら、その広大な空間では木霊するように響き渡る。
「ここがルベンの地下遺構かー……かつてかーさんも戦った地、か」
「そうねぇ……随分と懐かしい場所だわね。過去の思い出はいろいろ有るから語りたいし、浸りたい所だわね……」
 その広大な空間を、確認する様に見渡す『ガイアネモネ』紅花 牡丹(p3p010983)と、目を細める『狐です』長月・イナリ(p3p008096)。
 過去も大きな戦いが繰り広げられ、人々の血と涙がこの地に零れ落ちた……鉄道都市ルベン。
 目の前に広がる大空洞は、鉄帝国の地を網羅するべく整備された地下鉄道の為の遺構として作られた構造物。
 外に比べれば、寒さは多少は和らいでいる……だが、戦乱からの避難に疲弊し、飢え、そして……死に至ってしまった者たちも多数居た。
 故に、人々の様々な思いがこの地下遺構には渦巻いている訳であり、それをパンドラ収集機で集める事で、【ちっさ君】を誘き寄せられるだろうというのが……今回の作戦。
「今回は、ここ、地下の鉄道遺構でベヒーモスを迎え撃て、という訳か」
「そうだな。小人達がちょこまかと五月蠅いものだ。一気にゴミ箱にブチ込んでやりたい所だ。ただの人形如きが、知的生命体に頭脳で勝てると思い上がらないで貰いたいものだがな」
 『修羅の如く』三鬼 昴(p3p010722)の言葉に、刺々しく『生来必殺』イルマ・クリムヒルト・リヒテンベルガー(p3p010125)は吐き捨てる。
 昴は、そんなイルマの言葉に、少し考えた後。
「……ベヒーモスは、知的生命体なのだろうか……? 良く分からないが、取りあえず今回の依頼は現れたヤツを片っ端から叩き潰していけばいい、という事か。それならば、考える事も少なくて楽でいい。全力で潰すとしよう」
 納得するかの様に頷く昴……それにオリーブも。
「そうですね。この様な暗い場所です。敵が暗闇に対応出来なければ、一方的な戦いが出来たかもしれませんが、そうはいかなさそうです。とは言え、こちらも易々と退く訳にはいきません」
 真摯に、真っ直ぐ暗闇の空間を見つめ……静かに戦意を高める。
 それにイナリは。
「そうだわね。敵がやってくるから優先度はこっちの方が上だわ。さっさと撃破して、周辺観光? と行きましょうか!」
 ふふっ、と笑い、そして。
「そうですね……では、気を引き締めて行きましょう。滅びとの戦いは、まだまだ道半ばですから」
「ああ、そうだな。ここで立ち止まっている訳にもいかねぇ。これ位の寒さに負けてたまるかってんだ! っし、取りあえずパンドラの集まってそうな所を探すとしよう!」
「りょーかい。一応過去の記録から、戦いが激しかった場所とかは調べといたしな、誘導するぜ」
 オリーブ、シラス、牡丹も言葉を続け……そしてイレギュラーズ達は、暗やみに包まれたルベンの地下鉄道網のパンドラの気配が強い所へと向かうのであった。

●鳴音と
「……うーん。この辺り、かな……?」
 首を傾げるソア。
 一面の漆黒に包まれた空間、更には完全に覆われている地下という閉鎖的な空間という事も相俟って、パンドラの流れは、どうしても分かりづらい。
 ただ、過去の戦乱の結果壁に刻まれた傷痕や、壊れたバリケード……死した人の残した遺留品、等。
 ここで、確かに人々は生きていた、そんな証はちらほらと点在しており、そういった物の近くには人々の思い……パンドラが依然として残されて居る。
 そんなパンドラの痕跡を一つ一つ確認為ながら歩いて行くイレギュラーズ。
 ……降りてきた所から、少し奥に進んだ所で。
「……此処は何だ? さっきの所に比べて寒い気がするが」
 風が吹いている訳でもないのに、先程までの所に比べて一際寒さを感じる所。
「確かに寒いですね……何かあるのかもしれません。ちょっと調べて見ますね」
 と涼花はファミリアーを空に飛ばし、周囲を確認。
 更にイナリも、声の反射を利用して物を確認し、ソアも感覚を研ぎ澄ませて、他との違いが無いかを調査。
 暫し調査した結果は……以前氷狼達が暴れ廻り、人々をここで喰らったという事。
 他の場所に比べて残された遺留品も多い。
「……つまり、悲劇的な事件が起きた場所、という事か……なら、ここで収集機を起動すれば、効率的に回収できそうだな」
「ええ、そうですね……では皆さん。ここで宜しいでしょうか?」
 シラスの言葉に、オリーブは皆に問い掛ける。
「ああ、問題無い」
 とイルマが促し、皆も頷き……そしてオリーブはパンドラ収集機を置く。
 稼働を開始した収集機は……周りのふわふわと浮遊する光を吸い寄せるように動き、更にイレギュラーズ達も、何だか近くに寄ると身体が重くなったような……そんな感覚を覚えさせる。
 ただ、流石にパンドラ収集機を放置しておく訳には行かない。
 それに引っ張られないように、しっかりと気を強く持ちながら、暗闇の中にしっかりと目を凝らし続ける。
 ……そして、十数分が経過した頃。
『……グルゥゥ』
 閉鎖空間に響きわたる、獰猛な獣の鳴き声。
「……来たよ」
 小さくソアが仲間達に告げる。
 だが、まだ動く事は無い……静かに暗闇の中で、先程の警戒を継続。
 そして……更に数分。
『……ウォォォン』
 先程の獣とは違う、別の鳴き声……。
 獰猛な獣の鳴き声と、別の鳴き声は呼応するように鳴り響いていく。
 ……そして。

 --ガシャン!

 と、何かが差動する音が響き渡る。
 そこにはロープが絡みついた獣の姿。
「ざまあみろ! 勉強になっただろ? 攻撃だけが戦いじゃないんだよ!」
 と、威勢良い言葉で立ち上がる牡丹。
 いつのまにか仕掛けていた罠にかかったのである……ただ、罠に掛かった獣は一体だが、その周りにはかなりの数の獣達がいる。
 薄灯りを灯せば、その身体から冷気が漂っており、氷狼であるのは一目瞭然。
「っし、んじゃ始めるとするか!」
 と先陣を切って飛び出すのはシラス。
 罠に掛かって悶える氷狼に向けて、己が力を最大限強化した、強力な一閃を叩きつける。
 無論、その一閃を躱す事は出来る訳もなく、獣は一刀両断。
 ただ、その周りの獣達はシラスの動きに対峙するよう少し距離を取りながら、氷のブレスを吐き付ける。
 地面がカチコチに凍り付くと共に、周囲の温度が一回り下がったような、そんな気もする。
 そんな氷狼達の動きに続き、イレギュラーズの頭上の方から別の氷扇閃が吹き付けられる。
「上の方!」
 咄嗟にソアが注意喚起し、極寒の一閃は寸前の所で躱す。
 そして視線を向ければ小さい翼でパタパタと飛びながらも、ブォォン、ブォォン、と鼻息を荒くさせているマスコット……いや、【ちっさ君】の姿。
「あれが、パンドラを狙うベヒーモスですか」
「その様だ……それを奪われないように頼む」
「ええ、勿論です」
 昴に頷きつつ、オリーブはパンドラ収集機の近くを離れずに対峙。
 ちっさ君は、ブォ、ブォォ……と、パンドラ収集機を渡せ、と訴え掛けている様にも感じる。
「貴方には、絶対に渡しません」
 とオリーブは完全拒否し、ちっさ君に向けて城をも破戒する強力な一閃を叩き込む。
『ブォォォ!!』
 鼻息で、くるりと空を舞い回避するちっさ君。更に流れる様な動きで効果し、オリーブに向けて体当たり。
 その小さな身体に似つかわしくない、極めて重い一撃を叩きつけられる。
「っ……」
「大丈夫ですか?? すぐ、回復します!」
 と後方で全体を俯瞰していた涼花がオリーブを回復為、収集機を奪われないように立ち塞がり続ける。
 そして、降りてきたちっさ君との距離が縮まったのを利用し、シラスは。
『ブォ!?』
「さぁ、やろうぜ!!」
 と、どこか嬉しそうに叫び、ちっさ君を地面に叩きつけながら、渾身の一閃を叩きつける。
 翼に傷を負い、ジタバタしているちっさ君に、更にイナリも。
「孫子曰く……攻撃は最大の防御、ってね。学習する時間なんて与えずに削りきってみせるわ!」
 と続けざまの連続攻撃を叩きつけ、更にイルマ、昴は。
「敵を殲滅するなら指揮官から。これは基本だ、頭脳が消えれば烏合の衆というものだ。ま、残念ながら小人の身では、指揮官を務めるのは身が重すぎるだろうがな?」
「そうだな。極限まで突き止められた破壊の力、その身でとくと味わえ」
 そんな二人の言葉に牡丹は。
「ああ。オレ達の攻撃を見て学習するんなら、学習する前に完膚なきまでに叩き潰してくれ! その間、氷狼はオレが惹きつけてやる!」
 と言いつつ、牡丹はソアと共に氷狼に対峙し、仲間達がちっさ君へ攻撃するのを邪魔しない様に行動。
 そして、互いに声を掛け合いつつ、瞬く間にちっさ君の体力を削り去って行く。
 ただ、流石に1刻の内で削りきる事は出来ず……次の刻になると、ちっさ君は。
『ブォォォォ!!!』
 イレギュラーズ達の攻撃の中で、一番痛かったからかは分からないが……またも空に舞い上がり、勢いづけて体当たりの攻撃。
 再び大ダメージを喰らうものの、涼花の回復でパンドラ収集機を手放すことは無い。
 無論、氷狼達の氷のブレスは変わる事無く吐き続けられ、極寒の冷気はジリジリとイレギュラーズの体力を削っていく。
 でも、決してそれに退くような事は無く、優先すべくはちっさ君。
 二刻、三刻……そして、四刻経過したところで、どうにかちっさ君を仕留める事に成功。
「うっし、仕留めたな。さすがだぜ!! それじゃあ残るは氷狼達だけだ。こいつらもさっさと倒して行くぜ!!」
 と牡丹が仲間達を鼓舞すると共に、目の前の氷狼らを挑発。
『グルウゥウウ……!!』
 牙を剥き、目を血走らせる氷狼達は氷のブレスで体力を回復しつつ、反転攻勢。
 流石に氷狼達の数は多く、一匹ずつ倒すとなると骨が折れる。
「本当に数だけは多いね。でも、もう遊ぶのには飽きちゃった。だから遊びはおしまい。お返しの時間だよ!!」
 ニッ、と笑みを浮かべたソアが、鋭い爪を擦れ違い様に次々と喰らわせ、裂く。
 傷ついた傷痕に、更にイナリが道塞ぎの一閃。
 終焉獣は、所詮は獣。
 猪突猛進の動きを見越した上で、それをうわまるような動きで敵を誘導……行き着いた先で、昴の拳とイルマの銃声の合奏。
 そんな死の合奏は、終焉獣の勢いを制圧。
 牙を砕かれた終焉獣は一匹、また一匹……と、次々と打ち崩されていくのであった。

●寒さの中で見えるのは
『……グゥゥゥ』
 響きわたる、獣の断末魔。
 全ての終焉獣を倒し……再び鉄道遺構は、暗闇と静けさの中に包まれる。
「……終わった……かしら?」
 武器を降ろし、周囲を見渡すイナリ。
 暫し黙っていても、他に声、音がしない事を確認。
「……うん。終わった見たいだね。ああ、スッキリしたー!!」
 大きく身体を伸ばすソアの仕草はどこか可愛くて、フフフとイナリは笑い。
「そうだわね。取りあえず無事に『ちっさ君』を倒せた訳だし、あとはパンドラ収集機は大丈夫かしらね?」
 と言いつつ、稼働しているパンドラ収集機の下へ急ぐ。
 低い稼働音が続いており、その周りには綿帽子の様にうすく、ぼんやりとした光の球が浮遊している。
 それに手を触れれば、この寒空の中、ほんのりと暖かく感じられ……心もほっとするような、そんな気がする。
「……ありがとう、みんな……もう、大丈夫。安心して……」
 と涼花が光の球に語りかけると共に、パンドラ収集機を停止。
 集まりつつある光は、暗闇の中に散らばって、見えなくなっていく。
「っし……パンドラも喰われる事無く、無事に返せたって訳だな。取りあえず、お疲れだぜ」
「ええ、お疲れ様でした。という訳で、どうしますか? ……一応、他の脅威が迫っていないか、確認した方が良いでしょうかね?」
「そうねぇ……ここに来るのも久しぶりだし、観光……って訳ではないけれども、記憶を思い浮かべながら少し回っても良いかもしれないわね」
 サムズアップするシラス、オリーブの問い、そしてイナリの言葉。
 ……確かに此処で事件が起きていたのは、約一年ほど前の事。
 その時には、この様な事件が起きるだなんて、全く思いもしなかった所。
 ただ、一年の期間が過ぎれば、この地に棲まう人々の生活も、再び根を生やしつつある時。
「流石に地下遺構に他の敵がいれば、地上に住んでる人達が危ないしね。よーし、あともう一仕事頑張らないと!!」
 意欲満々なソアが先頭に立ち、地下遺構にその他の敵が居ないことを確認。
 一通り確認が終わり、再び地上に戻った時には空も真っ暗、深夜の刻。
「終わった終わったー……っと。あー寒い。取りあえず温まってから帰ろうぜー」
 と牡丹は既に調べておいた、街の宿屋兼酒場の方向を目指すのである。

成否

成功

MVP

紅花 牡丹(p3p010983)
ガイアネモネ

状態異常

なし

あとがき

ご参加頂きました皆様、ありがとうございました……!
寒くなったり暑くなったり、と体調崩しそうな天候の繰り返しですね……皆様もお体にはお気を付け下さいませ……!

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