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シナリオ詳細

<Je te veux>終焉否定のlost chaosⅠ:暴食と怠惰の願い

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●願封じ(がんふうじ)
 人は生きれば何かを願う。
 願ったなにかのどれかは叶う。
 けれどどれかの祈りは尽きず。
 潰えたなにかも再び願う。
 結局願いは渦を巻く。

 願いと願いが反する時、どれかは叶いどれかは消える。
 同じ願いの、違いはなあに。
 違う願いの、同じはなあに。
 やっと見つけた願いの礎。
 人は他人(ひと)ゆえ交わらず。
 交わらぬゆえ心を乱す。
 
 願い続ける困難と。
 邪魔され続ける災難を。
 全て受け入れ眠れれば。
 全て拒んで喰らえれば。
 そんな極みは神にだけ。

 なれば願いを捧げましょう。
 譲れぬ思いを示しましょう。
 だからどうか、その大いなる恩寵を。
 我らが命にお与えください。
 どうか、我らに。
 どうか、我に。


●願いの審判Ⅰ
「今日のお仕事はなあに?」
 つり目の少年が問いかければ。
「少し忙しくなるかもしれないかなぁ」
 たれ目の少年が答える。
「どうして?」
「全てを喰らう暴食と、全てに奉仕し堕落させる怠惰のお願いだからね」
「えー。面倒そうだなぁー」
「こらこら」
「そりゃあ生きるのにはエネルギーが必要だけどさー。
 ボク達が滅びのアークを吸収するみたいに、あれを食べればいいのに」
「パンドラ?」
「それそれ」
「仕方ないよ。人は一人では生きられない。一人の願いも可能性もちっぽけだもの」
「そのくせ自分だけはーって幸せを願うのにね。人間ってこわーい」
「怖いね。ボク達は先に教わってて良かったね」
「そうだね」
「「オマエ達はきっと救わナイ」」

子供達は強く手を握った。


●黒豹と黄虎
 その日、『Pantera Nera』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)はイレギュラーズとしてではなく飲食店『Stella Bianca』の店長として、幻想内の一画に設けられた特設スペースにいた。
「よし。それではキミ達は飲食スペースの設置を。席の間隔には気を遣ってくれ。
 今回は復興支援の一環。孤独を感じる者がいればそれに悩む事が無いよう。
 家族や友人が集えば無事を祝い団欒を楽しめる場となってこそ、意義がある」
 そこへ、人だかりに興味を惹かれて『無尽虎爪』ソア(p3p007025)がやってきた。
「あ、モカさんだ。モカさーん」
「やぁソアさん。先日のお祈り以来かな?」
「あれなんかニンジンが……ま、いいや。ところで何してるのー?」
「ちょっとした仕事さ。先日の色欲魔種侵攻は相応の被害を生んだだろう?
 見かねた一部の貴族達が被害にあった幻想の人々へ支援を行うと決めたらしくてね。
 ローレット経由で私の店に何か出来ないか、と相談がきたから。
 こうしてビアガーデンを開くことにしたんだ」
「ビアガーデン!? それって、外でお料理とかお酒とかを沢山楽しめるやつだよね?
 いいなー、ボクも食べたいなー」 
 ソアの瞳が爛々と輝く。
「今はまだ準備中でね。もし手伝ってくれるなら、ソアさんの分は私がサービスしよう」
「本当!? そんなのもちろん手伝うよ!」
 ソアの食欲の程度を知っていればモカはこう言わなかったかも知れないが。
 仮に彼女の背に尻尾が見えていたならば、ブンブンと振れるであろう様子。
 これを見せられては接客冥利に尽きるというものだ。
「ありがとう。じゃあまずは一号店から食品の在庫をここまで持ち込むのを協力してもらおうかな」
「はーい、ボクにお任せだよ!」
 モカとソアは二人並んで歩き出す。
 豹と虎。彼女らの胸には封じられた願いがあった。

 ――あれも、これも欲しいなー。 全部今年中にやるから!
 ――この混沌に生きる者すべてが飢えに苦しまない日常が続くように。
   私の店が皆の助けになれれば。


●花咲く笑顔は守るべき白き星
 モカとソアを中心とした準備作業は着々と進行。
 人々がほどよく腹を空かせたディナータイムに、催しは始まった。
「さぁ、Stella Bianca Presents 、幻想ビアガーデンの開幕だ。 乾杯!」
「「「かんぱーい!」」」
 ソアを始めとした参加者達は、喉をごくごくと鳴らす。
 良い飲みっぷりにモカもほころぶ。
 数々の破滅を打ち払ってきた仲間達。
 及ぶ限りの力とはいえ、精一杯イレギュラーズへ協力してくれた冒険者や情報屋。
 そうした立ち上がる者に救われた人々。
 家や大切な人を喪った者。
 各々の心に揺蕩う色は違えども。
 己が提供する食事と場所と時間をもって、客の心が白く瞬く星となるまで磨かれていく。
 その喜びこそが自動人型人形(アンドロイド)の成功例。
 人間モカ・ビアンキーニが胸へ詰め込んだ夢の一つなのだから。

~~~

「しまった。調味料の替えが足りないな。店に取りに行ってくるから、ここを頼む」
 ビアガーデンが盛況を博する中。
 ボランティアで協力してくれている仲間に厨房を託す。
(大した量じゃない。裏通りを通った方が早いか)
 モカは先程ソアと通ったものとは違う道を選ぶ。
 幾分か進んだ先、人目が消え去ったところで、背後から声がした。
「こんにちは」
「……っ!」
 送る視線の先には手を堅く握り合った子供が二人。
 彼女は声でなく臨戦態勢を返した。
 人が見れば些か性急に思えたかも知れないが、これがただの子供ではなく、通り過ぎたばかりの場所へ音や気配もなく現れた存在ならば当然と言えよう。
「……何者だ?」
「あなたの願いを叶えに来ました」
 それだけ言って、たれ目の少年が手をかざせば。
 足元に生じた魔法陣から黒い人型が現れる。
(むっ。この個体は……!)
 モカにはこの人型の姿に、纏う滅びの気配に覚えがあった。
「終焉獣!」
 流星が如き早業は彼女が鍛え上げた格闘術。放たれる連撃。
 確かにそれは終焉獣を捉えるも。
「あーもう駄目だってば」
 つり目の少年から発された魔力が終焉獣の内から障壁となって彼女を押し返す。
「あんたが願ったんだよ? ルールは守ってくれなきゃ!」
「どういう意味だ?」
「簡単な話ですよ」
 たれ目の少年は白いコートのポケットからリンゴを取り出すと、相棒の口へと突っ込む。
 シャリシャリと、この場に相応しくない音が刻まれる度。
 人型は大きな口に噛みつかれたかのように欠けていき、やがて消滅した。
「魔法陣の中にはビアガーデンに来ている人と同じ数だけ終焉獣を用意しています。
 あなたは来た人達を美味い食事で楽しませればいいんです。新しい朝を迎えるまで」
「出来なければ?」
 端的に。過ぎる答えではないことを願い、確認する。
「願うことは生きること。あなたが願うように、この世界は願っています。
 予言の成就を。あとはどちらの願いが叶うかの違いだけ」
 ああ、やはり。
「だから死にます。あなたも、願われた人々も。滅ぶだけ」
 子供達は必要な事を話し終えると、魔法陣の中へと入り姿を消す。
 緊張の糸が切れたように、モカも構えを解いた。
「……ふっ。確かに儀式は継続が大切だとは言ったが」
 我ながら厄介なものに手を出したものだな。
 ため息と共に、呟きは人知れず路地裏の影に染みていく。

ーーーーー

※1分で分かるOP
●1(PC情報)
良く分からん言葉の羅列だぞ!
(関連シナリオ:https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/10657 )

●2(PL情報)
子供達が意味深な事を喋ってるけど良く分からんぞ!

●3(PC情報)
PC:モカさんがビアガーデンをやることになったぞ!
たまたま通りかかったPC:ソアさんも協力して準備したぞ!

●4(PC情報+GMコメント一部PC情報化)
ビアガーデンが始まったぞ!
途中抜け出したモカさんが、子供達に出くわし色々言われたぞ!

GMコメント

※相談日数4日です。状態異常などに注意してご参加下さい。

●目標(成否判定&ハイルール適用)
 ビアガーデンを出来るだけ穏便に進行させる
 ビアガーデンを楽しむ
●副目標(一例。個人的な目標があれば下記以外にも設定可)
 ビアガーデンを完璧に運営し朝を迎える(被害者ゼロを目指す)
※シナリオ背景は昼間になってますが、時間帯はディナータイムからスタートです。

●優先
※本シナリオは、以前に運用したシナリオ内プレイングに影響を受け制作されています。
 そのため本シナリオに深い関連性を持つ以下の皆様(敬称略)へ優先参加権を付与しております。
・『無尽虎爪』ソア(p3p007025)
・『Pantera Nera』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)

●冒険エリア
【幻想内某地】
 ビアガーデン開催中の特設スペース全長3km程度(以後「敷地」表記)

●冒険開始時のPC状況
 選択肢機能をご用意しましたのでご活用下さい。

《依頼遂行に当たり物語内で提供されたPC情報(提供者:モカさん 情報確度B)》
●概要
 現在ビアガーデンを運営中。多くの人々が食事や団欒を楽しんでいる。
 彼らがそのままの時間を過ごし無事に翌朝(日の出)を迎えたい。
 団欒を楽しめなかったり、食事に満足できなければ、終焉獣が襲ってくる。

●人物(NPC)詳細
【子供達】
 つり目とたれ目の少年達。
 意味深な事をいいつつ終焉獣を操ります。
 とはいえ、現状は良く分からない存在です。
 良く分からないということは、今は何をすべきか判断できない。
 つまり無視して良いということです。

●敵詳細
【終焉獣】
 黒い人型のような個体。
 数は1d??でランダム。
 ??の部分は、ビアガーデンの運営結果と参加PC数で変わります。
 (ビアガーデンを無事に運営できれば出現しませんし、不備があった場合、その内容に応じて数が増えます)
 現れた場合、出現する個体は何故か【識別】/【不殺】が無効です。
 (正確に表現すれば、攻撃時のみ味方判定になりイレギュラーズや民間人との区別が出来ず。
  体力が1割を切ると黒い血だまりの様に足元へ溶けた後、一定時間で消滅します)
 会場の床に生じる魔法陣から出現し、手あたり次第に民間人を襲います。
 HPは異常に多いものの、機動力をはじめその他ステータスは低めです。
 ※とはいえ、一般人からすれば全力疾走でも逃げきれるか怪しいくらいの速度です。
 接近すると抱きつくような行動を取りますが、(イレギュラーズ目線だと)大きなダメージやBSはありません。
 (仮に抱きつかれた場合、火の粉が徐々に自身へ移ってくるような、チリチリとした不快感のある痛みを感じます。
 一般人にとっては火事で焼かれるような気分です)

●ステージギミック詳細
 【バグ・ホール】
 理屈や原理が一切不明の『穴』。
 何かを試しても構いませんが、恐らく全て無意味となります。
 ホールに飲み込まれた存在は問答無用で『死』にます。
 シナリオ開始当時は発生していませんが、ビアガーデンを運営した結果終焉獣が出現し、その対処にも遅れが出るような状況(=依頼失敗)だと発生します。
 命がけで団欒の一時を守って下さい。
 ホール発生後は、周囲200mに、毎ターン以下の効果を発生させます。
・ホールへ30m引き寄せる(機動力0の時50m)。
・不特定デバフ1つ付与(猛毒、氷結、窒息、呪縛 の内、毎回1つを抽選し付与)
・特定デバフ2つ付与(塔、奈落、停滞、体制不利 の内、最初に選ばれた2つを毎回付与)
・特殊スキル発動(妖精殺し、ジャミング、ホール周辺の空間歪みによる物理的視界不良)
 各種デバフは無効化で対処可。
 一般人は無効化を持っていないので、回復し連れ歩くか、背負う/乗り物を利用する等で運搬する必要があります。
 (運搬時、人数分だけ機動力に-補正)
 ホールの反応値や行動回数は高めです。
 ホールの出現は予知できませんが、出現したかどうかは出た瞬間にぞっとするので分かります。

●エリアギミック詳細
<1:ビアガーデン運営サイド>
 お祭りの屋台のような形で、提供する料理毎に調理場が並んでいます。
 料理をする際は関連スキルの他、出身地の料理を作る場合は家庭の味を出したとして判定基準の上昇に加えます。
 モカさんはこちらになります。ボランティアスタッフが何名程度いるかは指定して構いません。(あまりに多いと調整が入ります)
<お客様が喜びそうなメニュー一例>
・幻想で一番高いレストランに負けないステーキ
・海洋シーフード(特にシレンツィオのグルメ)
・鉄帝のお酒
・豊穣お料理全般
・再現性東京のホテルで出そうなスイーツ多種
・貴方の思いや思い出が籠もった料理

<2:ビアガーデンお客様サイド>
 沢山の飲食スペースがあり、食べ歩きなんかもできます。
 お料理が残ってしまうと、作った人は悲しい気持ちになってしまうかもしれません。
 ソアさんはこちらになります。どうぞ欲望を満たして下さい。

 エリアイメージ図 → l店 通路 飲食場 通路 店l が全長3km

 基本的に食事を通じて楽しんでいれば制限はありません。
 (モカさんから事情を聞いていても、全く知らずに楽しんでいても大丈夫です)
 時節が冬の夜ではありますが、お祭りですしお酒や料理で身体が温まる人も多いと思うので、楽しい気分になるような服装だとより良いでしょう。
 新しい髪型に挑戦しても良いかもしれません。

<全般(戦闘エリアのみ表記)>
光源:1・2問題なし
足場:1・2問題なし
飛行:やめましょう
騎乗:迷惑です
遮蔽:1・2場合による
特記:特になし

《PL情報(提供者:GM プレイングに際しての参考にどうぞ)》
【主目標のために何すればよい?】
 ビアガーデンに関連していれば何でも可です。
 但し、終焉獣やバグ・ホールの出現に繋がりますので、事情を知っているも知らないも自由ですが、命がけで楽しい時間を守ることが推奨されます。
 運営側なら一生懸命料理を作ったり、迷子や体調不良者など、祭で起こり得る様々な悲しみに対処を。
 参加側なら料理をたくさん食べたり、美味しいをシェアしたり、思い出を作ったり。と言うのが主になるかと思います。

 終焉獣への対処などは意気込みさえあれば後は装備やスキルからGMが判断できますので、そちらを頑張るよりも、この時を頑張って楽しく生きた方が、良い結果に繋がるでしょう。

・その他
目標達成の最低難易度はN相当ですが、行動や状況次第では難易度の上昇、パンドラ復活や重傷も充分あり得ます。

●Danger!
 当シナリオにはパンドラ残量に拠らない死亡判定が有り得ます。
 バグ・ホールを出現させないように、出現してしまった場合は全力で逃げて下さい。


冒険開始時のPC状況
シナリオ開始時の立ち位置や立場を選べます。
(指定がなくてもプレイング内容から判断しますので無視しても大丈夫です)

【1】モカさん、手伝うぜ!
ビアガーデン運営スタッフとして頑張ります。
料理や配膳、お困り毎対応などが仕事です。

【2】ソアさん、負けないぜ!
お客様としてビアガーデンを楽しみます。
飲食を通じて楽しい時間を過ごすことが仕事です。

  • <Je te veux>終焉否定のlost chaosⅠ:暴食と怠惰の願い完了
  • GM名pnkjynp
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2024年02月21日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ゴリョウ・クートン(p3p002081)
ディバイン・シールド
シラス(p3p004421)
超える者
ソア(p3p007025)
愛しき雷陣
モカ・ビアンキーニ(p3p007999)
Pantera Nera
ヤツェク・ブルーフラワー(p3p009093)
人間賛歌
佐藤・非正規雇用(p3p009377)
異世界転生非正規雇用
ジョシュア・セス・セルウィン(p3p009462)
月夜の魔法使い
杜里 ちぐさ(p3p010035)
明日を希う猫又情報屋

リプレイ

●願いの誇り
(……あの少年たち、次に会った時はお仕置きだ)
 調味料を確保し帰路を急ぐ『Pantera Nera』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)の心は穏やかとは言い難い。
(確かに願ったよ。『この混沌に生きる全員が、飢えに苦しまない日常が続くように』ってね)
 思い返すは自身の願いと謎の子供が去り際に残した言葉。
 ――あなたの願いは他人に不安の無い食事を与え生への貪欲さを奪い怠惰へと導くものだ。
(……食は多くの人間にとって欠くことが出来ぬもの。
 故に同じ一食でも、その良し悪しが重要であることを)
 混沌各地に店を持つ彼女は、当然その苦労も知っている。
 店の経営や立地環境への適応、人材や食材の管理、千差万別の顧客対応。そして広がる魔種の被害。
(挙げればきりの無いリスクを抱え、考え、乗り越える覚悟がいる。
 それでもこの商売を選んだのは、ただ飢えを凌がせたいだけじゃない。
 その先に待つ笑顔という幸せを広げたいんだ。
 私の願いは私が自主的に行い叶えてみせる。こんな脅迫めいた形で客に不幸な思いなど、させてたまるか)
 屋台へ戻ったモカは調理を担当していたスタッフ達へ声をかけた。
「改めてになるが、今日はうちが仕切りのイベントだ。来てくれた全ての人のため、運営全員で協力して最高の時間にしよう」
 Stella Bianca幻想店の副店長や従業員、ボランティアスタッフ数名は力強く頷く。
「よし。では屋台は私が引き継ぐ。他の皆は――」
 絶対に失敗が許されないこの状況。
 モカは的確な指示で、目の届きづらい各屋台の人員配置や休憩サイクル、迷子等のトラブルが発生した際の対応確認へ向かわせた。
(運営サイドで起きそうな問題はこれである程度対処できるだろう。後は……)
 視線の先にはStella Biancaの料理を楽しみに待つ人々。
 普段から店では接客と調理を同時にこなす彼女だが、今回の規模では余りある。
(さて、普通ならどうにもならない場面だが)
 モカの中で渦巻く可能性が告げていた。
 因果は必ず巡ってくると。
「いたにゃ! モカー! お祭りやってるって聞いて遊びに来たにゃー!」
「おいおい、あんまり動くと落としちまうぞ」
 声の先からは『竜剣』シラス(p3p004421)、そして彼に肩車される『見習い情報屋』杜里 ちぐさ(p3p010035)が近づいてくる。
 後で聞くには、近くへ来たついでに挨拶しようと寄ったシラスが、同じくモカを探していたちぐさを拾った形らしい。
「……ふっ。やぁ二人とも、少し頼まれてくれないか?」
 あまりに人間らしい山勘が当たった事に、思わず笑みが漏れるモカであった。


●獣王VS猛虎
 一方『無尽虎爪』ソア(p3p007025)は、極楽気分で各国の特色溢れる料理を楽しんでいた。
 目の前に届いた高級ステーキ、まずはその香りを胸いっぱいに吸い込み。
「ふふ、幸せ……!」
 食欲と唾液が極限まで分泌された所で熱々のまま一口。
「んん~! 美味しい!」
 屈託のない笑み。
 身体に馴染んだ所作は上品ながら、ある世界でディアンドルと呼ばれる民族衣装の赤色で身を包み髪をポニーテールにまとめた姿はグルメな年頃の娘そのもの。
 そんな魅力でも食べっぷりでも人目を惹きつける彼女の元へ迫る影。
「見つけたぞソアさん! 俺とこれで勝負だ!」
 『パーティボーイ』佐藤・非正規雇用(p3p009377)だ。
 見せつけるチラシによれば、イベント情報とソアさんの到来を聞きつけ、急遽大食い大会を企画したらしい。
「そんなコトしなくても、今日のボクは食べ放題だもんねー」
「もしかして……負けるのが怖いのか?」
 非正規雇用の言葉に、肉を口に運んでいた手が止まる。
「なら仕方ないな~。もし負けたら何でも言うこと聞いてあげようと思ったんだがな~」
「負けたら何でも? 取り消すなら今だよ?」
 ニィッと口が緩む。
 可憐な少女の目が据わる。これは獣が狩りに用いる眼光。
「取り消すもんか」
 しかし非正規雇用も一歩も引き下がることなく。
(甘いなソアさん、俺には秘策があるんだ)
 不敵に口角を引き上げた。

~~~

 イベント会場の中心付近へ移動してきた二人。
「さ、ここが用意してもらった特設会場だ!」
 装飾が施された二つのテーブルに、通りがかる人々も興味深々の模様。
「ルールは簡単。食事を最後まで食べ続けた者が勝者だ。
 飛び入り参加歓迎だから賞品は無いが……今回は最高の料理人を用意したぜ!」
 そう言って屋台区画の一部に備え付けた赤い幕を取り払う。
「ぶはははッ! よく来たな!
 たこ焼き、イカ焼き、お好み焼き。果ては焼き鳥、肉巻きおにぎり、鶏皮餃子!
 他にも色々何でもござれ!
 豊穣屋台の定番を腹一杯喰わせる出張飯屋『焼き物屋』のお披露目だ!」
 彼が呼び寄せた最高の料理人――『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)は仰々しくポーズ。
 衣装ごと発光し、料理の焼ける香りと煙を纏い語る姿はまるで魔王。
 広く用意されたキッチンで最大限作業できるよう持ち込んだ、背面装着式金属質触手十本が蠢く異色のビジュアルもウケたようで、瞬く間に人々は群がり、ゴリョウが鉄板に食材を乗せれば、その時点でよだれを零す者すらいた。
「我こそはと思う挑戦者! そこのチンピラっぽい野郎にじゃんじゃん注文してくれ!」
「いきなりこの数の注文受けろってマジで人使いが荒いなこの豚!? 良いけどさ!?」
 野郎こと『ゼンシン』もぼやきつつ早速人を並ばせ列を作り、対応に当たる。
「俺達の分は既に注文済だ。さぁソアさん。俺の食欲に戦くがいい!」
「佐藤さんこそビックリしないでね。ボクはとびきり大喰らいだよ」
 火花を散らす二人の目の前にまず置かれたのは、大皿に所狭しと乗せられた食品の山。
 ゴリョウ特製料理を全て一人前ずつ、おまけにポテトや唐揚げ、肉厚カツレツ2kgまで加えたチャレンジメニューだ。
 添えられるキンキンに冷えたビールも、出来立て料理を食べる中ではほどよく身体を冷やすことだろう。
「おおっ、大会のためにわざわざ作ってくれた料理と思うと、一際美味そうだぜ!
 しかもこれ見てくれよ、揚げ春巻き。
 俺が名前をスプリングロールに改名しようかと思うくらい好きなもの、ゴリョウさんに頼んだんだ。
 地元ではケチャップを付けて食べるのが通なんだぜ?
 ソアさんも良かったら試し……って何だそのスピード!?」
 消失。
 それが最も的確か。
 非正規雇用が思い出に浸る間に、あれだけ山盛りだった食品の二割が消えている。
「あ、野郎さん。このお料理あと3セット用意してください」
「追加注文、だと……?」
「この大会のルールに時間とか量の制限はなかったよね?」
「そ、そうだが」
「じゃあ食べられるだけ食べないと損だよね」
 ソアは普段戦いで見せる爪捌きをフォークとナイフでも披露。
 巨大カツレツを瞬く間に丁度良い大きさへ引き裂くと、次々に口へ運んでいく。
「えっ、その量をもう? あぁ……ウソでしょ、神様……」
 ライオンは猛虎の躍進に震えた。
 けれどここで逃げては男が廃る。
 気を取り直しガツガツと手当たり次第料理を頬張ると、一気にビールで流し込み遅れを取り戻していく。
「くぅ~……んまい!! これなら何食でもいけそうだ!」
「ぶははははッ! いい食べっぷりだなぁ! こいつぁ俺達も気合い入れ直さねぇとな。追加の仕込み手伝えゼンシン!」
「今配膳と誘導で手一杯なの見て分からねぇか!?」
「分かってるとも! だが戦いと食欲は俺達を待っちゃくれねぇのさ!」
「この! ……はいよ、お客さん、ご注文の品だ。しっかり食って楽しんでくれよな!」
 眉間に皺を寄せつつも、接客は丁寧に。
 ゼンシンもまた馬車馬の如く働くのであった。


●食事で耳も楽しめば
 競う二人と凄腕料理人が視覚的に人々を楽しませ巻き込んでいく。
 一方で『最強のダチ』ヤツェク・ブルーフラワー(p3p009093)が相棒のツインネックギター――『アーデント』とおくるディナーショーは人々の耳を楽しませていた。
「さて。陽気な流行曲、懐かしの名曲と奏でてきたが、耳と腹は膨れたか?」
 十分に。そんな返答代わりの拍手は大きい。
「素晴らしい。だがどうだ? アンタらの盛り上がりはこんなもんか?」
 一際大きな歓声。
 大食い大会の方向からだ。
「なら白スーツの旦那、アンタがもっと盛り上げてみやがれってんだ!」
 酔っているような様子で、聴衆の男が酒瓶を振り回し叫ぶ。
「おおそうかい。そこまで求められて応えないんじゃ星屑野郎の名が泣くってもんだ」
 髑髏の盃に残った赤ワインを一気に煽ると、続けたナンバーはこれまでと違うロック調。
 魅せる超絶テクニックと聞かせる熱くてクサいメロディーは聴衆達の心を急速に加熱する。
「美味い飯には美味い酒、そして素敵なBGMってな。
 この一夜、鉄板よりも熱く激しくしてやるから……アンタら付いてこい!」
「yeahhhh!!!」
 先ほどの男がノリよく声をあげれば。
 つられて他の観客達のボルテージも上がり、酒や食事に伸びる手も進む。
「音楽はノリとアドリブ、なんでもありだ! アグレッシブに、ハイテンションに楽しみな!」
 演奏の最中、ヤツェクが送る視線に気づいた酔っぱらいの男は酒瓶を高く掲げる。
(ナイスアシストだぜ、ダチコー)
 かつて銀河の渡り鳥であった男は、偶然にもモカが語る真実を聞いてしまった。
 なれば為すべきは一つと心に誓い、魔法の歌を口ずさむ。
(このおれが盛り上げ役を買って出るんだ。誰一人、絶望も、退屈もさせないからな)

●失せ者集め
 イベントも後半戦。
 シラスとちぐさは従業員達が戻るまでモカの店を手伝うと、給仕の格好のまま今度は会場内を練り歩く。
 理由は簡単。
「あっ、竜剣の勇者様だー! あれ、今日は変な服着てるんだな。お店の人みたいだ」
「みたいじゃなくてまんまスタッフなんだが」
 シラスには幻想における圧倒的知名度がある。
 そんな彼がベストに白シャツ、黒パンツという落ち着いた服装にエプロンを合わせれば、大人の目には運営関係者だと一目瞭然。
 子供だって憧れの勇者に声をかけてくるのは明白であり。
「こっちの獣種さんも可愛いい服着てるー!」
「褒めてくれるのは嬉しいけど、僕は猫又にゃ」
「猫の獣種さんじゃないの?」
「そうにゃ。この『にゃ』の語尾はかつて本当に猫だった事を誇りに思う猫又だからこそつける、特別な証みたいなものなのにゃ」
「あーたしかに! 他の猫の獣種さん、にゃって言わないもんね! 猫又さんなんかすごいー!」
 他方ちぐさにはイレギュラーズ妖怪勢筆頭とも言える可愛さがある。
 さらには膝上5cmスカートのメイド服(タイツ装備)という、健全ながら尻尾の上下により絶対領域が展開される度ドロワーズが覗くチラリズムはまさに過剰火力。
 大人だろうと子供だろうと視線を惹きつけた。
「……にゃ? あっちで揉めてる声が聞こえるにゃ!」
 子供達に囲まれる中、ちぐさの研ぎ澄まされた猫耳が喧騒に潜む僅かな不和を捉えた。
 シラスと共に向かえばそこはゴリョウのライブキッチンに程近く。
 二人の少年が佇んでいる。
「うぇぇん、お母さ~ん……」
「泣くなよ。お前が近くでみたいって言ったんだぞ!」
「だってぇ……」
「泣いたってどうにもならないだろ!」
 弟の手前強気にふるまう兄も打つ手がないのか、キョロキョロと視線を泳がすばかり。
「どうかしたにゃ? ケンカしたら悲しいにゃ、仲良くしてにゃん!」
「え、猫メイドの獣――」
「猫又メイド、にゃ!」
 その愛らしい性格故つい忘れがちだが、ちぐさはこう見えてかなりの年長者。
 特に少年の世話をするのは得意という自負もあり、お兄さんとして振舞い悩みを聞き出していく。
「つまりは……迷子だにゃ」
「まぁゴリョウの料理は派手だからな。子供なら特に集まりそうだ」
 それを見越し、モカはこのあたりにいわゆる預り所なる屋台を設置していた。
「じゃあ僕がお母さんを探してくるにゃ!」
 特徴を聞き出したちぐさがその体躯と素早さを活かして人込みを探る間、シラスは子供達と預かり所で待つことに。
「さてと、こいつは思ったよりも大変な状況だな」
 母を求め泣く弟。それを見つめる兄。
 シラスには、どうにもこれをそのままにはしておけなかった。
「なぁ、兄貴。良かったら俺とウェイターやらないか?」
「……勇者様と? 俺なんかが?」
 思わぬ提案に物怖じする子供。
 しかしシラスはそれを無視し、近くの屋台から食べやすい料理を何品か購入。
 転がっていた木の板に、魔力を込めた指を圧倒的な速度で動かすことで文字を刻んでいく。
「これは?」
「メニュー表だ。横に番号を振ってあるからこれで注文を取る。さ、やるぞ」
 シラスはそう言うと、未だ半べそをかいている弟の元へ兄を連れていく。
「まずは挨拶だ。いらっしゃいませ、ご注文をどうぞ! ……ほら」
 促される形で繰り返し、兄は何とか弟から注文を取る。
「じゃあ……三番」
「はい、喜んで! ……」
「はい、喜んで!」
「よし」
 続いて料理を提供。
 いわゆるごっこ遊びの類だが、気づけば弟も泣き止み兄弟は仲良くチキンを頬張る結果に。
「お母さん、みつかったにゃー!」
 ちぐさの声に子供達が立ち上がる。
「いいか兄貴、お前は背中の弟を笑顔に出来る男になれ。
 弟、お前は泣くな。兄貴も母さんも守れるような、強い男になれ」
 別れ際、見送るシラスの言葉に兄弟は深く頷き駆け出していく。
「――、――!」
 喧騒の中、母親が名を呼ぶであろう口の動きは二回。
(そう、これでいいんだ)
 どぶ川以下のクソな世界に。
 勇者と猫又は小さくも確かな笑顔の架け橋を繋いだ。

●添える温もりは別腹で
 時間が経つにつれ、食事を満喫した者や子供連れなどは帰宅し。
 酔いや食べ過ぎで眠りこける大人があふれ始める。
「大丈夫ですか? こんなところで寝ては風邪をひかれてしまいますよ?」
 そんな人々に声をかけるは『温もりと約束』ジョシュア・セス・セルウィン(p3p009462)。
 手にしたティーポットには身体を温めるのに最適な温度のお茶が波打つ。
「うん、むにゃ……」
「仕方ありませんね」
 ジョシュアは使い捨て容器へお茶を注ぎ、倒れた男の鼻先へと寄せれば。
 立ち昇るローズマリーのスッキリとしつつも刺激的な香りが、覚醒を導いていく。
「あれ、俺眠って……うぅ寒」
「こちらをどうぞ」
「ああ悪ぃ。くおぉ、コイツは染みる茶だな」
「それでしたら」
 すかさず蜂蜜を取り出し少々混ぜてやる。
「おお、飲みやすくなった」
 男は一気に茶を飲み干すと、立ち上がった。
「おかげ様で助かったぜ、ありがとな」
「いえ。道中お気をつけて」
 付近で倒れていた最後の一人を見送り、自身の担当していた屋台へ戻れば留守を預かる『シエル・ルーセント』がひらひらと手を振った。
「おかえりジョセ、楽しかったかい?」
「楽しいこと、とは違うような気がしますが……ともかく、眠りこけた皆様には無事帰って頂けました」
「そ。まぁ凍死でもされたら白けるもんねー」
 冗談めかして笑いながら、シエルは賄い用の鍋からシュクメルリをよそうと、ほぐれた鶏肉を一口。
「うん、うまい。客で来た子供も『あのちびっ子料理人』すごーいって褒めてたよ?」
「喜んでもらえたなら何よりです。折角モカ様の手伝いに来たのに、悲しませてはいけませんから」
 普段と変わらない様子のジョシュア。
(最初はジョセが屋台やるなんて言い出すから、面白半分で見に来ただけだったけど)
 けれど長い付き合いであり、色々教えてきたシエルとしては思うところも。
「ジョセがどうしてもっていうから手伝ってあげたけどさ。そんなに料理好きだっけ? 自炊してるから?」
「僕が料理をするのは……教えてくださった人々との日々があるからです」
 病気だった彼女との、大切で温かな日々の記憶。
 初めて誰かのために菓子を作り、食べてもらった時に返ってきた『美味しい』の言葉。
 悲しい気持ちに凍えそうな時も、誰かに喜んで貰えたという実感が温もりをくれたから。
「これも、その一つですよ」
 話しながら揚げていたリンゴのピロシキ。最後の一つを皿へ移すとそっと魔法をかける。
 ――美味しくなあれ。
「では、僕はこれを大会会場へ運びますので、シエル様は引き続き屋台を頼みます」
「了解」
 去って行く背中が、少しだけ大きくなった。
 そんな感慨を心に秘め、シエルは見送る――。
「あ、そういえば」
 はずだったのだが。
 彼に黙って、1つだけ挽肉とキャベツが入ったご飯系ピロシキにすり替えていたのを伝えていないことを思い出した。

~~~

 大食い大会も閉幕間近。
 無数の食材もほぼ底をつき、再現性東京のホテルをイメージしたデザートプレートも片付いた今。
 残すは非正規雇用が注文した二品のみ。
「お待たせしました。デザートのリンゴピロシキ、50個です」
「こっちも仕上がったぜ、特製チョコバナナ50本だ!」
 ジョシュアとゴリョウの置く皿がどんと音を立てる。
「……」
「ソアさん、黙りこくって限界か? だが俺はまだ止まらないぜ、何故なら!」
 非正規雇用の胃袋は既に限界だ。
 だが彼の秘策――授かりし贈り物は限界を迎えても甘いものなら美味しく食べられるというもの。
 つまり最後がデザートなら負けるはずは無いのだ。
「ふーん、ボクに挑んだのはそういうからくりか。でもね、佐藤さん?」
 ソアは今日一番の可憐な笑顔で言い放つ。
「ボクは猛虎であると同時に女の子……『別腹』があるの♪」
「べつ……ばら……!」
 先程の間はただリンゴとバナナどちらが先か迷っただけの事。
 再びの爆走に心を乱されたライオンも、慌てて多数のピロシキを頬張っていく。
(むぐっ、これは……!?)
 やがて引き当てるたった一つの塩気。
 気力で何とか飲み込むも。
「ふぅ……ふぅ……ヴァルハラが……見え……」
「あ、ギブアップ? じゃあ残りはボクがもらうね」
 かつて女子力部門で最優秀をとった男は。
 才能にあぐらをかいたがために、自然体の女子力に屈した。


●次なる日常へ
 ビアガーデン閉幕後。
 イレギュラーズ達は倒れた非正規雇用を除き、揃って後片付けやゴミ掃除に協力。
 最後に主催であるモカの屋台へ集まっていた。
「皆、今日は本当にありがとう」
 そして事情を知らなかった者達にも、自身が体験した出来事を共有する。
「間もなく夜明けだ。終焉獣が出てこないところを見るに、今日来た人々は充分に楽しませられたという事だろう。従業員達もだが、何より休む間もなく働いてくれた皆には、特別な礼をと思ってね」
 調理場からシラスとちぐさが料理を運んでくる。
「こちら、ハーブ&スパイス塩かけ皮付きフライドポテトでございます」
「こっちは握り寿司と海鮮丼、それに覇竜産の竜牙酒にゃ」
「海鮮と酒は私がここに用意できる範囲で特上の物を。
 ポテトは約四年前、ある依頼で私が屋台を出した際提供したメニュー……いわば始まりとも言える品だ」
 助けてくれた仲間達への感謝と。
 守られた日常への祝福を込めて。
「遅い賄いとなってしまったが、是非食べてくれ」
 ここからは全員が同じ立場。
 美味い料理を食べて飲んで。
 笑顔で会話に華を咲かせ。
 ゴリョウの高笑いとヤツェクの奏でる歌が心地よい、最高の時間が過ぎていく。
「大丈夫、佐藤さん?」
「お……おう」
「仕方ないから佐藤さんの分とっといてあげる。だけど、約束は忘れないでね」
「ここまで無尽蔵とは……すごいなソアさんは」
「当然だよ? だってボクにはまだまだやりたい事が一杯あるもの。食べる事も何でも、ぜーんぶやるの。そのためなら、どんな勝負にも正面から挑んで勝ってみせるよ!」
 そしてまた、幻想に日が昇る。

成否

成功

MVP

モカ・ビアンキーニ(p3p007999)
Pantera Nera

状態異常

なし

あとがき

※納品遅れてしまい申し訳ありませんでした。

冒険お疲れ様でした!

皆様の活躍で非常に内容盛りだくさんのイベントとなりました!
スタッフ側で働いて下さった皆様も、お客さんとして頑張って下さった皆様も、全力で楽しい時間を過ごされたようでなによりでした。
様々諸問題もありましたが無事解決!
これにより終焉獣&バグ・ホールは出現なし、誰一人苦しむことなく終了できました!
(しいて言えば佐藤さんは胃もたれしてそう、というくらいでしょうか)

今回の楽しい時間と成功は皆様全員の力があっての賜物。
そこに貴賤は一切ございませんが、今回は調理、接客、問題対応、全てにおいて大変な苦労をしながらも成功へ導いた貴女へMVPを。

それでは、またどこかでお会いできることを願いまして。
ご参加ありがとうございました!

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