PandoraPartyProject

シナリオ詳細

ギャバレリを越えて行け

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


「おはようございました、大地の子らよ\(╹v╹*)/」
 幻想王国は東、ウィツィロという土地には有名なテーマパークがある。
 それがハイペリオンランドだ。これは伝説の神鳥ハイペリオンが封印から目覚めこの土地に住まうことから建設されたテーマパークであり、実質的にハイペリオンのおうちでもある。
 その中心たるハイペリオンハウスに、またもカイト・シャルラハ(p3p000684)たちイレギュラーズは呼ばれていた。
「久しぶりだなハイペリオンさま!」
 やったー! とばかりに飛びついて早速ハイペリオンを吸うカイト。
「あらあら。この前お会いしたばかりじゃないですか」
 くすくすと笑って、大きな翼でカイトをそっと撫でてやるハイペリオン。
 暫くして堪能しきったカイトがばっと顔をあげると、そういえばと声をあげた。
「この前手に入れた『夜霧の書』は役に立ったのか? どういう魔術が書かれてたんだ?」
「ええ、そのことで皆さんをお呼びしたんですよ」
 お入りください、とハイペリオンが声をかけると一人の女性が姿を見せた。
 銀色の髪と青い瞳を持ち、エレガントで流麗な服を身に纏う。遊園地にやってくる女性という雰囲気ではなく、彼女の首から下げた銀のアクセサリーがひときわに優雅な雰囲気を引き立てている。
「彼女はヴァレリさん。今回の『依頼人』ですよ」
「はいどうぞよろしくおねがいしまスゥーーーーーーーー」
 ヴァレリと呼ばれた女性は吸い込まれるようにしてハイペリオンのおなかに抱きつき深い呼吸を始めた。もうこれが習慣になっているのだと言われても信じられるくらい自然な、そして流麗な動きであった。
 ここまで、デジャビューであった。
「はっ、いけない。ついいつもの癖で。申し訳ありませんハイペリオン様」
「いいのですよ」
 にこにこと包容力抜群の笑顔を浮かべるハイペリオン。
 これもまたデジャビュー。
 ヴァレリは身なりをぱたぱたと整えると、カイトたちイレギュラーズへ向き直った。
「初めての方もいらっしゃるかしら。ヴァレリ・シルバーレイクと申します。前回は『夜霧の書』という魔導書を手に入れるために頑張ってくださったと聞きました」
 そう言って、ヴァレリは夜霧の書を取り出してみせる。
「この魔導書に書かれていたのは天候操作に関する魔術とその仕組みでした。といっても、完全な解読には至っていないのですけれど……」
 さしあたって、とヴァレリは依頼書を取り出してみせる。
「この魔導書の解読ができる専門の魔女へと、夜霧の書を届けてほしいのです。ですが道中には危険なモンスターも現れますし、空を飛んで移動する必要のある険しい山脈もあります。やはりこの依頼を頼めるのは皆さんしかいないと、確信しているのです」
 ヴァレリの説明を受け、ハイペリオンがゆっくりと翼を広げてみせる。
「今回も、私が協力しましょう。山脈を越えるにあたって私の背に乗っていけば事足りますし、空中で現れるモンスターの撃退も皆さんがいれば問題ないでしょう。
 とはいえ今度は長い道中になりますから、山で一泊のキャンプを張ることになると思います。道具を準備していきましょうね」
 要するに、ハイペリオンと一緒に空中戦とキャンプを楽しもうというわけである。
「また、皆さんと一緒に冒険ができるのですね。とても楽しみです」
 ハイペリオンはそう言って、おっとりと笑うのだった。

GMコメント

●シチュエーション
 ハイペリオンと共に空中戦とキャンプを楽しもう!

●空中戦パート
 ギャバレリ山脈を越えるべく、ハイペリオンに乗って飛んで行きます。
 ハイペリオンはちょっと本気を出すことで巨大化し皆さんやキャンプ道具を乗せたまま空を飛んで行ってくれます。
 が、空域を縄張りとするモンスターに途中で遭遇するため、これらの撃退が必要になるでしょう。
 ハイペリオンの背から自力飛行で出撃したり、背に乗ったまま戦ったりしましょう。
 尚、ハイペリオンの加護によってこの周囲では『簡易飛行』『媒体飛行』でも『飛行』と同等の戦闘機動を行うことが可能になります。

・ミラフェザー×多数
 この空域を縄張りとするモンスター。
 大きな鳥に似た形状をしており、翼から光の矢を放つ遠距離攻撃や光の刃を放つ攻撃を仕掛けてくる。
 本来ならミラフェザーの歌声は人を惑わし混乱させるが、ハイペリオンの加護によってそれは中和されている。

●キャンプパート
 山についたら一泊しましょう。
 安全なエリアは策定済みなので、そこにテントを張って夜を明かします。
 音楽を奏でてハイペリオンと一緒に踊ったり、料理を作って振る舞ったりとキャンプの夜を楽しみましょう。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • ギャバレリを越えて行け完了
  • ハイペリオンとゆく、空の旅
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2024年01月07日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

セララ(p3p000273)
魔法騎士
カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
メイメイ・ルー(p3p004460)
祈りの守護者
ソア(p3p007025)
無尽虎爪
モカ・ビアンキーニ(p3p007999)
Pantera Nera
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
島風型駆逐艦 一番艦 島風(p3p010746)
島風の伝令

サポートNPC一覧(1人)

ハイペリオン(p3n000211)
神翼獣

リプレイ

●ハイペリオン吸い
「めぇ……ハイペリオンさまと冒険の続きが出来て嬉しい、です」
 『約束の力』メイメイ・ルー(p3p004460)はハイペリオンにがしりと抱きつくと顔を埋め、深く深く呼吸をした。
 おひさまの香りが身体を満たし、温かい羽毛に心までが温まる。
(ヴァレリさまが吸いたくなる気持ち、とても、とてもよく、分かります。ええ、ええ)
 暫くハイペリオンを吸っていたメイメイだが、ハッと気付いて手作りのポシェットを取り出した。
「どうぞ、ハイペリオンさま用のポシェットを作ったんです」
「まあ! ありがとうございます、メイメイさん。大事にしますね」
 ハイペリオンはポシェットを装着するといそいそと夜霧の書をそこにしまい込んだ。
「これで落ちる心配はありませんね」
「はい!」
「わーいハイペリオンさまだ!」
 背中にがしっとしがみつくように乗ってそのまま抱きつく『魔法騎士』セララ(p3p000273)。
「わぁ、もっふもふだー! ハイペリオン様、とっても可愛いから好き!」
「あらあら……」
 ハイペリオンはその様子を微笑ましく受け入れている。
 精神年齢が高いのか、皆子供のような扱いだ。
「わあ、本当にもっふもふ……」
 『無尽虎爪』ソア(p3p007025)がおそるおそる手をかざし、ハイペリオンに問いかける。
「ハイペリオンさま、触ってもへいき?」
「どうぞ。皆さんがやっているようにしてもいいのですよ」
「やったー!」
 ソアはうりゃーと羽毛に埋まってお日様の香りと気配をほこほこに感じまくった。
「うーん、充電……! 元気一杯になったよ!」
「それはよかったです。ソアさん」
「ごきげんよう、ハイペリオン様。久しぶりでスゥーー」
 そうしている間にも『Pantera Nera』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)がハイペリオンを吸いに行く。
(……あー、皆がスゥーーしたくなる気持ちが分かるなぁ。ハイペリオン様に対しては失礼極まりないわけだが)
 モカはそう思っているが、ハイペリオンは気にしていないようなので存分に吸っていい、らしい。
 そんな仲間たちの様子をぼーっと眺めていた『島風の伝令』島風型駆逐艦 一番艦 島風(p3p010746)。
「配達依頼 空中散歩。
 野営食糧 期待。
 焼鳥 唐揚 香草焼き 様々」
 じゅるり、と口元を拭う島風。その視線の先には『簒奪者』カイト・シャルラハ(p3p000684)がいた。
 ぴい! と身震いをして周囲をきょろきょろ見回すカイト。
 気を取り直して……。
「またハイペリオンさまと冒険できるな!楽しみだぜ!
 ……で、どこ飛ぶんだっけ? 魔女? ってことは俺のお袋みたいな感じなのかな」
「カイトさんのお母様は魔女なのですか?」
「そうなんだ。で、父親は漁師(将校)」
「楽しそうなおうちですね」
 では、そろそろ……とハイペリオンは身体を膨らませると翼を広げた。
「わぁい、ハイペリオンさん達と空中戦だキャンプだー!
 僕もハイペリオンさん達とまた一緒に冒険できるの嬉しい!」
 『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)が上機嫌にハイペリオンに乗り込んでいく。どうぞよろしくおねがいしますねとハイペリオンに言われ頷くヨゾラ。
「空中戦といえばレシプロ戦闘機とか用意したいのだけど……。
 そんな代物は手元に無いからね、とりあえず大人しくハイペリオンさんの上で対空戦闘しましょうか」
「れしぷろ?」
 『狐です』長月・イナリ(p3p008096)もそんなことを言いながらもハイペリオンへと乗り込んでいく。
 皆が乗ったのを確認すると、カイトが先導するように飛び立った。
「さあ、ハイペリオンさま。一緒に飛ぼう!」
「はい。こうして一緒に空を飛ぶのも慣れてきましたね」
 いざギャバレリ山脈へ。

●ギャバレリ山脈の空にて
 雲海を越え山脈の空へと飛び上がる。
 ここまでの飛行はかつて封印から目覚めたばかりの頃にはできなかったことだ。それだけハイペリオンは力を取り戻しつつあるということだろう。
「ハイペリオンさま、敵影が見えます」
 超人的な視力で周囲を警戒していたメイメイの言葉に、セララがぴょんと飛び上がる。
 靴から魔法の翼が広がり羽ばたきを見せると、そのままローラースケートのような機動で飛行状態に入った。
 他の仲間たちもハイペリオンの背から立ち上がり、戦闘の姿勢をとる。
「ハイペリオンさまに向けて攻撃するとは言語道断! 二度と空を飛べねえようにしてやらあ!」
 そんな中でも血気盛んなのはやはりカイトだ。
 ミラフェザーの群れを目にした途端真っ先に突っ込んでいき、『万雷ノ舞台』を発動。回避力を超人的なまでに引き上げると、『熱血の赤翼』と『緋色の呪い』で引きつけにかかる。
 群れの一部のミラフェザーは引きつけに成功したようで、無数のミラフェザーが集中攻撃を仕掛けてくる中をカイトは超人的回避能力で次々と回避していく。
 反撃とばかりに繰り出した三叉槍がミラフェザーを貫いた。
「残りは――」
「うん、任せて! ギガセララブレイク!」
 セララは雷のカードをインストール。聖剣ラグナロクを掲げると纏った雷光を飛ばすように一閃した。
 カイトに群がっていたミラフェザーが纏めて吹き飛んでいき、その一部は墜落していく。
「もう一つおまけに!」
 セララはフェンリルのカードを剣にインストール。絶対零度の魔法剣が完成し、セララに狼のケモ耳がはえた。
「セララフェンリル!」
 狙うはカイトの誘導から逃れ、回り込むようにハイペリオンに攻撃しようとしていたミラフェザーだ。
 絶対零度の剣がミラフェザーに突き刺さり、ギャッと声を出したミラフェザーが墜落していく。
 残ったミラフェザーたちは歌声をうたいはじめこちらを惑わそうとするが、ハイペリオンはそれに対抗して加護を発動。惑わしの力がキャンセルされる。
「皆さん、今のうちに攻撃を」
「楽園追放……ミラフェザーを全て飲み干せ!」
 ヨゾラは『パラダイスロスト』を発動。
 神聖な力がミラフェザーへと飛んで行き、激しい爆発となって広がっていく。様々なBSがミラフェザーに降り注ぎ、一部のミラフェザーに至っては味方へと攻撃をし始める始末だ。
 カイトの誘導から逃れたミラフェザーが光の矢を作ってヨゾラへと攻撃してくる。ヨゾラはそれを魔術結界で防御。
 ならばと翼に光の刃を纏わせて突撃してきた所に――。
「黒豹疾駆撃!」
 モカが黒豹を象った気功で生み出す誘導弾を放ち、飛んでくる前にミラフェザーを撃墜した。
 集まってきたミラフェザーが次々に光の矢を生成。一斉発射を仕掛けてくるが、それをモカは次々と蹴りによってたたき落としていく。
 流石に連射されるとキツいのか、肩に一発食らったが、それだけである。モカは再びの黒豹疾駆撃によって集中攻撃を浴びせてくるミラフェザーへと反撃。
 倒したミラフェザーをキャッチし、足にくくりつけた。
 その一方で、イナリは大太刀でミラフェザーの放つ光の刃とぶつかり合っていた。
 がきんがきんと鋼鉄を打ち合わせるような音を鳴らしミラフェザーの光の刃を弾くイナリ。
「その翼、貰い受ける! ゲイ・ボルグ!! ……うん、一度やってみたかったのよね、このセリフ♪」
 その隙を突いてはなったゲイ・ボルグがミラフェザーを一刀両断にした。
 勿論それで終わりではない。イナリのあまりの攻撃力に怖れを成して距離をとろうとしたミラフェザーめがけ、逃がさないとばかりに第二のゲイ・ボルグが発射される。大太刀の一閃から放たれた飛ぶ斬撃はそのままミラフェザーを穿つ槍となってその身を貫き撃墜する。
 負けてはいられぬと島風。
「輸送空域 制空権 強奪――第一戦術[制圧魚雷]」
 魚雷を次々に発射し、遠くで群れを成していたミラフェザーを撃墜。爆発が収まったところで今度はカイトが引き寄せていたミラフェザーめがけ零式五連装魚雷発射管混沌改三連を連続発射。
「当方速力 当然最大速度」
 ――星航型推進機関試作弐式混沌改 回転数上昇 出力上昇
 ――天体重力推進式急速速度変更機構 座標点固定 加速度取得
 ――『疾きこと、島風の如し』 モード・スレイプニル 実行 
 ――GF三連 いぐにっしょん
「全部 食材 決定──!」
 機動力にものを言わせた衝撃がミラフェザーを襲い、次々と撃墜していく。
 残ったミラフェザーはやぶれかぶれとばかりにハイペリオンへと突っ込んでくる――が。
「ボルトブリッツ!」
 ソアが天空を指さした途端、彼女から流れた雷撃がミラフェザーへと直撃、爆発。
 丸焦げになったミラフェザーたちが墜落していった。
 なんとか攻撃範囲から逃れたミラフェザーが回り込んで攻撃にかかるも、ソアにとってはむしろその距離こそが本命。
 強烈な爪の連撃によってミラフェザーを切り裂いてしまった。
「噂に聞いた魔物だね、キラキラしてるし……うーん、焼き鳥が食べたくなっちゃったな」
「キャンプについたらミラフェザーを料理しちゃいましょうね」
 メイメイがちょっぴり物騒なことを言いつつ、必死に光の矢を放ってくるミラフェザーにシムーンケイジを発動。そこへカイトが飛び込んで注意を引きつけ始め、メイメイは次なる攻撃の準備を整えた。
 次なる攻撃とはつまり、神翼の加護だ。
「おねがいします、ミニペリオンさん!」
 もこもこ冬仕様のコスチュームを纏ったミニペリオンたちが翼を広げて飛んで行く。
 ミニペリオンたちは残った無数のミラフェザーとドッグファイトを繰り広げたのち、謎のミニペリオンアタックによって撃墜していったのだった。

●キャンプごはん
 カン、カン、カン――と規則正しい音がする。
 テントを固定する器具を地面に打ち付けている音だ。
 ヨゾラは一通りのテント張りを終了させると、中の様子を一旦確かめてから振り返った。
「テントの方は整ったよ。じゃあ料理を始めようか」
「賛成。やっぱりカレーが一番よね」
 イナリが腕まくりをする。
「事前に野菜や肉を切っておいて、ルーと水さえ用意しておけば煮るだけで簡単に出来るキャンプに最適な料理よ
 低山では問題無いけど、、2500~3000m級の標高の山では辛味と甘味の味覚が鈍るらしいから少し濃い目の味付けにしておきましょうか」
「そうなの? じゃあご飯も炊いちゃおうね!」
 セララが人数分の米を炊ける道具をたき火にかけ、じりじりと加熱を始める。
「キャンプで食べるカレーって普段よりも2倍美味しいよね。なんでだろ?」
「皆で一緒に作って食べるからかな? あっ、ボク甘口のやつがいい!」
 はーいと手を上げるソア。セララも同じように手を上げて甘口派が並んだところで、ソアたちはそっとハイペリオンに振り返った。
「ハイペリオンさまは甘いのと辛いのどっちが好き?」
「そうですねえ……どちらかといえば、甘い方が好きかもしれません」
「そうなんだあ」
 激辛カレーを美味しそうに食べるハイペリオンをうっかり想像してしまってソアはぷるぷると首を振る。

「……じゅるり」
「ぴい!?」
 島風にじっと見つめられてぶるりと震えるカイト。
「山だから足場には気をつけろよー? 飲酒も控えたほうがいいぞー? あと俺は焼鳥じゃないぞー!?」
「じゅるり」
「焼き鳥じゃないぞ!?」
「ミラフェザーをあれだけ焼いていたからな。食べたくなったんだろう。少し待っていろ、血抜きをする」
 モカがくくりつけていたミラフェザーの血抜きをするとあーしてこーしてあっという間に食べられるお肉に変えてくれた。
「全部は焼かずに、固いところはシチューに入れましょうね」
 メイメイがお鍋を持ってきてシチューを作り始める。ミラフェザーの肉もしっかり活用される予定だ。
「あ、ハイペリオンさま。マシュマロ焼きましょうか?」
「焼きマシュマロ、いいですねえ」
 ほっこり微笑むハイペリオン。甘いお菓子は大好物なのである。

「もぐもぐ 美味食事 全部摂食。
 残飯 つくらない。
 環境保全 重点!」
 食事を終えて満足げな島風。
「ゴミ袋、登山用のエマージェシー用品……もろもろよし、と」
 イナリがゴミを残さないようにしっかり纏めておく。
「去るときは残火もないようにしないとね。ひとまずは、たき火の番を交代でしながら寝るのかしら?」
「おっと、その前に……折角のキャンプファイヤーなんだ。こんなのはどうだ!?」
 そう言って楽器を取り出すとケルト音楽を演奏し始めた。
「私の大好きな曲ですね」
 ずんちゃか踊り出すハイペリオン。
「覚えたぜ! ハイペリオンさまランドでもよく流れてるよな、ハイペリオンさま好きっていってたし!」
「なら私は歌でも歌おうか。その前に……この音楽、踊らずにはいられない!」
 モカた楽しげにダンスに加わる。
「あぁ楽しい一日だ。これからもずっとこんな日々が続いてほしいものだ」
「あとで漫画にして皆に配ってあげるね!」
 そう言いながらセララも一緒に踊り始める。セララだけではない。メイメイやソアやヨゾラも一緒に踊り、ハイペリオンと手を取り合ってくるくる回ったり奇妙な振り付けをしたりして楽しく過ごした。
「素敵な星空の夜に、ハイペリオンさん達と一緒に踊る……幸せ!」
 そんな時間を満喫するヨゾラ。
 メイメイはちょっと控えめながらもずんちゃかした振り付けでハイペリオンと踊っている。
 そんな楽しい時間が……過ぎて。
「さあ皆さん、そろそろ交代で眠りましょうか」
「ハイペリオンさまはどうやって寝るの?」
「私はテントに入りませんし、身体は温かいですから、このまま眠りますよ」
 身体をよりまんまるくしてふかっとするハイペリオン。
 ソアはその身体にぴとっとくっついて目を瞑ってみた。
「あっ、これすごい暖かすやぁ……」
「もう寝てる!?」

 翌朝。しっかり眠って元気を一杯にした一同は無事に『夜霧の書』を魔女へと届けることに成功したのだった。
 きっと、素敵なことに活用してくれることだろう。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――mission complete

PAGETOPPAGEBOTTOM