PandoraPartyProject

シナリオ詳細

雲海を越えて行け

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


「おはようございました\(╹v╹*)/」
 幻想王国はハイペリオンランド。その中央に位置するハイペリオンハウスに、イレギュラーズたちは呼ばれていた。
「皆さん、プーレルジールでの冒険、お疲れ様です。あちらの私は元気でしたか?」
 くすりと笑うハイペリオン。そこから茶飲み話が始まるかと思ったところで、一人の美しい女性が姿を見せた。
 銀色の髪と青い瞳を持ち、エレガントで流麗な服を身に纏う。遊園地にやってくる女性という雰囲気ではなく、彼女の首から下げた銀のアクセサリーがひときわに優雅な雰囲気を引き立てている。
「彼女はヴァレリさん。今回の『依頼人』ですよ」
「はいどうぞよろしくおねがいしまスゥーーーーーーーー」
 ヴァレリと呼ばれた女性は吸い込まれるようにしてハイペリオンのおなかに抱きつき深い呼吸を始めた。もうこれが習慣になっているのだと言われても信じられるくらい自然な、そして流麗な動きであった。
「はっ、いけない。ついいつもの癖で。申し訳ありませんハイペリオン様」
「いいのですよ」
 にこにこと包容力抜群の笑顔を浮かべるハイペリオン。
 ヴァレリは一度身なりを整えると、ローレットの皆に向き直ってからスカートの端をちいさく摘まんで優雅にお辞儀をした。
「ヴァレリ・シルバーレイクと申します。皆様、どうぞお見知りおきを」

 紹介にあずかったヴァレリ・シルバーレイクは魔法の研究者であり、大のハイペリオンファンでもあるという。ハイペリオンランドの年パス所持者だ。
 そんな彼女がハイペリオンとローレットの繋がりを知っているのは勿論のことで、今回はそのツテと辿ってローレットへとあるアイテムの入手を依頼しようというのだった。「私が求めているのは『夜霧の書』といって、魔法の知識が書かれている書物よ。
 ここから北にあるセレスティア遺跡という場所に存在していることがわかったの。
 けれど……」
 ヴァレリははあと嘆息し、肩を落とす。
「現地は危険なモンスターがいるし、そもそもセレスティア遺跡へ行くには険しい谷や雲海を越えなくてはならないわ。私にはとてもたどり着けないのよ」
「けれど、私ならひとっ飛びで行くことが出来ます」
 そうでしょう? とハイペリオンはローレットの皆の顔を見やった。
 ハイペリオンはそれなりに力を取り戻している。山岳地帯や雲海を越えることなど造作も無いことだろう。
「今回は私が皆さんを乗せてセレスティア遺跡へ向かい、一緒に冒険をしようと思うのです。
 いかがでしょうか……?」


 セレスティア遺跡へたどり着くまでは、よし。
 問題はたどり着いた後なのだ。
 ヴァレリは調べてきたという資料を開いてみせる。
「現地には遺跡に棲み着いたモンスターたちがいるの。
 彼らはおそらく、飛んできたハイペリオン様を撃ち落とそうと狙ってくるはず。それをまずは迎撃して頂戴。
 ハイペリオン様の加護があれば、迎撃もきっと容易な筈よ」
 そうして遺跡に着陸するわけだが、最後に控えているのは夜霧の書を守るために配置されたゴーレムであるという。
「ゴーレムの強さは未知数なの。けれどこれだけ貴重な資料を守らせるほどだから、相当に強力な筈よ。
 とはいっても……あなた方は新世代の勇者とまで呼ばれた人達だものね。心配はいらないかしら」
 ヴァレリはくすりと笑ってハイペリオンを見やる。
「はい。私も心配はしていません。私も一緒に治癒魔法を使って戦いますので、大丈夫ですよ」
 ハイペリオンはにこりと笑って翼を広げると、皆を乗せる準備を始める。
「こうして皆さんと一緒に冒険をするのは久しぶりですね。さあ、どうぞ。背に乗ってくださいな」

GMコメント

●シチュエーション
 ハイペリオンに乗って、雲海の先へ冒険に出かけよう!

●空中戦パート(前半)
 ハイペリオンの背にのって、襲いかかってくる飛行型のモンスターたちを迎撃しましょう。勿論、一緒に飛んでも構いません。
 現れるモンスターは『インプ』というモンスターで、飛行し魔法で攻撃してくるという特徴を持っています。
 どうやらこの遺跡を自分達の巣にしていたようです。

※ハイペリオンの加護
 ハイペリオンの周囲では『媒体飛行』『簡易飛行』でも通常の飛行と同じ扱いで戦闘が可能となります。
 また、怪我がじわじわ治っていく効果が備わっています。
 あとおひさまのいいにおいがします。

●守護者パート(後半)
 遺跡にたどり着いたらゴーレムとの戦いです。
 全員で力を合わせて戦うべき強力なゴーレムで、凄まじい怪力をもつほか熱光線などの装備を備えているようです。
 他にも未知の攻撃方法があるかもしれませんので注意してあたりましょう。
 このときハイペリオンはヒーラーとして一緒に戦ってくれます。

●NPC
・ハイペリオン
 かつて勇者王と共に大陸中を飛び回った神翼獣。
 冒険の役目を終えてからは神翼庭園ウィツィロにて封印の眠りについていたが、昨今の古代獣復活に連動するかたちで目覚めた。
 本来は美しく巨大な白鳥の姿をしており強大な古代獣とも渡り合う力をもっていた筈だが、永き眠りの中で力が散逸し3mほどのひな鳥の姿となった。顔もシンプルかつファンシーになった。(╹v╹*)
 ウィツィロのハイペリオンランドをおうちにしている。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • 雲海を越えて行け完了
  • ハイペリオンと共にゆく、雲海の向こうへの冒険
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年12月18日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)
老練老獪
ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲
メイメイ・ルー(p3p004460)
祈りと誓いと
ェクセレリァス・アルケラシス・ヴィルフェリゥム(p3p005156)
天翔鉱龍
鏡禍・A・水月(p3p008354)
鏡花の盾
郷田 京(p3p009529)
ハイテンションガール

サポートNPC一覧(1人)

ハイペリオン(p3n000211)
神翼獣

リプレイ


「本物のハイペリオンさまだ! いやあっちの世界のハイペリオンさまも本物だけど、俺にとってのハイペリオンさまはこの世界のハイペリオンさまなんだよな!」
 やったぜ! とばかりにハイペリオンに抱きついておひさまの香りを堪能する『鳥種勇者』カイト・シャルラハ(p3p000684)。
 それをハイペリオンはあらあらと笑って眺めていた。
「あちらの私はどうでしたか?」
「立派なとりの神様だったぜ。けどやっぱり、なんていうのかな……」
 カイトのハイペリオンへの想いは混沌世界のハイペリオンあってのものである。なんというか、とても『本物感』があるのである。
「キャー、ハイペリオンちゃんったらモッフモフー、かーわーいーいー!
 もうアタシここから離れないわよー、あっはっはー!」
 そんなハイペリオンに同じく抱きついて顔を埋める『ハイテンションガール』郷田 京(p3p009529)。
 なんだかんだで反応がJKのそれである。
「冒険なにそれー、アタシもう知らなーい、キャー!
 ……あ、うそうそ、覚えてます、覚えてますってば。
 ハイ、お仕事ですからね、ええ、ええ、やる事やります、働かざる者モフるべからず……」
 神妙な顔をして離れつつも、やっぱり名残惜しいという様子でハイペリオンの羽毛を人撫でする。なんといっても温かいのだ。この寒い季節には特に埋まりたい。
「…………」
 『優穏の聲』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)はそんな様子をどこか羨ましそうに眺めながら、かけていたサングラスをチャッと外す。
「プーレルジールでの決戦だったり。
 天義でのルストや遂行者達との決戦など、気を張らなければならない戦いも多い中だと……。
 今回のような冒険は癒しだなぁ」
 しかもハイペリオンのようなもふもふの神様が一緒だというのが良い。ゲオルグの心は静かに踊っていた。
「今回の冒険を、仲間と共に心ゆくまで楽しむとしよう」
「わーい! ハイペリオンさんと一緒だー!
 セレスティア遺跡、楽しみ…頑張るよー!」
 一方で無邪気に今回の状況を楽しんでいる『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)。
 『約束の力』メイメイ・ルー(p3p004460)もわーいとハイペリオンに抱きついてハイペリオン吸いに興じていた。
「ハイペリオンさまと、冒険……!
 わぁ……夢のよう、です。
 プーレルジールのハイペリオンさまもお優しくて偉大でした、よ」
「そうですか……自分のことではない(?)ですけれど、なんだか嬉しいですね。仲良くしてくださいましたか?」
「はい。一緒に旅をしました」
 『夜鏡』水月・鏡禍(p3p008354)がこくりと頷いて応えた。
「ハイペリオン様と飛ぶの、初めてのような初めてじゃないような、不思議な感じです」
「それなら、改めまして……ですね。宜しくお願いします。鏡禍さん」
 にっこりと笑うハイペリオンに、鏡禍もまた微笑み返す。
「プーレルジールか」
 『蛇喰らい』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)が顎を撫でて笑う。
「向こうでのお前さんとは会わんかったがアイオンとは一緒に旅をしたぜ。ありゃ良い冒険者になるぜ」
「アイオンさんですか。とても懐かしい名前です。きっとそちらでも立派な方だったんでしょうね」
「ああ。それはそれとして……雲海の先の遺跡とは良い放浪日和になりそうだ」
 今回の冒険は雲海の先、セレスティア遺跡を目指しての空飛ぶ冒険だ。
 確かに浪漫に溢れた光景が見られることだろう。
 『天頂の鉱龍』ェクセレリァス・アルケラシス・ヴィルフェリゥム(p3p005156)がやる気を見せた様子で宙に浮かぶ。
「あのハイペリオンと一緒に飛べるとはね。これは空に住まう者として負けてられないかな?」
 ところで、と振り返るェクセレリァス。
「ハイペリオンの真の姿ってどんな感じだった?」
「巨大な白鳥のような姿だと言われていましたよ」
「白鳥……」
 きれい系か、と呟くェクセレリァスであった。


 高く、高く、町が小さく消えるほど高く飛んで行く。
 そして山岳を越え、雲海をも越えた先、ついに――。
「見てください。遺跡が見えてきましたよ」
 山岳の頂上にあるというセレスティア遺跡の様子が遠目に見えた。
 遺跡からは無数のインプたちが飛び出し、どうやらこちらに気付いた様子で警戒を始める。
「攻撃が来ます! 備えて!」
 ハイペリオンの言葉通りに、インプたちは攻撃可能圏内に入った途端に魔方陣を展開。漆黒の槍を作り出して発射してきた。
「そぉら!」
 ハイペリオンの背より立ち上がり、飛んできた槍を蹴り飛ばす京。
「なによー、アンタら! アタシはここから離れないわよ!
 空くらい自力で走れるけど絶対離れないんだから!
 寄ってくんじゃねーわよ、このトントンチキ!
 アタシの邪魔しようってんなら容赦しないわよ、落ちろザコスケ!
 アタシはこのモッフモフを楽しむので忙しいのよ!」
 京はオーラを纏った蹴りの連打を繰り出すことで『リコシェット・フルバースト』を発射。変幻自在の蹴りは例え数十メートルの距離を離していたとしても自在の軌道を描き、回避軌道をとるインプたちへと直撃していった。
「……」
 ゲオルグは『自分も本当は乗っていたかった』と心の中で叫びつつも、自らの力で飛行し散開する。
 なぜなら、もふもふを堪能しすぎて戦闘所じゃなくなってしまうに決まっているからだ! ……と、本人は心の中で叫んだ。
 というわけで誘惑を振り払いつつ、手の中で魔術を形成。こちらが攻撃することをわかって乱数回避を試みるインプたちの後ろをとると、ゲオルグは『ダーティピンポイント』の魔術を発動させた。必中の魔法である。無理に回避しようとしたインプへ必中した魔法に、更なる追撃を図るべく魔力を込めた拳で殴りつける。
「敵を引きつけます!」
 鏡禍は『ブレイズハート・ヒートソウル』を発動。妖力を浴びせかけた一部のインプは目の色をかえて鏡禍へと襲いかかる。
 インプは魔法で漆黒の槍を作り出すと、それを近接攻撃用に握り込んで突きを放ってきた。
 それを妖力の結界で防御し、至近距離から妖力の刃を叩き込む鏡禍。
 カウンターを喰らってインプは墜落していく。
 だが敵の攻撃は休まらない。次なるインプたちの一斉攻撃をなんとか結界で受け止める。
「そのまま抑えておいて」
 インプの集中攻撃を受けている仲間からやや距離をとりつつ、ェクセレリァスは『デミウェーブガン・閃輝』を放った。つまりは異界の兵器『波動砲』の模造。 眼前に球状力場を形成し魔力を収束し、力場を開放して金色のビームを放ち直線範囲を掃射するという強力な――ドラゴンブレスである。
 黄金の力の奔流が密集していたインプたちを貫き破壊していく。
 直線貫通であれば味方を巻き込まずに攻撃することもそう難しくないというわけだ。
 ということで、一気にインプを蹴散らすチャンスだ。
 メイメイはハイペリオンの背中の上から鏡禍に若干近づくように呼びかけた。呼びかけつつ……。
「スゥーーーーー……はっ!」
 うっかり吸っていた。はたと我に返ったメイメイは懐からもこもこした小さい羊の毛めいたボールをとりだし、えいっと投擲した。
 ボールは内側に内包したビリビリした『神気閃光』の力を解放。爆発してインプたちを纏めて墜落させていく。
「【不殺】攻撃で仕留めるのですね?」
「遺跡を住処としていて…縄張りに入ったのはこちらです、から。
 少しの間、大人しくしていただくだけ、で良いかな、と」
「優しいのですね、メイメイさんは。そういうところは好きですよ」
 そう、優しく語りかけてくるハイペリオン。
 一方。
「っしゃあ、残った連中は俺に任せろ!」
 カイトが本領発揮だとばかりにインプたちの群れへ突っ込んでは紅蓮の光をまき散らす。
 まるでミサイルポットによる一斉射撃を仕掛けたかのような紅蓮の光の爆発はインプたちの精神を操り、カイトめがけ槍をもって突撃するように仕向けさせる。
「テメェら、ハイペリオンさまより高く飛ぼうとは頭が高いッ!! ハイペリオンさまに向けて攻撃するとは言語道断! 二度と空を飛べねえようにしてやらあ!」
 集まってきたインプの一匹を『ホーク・インベイジョン』でたたき落としたカイト。三叉槍をぐるぐると回して見栄を切るその姿に、ハイペリオンがあらあらと微笑んだ。
「え、もっと冷静に? はい、ハイペリオンさま。とりさんおとなしくしまーす」
「いえいえ、そのままでも大丈夫ですよ。気分が盛り上がっているのですね」
「それはもう!」
 テンション爆上がりのカイト。
 そんなカイトに便乗する形で、ヨゾラが集まったインプへの攻撃を開始した。
「呑み込め、泥よ……邪魔する敵を全部呑み込め!」
 ハイペリオンの背から放つ『星空の泥』。
「ハイペリオンさんの背中、もふもふで心地いい……スゥーーー」
 そしてすかさずハイペリオンを吸う。
「このふわふわさ……猫乗せたいなぁ、だめかな?」
「終わった後でなら、大丈夫ですよ」
「本当? やったあ」
 などと楽しく会話をしながらも『星空の泥』を連射。インプたちに激しい【不吉】系BSを浴びせかけていく。
 そうしてある意味無防備になったところへバクルドは『クラシックライフルWカスタム』を構えた。
「確実に落とす」
 カイトが素早く離れ、敵だけが密集したエリアにマグネブラストを発動。義手に搭載された強磁性を鋼鉄球に帯びさせ、ショットガンのように発射、ばらまくことでインプたちに命中させる。
 派手に抵抗力や防御力を失ったインプたちを確実に撃ち落とすべく構えたライフルによる『ラフィング・ピリオド』を撃ち込んだ。
 急所を見事に撃ち抜かれたインプがそのまま墜落していく。
 最後のインプを撃ち落としたところで、バクルドはハイペリオンの背へと腰を下ろした。
「背中を貸してもらってありがとな、ハイペリオン」
「いいえ、お役に立てたならなによりです」


 インプの群れを抜けたところで、ようやく到着するのがこのセレスティア遺跡である。
「情報に寄ればここに守護者たるゴーレムが……」
 と呟いた矢先、ゴゴッと音を立てて台座のようなものがせり上がっていった。
 それは台座などではなく角張った石材を集合させて作り上げたゴーレムであった。
 即座にライフルで発砲するバクルド。だがゴーレムはその巨体に見合わない機敏さでライフル弾を防御する。
「図体がでかいのは知っちゃぁいたがその割には思いの外機敏だな」
 ならば狙うは関節部だ。
 関節を執拗に狙って撃つバクルドと、頭に当たる部分から熱光線を発射してくるゴーレムとの激しい打ち合いが始まった。
「熱線も飛ばして全くバラエティに富んでるのも勘弁願いたいもんだな」
「あの白い羽毛に埃一つ付けさせねえ!」
 カイトは天高く飛び上がると、ゴーレムの頭部めがけて強烈な『ホーク・インベイジョン』を叩き込んだ。三叉槍による突撃である。
 それを受けて軽くぐらつくゴーレム。それに手応えを感じたカイトは『至天光星』と『緋天歪星』を駆使してヘイトを稼ぐ動きに移る。
「俺が敵を引きつける。その間に一気に攻撃をいれまくれ!」
「よしきた」
 京が好機とばかりに飛びかかり、強烈な蹴りをゴーレムに浴びせかける。
「てめー飛んでこいよ、なんで地面に這いつくばってんだよコラ?
 アタシゃーハイペリオンちゃんを1分1秒も無駄なくモフモフしていたいんだよ!
 てめーが飛べねえイモムシ野郎だから降りなきゃ行けないだろうがよぉ、ああ?!?
 クッソ野郎この木偶の坊が……土手っ腹にでけぇ風穴あけてやっからソコになおれぇ!!」
「こ、こわい……」
 鏡禍はビクッとしたあと、纏っていた妖力を焔の形に燃え上がらせるとそれを剣のように成形した。
「カイトさんが注意をひけていますが、もしヘイトが途切れて襲ってくるようなら僕を盾にして防いでください!」
 では行きます! と鏡禍はゴーレムめがけて突進を開始。咄嗟に防御に出ようとしたゴーレムに対して、焔の剣で膝関節を切りつけた。
 がくりと膝をつき、隙を晒すゴーレム。
 ェクセレリァスはここぞとばかりに『LSA・凍雷』を発動。正式名称はリープシージアタック。ワームホールを形成しそれを介して触手を空間跳躍させ対象を四方八方から攻撃するという凶悪な攻撃手段である。
 隙を見せた所に四方八方からの攻撃を受けて、ゴーレムはその装甲をぼろぼろと崩れさせ始める。
 そして、カッと頭部の目にあたる部分を強く光らせたかと思うとカイトに強烈な熱光線を直撃させた。
「何っ……!?」
 これだけの回避性能をもったカイトに攻撃を当てられるということは、超々命中力攻撃かあるいは必中攻撃。だがそれだけリソースを割くと言うことは威力にツケが回るはず。
 カイトは飛行を一時中断し地面に着地するが、それをメイメイは素早くケアした。
 『女神の口付け』で素早くカイトを治癒すると、大量のミニペリオンを召喚。呼び出したミニペリオンは今回は羊さんコスチュームで統一されていた。
「ペリー!」
 大量のミニペリオンがゴーレムに飛びかかり、装甲をべりべりと引っぺがしにかかる。
 ヨゾラはここぞとばかりに走り出す。
「これが僕のとっておき……星の破撃!!」
 ダッシュからの跳躍。そして綺麗なフォームで繰り出される『夜の星の破撃(ナハトスターブラスター)』がゴーレムを派手にのけぞらせる。
 光り輝くヨゾラ自体が流星のごとく叩きつけたその結果、ゴーレムは地面に手を突きなんとか転倒を免れた。
 だが、免れただけだ。
 ゲオルグたちがその隙を逃さない。
「そこだ」
 拳に魔力を溜め、空を一直線に飛翔するゲオルグ。
 突き出した拳はゴーレムの顔面を滅茶苦茶に粉砕し、貫いていった。
 ゴーレムが形を保てたのはそこまで。
 どすんと仰向けに倒れたかと思うと、そのままボディをボロボロと崩れさせて動かなくなったのだった。
「込められた魔術が解けた、か……戦闘終了だな」
 サングラスをかけ直し、ゲオルグはクールに言い切るのだった。


「ハイペリオンもふもふタイム!」
 さっきまでのクールさが嘘みたいにハイペリオンに抱きついてモフモフを堪能しまくるゲオルグがそこにいた。
 ジークを呼び出して一緒にもふるその姿は子供のようである。ハイペリオンを前にすると大体の人類はこんな感じになるのだが、ゲオルグは元々のもふもふ好きがそれを加速させたようであった。
 京も同じくもふもふを楽しみ、折角だからと鏡禍も一緒にハイペリオンを吸ってみる。
「これ、ちょっと癖になりそうですね……」
「でしょーーー」
「そういやプレールジールでのアイオンとの旅には白い雲の海じゃなく黒い影の海だったな、あっちはあっちで楽しい放浪だったが見てて殺風景だったな。ともかく風景は断然こっちだな」
 バクルドは戦いを終え、腕のメンテをしながら遺跡からの光景を振り返っていた。
 雲海を下に見る、絶景も絶景。
 そうしていると、カイトやヨゾラたちが遺跡の地下から『夜霧の書』を手にやってきた。
「これ、どんな魔法が記されてるんだろう」
「さあな。それをこれから調べるんじゃないか?」
「少し、楽しみ、です」
「あとでヴァレリに聞いてみようか」
 メイメイとェクセレリァスもそこに加わり、帰り支度を始める。
「ハイペリオンさまもお疲れ様、です。
 おうちについたら甘いお菓子で休憩しましょう、ね」
「あ、俺も俺も!」
 カイトが両手をあげてアピールするので、ハイペリオンは微笑んで頷いた。
「はい。それでは、皆で帰りましょうか」

 こうして、ハイペリオンとイレギュラーズたちは無事『夜霧の書』を手に入れ冒険を終えたのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――mission complete

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