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シナリオ詳細

マグロ食べ放題アイランド

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 マグロ。それは海の王様にして美味の境地。
 しもふりのごとく美しい肉を食めばその蕩けるような味わいに酔いしれることができるだろう。
 更にはそれを握った酢飯の上に載せれば完璧なる寿司の誕生である。
 炙り焼くことで出来上がるステーキはその満足感もさることながら溢れる肉汁が幸福をもたらす。
 マグロ――その美味を求めて、イレギュラーズたちはついに見つけたのである。
 タイラントマグロの群生地を。

「タイラントマグロを獲得してきてほしい。それが、依頼内容よ」
 濡鴉の黒髪を長く流した美女はそう述べると、手にしたキセルをスッと口元へと運んだ。
 彼女の名はティセル・ヘルメスキー。美食界隈に名を轟かせる海洋貴族の一角を担う人間であり美食のヘルメスキー家として知られる人物でもある。
 美食のヘルメスキー家といえばタイラントマス寿司やタイラントエノキダケといった美食モンスターを狩りその味を知らしめたことでも有名で、今回ターゲットとなるタイラントマグロもまたその美食探しの一環となることだろう。
「今回私達の調査によって発見された島、グランクラン島の沖にはタイラントマグロが群生しているわ」
 タイラントマグロ。
 それはマグロの中のマグロといわれる美味なるマグロでありながら、その凶暴性と戦闘能力から漁師たちの間でも幻と言われる美食の逸品モンスターだ。
「タイラントマグロを獲得するには当然海に潜る必要があるわ。
 水中戦闘用の装備は調えているかしら?」
 問いかけるティセル・ヘルメスキーはそう言いながらも、宝箱を開いてみせる。
 中に入っていたのはネックレス。先端には閉じた貝殻のような飾りがついており、そこからほのかに魔法の力を感じることが出来る。
「これは水中戦闘を可能にするための装備よ。海の中でも呼吸が可能になるわ。もしあなたが水中戦闘用装備を持っていないなら、これを貸してあげる。
 それでタイラントマグロの戦闘能力だけれど……」
 と資料を開くティセル・ヘルメスキー。同じ資料を渡されていたあなたがぺらりとページをめくると、タイラントマグロの戦闘方法について記述があった。
「タイラントマグロは強烈な突進攻撃を得意としているわ。突進された時の対処法を考えておくと、戦闘を有利に運べるでしょうね」
 他にも、側面からの攻撃には堅い鱗と魔力的防御が邪魔をして難しいことや、高い機動力によるヒットアンドアウェイを仕掛けてくることが予想されると書かれていた。
 とはいえヒットアンドアウェイは超反応あってのもの。突進してきた相手へのカウンターを狙えば仕留めることは難しくないはずだ。
「できるだけ多く獲得してきてほしいものだけど……ここは『漁師の特権』として取ったその場で食べることも許可するわ。船には調理場が用意してあるから、そこをつかって好きなマグロ料理をこしらえるといいわね。刺身、焼き、カルパッチョ――どう調理しても美味しいことは間違いないわ。きっと、楽しめるはずよ」
 そこまでの説明を終えると、ティセル・ヘルメスキーは資料をパタンと閉じた。
「それじゃあ、頼んだわね。あなたが最高のタイラントマグロを獲得してくることを期待しているわ」

GMコメント

 マグロを倒しまくり、マグロを食べまくりましょう!

●マグロ戦闘パート
 突進を得意とするタイラントマグロを真正面から迎え撃ち、倒しましょう。
 カウンター戦法がお勧めです。
 水中戦闘装備がないかたは『水中行動(弱)』の装備をレンタルできるのでそちらをご利用下さい。
 ちなみにタイラントマグロは魔法敵な防御がかけられており、どんな攻撃を行ったとしても身が綺麗に残るという特徴を持ちます。毒でもなんでも使っていけ!

●マグロ実食パート
 とったマグロを新鮮なうちに食べましょう。
 どんな料理がお好みでしょうか。刺身からいくのはセオリーとして、無限に存在する鮪料理の中から何を選ぶかでもここでの楽しみが変わってくるでしょう。
 ちなみに衣をつけて揚げたカツをパンズで挟むマグロバーガーが最近食べた中で最強でした。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • マグロ食べ放題アイランド完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年12月12日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

十夜 縁(p3p000099)
幻蒼海龍
アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
灰雪に舞う翼
カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽
十夜 蜻蛉(p3p002599)
暁月夜
ケドウィン(p3p006698)
不死身のやられ役
ヴァイオレット・ホロウウォーカー(p3p007470)
咲き誇る菫、友に抱かれ
アーマデル・アル・アマル(p3p008599)
灰想繰切
ジョシュア・セス・セルウィン(p3p009462)
変わる切欠

リプレイ


 海鳥の声すらも遠い、海のただ中。
 船のデッキに出た『幻蒼海龍』十夜 縁(p3p000099)は煙草をくわえると、ゆっくりとその紫煙を肺へと吸い込んだ。
 手すりに寄りかかり、うまそうに煙を吐き出す。
「そう言やぁ、もうそんな季節だったか。
 この時期になると、毎年活きのいいマグロが競りに出されてるが、タイラントマグロなんて滅多にお目に掛かれねぇ“大当たり”だ。
 大漁だったら、少しばかり身を貰って帰りたいねぇ」
 縁は海のものを食べないが、『店主』は泣いて喜ぶだろうから……と。
 そんなことを呟いていると、隣にしずしずと『想い出は桜と共に』十夜 蜻蛉(p3p002599)が立った。
 ちらりと見る緑に、どこか照れたように微笑む蜻蛉。
「ほんまはね、お家で大人しゅうお留守番してるつもりやったんやけど。
 居ても立ってもいられず……ひょっこりついてきてしもたんです。
 この前は、サバを釣るお仕事にお邪魔してきました。今日は、マグロやて……食い意地ばっかり目立ってしもて、いけません。やって猫やもの、仕方ありません。んふふ」
 頬に手を当てて笑う蜻蛉に、縁は苦笑を返す。
 好きなものを腹一杯食べられるなら、それはそれは結構なことだ。
 そんな雰囲気の中で、『灰雪に舞う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)がスキップでもしそうな勢いで船室からデッキへと出てきた。
「弱いけど水中行動ができて水中で戦えて、マグロを倒した後は料理ができておいしく食べれる。いい感じの依頼だね!
 戦う相手の防御能力がちょっと特殊だけど」
 いわく、タイラントマグロ。
 聞いたことがある者はある、という程度の美食モンスターだ。
「マグロ狩りの時間だああああああ!!!!
 魚のエキスパート、漁師の血が疼くぜ!!」
 という具合によく知る『鳥種勇者』カイト・シャルラハ(p3p000684)は大盛り上がりなのである。
 縁、アクセル、カイト。海洋王国の依頼で何かを取ってこいと言われると大体揃うメンツである。
 おかげでなんだか慣れ親しんですらいるわけだが、そんな彼らの中に船室で待機していた仲間たちが交じってくる。
「いやはや、長くイレギュラーズをやっていると、おかしな依頼に当たる事も在るものですね。
 まぁ……文字通り、乗りかかった船でもございましょう。微力ながらお手伝い致します」
 穏やかな表情でそう語る『水底にて』ヴァイオレット・ホロウウォーカー(p3p007470)。
 実際これはマトモな部類なのかもしれないが、確かに『おかしな依頼』の一部だろう。
 マトモじゃない依頼はどんあものかといえば……。
「なるほどマグロ。光らない、即ち光るパワーを旨味に全振りしているという事だな?」
 『灰想繰切』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)のように常識がねじ曲がってしまう依頼のことである。
 ちなみにマグロは光らない。光らないのが普通である。そのはずだ。
「ところで、依頼書にある情報制度Bというのはどういう意味だ? マグロの種類か?」
「種類ではないと思いますけど……」
 『ひとさじの勇気』ジョシュア・セス・セルウィン(p3p009462)。彼もマグロ関連で常識が欠落しかかっている人物である。
 マグロが地面から生えるのを見ていたせいで、海を泳ぐマグロの話を聞いてホッとしているくらいだ。そうこうしていると、海を並走していた竜宮イルカがちゃぷんと海面から顔を出してくる。そろそろ目的のポイントに到着したということなのだろう。見回してみると、なんとなくだが魚群の気配を感じなくもない。
「皆さん、飛び込みの準備はいいですか?」
「まかせな」
 と言ってキャノン砲をごろごろ引き摺ってくる『不死身のやられ役』ケドウィン(p3p006698)。
 『完全で完璧な出勤キャノン使用券』を使って借りてきたらしい。嫌な予感しかしないアイテムである。
「タイラントマグロだか何だか知らないが、このケドウィン様にかかればイチコロだぜ!」
 ティセル・ヘルメスキーから借りた水中呼吸魔法のかかったネックレスを首に提げると、ビッと親指を立てて見せる。
 そしてキャノンの中に入ると、赤い髑髏マークのボタンを押して貰った。
 砲撃。放物線。悲鳴。そして。
「おああ!?」
 腹から行ったなと、誰もが思った。


「皆さん、来ます!」
 水中でも問題無くマグロの姿を視認したジョシュアは、手を振って仲間に合図を送った。
 合図の通り、無数のタイラントマグロがこちらめがけて突っ込んでくるのが見える。
 その突進攻撃は凄まじく、まともに喰らえばダメージは確実。
 だがしかしジョシュアはあえてタイラントマグロに対して突進の構えをとった。
 『ディアノイマン』を発動。思考の一部を自動演算化すると相手の軌道と自分の軌道を予測する。
 そして、タイラントマグロと正面衝突する寸前のところでわずかにカーブをかけ、回避。と同時に放った剣によってタイラントマグロのひれを傷つける。
 停滞状態をくらったタイラントマグロがその速度を緩めたところで、急なターンをかけて追跡。後部から連続で空間斬撃を叩き込んでいく。
 なるほど賢いやり方だ。
 それを見ていた蜻蛉は虹の尾びれをひらりと華麗に動かすと、突っ込んでくるタイラントマグロに対して『メイデンハート』『イオニアスデイブレイク』による強化付与で対抗。
 ドスッと強烈なタックルを喰らったところで、自らのダメージが軽微であることを確認した。
 これならば問題無い。タイラントマグロが距離をあけ逃げようとするが、ドルフィンキックで加速することで距離を保ち、花弁の形をした魔石を生成。鋭い動きで射出する。
 クナイのように飛んだ魔石が鋭くタイラントマグロに突き刺さり、その肉体を急速に弱らせていく。
「毒で倒しても大丈夫みたいやし? 遠慮はしません」
 自分のぶんはこのくらいで充分だろうと判断してか、治癒の仕事に回る蜻蛉。
 そのサポートを受けて縁は気楽そうに振り返った。
「さーて、そんじゃ勝負と行こうや。悪いが、水ん中はお前さん方だけの庭じゃねぇんだぜ?」
 突っ込んでくるタイラントマグロを華麗にさばく。さばくと同時に刀の一撃をいれるのを忘れない。
(適当に獲れるだけ獲って、後は心置きなく酒を飲む――ってのはいつも通りだが。
 とはいえ、今回は嫁さんも一緒なんで……まあ、何だ、多少は気合い入れるとしようかね。
 美味いモンは食わせてやりたいしな)
 ちらりと蜻蛉を見て、彼女が頬に手を当て笑っていた時の事を思い出す。
 というわけで繰り出すのは『操流術・引潮』。
 突っ込んできたタイラントマグロの機動力を削ぐと、そこから続けざまに繰り出した極寒の冷気を纏う斬撃で素早くタイラントマグロを仕留めて見せた。
 こうなりゃ負けていられないアクセルたちである。
「よーし、水中でもうまく動けてる。この調子で――!」
 翼を起用に動かしてタイラントマグロへと突進。相手の突進をギリギリのところで回避すると、その瞬間に神気閃光をぶっ放した。
 カッと周囲を照らし出す神聖の光が突進してきたタイラントマグロたちに纏めてぶつかり、目をくらませたタイラントマグロに更なる衝撃を喰らわせる。
 アクセルが選択したのは必中のヴァイス&ヴァーチュだ。目がくらんだまま逃げようとするタイラントマグロに対して追尾する光の矢。それが銛のように突き刺さり、タイラントマグロの息の根を止める。
「そうくるか。ならこっちもいつものやつで行くぜ!」
 カイトはバシャンと一度海面から上へ出ると、鋭い角度をとって再び入水。水神の加護を得ている彼は水中でも問題無く例の曲芸めいた飛行が可能なのだ。
 その華麗な飛行(水泳)能力によって泳ぐタイラントマグロたちに混ざるように魚群へ割り込むカイト。
 それを排除しようと散ろうとするタイラントマグロだが、そうなる前に紅蓮のオーラを叩きつけることでタイラントマグロたちの知性を歪めてしまった。
 タイラントマグロたちはすぐにターンして突進をしかけてくるが、それを次々に回避していくカイト。
 すれ違いざまに繰り出すのは必殺のホーク・インベイジョンである。
 三叉槍に貫かれ、あるいは切り裂かれるタイラントマグロたち。正しく大漁の光景であった。
「おーおー、やってるなあ」
 ケドウィンは腹をさすりながらドリルアーム『天穿』を装着する。
 突っ込んでくるタイラントマグロに対して回避も防御も、あえてしない。
 あえての真正面攻撃だ。
 相手の腹に叩き込むギガクラッシュが派手に炸裂し、同時にケドウィンの体力がタイラントマグロの突進によって削られていく。
 だが体力が削られることは望むところなのだ。
「オレは追い込まれてから本気を出す漢だからな……!」
 ギラリと目を光らせるケドウィン。
 再びタイラントマグロが突っ込んできたと同時にカウンターの『ヘヴン・セブンスレイ』を叩き込んだ。大回転するドリルがタイラントマグロの装甲を削り、穿つ。
 その様子を見ていたヴァイオレットはならばという具合にタイラントマグロに『ソニック・インベイジョン』を叩き込んだ。
 事前にマグロが強く好むであろう香りを船から散布しておいたおかげか、タイラントマグロは注意散漫気味だ。そんなタイラントマグロに対してある意味一方的にヴァイオレットの連続攻撃が炸裂していく。
 タイラントマグロも一応反撃の突進は試みているが、華麗に泳ぎ回るヴァイオレットをとらえることがまるでできていなかった。
 圧倒的実力差、ということである。
 更なるタイラントマグロを吹き飛ばしたところで、ヴァイオレットは倒したタイラントマグロを回収して海面に設置された網へと放り込んでいく。
 網の側では、アーマデルが集まったタイラントマグロとの戦いに勤しんでいた。
 ふと、彼が海に浸かる前に言っていたことを思い出す。
『水中行動なら問題ない、カジキマグロの生える領地の隣人の嗜みというヤツだ。
 でもまあちょっとやばそうな時は水上から空中に上がって一休み&仕切り直しも出来る。
 人類にはたまには冷静になって己を見つめ直す時間も必要なんだ。
 冷静になるのはいいが、正気に戻ってはいけないぞ?』
 ある意味全く冷静ではない言葉だったが、戦いの様子を見る限りは冷静そうであった。
 引き締まったマグロを選別しては挑発し、突っ込んできた所にあえて『英霊残響:絶叫』を発動。放った蛇鞭剣ダナブトゥバンを使って急速に相手に接近すると、『蛇巫女の後悔』で特製スパイスを打ち込んでいく。
 そして最後は『デッドリースカイ』で水揚げというコンボである。いつものコンボといえばそうなのだが、今日は一段とマグロに気分が乗っているらしい。
「だいぶとれたようだな。これ以上はとりすぎになる。一度船に戻ろうか」
 アーマデルが冷静にそう呼びかけると、仲間たちは頷いてそれに応じたのだった。


 マグロのステーキ。それはマグロを喰らうものにとっての贅沢であり、ある意味の極地だ。
 アクセルはそれを、鉄板の上で実現していた。
 厚切りにしたマグロの赤身を鉄板でじゅうじゅうと焼いて、そしてひっくり返す。
「筋が多いっていう頭の肉はじっくり焼いてゼラチン質を溶かして仕上げたいね」
 などといいつつレアに焼き上げたステーキをまずは皿にとった。
 かじりつけばじゅわりと広がるマグロの肉汁。そして溶けて消える食感と、僅かな甘み。
 うーんと堪能したアクセルのその隣では、カイトが腕組みをして考え込んでいた。
「カルパッチョにステーキにユッケに汁物に、色々楽しめるな。ただ俺は漁師、つまり漁師めし。
 漁師めしといったら漬け丼だよな! 料理ちょっとだけできるぜ俺!」
 ということで魔法のタッパーに予め仕込んでおいたタレとマグロの刺身を混ぜていれ、一定時間放置。魔法の効果で刺身にタレが染みこんだところで取り上げると、炊きたてご飯の上に載せ、そして頂点には卵黄。
「これがとりさんの好みだぜ!」
 うめえ! といいながら漬け丼をかっくらうカイト。
 ケドウィンはにやりと笑ってそんな一同の前でマグロの赤身をフライにしてみせた。
「――!?」
 驚くのも無理からぬ。衣を付けて揚げたマグロをパンズではさみ、タルタルソースとレタスを加えたマグロバーガーを作り上げたのだ。
「基本的にマグロはどう食ってもウマいからな」
 そういってかじりついた瞬間のザクッとした歯ごたえ。そしてパンズによって混じり合う食感と味わい。すべてが合わさり、パーフェクトなハーモニーを創り出していた。
 その横では、ヴァイオレットが持ち込んだハーブや果物といったものを広げている。付け合わせによいものを選んできてくれたようだ。
 仲間が捌いてくれた刺身を一口たべ、ほっと息をつくヴァイオレット。
(マグロ、ですか。故郷(日本)では、よく食べられていましたね。
 口にする機会のあった時は幼かったですが…こんな味をしていたのですね)
 口に出しはしないが、その表情には僅かに懐かしむ色が浮かんでいた。
 続いてこちらはアーマデル。
「俺は甘酢漬けとかツナサンドだとわりと安心して食べられる。兜煮もいいな。
 だが今日の俺にはガストロ帝国の魂がついているから人類が食せる料理を作れるはず」
 といってマグロのカレーなるものを作り上げて、その圧倒的な美味に自分でびっくりしていた。
「カレー味は全てを覆い隠す、さながら聖夜の雪のように……だというのにこの主張! 新鮮なマグロで作るマグロカレーはこんなにも美味だというのか……!」
 確かにマグロは悪くなるのが早いのでカレーには不向きである。が、こうして食べれば良いわけである。
 一方で縁。
 彼はマグロの身を少し包んで貰いつつ、自分は酒をちびちびとあおっていた。
「ちなみに、夜遅くに店に来る客連中の間で人気の裏メニューがあってな
 こそげ取った中落ちに、刺身醤油と胡麻を絡める
 そいつを炊きたての白飯に乗せて、上から茶を注げば――タイラント茶漬けの完成だ
 好みで葱やらワサビを散らしても美味いらしい
 残った骨で出汁を取りゃぁ完璧だ」
 そうなのかと頷く蜻蛉。早速というべきか、腕まくりをして調理に取りかかることにした。
「海の恵みに感謝して。ほんなら、包丁をいれさせてもらいましょ」
 といって早速いただくのはお刺身。そしてお醤油とみりんとお酒に漬けて白ごま散らして、ご飯の上にのせる丼。
「働いたあとのご飯は、ほんまに美味しいわ♪」
「皆さんいろんなものを作るんですね……それじゃあ」
 ジョシュアは色々迷ったあげく、選んだのはカルパッチョだった。
 マグロの赤身とアボカドと玉ねぎ、ソースはしょうゆベース。
「マグロづくしなんて贅沢ですね」
 などと言いつつ、作り上げたマグロのカルパッチョをテーブルに載せると皆の料理がずらりと並んでいた。
 さあ、皆で分け合ってマグロ料理を堪能しよう。マグロ食べ放題パーティーの始まりである!

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――mission complete

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