シナリオ詳細
<悠久残夢>夢のまにまに
オープニング
●
混沌世界は万象の上に座す上位世界である。
下位の世界を飲み喰らい、何れはプーレルジールとて飲み込む。――それがプーレルジールの逃れられない滅びのひとつ。
だが、その時にもしも『滅びのアーク』が可能な限り凝縮されていたら?
――プーレルジールを飲み込んだ混沌世界は内側から侵食されていく。
それこそが『終焉』に属する者たちの狙いであった。
何れは混沌世界に飲み込まれてしまう。
それは逃れられない。
けれど――その前に第三者の手で滅ぼされるのは、また話が別であろう。
●アトリエ・コンフィー
今まさに魔王城へと乗り込まんとするイレギュラーズたちが集うアトリエ・コンフィーへ、ジュゼッペ製のゼロ・クール『ミーリア』が顔を出した。
「ユグムがいなくなってしまったそうです」
何だか『お手伝いさん』たちが忙しそうなのを見て、少し申し訳無さそうに切り出す。
「……ユグムだけじゃなくて、ミーリアが買い物に行くお店のゼロ・クールも居なくなってしまったみたいで……」
「ミーリア様……」
ウーヌスが居なくなった時のように案じているのだろうミーリアへ、大丈夫ですよとニル(p3p009185)が寄り添う。確かに出かける予定はあったけれど、お話をしてくださいとミーリアの手を握った。
「ウーヌスは無事なの?」
「はい、ウーヌスはジュゼッペ様の元にずっといるので」
ジルーシャ・グレイ(p3p002246)の問いにこくんとミーリアが頷く。アトリエ・コンフィーのお手伝いさんたちとお買い物をしてから、ミーリアはひとりでお買い物を任せてもらえることが多くなった。ジュゼッペはその分、ウーヌスがアトリエでひとりにならないように過ごしている。
「……ん? ミーリア、ジュゼッペには言ってから此処へ来たのか?」
「いいえ。ミーリアは買い物からの帰宅途中です」
「……ジュゼッペは最近のその、ゼロ・クール失踪の件は?」
「存じておられるはずです」
問うたヤツェク・ブルーフラワー(p3p009093)は顎を撫でる。……これは今頃アトリエで、帰宅が遅いとジュゼッペが案じているパターンではないか?
皆が忙しそうだと話せるタイミングを待っていたミーリアは、アトリエ・コンフィーを訪ってから暫く時が経過している。買い物は近所であることと周囲の人間も知り合いが多いことから許されているが……アトリエ・コンフィーまでとなると話は別だろう。
「すまない!」
――カランと鳴ったドアベルが、勢いがついていたためカンカンカンカンと響いた。
「此処にミーリアは――」
「ほら、おいでなさった」
天目錬(p3p008364)が笑って出入り口を親指で指し示すと、ミーリアは目を丸くした。ヤツェクにも解っていたようだし、不思議だ。
「どうされたのですか、ジュゼッペ様?」
「お前……、……いい。帰ろう、ミーリア」
邪魔をしてすまなかったと皆へ告げるジュゼッペに続こうとし、ミーリアの視線が彷徨った。ジュゼッペとともに帰らねばならない。けれどミーリアは――。
「ユグム様のことは、ニルもさがしてみますね」
だから大丈夫ですよ。
ニルの笑顔にパッと明るい表情となったミーリアは、ジュゼッペとともに帰っていった。
「ユグムも早く見つかるといいわね……」
ジルーシャも案じて眉を下げる。
されど、今一番にイレギュラーズたち気にすべきは魔王城――サハイェル城のことだ。
サハイェル城へ至り、魔王を打ち倒し、終焉の気配を退ける。
そうしなくてはプーレルジールだけに留まらず、混沌世界も滅んでしまうのだから――。
- <悠久残夢>夢のまにまに完了
- GM名壱花
- 種別通常
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2023年12月04日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●
ターラッタラッタッタータララララッタッタッター♪
乗り込んだ魔王サハイェル城。赤い絨毯が敷かれた廊下を駆けゆくと見かけたゼロ・クールを追いかけて進んだ部屋の扉を開けた途端、そんな明るい音楽が耳朶を震わせた。
ふんわりと甘く香る甘い甘いキャラメルポップコーンの香りに、楽しげな調子で響いている音楽。周囲にある遊具や街灯はポップで愛らしく――練達等でそれを知っていれば、「ああここはテーマパークなのか」と思える場所。
「アラ、キャラメルポップコーンのいい香り♪ ここって本当に魔王城?」
「はわわ。なんだかたのしそうで『おいしそう』な場所なのです!」
ワーー、イエーーーイ!
姿は見えないけれど遠くから楽しげに遊ぶ人の声も聞こえてきていて、『ベルディグリの傍ら』ジルーシャ・グレイ(p3p002246)と『おいしいで満たされて』ニル(p3p009185)は目を瞬かせた。此処が魔王城じゃなくて、遊んでいい状態だったら遊んでいって皆で写真を撮ったりしたら面白そう。――けれども此処は魔王城。それだけは忘れてはいけない。
「みゃ。さっきのゼロ・クールさんたちは?」
魔王城内をゼロ・クールがひとりで歩いているなんておかしい! と追いかけてきたはずだ。甘い顔につられないようにぎゅうと杖を握りしめた『祈光のシュネー』祝音・猫乃見・来探(p3p009413)も周囲へキョロキョロと視線を向けた。何だかとてもカラフルな空間過ぎて、視界に入ってくる情報量が多すぎる。人かなと思えばキャラクターらしきイラストであったり等身大の人形であったり――
「……あそこだ」
「お。っと、あれはパン屋の店番のゼロ・クールじゃないか?」
「知っている子なの?」
『陰陽鍛冶師』天目 錬(p3p008364)が指差す先を見た『最強のダチ』ヤツェク・ブルーフラワー(p3p009093)の言葉に『紅風』天之空・ミーナ(p3p005003)が首を傾げた。
「ああ、間違いない。ミーリアがジュゼッペの朝食用にってチョコデニッシュを買ったパン屋の店番だ」
「どうしてこんなところに……って、まあ考えるまでもないわよね」
渫ってきたのでしょうと『雨宿りの雨宮利香』リカ・サキュバス(p3p001254)が呟けば、祝音とニルが小さく息を呑んだ。慌てた様子でふたりの頭は動き、ユグムを探す。
「あっ、いました。ユグム様です!」
「ミーリアさんが探していた……」
ユグムの姿を始めて見る者たちは、あの子が、と思った。赤い髪の少年のような人形は今、他の人形たちと同じ『兵隊』のような衣装を着て隊列を組んだように並んでいた。
『あら、来たのね!』
ガガ、と鳴いたスピーカーから、少女の声がした。
イレギュラーズたちがスピーカーを見上げてから周囲を見渡せば、『こっちよこっち』と整列している人形たちの向こうにスポットライトが降り注ぐ。
『ハロー、「来訪者」さんたち! 可愛いアタシはココネちゃんよ! そして可愛いこの子たちはアタシのお人形たち!』
ヤマネの尾と尻尾をはやした明るい声を発する少女はマーチングバンドの指揮者のような装いで、ブンと指揮棒を振り下ろす。
すると人形たちはカタカタと震え出し――ギュンッと一斉にイレギュラーズたちへと顔を向けた。
「ひっ」
「操っていらっしゃる……の、でしょう、か」
怪談で出てくる呪われた人形を思い浮かべて思わず息を呑んだジルーシャの隣で『ちいさな決意』メイメイ・ルー(p3p004460)が冷静に呟いて。
『貴女が、指揮官なのです、ね。……初めまして。メイメイ、と申します』
遠くにいるココネへとハイテレパス。
『あら。うふふ、ごあいさつ、とってもうれしいわ。でもね、ごめんね。ハッピーエンド・ルートはダメなんですって!』
ぴ、ぴ、と指揮棒を横に振ったココネがヒュンッと指揮棒を振り下ろす。
その瞬間、人形たちは一斉にイレギュラーズたちへと駆け出した!
「ゼロ・クールだけじゃないようね!」
よくよく見てみれば、アトラクションからじんわりと粘液が溢れてきている。気をつけてとミーナが素早く仲間たちへと注意を促しながら前衛となるべく前へと出た。
「あれは……!」
「『寄生終焉獣』か!」
見たことのある者が見ればすぐに解る。廃棄場で見た覚えのある錬やヤツェク、ニルが仲間へと周知した。あれは人形にも人にも取り付く物だ、と。そして取り憑かれた人形はコアを破壊しなくては救えない――。
「まずは新たに寄生されないようにする必要がありそうですね?」
「やれやれ、厄介なタイプの敵がいたもんだ。これ以上被害広がる前に片付けるとしましょうか!」
リカも一歩前へと出てミーナと並び、自身が引き受けるからと宣言した。
ふたりの声に『ふふっ』とスピーカーからココネの声が響いた。けれどそれだけだ。ミーナには『正解ではない』というニュアンスの笑みに聞こえたが、ココネは終焉獣たちをけしかけるだけで、自らは動かないようだ。
「メルヘンなムードも今から台無しにさせてもらいますけど、恨まないでくださいね? ……聞こえないか、流石に」
小さく呟き、リカは自身を癒やす。さぁ皆! と視線で促せば、メイメイが近づいてきているスライム状終焉獣へ四象の術を使い、「誰にも寄生するな、未来を奪うな……みゃー!」と祝音が神滅の魔剣で一体を倒した。
「女の子のお部屋に、勝手に上がり込んじゃってごめんなさいね!」
《ハウリングシャドウ》――チャーチグリムを影から呼び出してスライム状の終焉獣を攻撃させたジルーシャが声を張り上げた。遠い場所にいるココネに聞こえるように。
「ねえ、この音楽や香りはアンタの趣味? とっても素敵ね♪」
『あら、話が解る人もいるのね! そうよ、アタシは甘くて楽しいものが好きなの! 曲名は滅びの行進曲よ!』
音楽を流し続けるスピーカーから少女の声が返ってきて、ジルーシャは「アラ」と小さく呟いた。半分ほど前言撤回かもしれない。
「みなさまを返してもらいます」
「そうだな、救わせてもらうぜ」
「ジュゼッペ達も、気をもんでるだろうしな」
助けた後のゼロ・クールが大丈夫なように保護結界を使ったニルの傍らで錬が自身を強化し、ヤツェクは友人たちが立ち回れるようにと疲労を見逃さんと周囲に目をくれている。
「皆で帰るんだ! 誰も倒れさせないよ……!」
まずは寄生前の終焉獣からと決めたから、操られているゼロ・クールたちによる攻撃で怪我が増えていくのを、祝音が回復させる。
(ゼロ・クールさんたちへの攻撃は……)
しても大丈夫なのだろうか。癒やしの力で後から治せるのだろうか……と考えれば、その確率は半分だろう。何故なら彼らは腕や足が取れても大丈夫なパンドラ持ち(イレギュラーズ)ではない。コアが無事ならばパーツの換装は可能だろうが……彼らの主たちが愛した姿とはかけ離れてしまうだろう。
(手勢が減っても動かないのね?)
タンクを担うリカはココネの様子を伺った。少女は段差に腰掛けて足をブラブラしているだけで眺めている。まるで頑張る人の劇を楽しむように。
ミーナもココネを超視力で見てみたが、幼い笑顔で指揮棒を振り振り、楽しんでいるようにしか見えなかった。ミーナがココネを見たのは自身のギフトのためではあるが……。
「よし! 撃破!」
「ひとまず、ネバネバはおしまいかしら?」
リカを乗っ取ろうとした個体が出てきたところを止めを刺し、ふうと吐息をひとつ。
けれども、まだだ。『ココネの可愛い人形』たちは動きを止めておらず、先刻からずっとイレギュラーズたちを攻撃してきている。
(ニルはかなしいです)
ユグムの手は料理をするためにあるものだ。それなのに力いっぱいイレギュラーズを殴って傷ついている。肩にだってダメージが行っているだろう。
「早く終わらせましょう、ね」
「はい……!」
きりっと眉を上げたメイメイに頷き返し、ニルも彼女と似た顔つきとなる。
(私は奇跡は嫌いですが、信じたがりやの英雄(バカ)のお手伝いは大好きです!)
これは奇跡に頼る必要のない戦いだ。ゼロ・クールたちを救おうとせず、倒してしまえば良い。けれどリカの仲間たちは奇跡に頼ってゼロ・クールたち全てを救いたいらしい。
なればとリカは仲間たちの前へと立ち続ける。範囲を広げるとココネにも届いてしまうから範囲は広げず、チャームでゼロ・クールたちを引き寄せて。願いを籠めるまでの間、近付けさせないようにと魅了する。
「今よ、やっちゃって!」
「ここから先は通しはしません!」
リカがゼロ・クールたちを抑えるが、数が多いためひとりで引き受けられはしない。半数はジルーシャへが受け持ち、それでも流れる分はミーナが吹き飛ばす。
六名が『死せる星のエイドス』を握りしめた。使い方は、混沌世界で奇跡を願う時と変わらない。強い祈りとありったけの想いを籠め、奇跡を願う。さすれば純然たるPPPではないが……星は奇跡を代行するだろう。
(星よ、どうか。ゼロ・クールの皆さまは……ひとりひとりに、彼らを作り上げた『魔法使い』がいて、主の方がいて、彼らの無事を願っています)
ぎゅうと『願う星』も握りしめ、メイメイは祈った。
(彼ら彼女らは人形だが、だからこそ製作者が心を込めて作ったはずだ)
錬も奇跡を願った。人形には作り手が居て、彼らを愛してくれる人々が居て、実際にその姿も見てきた。帰してやらねばいけない。彼らが帰るべき場所は彼らに寄り添ってくれる人々の元で、皆で笑い合うのが彼らにはお似合いだ。――だから!
「アンタ達も願え! おれ達と共に! おれ達が願いを導く!」
ヤツェクが叫ぶようにゼロ・クールたちへ呼びかける。帰りたいと願う力が彼らにあると信じている。だって彼らはあんなにも『人らしい』じゃないか。
ジュゼッペの人形たちを見てきた。人に寄り添い、人とともに歩む彼らを。
パン屋の店番の人形にだって会った。滑らかに会話をして、また来てくださいねと手を振ってくれた。
そんな彼らがこんなところで潰えていい訳がない!
(ニルは、ゼロ・クールのみなさまをたすけたい。みんな、誰かのだいじなひとだから)
ニルはユグムのことも知っている。ミーリアの家族で、一緒にクッキーを焼いてくれて、明るい笑顔を浮かべていたゼロ・クール。
(ミーリア様のおにいさまで、ウーヌス様のおとうとで……ジュゼッペ様のかぞくです。たすけたい、まもりたい、こわしたくなんかない! またニルとクッキーを作ってほしいです!)
ニルは握りしめた『星』にありったけの気持ちを籠めた。
――星よ、星よ、どうか!
ただでさえ奇跡を成すには強い想いの力が必要だ。そしてこの奇跡は一体のゼロ・クールではなく『全員』という大掛かりなもの。相応に強い祈りと想いを籠めねばならない。メイメイの星が光り、続いて錬、ヤツェク、ニルの星が光った。……想いが足りなかった星は光らない。
「ハッピーエンドを掴みとってみせる……!」
「ジュゼッペ様のかぞくは、ニルがぜったいぜったい、まもるのです!」
「助けます。連れて、帰ります。みんなで帰りましょう!」
「どうか先に続く道を見つける力を、星よ!」
四名の手の内の光が強まり――奇跡は成った。
強い光りに飲まれたゼロ・クールたちが動きを止め……その光によって殆どの寄生終焉獣は消されてしまったようだ。
だが。
「逃しはしないわ」
慌ててゼロ・クールから飛び出して間一髪で逃げたであろう粘液をミーナがじゅうと焼き払った。
『あらら……』
半分きったら帰ろうと思っていたココネだったが、まさか一気に消滅させられるとは思っていなかった。愛らしい瞳をぱちぱちとさせて驚いてから、すごーいと笑って拍手をした。
『すごいすごーい! なるほどね、「管理人」が目をかけるだけはあるのね! これがハッピーエンドの力? ステキね!』
ひとしきりはしゃいでから、ココネは『それじゃアタシはそろそろ帰るね』と服の裾をつまんだ。
『それでは、今日の人形劇はここまで。また遊びましょうね!』
その言葉を最後に、ヤマネめいた少女の姿はふとかき消えた。
(終焉から、いらっしゃったのでしょうか……)
ココネは『管理人』の名前を口にしていた。もしかしたらこの先、また会うのかもしれない。……いいや、また会うのだろう。終焉に属する者ならば、イレギュラーズの敵だから。
(……彼女も終焉獣が取りついた状態、なのかな)
確か魔王がそういう状態だったと思ったのは祝音だ。もしそうなら助けてあげたいと思う。だって悪いのは取り憑いた終焉獣で、取り憑かれた人は可哀想な存在だから。
「ユグム様……!」
「全員無事!? コアを確認して!」
ニルが駆けていき、ジルーシャが声を上げた。取り憑かれていたゼロ・クールたちは全員倒れていて、ぴくりとも動かない。リカは近くのゼロ・クールを抱き起こし、コアの場所を探した。コアの場所は様々だから、少し手間取ってしまう。
「ユグム様……」
ご無事ですかとニルが覗き込む。彼のコアは穏やかな光を宿しており、消えては居ない。
「よかった……みゃー」
「全員、主の元に返してやらないとな」
ホッと祝音が息を吐き、錬が少し骨が折れそうだがと呟いた。ミーナとリカはココネが戻ってこないか、また撃ち逃しや新たな敵が登場しないかを警戒してくれている。
「まぁそこはジュゼッペが協力してくれるだろうし、パン屋の主にも聞いてみよう」
なぁにコネクションは出来ている。
ニカッと笑ったヤツェクにホッとした表情を向けたメイメイは「一度帰りましょう」と提案した。此処に置いて先に進むことは出来ない。また寄生されてしまうかもしれないから。
安全なところまでの者も居れば、ギャルリ・ド・プリエまで送り届ける者も居るだろう。だが、誰からも否やの声はあがらなかった。
成否
大成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
全てのゼロ・クールをすくったため、大成功とします。
お疲れ様でした、イレギュラーズ。
GMコメント
ごきげんよう、壱花です。
混沌世界への害を取り除きに参りましょう。
●成功条件
場に居る寄生終焉獣すべて撃破
『ユグム』の保護
●シナリオについて
プーレルジールの行く末は混沌世界にも確実な影響を齎すため、イレギュラーズたちはサハイェル城へ乗り込みました。
敵を倒しながら廊下を進んで行くと、ゼロ・クールが走っていくのを見つけます。声を掛けても反応せず、とある部屋へと向かいます。……かなり怪しいですが、ゼロ・クールをこんなところに放置して置くわけには行かないので追うことになります。
その室内に指揮官級終焉獣『クルエラ』が居ますが、彼女は終焉獣たちへ命を下すだけで直接的な介入はしません。が、攻撃範囲に含まれる等あればその前提は崩れ、クルエラ『ココネ』が戦闘に参加。攻略は非常に困難なものになると思われます。
攻撃を加えなければ、ココネとは会話が出来ます。(一番遠くにいるため、叫ばないと声は届かないと思います。)
●フィールド『サハイェル城』ココネの間
黒を基調とした荘厳な魔王城です。
誘き寄せられる形で訪れたココネの間。踏み入れると室内は姿を変え、テーマパークのような空間へと変質します。明るい音楽と甘いキャラメルポップコーンの香り。そして、御伽話の兵隊のような衣装を着た兵隊と、ヤマネの耳と尾をはやした少女が居ます。
少女は室内にやって来たイレギュラーズたちが『この世界の住人ではない』ことを知っているようです。「ハッピーエンド・ルートはダメなんですって!」とタクトをブンと振るって寄生終焉獣たちをけしかけてきます。
●サハイェル城攻略度
フィールドが『サハイェル城』のシナリオにおいては城内の攻略度が全体成功度に寄与します。
シナリオが『成功』時にこの攻略度が上昇し、全体勝利となり、プーレルジールにおける『滅びのアーク』が減少します。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
●エネミー
◯『クルエラ』ココネ・ソーニャ
ヤマネ獣種の小さな少女に見えますが、指揮官級個体の終焉獣です。
小さなタクトを振り振り、寄生終焉獣たちの指揮を取っています。
配下の寄生終焉獣たちが少なくなってくると撤退します。
◯寄生終焉獣
・スライム状(寄生前)…5体
滅びのアークによって造り上げられたモンスター。寄生終焉獣とはスライムのような姿をしており、人の形をしている者に取り憑く習性があります。
ゼロ・クールやイレギュラーズたちに寄生しようとします。(ですがそこまで強い個体ではないため、イレギュラーズに寄生しても体の主導権が奪えず『次の宿』を探しに出ていきます。)
人間に寄生した場合は不殺で倒せます。
・ゼロ・クールに寄生済み…15体
既にゼロ・クールに寄生しています。
倒すにはゼロ・クールの『コアを壊さねばなりません』。……が、可能性の力を駆使すればゼロ・クールを救うことが可能です。ただし、可能性の力を願うには相応の想いと代償が必要となります。
・寄生されたゼロ・クールたち
半数ほどの人形は『人に寄り添う』お手伝い人形――ミーリアが買い物をするパン屋であったり肉屋であったり……そういった所で働いていたゼロ・クールたちのようです。後の半数は戦士タイプのようですが……案じている主がいるかもしれません。
ジュゼッペ製の人形は『ユグム』が巻き込まれています。
●アイテム『死せる星のエイドス』
星の少女ステラによって齎された可能性の力を代行する謎の機構です。
持っているからと言って必ず発動するものではありませんし、可能性の力が発動する度にパンドラを消費します。プーレルジールでもパンドラが0になると死亡しますのでお気をつけを。(特に複数参加や重傷時)
●『ゼロ・クール』ユグム
魔法使いと呼ばれている職人達の手で作られたしもべ人形です。
ジュゼッペ製。多くの場合戦士として利用されることが多いのですが、ジュゼッペは『人に寄り添うもの』を好みます。彼は元は999を意味する識別名をつけられていましたが、主人が決まり、今は『ユグム』という名です。
主は料理人で、ユグムは調理補助をしています。が、買い出しに出た数日前から帰ってきておらず、ミーリアが心配しています。
・関連シナリオ
<英雄譚の始まり>きのこの森探険 ~ユグムときのこ狩り~
●その他補足
OPに名前が出てきている『ジュゼッペ』『ウーヌス』『ミーリア』が気になる際は『<伝承の旅路>魔法使いジュゼッペと人形ウーヌス』を参照ください。
●EXプレイング
開放してあります。文字数が欲しい時に活用ください。
此度、関係者の採用はいたしません。
それでは皆様、よろしくお願いします。
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