PandoraPartyProject

シナリオ詳細

おいでよジャガイモの島

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●おいしいジャガイモ
 ふかした芋をご想像頂きたい。ポテトである。
 割った瞬間にほこほことあがる湯気。
 囓れば感じる僅かな甘みと、炭水化物特有の充足感。
 ほくほくと口の中で転がせば、その豊かな味わいに感じ入ることもできる。
 たとえばそこにバターが投入されたとする。
 バターの甘みとポテトの充足感が混ざり合い、それは崇高なるジャガバターと化すだろう。
 たとえば別に塩と青海苔を振ったとする。
 絶妙な塩味と青海苔の香りが心を満たし、腹を満たし、甘美な充足を味わうことができるだろう。
 たとえば油で揚げたなら。
 たとえば醤油とみりんで煮込んだなら。
 たとえば、たとえば、たとえば――。

「そんな無限の可能性を秘めたポテトの中でも!」
「絶品と言われるポテトの産地を見つけたよ!」
 レイリー=シュタイン(p3p007270)とリュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)が、船の上でぐっと拳を握りしめる。
 そして掲げた拳に一本指を立て、眼前の『島』へと突きつけた。
「その名も――『マジウマポテ島』!」

●マジ美味のポテト
 それは海洋王国が『静寂の青』を広く調査するにあたって発見した島のひとつであり、リュカシスたちがその未調査島のひとつひとつを調査しにいった際に偶然にも発見した島であった。
 マジウマポテ島。そこは世にも珍しいポテトモンスターが跋扈する島である。
「ポテトモンスターは倒すとジャガイモをドロップするんだ。そのジャガイモが世にも絶品なジャガイモになるんだよ!」
 嬉しそうに船の船室で語るリュカシス。
 想像してみよう。
 巨大ジャガイモに手足の生えたジャガイモ戦士。巨大ジャガイモに羽の生えたジャガイモ天使。ジャガイモから四つ脚の生えた巨大ジャガイモ猪。そんなファンシーなモンスターたちが跋扈する島のファンシーさよ。まるで子供番組のいかれた映像風景である。
 が、ここは現実。実際に巨大ジャガイモから手足の生えたジャガイモ戦士たちがこのマジウマポテ島には存在しているらしい。
「今日は島のポテトが実際どのくらい美味しいか、そして実際ゲットするに際してどのくらいの難易度なのかを調査するために私達は海洋王国から依頼されて派遣されてるってわけ」
 レイリーが事情を説明すべく手を広げてみせる。
 海洋王国のこの美食に対する情熱はなんだろう。
 世界がどんだけヤバくても美味しい島には必ず立ち寄っておくという、執念であろうか。
 とはいえ、楽しい敵を倒して美味しいジャガイモをゲットできるとあらば受けない道理はどこにあろうか?
「勿論、ゲットしたポテトは海岸のキャンプでみんなで食べるわ」
「どんな風に料理するか考えたり、料理が出来る人にリクエストするのもいいよね」
 イレギュラーズたちは船に乗り込み、マジウマポテ島を目指すのであった。
 さああなたは、どんなポテト料理を目指す?

GMコメント

 幻のマジウマポテ島を発見したあなたはポテトモンスターを倒しマジウマなポテト料理にありつくのだ!

●フィールドとエネミー
 マジウマポテ島には様々なポテトモンスターが生息しています。
 そんなポテトモンスターたちを倒すとマジウマなポテトがドロップします。原理はしらない。
 そんなポテトをまずは島を探索しながらゲットしていきましょう。
 なにも全員かたまって移動する必要とかないので、適当に散り散りに島を探索しつつ出会ったポテトモンスターを倒して行く感じでお楽しみください。
 チーム分けはしてもしなくてもOKです。その場のノリと雰囲気でいくのもまた一興でしょう。

●ポテト
 手に入れたポテトはジャガイモ系が殆どですが、たまにサツマイモや山芋といったかわったものも混ざっているようです。レアですね。そして不思議ですね。
 海岸に仮設キャンプを設営しますので、そこでお好みのおいも料理を作って食べて楽しみましょう。
 あなたのお好みのお芋料理はなんですか? 私はジャガバターが滅茶苦茶に好きです。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • おいでよジャガイモの島完了
  • おいもの美味しい季節になって参りました
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年11月21日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)
炎の守護者
ベーク・シー・ドリーム(p3p000209)
泳げベーク君
リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)
無敵鉄板暴牛
レイリー=シュタイン(p3p007270)
ヴァイス☆ドラッヘ
エステット=ロン=リリエンナ(p3p008270)
高邁のツバサ
胡桃・ツァンフオ(p3p008299)
ファイアフォックス
佐藤 美咲(p3p009818)
無職
鹿王院 ミコト(p3p009843)
合法BBA

リプレイ


 ぽっ、と指先に炎を灯し、それをじっと見つめる『炎の守護者』チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)。
 茜色に照らされた表情はリラックスの一言。
「お芋はいいよねえ……おいしいし日持ちするしレシピも豊富だし」
「マジウマポテ島……静寂の青、なんでもありますねぇ。芋限定なのはちょっとよくわかりませんが」
 『泳げベーク君』ベーク・シー・ドリーム(p3p000209)がふうと息をつく。
 誰が呼んだかマジウマポテ島。美味しいジャガイモのとれる島。
「でもまぁせっかく僕が食べられることはなさそうな場所ですし、のんびり食材集めをしましょう。
 陸の食べ物って、ちゃんと判別して違いがよくわからないんですよね」
「ベークが好きなジャガイモ料理って何?」
「美味しいと思ったのはスイートポテトですけど」
「それサツマイモだね」
「え、そうなんですか?」
「とれるといいね、サツマイモも」
 どうやら多少レアながらもサツマイモなんかもとれるらしい。
 ほっこりした顔で言うチャロロである。
 そうこうしていると船は島へとつき、小舟を下ろして『砂下の歯車』リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)たちは上陸を試みた。
「ここが幻のマジウマポテ島かあ。美味しい島探検、腕が鳴りますネ」
 見渡してみる限りそこは普通の海岸だ。しかし中へと分け入ってみれば、見たことの無いジャガイモモンスターたちが待ち構えているというわけだ。
「よーし! いくぞ、ポテト狩りだ!」
「この島で一杯収穫し一杯食べて持ち帰るわよー!」
「「おー!」」
 二人はどうも鉄帝の越冬で痛い思いをした経験があるからか、保存の利く食べ物に敏感になっているようである。
「本当にお芋って色々な調理法があるし、美味しいのよね。
 煮てよし焼いてよし蒸かしてよし!
 栄養価も高くてとてもいい食材なのよ!」
そう熱弁するレイリーである。
 既にデカい麻袋を用意しており、大量に持ち帰る気満々な様子だった。
 『高邁のツバサ』エステット=ロン=リリエンナ(p3p008270)もやる気十分のようで、既に索敵モードに入っていた。
 周りを広域俯瞰で観察し、ジャガイモモンスターの影は無しデス、などと呟いている。
「ジャガー」
 『ファイアフォックス』胡桃・ツァンフオ(p3p008299)がシャッと手をかざした。コャーのジャガイモ版である。
「おいもがたくさんの島があると聞いて。
 祭りと聞いて我慢できずに駆け付けた胡桃C.H.なの。
 いっぱいポテトを手に入れて、いっぱい食べるの、がんばるのよ」
「そうですねええええええがんばりましょうねえええええええ」
 『無職』佐藤 美咲(p3p009818)がどこかイカれた声で応じた。
 脳内に浮かぶはちょっと前の健康診断。
 『佐藤さん、今回の健康診断の数値まずいですねー……。このままだと健康にかなりの影響が……』と語る医者の言葉。『血糖値はパンドラを貫通するんですよ』という真顔の言葉は真実か否か。
 しかし、美咲は知っていた。芋は美味いという事実を。糖質の塊だけど美味いということを。
「医者とか知らねぇ! 私は今芋を食べたいから芋を食う!!」
「突然どうした!?」
 びくっとのけぞる『合法BBA』鹿王院 ミコト(p3p009843)。
「芋、揚げる、食う」
「なるほど確かに。おいもは油との相性がバツグンじゃからの。揚げて揚げて揚げまくるのじゃ」
「揚げる、食う」
「そのためにまずはポテトモンスターを倒しまくらねばの」
「倒す、食う」
 理性というか人間性を失いつつある美咲を軽くなだめるミコト。
「しかしリュカシス殿がいうには、巨大じゃがいもに脚やら羽やら牙やらが生えたモンスターが出現するらしいが……なんかすごいのいたらどうしよう」
 頭の中でもやもやと、なんか言葉にしたらだめそうな外見のポテトモンスターが空想される。
「さすがに人語を喋ってたら、わし、倒せるじゃろか。
 罪もない、芋を……」
 切ない表情で呟くミコト。
 ここ、伏線なので覚えておいてくださいね。

 かくして、イレギュラーズたちによるおいも狩りが始まるのであった。


「ヤメテタベナイデ。ボクワルイジャガイモジャナイヨ」
 いた。めっちゃいた。喋るジャガイモ。
 ミコトははわわあという顔をしながら震えている。
「ほ、本当にいた!」
「ヤメテタベナイデ」
 ぷるぷる震えるジャガイモ。手足の生えた巨大なジャガイモとしか言えないそれは、ミコトの振りかざすハンマーを前にただただ怯えていた。
「くっ、儂は罪もないおいもに手をかけるなぞ……」
「タベナイデ」
「罪……」
「タベナイデエ」
「罪……罪?」
 思い浮かぶや深夜のポテチ。
 真夜中になると食べたくなるあの味。ちょっとだけならと開いてしまう袋。そして空っぽになる袋。
 気付けばそれは、おなかのぽよんとした部分へと変じ……。
「やっぱ罪深きなにかじゃの!」
 ソラァ! とかいいながらウォーハンマーをぶんまわしおいもを殴りつけるミコト。
 ついでに無骨なナイフを取り出すとお芋をじょりじょりスライスしていくのだった。
 その様はまさにポテトキラー。ポテトを殺すための兵器であった。

 ミコトがポテトキラーになってるまさにその頃。
「良いスか?芋は人間用だから喰うんじゃねぇっスよ?
 ……喰うんじゃねぇって言ってるでしょうが!!」
 むしゃむしゃポテトを生のまま食い始めるワイバーンのハーベを、美咲がべしべし素手でぶっ叩いていた。
「大体生でいったら腹壊すでしょうが! こらっ、食べるのやめなさいこらっ」
 やっと食べるのをやめたハーベ。美咲はリュックサックにお芋を詰めると、しっかりファスナーを閉じて背負った。
 と、そこで二十二式自動偵察機のブザー音。
「見つけたっスか!」
 ギラッと光る美咲の眼鏡。ダッシュで向かうとおいもエンジェルが偵察機をボコボコにしていた。
「うわー! やめろ! 修理するの大変なんですよそれ!」
 オラァといいながらドロップキック。
「おら、炭水化物、炭水化物を寄越しなさいよ!」
 そこから鋼の腕でぼこぼこに殴りまくると、何個かのポテトをドロップしておいもエンジェルはぽふんと消えたのだった。

「ヤマー」
 コャーの山芋版を叫びシャッと手をかざす胡桃。
「アイウォントトゥビィザベリィベスト~
 水辺は苦手なわたしなので、森の中とか探しに行くのがいいんじゃないかしらの気持ちなの
 おいもと言えば畑という常識は通用しなさそうなの」
「そうなのデス?」
 一緒についてきていたエステットが問いかけると、なのなのといつもじゃやらない頷きを胡桃は返した。
「あ、早速」
 発見したのデスと呟くと同時にエステットは素早く空へと飛び上がった。
 そして飛行し逃げ去ろうとしていたポテトエンジェルを鉤爪のある両足でがしりとキャッチ。
 空中で翼を羽ばたかせ衝撃を与えると、ポテトエンジェルは飛行能力を喪失して墜落してくる。
 そうとなれば今度は胡桃の出番である。
 水の如く、流れるように構えを作る胡桃。両手にボッと青き狐火を灯すと跳躍し、墜落してくるポテトエンジェルに胡桃の必殺連打を叩き込んだ。
 炎でカウントされた文字が無駄に100コンボを表示すると、ポテトエンジェルはじゅわーっといい香りを漂わせながら地面に落ち、そしていくつものポテトをドロップしたのだった。
 そして……ハッと振り返る胡桃。
 偵察に出していた炎狐招来がこちらへ猛然と接近するポテトイノシシを感知したのだ。
「構えるのっ」
「攻撃準備完了ナノネ」
 次なる攻撃対象を見定めたエステットが翼を羽ばたかせる。精神の力を武器に伝達させて叩きつけるというエステット独特の技なのである。
 これを喰らって突進どころか吹き飛ばされたポテトイノシシ。
 胡桃は両足に炎を灯して加速すると、ポテトイノシシめがけて強烈なムーンサルトキックを叩き込んだのだった。

 仲間がポテトイノシシを仕留めた丁度その頃。
「私の名はレイリー=シュタイン! さぁ、お芋さん出ておいでー!」
 レイリーがそう叫ぶと、茂みからのっそりとポテト戦士が現れた。
 デカいジャガイモに手足。そして手には剣というそのシュールな見た目。
 ていやーとばかりに斬りかかってくるポテト戦士に対抗すべく、レイリーは格納していた折りたたみ式装甲を腕のアームドコンテナから展開。
 剣を受け止める――と同時に自らをマントのようにシールドで覆った。
 なぜなら、死角から別のポテト戦士が飛び出し斬撃を放ってきたからだ。
 それに加えて合計三体のポテト戦士による一斉攻撃。それをうけとめたレイリーはアームドコンテナから『ヴァイスドラッヘンホーン』を展開。一度シールドを解除すると大きくなぎ払うように回転斬りを繰り出す。
 斬りといっても突撃槍。槍側面でもってなぎ払う形で三体纏めて吹き飛んでいく。
「そっちへ行ったわ!」
 呼びかけるレイリー。
 応えたのは、リュカシスだった。
「ポテモンそのものが食べられるワケじゃないんだよね。
 大きくて美味しそうだから食べられたらいいのにな」
 でっかいジャガイモにかじりつく想像をしながら、リュカシスは腕のカスタムパーツ『鉄鋼千軍万馬』のスターターを引っ張った。
 チェーンソーの如くワイヤー仕掛けのスターターはぶるんと一度吠えたかと思うと、ごてごてとカスタムされまくった各種パーツがうなりを上げて回転、発光、あるいは吠える。
「ええい!」
 飛んできたポテト戦士たちめがけてそのごてごてアームを叩きつけると、ぽぽんっと可愛い音を立ててポテト戦士たちが大量のジャガイモをドロップした。
「あっ見て! サツマイモもドロップしてる! レアだね!」
 拾いあげてきゃっきゃとはしゃぐリュカシス。FLASH-DOSUKOI02が抱えたカゴにサツマイモを放り投げると、うまいことFLASH-DOSUKOI02がカゴでキャッチしてくれた。
 と、その時。バチンっという音が近くで響いた。
「罠にかかった音だ!」
 リュカシスたちが走って行くと、リュカシスの仕掛けた罠にかかったポテトイノシシが足をとられもがいている所だった。
 顔を見合わせるリュカシスとレイリー。
 ならば手加減する理由なし。リュカシスとレイリーは同時に武器を叩きつけ、ポテトイノシシをジャガイモに変えたのだった。

「こういうのって毒使わない方がいいんでしょうかね」
「大丈夫じゃない? ドロップするのは別ものだし」
 リュカシスたちが罠にかけたポテトイノシシを仕留めたころ、チャロロとベークもまたポテトモンスターの集団と出くわしていた。
 自身から甘い香りを放ちつつ、突進してくるポテト戦士の攻撃を引き受けるベーク。
 そういうことなら、とベークは『附子』を振りまきポテトモンスターたちに毒を染みこませていく。
 相手が弱った所で繰り出すのはG・L・B。
 たい焼きの口から放たれる餡子……じゃなくて砲撃はポテト戦士のボディを易々と貫いて崩壊させる。
「いい調子だね、負けてられない!」
 チャロロもまた、反対方向から現れたポテトイノシシを引きつけ、機煌宝剣・二式に炎を灯す。
「おいもたち、食べられたいやつからかかってこい!」
 強烈な突進がチャロロを襲う。
 が、機煌重盾で突進を受け止め、受け流し、その動きを利用して剣で豪快に斬り付ける。
 チャロロの斬撃によって派手に転倒したポテトイノシシはそのまま動かなくなり、別のポテトイノシシの突進へとチャロロは構える。
 ちらり、とベークとチャロロの間で視線が交わされた。
 突進してくるポテトイノシシとポテト戦士。
 二人は背をつけ、くるりと互いの場所を反転によって入れ替えると、レオパードヴァラーとG・L・Bをそれぞれぶっ放した。
 予期せぬ攻撃をそれぞれ真正面から喰らってポテトへと変じるポテトモンスターたち。
「やった!」
 チャロロはドロップしたポテトを抱えると、随伴させていた木馬のカゴへと放り投げていった。


 というわけで、おいもタイムである。
 海岸に広げられたキャンプセットでは早速ジャガイモの調理が行われていた。
「オイラはまずじゃがバターから……んー、ふかしたてのお芋にバター、最高だよ!」
 チャロロがほっこりとしながらジャガバターをつつく。
 ジャガイモはジャガバターにして食う。それは原初より定められし掟であった。
 とりあえずみんなジャガバターで心を満たし、そして……ちょっと変わった料理に挑戦するのだ。
「故郷のB級グルメを作ってみるね。まずはふかしたお芋の皮をむいて……」
 チャロロはむいたおいもを大きめの串に刺し、甘めの衣を付けてフライヤーへと投入した。
「故郷の国のドライブイン名物『あげいも』だよ。
 お好みでケチャップやマヨネーズなんかも合うかもね。
 ひさしぶりに食べたなぁ……なんだかなつかしい味だね」
 ほっこりさをますチャロロ。
 ならばとベークはシンプルに塩をまぶしたふかし芋を食べ始める。
「そういえば、芋って結構色々あるんですねぇ。レア芋もいくつかゲットしましたよ。そちらはどうでした?」
「うん、見て見て! サツマイモゲットしちゃった」
 リュカシスは嬉しそうにサツマイモを取り出すと、皮を剥いて調理をし始める。
 作るのはそう、ポテトモチ。
 それも木の実をまぜて楽しい食感にしたポテトモチ&スイートポテトモチは、リュカシスは勿論ベークたちも美味しそうに食べていた。
「調理法も色々あるんですねえ」
「そうなの。今日はそれもたのしみでね?」
 と話すリュカシスの横で、早速と言うべきかレイリーがフライドポテトを作っていた。
 ちょっと分厚く切ったポテトを油で揚げるシンプルなポテトは、塩をふっただけで当然美味い。揚げたてなので爆裂に美味い。
「レア芋も調理しちゃいましょ。サツマイモは焼いといて、山芋はバターソテーとか美味しいわよねー」
 うきうき気分で調理を一通り終えると、レイリーや持ち込んだラガービールを翳した。
「それじゃあ乾杯ー!」
 チャロロたちもジュースをコップに入れて翳してみせる。
「わらわは食通でないので、誰でも大満足な食事をとるノネ。仲間もいっぱいいるので自分だけでしか見つけられないの以外もあるからワクワクなのデス」
 そう語るエステットの調理方法はカリカリに揚げること。
 こちらはポテトを細く長く切ることでカリカリ食感を強くしたものだ。ついでにレア芋である里芋もフライにしてペロリといってみる。
 これがやはり、爆裂に美味いわけである。
「サツマー」
 コャーのサツマイモ版をシャッと披露(?)しつつ、胡桃も料理した焼き芋をほくほくしながら食べていた。
 炎の扱いは得意な胡桃なのである。当然(?)サツマイモを焼くのも上手なのだ。
「そして、今回はマヨネーズを大量に用意しましたの。
 わたしはポテサラが大好きなの。
 ジャガイモを~茹でて~潰して~具と一緒にマヨネーズと混ぜて~。
 ハム玉ねぎキュウリ人参は人によって入れるかが違うらしいの。
 正直に言えば3食ポテサラでもいいの、幸せ……」
 自作のポテサラに舌鼓を打つ胡桃。
 そして美咲はといえば、早速炭水化物モンスターになっていた。
 フライドポテトにジャガバターイカの塩辛をのっけて喰らうという酒飲みみたいな食い方をしていた。
「ポテトサラダもいいでスねえ。コレまでのすべての悪しき栄養素が全て帳消しとなるという寸法でス。
 やっぱり芋は良いスねー。炭水化物を食べていると本来の自分って感じがしまス」
 そしてもりもりと増える、体重。美咲は現実から目をそらした。
 一方のミコトは。
「ほっくり焼いてバターを乗せるのもいいが、やっぱり芋は揚げるに限るの!
 フライドポテト! チップス! 潰してコロッケにしてもええの!」
 テンション爆上げでポテトチップスをサクサク喰らっていた。塩は、高い位置から。
「わし知ってる。どこぞのバーガー屋では塩なしを頼むと揚げたてを用意してもらえるのじゃ!
 だがここでは何もいわずとも揚げたてじゃからの!
 遠慮なく振るぞ!
 コンソメバターや青のり、カレー粉なんかをかけてもええの!
 うっひょーーー!」
 用意していた青海苔をポテトチップスに振り掛けてからサクサクパリパリやるミコト。たまらんとばかりに声をあげる。
 その声は、青き空によく響いたという。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――mission complete

PAGETOPPAGEBOTTOM