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シナリオ詳細

<ラケシスの紡ぎ糸>酔えば酔うほど強くなる

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●全剣王の塔
 鉄帝を襲った未曽有の事件から、それなりの時がたった。
 不屈の精神で復興は進み……それでも、災難とは立て続けにやってくるという。
 漸く立ち直ってきた鉄帝の帝都近辺に、突如奇妙な塔が出現したというのだ。
 同時に、全剣王を名乗るものから、宣戦布告の宣言がなされたのだ。
「我こそが真なる鉄帝の王である。我はこの塔より惰弱なる現鉄帝を支配し、その部を布くものである。命惜しからん者は挑むがいい。この塔には最強が在る!」
 なんとも鉄帝の者たちを強く刺激する言葉だろうか。
 最強。それを目指す者は多く居るし、鉄帝自体がそういう国だ。
 しかし、その宣言だけでは終わらなかったのだ。
 同時に、塔から溢れんばかりの『終焉獣』や『不毀の軍勢』らが現れ、鉄帝国を『侵略』し始めた。鉄帝はラド・バウ闘士や軍人たちと協力して、この塔付近に防衛ラインを敷き戦っている。
 同時に、ローレットへ攻略依頼を行うこととなったのだ。
 そして現時点で塔は、現在入り口付近まで制圧されており、内部に侵入することが可能となっている。
 しかし内部は複雑であり、ダンジョンのようであったり、あるいは闘技場のようになっていたりと、階層ごとにめちゃくちゃになっているほか、奇妙な魔術で現在地を攪乱させているようで、現在が何階層なのか、そもそも外から見た通りの内部構造をしているかなど、一切が不明だ。
 まるでそれ自体が巨大な塔というダンジョンの如くであり。しかしそれは、攻略されるべきものであることは間違いない。

●おさけのかおり
「全剣王の塔については聞いていると思うです」
 【旅するグルメ辞典】チーサ・ナコック (p3n000201)は集まった面々にそう切り出した。
 全剣王。その名前を知っている者は恐らく鉄帝を拠点とする者の中には多いだろう。
 全剣王とは、『鉄帝の歴史の中で最強の皇帝と呼ばれた伝説の存在』である。
 勿論、この塔の先にいるのが本物の全剣王であるという確かな証明があるわけではない。
 しかし、最強の皇帝である全剣王の存在は、鉄帝に生きる者の魂を震わすのは間違いない。
 その全剣王に挑めるかもしれないと腕試し感覚で入ってきた鉄帝の民やラド・バウ闘士、あるいは階層攻略中の軍人などが塔の中には存在している。
 ……まあ、ひとまずそれはさておいて。全剣王の塔を攻略するべく、此処に居る面々は集められたのだ。
「というわけで、皆さんにはとある階層の攻略を依頼するです」
 その階層は、凄く酒臭い階層であった。
 形態としてはまるで酒蔵のような雰囲気であり、天井まで続く棚にはぎっしりと酒樽が詰められているという。
 まるで歴史あるワイン倉庫のようであるが、明らかに異常な量の酒樽が収められているところを見るに、やはり普通ではないのだろう。
 この酒樽の迷路のごとき階層だが「とあるルール」が存在しているようだ。
「そのルールですが……飲むと強くなる、です」
 勿論未成年は飲めないが、成人していれば階層にある酒を飲むことで強くなることができるという。
 ただし、飲むことで多少のデメリットもあり飲めば飲むほど蓄積していくので、どの程度飲むかは考えるべきだろう。
「……基本的には、飲むことでこの階層の攻略に有利になる効果を得られるみたいですが。まあ、皆さんは大人だからちゃんとその辺出来ると信じてるです」
 そう、立派な大人の大人力がこの階層では試されているのだ……!

GMコメント

無限酒蔵編です。違った、全剣王の塔です。
酒樽のがっつり詰まった棚で出来た迷路をお酒を飲みながら進みましょう。
この階層、滅茶苦茶広い上に複雑で一定時間でルートが変化するような、そんな不可思議な階層です。
しかし、階層の何処にでもあるお酒を飲むことで階層攻略の助けになる効果を得ることが出来ます……!
なお、各メリット、デメリットは全て累積します。

●特殊ルール(おさけ)

■酔い度1~5(食前酒程度)
・メリット
全体的な能力がほんのり上がります
・デメリット
特にありません

■酔い度6~20(ほろ酔い)
・メリット
正しいルートが直感的に理解できます
・デメリット
味方の区別がつかなくなります

■酔い度21~60(酔っ払い)
・メリット
全体的な能力が上昇します。
レンジ1の酩酊流:鉄山靠を使えるようになります。強いです。
酔ってフラフラになった影響で回避率が上昇します。
・デメリット
本来使えるはずの技を一時的に全部使えなくなります。

■酔い度61~99(深酔い)
・メリット
全体的な能力が凄く上昇します。
レンジ1の酩酊流:崩拳を使えるようになります。超強いです。
・デメリット
足取りがヤバくなります。

■酔い度100オーバー(ダメ人間)
・メリット
HP、APが毎ターン全快します
・デメリット
酔い潰れて寝てしまいます。起きても酔い過ぎてあんまり動けません。飲み過ぎです。

●敵一覧
・『不毀の軍勢』酒乱老子
物理攻撃力に長けている老人型の怪物です。酔っぱらったような動きで変幻自在の攻撃を繰り出します。
相手を吹っ飛ばす「酩酊流:鉄山靠」や、相手に凄まじいダメージを与える【防無】、【ブレイク】効果のある「酩酊流:崩拳・極」を使用するようです。
出口の近くにいるでしょう。

・酩酊人×12
『変容する獣』であり、体の中身が透き通っている蒼白い終焉獣です。四足歩行をしていますが徐々に二足歩行→対話能力を身に付けると人間に進化していきます。
今回は皆さんそっくりに変化していますが、元々の色のせいか飲み過ぎて具合悪いみたいな感じに見えます。
攻撃方法は皆さんの武器や攻撃方法に『見た目だけは』似たものを使用してきます。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <ラケシスの紡ぎ糸>酔えば酔うほど強くなる完了
  • この階層、お酒くさくね?
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年11月04日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

亘理 義弘(p3p000398)
侠骨の拳
バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)
終わらない途
新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ
レイリー=シュタイン(p3p007270)
ヴァイス☆ドラッヘ
アルム・カンフローレル(p3p007874)
昴星
祝音・猫乃見・来探(p3p009413)
優しい白子猫
金熊 両儀(p3p009992)
藍玉の希望
秦・鈴花(p3p010358)
未来を背負う者

リプレイ

●酒呑んでいこう
 酒の香りがする。酒樽と棚で出来た、酒まみれの階層。此処をそれ以外の言葉で表すことは不可能だろう。
 酒、酒、酒。まさにそんな酒だけの迷宮であり階層に『侠骨の拳』亘理 義弘(p3p000398)たちは来ていた。
「さて、今回の仕事は全剣王の塔のフロア攻略だ。決して酒をたらふく飲む依頼じゃないからな……フリじゃないぞ。まあ、誰が止めたところで無駄な事は分かっている。覚悟、しておけ」
 どういうことなのか。それはどうやら、『蛇喰らい』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)を見れば分かりそうだ。
「ガハハハハハハハハハハ! あっち見てもこっち見ても酒! 酒! 酒ェ! 全剣王の塔じゃなくてこりゃ、全酒乱王の塔じゃねえか!」
 まだ仕事が始まったばかりなのに酔っぱらっている。もうちょっと飲んだら深酔いの域に到りそうだ。
「ぶはははははは! 見ろよぉ、引き金引いてんのに弾が出ねぇでやんの! 部屋もあちらこちら揺れたり回ったりしてるしイカれてんなぁ!」
 なおバクルドのクラシックライフルWカスタムは現在未装填である。弾が出るはずもない。
「この依頼、私は一人ではない。酒クズと書いて「とも」と呼ぶ者たちの想いも背負っているのです。アーリアさん、ヴァレーリヤさん、バクルドさん……あ、バクルドさんは居たわ」
 ヴォードリエ・ワインをラッパ呑みして準備運動……ちょっと意味わかんないですね……準備運動している『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)などは、すでに深酔いまでギアをあげている。
「ところでバクルドさん、いつの間にか筋肉増えました?」
「バクルドはそっちだ」
 すでにバクルドと義弘の区別がつかない寛治だが、バクルドも寛治と酒樽の区別がついていない。そして恐るべきことに、酔っぱらってフラフラしているのはこの2人だけではない。たとえば『ヴァイス☆ドラッヘ!』レイリー=シュタイン(p3p007270)を見てみよう。
「お酒お酒お酒! まずは駆けつけ一杯! お酒を飲める階層なんて全剣王も乙なことをしてくれるわ。そう、私の名はレイリー=シュタイン! さぁ、まずは、かんぱーい!」
「酔ったら強くなるってなんだろ……? よくわかんないけど、お酒飲んでいいんだねぇ! やったぁ!」
「そうね、かんぱーい!」
 『芽生え』アルム・カンフローレル(p3p007874)もレイリーと共に飲み始めている。
「とはいえ、全剣王とか不毀の軍勢とか言う奴らは強いから、気を引き締めて掛からないとね。深酒しないように気をつけつつ、周りにも気を配りつつ、……あ、このお酒美味しいなぁ」
 ちなみにアルムはほろ酔い程度にしようという自制心がある。
「がははははは! なんじゃ!! 今日はタダ酒飲み放題らしいのぅ! こがぁな、お得な依頼があるとは……いやぁ、混沌の未来は明るいぜよ! ……一応、水ば沢山持ち込むか」
 『特異運命座標』金熊 両儀(p3p009992)も自制心がありそうだったが、序盤からセーブなんてせずに鬼らしくバカ呑みし、一気飲みを始めていた。よし、ダメそうだ。
「なぁなぁ、首ば貰うてえいか?」
「ダメよ!」
 首を刈りたくなっている両儀に『未来を背負う者』秦・鈴花(p3p010358)はそんなことを言っていたが……急にピクリと反応する。
「ねえ!! この特殊ルール私専用じゃないの! ねえ!! なんでよおおおお! ……そんな電波をピンクだか紫だかの髪の飲んだくれから受信したわ。誰か知らないけど不明で此処に来られなかった可哀想な女が居たみたいよ」
 誰のことだろう。きっとお酒が好きで好きでたまらない誰かに違いない。
「ってことで鈴花、のっみまーす!!」
「なぁなぁ、斬ってえいか?」
「うるっさいわね誰も止めるな!! 全剣王の塔? 知らないわよそんなの此処は全酒王の塔よ!! 「この門をくぐる者、一切の正気を捨てよ」 そうこの入口に書いてあるわ、そうに違いなカンパーイ! ウエーイ!! ハッピーファントムナイトー! 立派な大人の大人力? そこになければないですね」
 ちなみにそんな但し書きはない。鈴花はすでに酔っている……!
「みゃー」
 そんなダメな大人たちを、『祈光のシュネー』祝音・猫乃見・来探(p3p009413)は義弘と協力して馬車に放り込んでいく。
「僕は未成年なので、飲めません。皆のサポート兼素面担当です。みゃー」
「飲めるようになってもこうなるなよ」
「やー、いきなりすごいことになっちゃったぞ」
 アルムも笑いながら馬車にダメな大人たちを詰め込んでいく。
「ありがとう。お酒の匂いは……耐えるよ。みゃー」
 ちなみに不思議なことに未成年の祝音にアルコールが摂取されるようなことは絶対にないので香りだけである。安心だ。コンプラァ。
「まず、酒は飲んでも飲まれるな、だ。酒を飲んでどうにかする依頼ならいいが仕事はあくまでもフロア攻略だ。ほろ酔い程度で酒を止めておくのが無難ってところだな」
 言いながら、義弘は最後に寛治を馬車に詰め込む。
「……ええい、出発前から深酔いどころか動けないダメ人間もいそうだなこりゃ。敵が出てきたら叩き起こすつもりで付近を警戒しながら進むとしよう」
 幸いにも、此処ではお酒が攻略の助けになる。そうして、酔っ払いを摘んだ馬車は進んでいくのだ。

●戦え、酔っ払い!
「いやー、お酒美味しいわねー、手持ちがジャーキーしか持ち込めないの残念だわ」
 馬車の中でジャーキーなど食べながらレイリーが寛治に酒を注ぐ。
「それはそうと、なんか分かんないけどこっちな気がするわ!! オラァ!!」
「何故かほろ酔いで正解の道が直感で分かるようだが、何でなんだろうな。なあ、新田さん……新田さんが7人居る気がするぜ。いつの間に分身なんて使えるようになったんだ。スーツだったり山賊スタイルだったり女装しているようにも見えるが……まあいいだろう」
 おっと、ほろ酔いの義弘もちょっと危ない。でもこの中ではマトモな酔い方をしている方だ。
「義弘、寛治は分身できるわよ。なんかよくBとかCとかいるもの。出たわね酩酊人!! きっとこのやかましい両儀とか寛治は酩酊人に違いないわ!! 成敗!! ……あっ、もしかしてこれ本物」
「はいかんぱーい!」
「かんぱーい! ウケwwwなんかなんもわかんないwww」
 鈴花がそろそろダメになりそうだが、実のところルートは正しく進めているという確かな感覚はある。大丈夫、酔っ払い特有の根拠のない自信ではない。不可思議なことに、酒に酔わねば見えないものもあるのかもしれない。幻覚かな?
「お酒臭い大人たちの中に連れてきちゃってごめんねぇ。俺? 俺はまだ、そんなに酔って……よってないよぉ!」
「みゃー」
 祝音にアルムがそんなことを言うが……やはりアルムも酔っている。いるが、此処は酔えば酔うほど強くなる階層。こんなダメな大人だらけでも戦闘力は上がっているのだ。酩酊人たちを倒して進み……そうして辿り着いた先に居るのは、1人の達人と酔っ払いの雰囲気を同時に併せ持つ老人だ。
「ほう……中々の酒気。出来るなお主等……」
 ゆらりと酔っ払い特有の動きを見せる老人は、しかし隙は無く。
「儂は酒乱老子。この階層を抜けたくば、儂を倒すしかないぞ……!」
「どこまでもお酒だね……みゃー」
 酒気をなんか凄いことみたいに勘違いしそうな空気だが、祝音は誤魔化されない。
「皆……頑張ってね。サポートするから。みゃ」
 そう、これはお酒バトル。お酒の、お酒による、お酒のための。だからこそ、呑みし飲兵衛たちがゆらりと立つ。
「Zzzz……ん? なんじゃ? ろう、ろうし? ……壬生か? あ、すまん、ちいと気ぃうっぷ、おぼろろろろろろ。ふぅふぅ…ふっ、吐いたら呑めるぜよ……!」
 両儀はいきなりダメそうだが、転がしておいてもダメージが酒の効果で全回復するから大丈夫そうだ。むしろ反撃機能がついている分、両儀という名前の罠になるという説もある。さておいて。
「――あ、洗面器ちょうだい」
 ケロケロケロ、と……カエルの鳴き声かな? 乙女の尊厳を尊重しつつ、鈴花も結構ダメそうだ!
 祝音がそっと洗面器を用意したので色々大丈夫でもある。
「あ、おじいさーん、お酒美味しいわー、一緒に乾杯しましょー!」
 すでに深酔いしているレイリーは、酒乱老子へと親しげに近づいてく。一緒に乾杯もしたいとも考えているのだ。
「フ、儂と乾杯と? よかろう、受けて立とう!」
「ええ、飲み比べです。まさか逃げるとは言いませんよね?」
 と、そこにスッと現れたのは寛治だ。なんと寛治、深酔い状態に自分をセーブした上で足取りはヤバいのでアルムに運んでもらっている。そして寛治は酒乱老子の真正面に座り酒瓶を置く。
「初手、焼酎のメガネ割り。ハイボールはディスペンサーのプッシュ数で勝負。まずは10プッシュからだ」
「フ、何やら機械を持ち込むとは無粋じゃが……よかろう!」
「なんと……フフ、やりますね」
「……何の勝負だっけか」
「ヒーッヒッヒッヒ! 新田と新田が飲み比べしてやんの、笑いすぎて腹が捩れちまう」
 義弘とバクルドが……バクルドはダメそうだ……とにかく状況を見守っていく。なお、レイリーも一緒に飲んでいるがバクルドには寛治に見えているようだ。
「テキーラスーサイドのご経験は? ショットグラスのテキーラをイッキして、目にレモン汁を絞って鼻から塩を吸うんですよ」
「あーっ!」
 レイリーが目のレモン汁でひどい目にあった。かわいそう。
「お酒に酔ってるからこそ楽しんで私が倒れるまで誰も倒させない! 老子、貴方を私に釘付けにするわ!」
「おお、目が離せんわい(飲み方が酷くて)」
「アーッ!」
 鼻から塩を吸ったレイリーがのたうち回るが、まだ大丈夫。あと全部寛治が悪い。
「なんということだ。レイリーさんが……! 酒乱老子を名乗るだけの事はある」
「お主のせいでは?」
「ただの酔っ払いのままでは、太刀打ちできないでしょう。だが私にはこれまで積み重ねた戦場の……酒クズの記憶と経験がある。
今この場で目指すべきは、穏やかな心で呑みながら激しく泥酔した究極の酒クズ。酔い度99.99999999999......100に限りなく近い、刹那の酔い度へ。ダメ人間と紙一重の酒クズの境地。さあ、極めるとは、こういう事です」
 寛治は考えるより早く酒瓶を手に取り、自分と相手の杯を満たして乾杯しイッキ飲みする。
 そして相手が注いでくるなら、こちらも相討ち覚悟のカウンターで返杯するのだ。
「最後まで立っていた方の勝利だ……!」
「なんてこと……! これが光の酒クズと闇の酒クズの戦いなのね……!」
「ああ、そうだな新田さん」
「アタシは鈴花よ!」
 鈴花が酒のせいで寛治に見えている義弘に鈴花が抗議し、バクルドが頷く。
「安心しろ鈴花(寛治)。万が一あの寛治が負けても、混沌にゃ酒瓶を持ってどたまをかち割る伝統芸があってだなぁ!??」
「言外でまだ勘違いされてる気がするわ!」
 バクルドが酒瓶を棍棒のようにパシパシして。
「お? 首か? 首切ってえいか?」
「酒瓶の首でも切ってなさい!」
 両儀に酒瓶を渡すと、抱いて寝始める。見た目が最悪だ。よく鉄帝の路上に朝方見る光景だ。
 そして……なんだかんだと酒乱老子を倒すと、寛治は勝利の一杯を掲げる。
「勝利したのならば、締めの一杯を。
「一仕事終えた後の一杯は、たまりませんね。あ、これで酔い度100を超えました。まあいいか。もう一杯!」
「とりあえず全部飲んでから帰ろうぜ、帰りは……酒飲んでから考えるか!」
「帰ったら寝酒しないとね」
「すげえな。寝ながら飲んでるぞ……」
 寛治とバクルド、レイリーが寝ながら飲んでいるのを見ながら、義弘は3人を馬車に詰め込む。
 戦い疲れた(肝臓が)戦士たちだ。このまま運んでやるのも仲間としての務めというものだろう。
「これが限界を超えた戦い、かあ……」
「そうね!」
 アルムに鈴花が思考停止した返事を返して。
「出口はあっちかな? みゃー」
「頭が……」
 両儀を馬車に押し込みながら、祝音もこの回廊の出口を探す。ひとまずは一端外に行かなければならない。
 幸いにも酔っていれば正しいルートは分かるので、迷うことは微塵もなく外へ進んでいく。
 酒好きのための、無限のように酒があるこの階層。酔えば酔うほど強くなるを言葉通りに体現してはいたが……酔っ払いの群れを見るに、そのリスクはかなり大きそうではあった。

成否

成功

MVP

新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ

状態異常

なし

あとがき

お酒は適量を楽しみましょうね!

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