PandoraPartyProject

シナリオ詳細

覇竜サル柿合戦

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●覇竜の柿とは
 柿。それは秋の味覚の王とでも呼ぶべきものだろう。
 最初は青々としていて固く食用には適さない柿は、しかしその状態からでも干し柿というスイーツに変わる。
 そしてそのままの柿を食べたいのであれば、綺麗なオレンジ色に染まるのを待てばいい。
 美しくつやのある柿色とでも呼ぶべきその色に染まった頃が、ちょうど柿の食べごろだ。
 甘く歯応えのある柿は、熟すると蜜のように柔らかくなり甘みを増す。
 どの段階で食べるかは個人の好みだが、おおよそ柿とはそういう果物だ。
 ……さて、そんな柿は覇竜にも存在する。する、のだが。ワクワク面白食べ物ランドとも名高い覇竜にある柿がそんな普通な柿であるはずがない。
「ウッキー!」
 ほら、サルがいる。どうやら……ん? 柿の木の上に何匹かのサルがいるが……上空のデミワイバーンに青い柿を投げているようだ。
 どうやら柿の甘い香りに惹かれてきたデミワイバーンを追い払おうとしているようだ。
「ウキキー!」
「ウキー!」
 ご存じだと思うが、渋柿は投げつけられると結構痛い。
 デミワイバーンもそれは同じだったようで、やがてやってられないとでもいうかのように逃げていく。
 覇竜の秋の味覚。それを手に入れるのは、どうやら並の苦労ではダメのようだ……!

●覇竜の柿を手に入れよう
「秋は果物の季節。覇竜の柿はお猿さん的な生物の縄張りにあるのかな?」
「おお、よく知っとるのう」
 『挫けぬ笑顔』フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)に感心したように頷くのは『フリアノンの酒職人』黒鉄・相賀(p3n000250)だ。
 そう、フォルトゥナリアの言う通り、覇竜の柿は時期になるとお猿さん的な生物の縄張りになる。
 その猿の名はピッチャーモンキー。剛腕で何かを投げることが大得意な猿のモンスターである。
 そしてこの時期になると、覇竜柿の木のあるあたりを縄張りにして渋柿を投げてくるのだ。
「覇竜柿……」
「うむ。ちょうどこの時期が旬じゃからのう」
 そう、覇竜柿。外の柿と比べると大振りな実をつける柿だが、上質な甘みが特徴の柿だ。
 ピッチャーモンキーもそれを独占するためにやってきているのだが……それはよくないことだ。
 というか独占すること自体に面白みを感じている部分があるので、そろそろどいてもらわなければならない。
「まあ、幸いにも倒す必要は無いでの。投げてくる柿を上手くキャッチして投げ返すとか、落ちている渋柿を投げ返すのでもええかもしれんの」
 ピッチャーモンキーが投げて落ちた渋柿はもう食べられないが、投げるにはちょうどいい。
 それに美味しい柿になるはずだった渋柿を投げたピッチャーモンキーたちにとっては因果応報とも言える攻撃方法でもある。
 そうしてピッチャーモンキーたちを追い出せば、柿の収穫の時間である。
 たっぷりと収穫した後はそのまま食べてもいいし、スイーツに加工してもいい。
 どういう風に食べるかは自由だが……素敵なスイーツタイムになることは間違いないだろう……!

GMコメント

ピッチャーモンキーとの柿投げ合戦に勝利して美味しい柿を食べましょう!
舞台はフリアノンから少し離れた林の中。
幾つかある柿の木の周囲には渋柿がたくさん落ちているので皆さんの飛び道具になります。
渋柿は当たると「いてえっ」って感じですが、深刻な怪我はしないようです。
安心して柿投げ合戦をしましょう!
ピッチャーモンキーたちが逃げていったら収穫&スイーツタイムです!
どう食べても美味しい柿、皆さんはどのように食べますか?

●ピッチャーモンキー×10(柿を投げて撃退しましょう)
渋柿を投げてくる猿型モンスター。
剛速球と変化球を使用するようです。
こりゃ勝てないと思うと逃げていきます。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • 覇竜サル柿合戦完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年10月20日 22時20分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)
挫けぬ笑顔
御子神・天狐(p3p009798)
鉄帝神輿祭り2023最優秀料理人
エーレン・キリエ(p3p009844)
特異運命座標
フィノアーシェ・M・ミラージュ(p3p010036)
彷徨いの巫
ユーフォニー(p3p010323)
竜域の娘
アルフィオーネ・エクリプス・ブランエトワル(p3p010486)
ライブキッチン
ビスコッティ=CON=MOS(p3p010556)
メカモスカ
常田・円(p3p010798)
青薔薇救護隊

リプレイ

●わるいさるをやっつけろ
「柿投げ合戦じゃと? よかろう、全力でかかってくるがいい! ワシらも全身全霊で迎え撃ってくれるわ!!」
「ピッチャーモンキーさんにはちょっと悪いけれど、これも覇竜柿を分け合うため。柿の投げ合い合戦で勝たせてもらうよ! 柿のスイーツも料理も楽しみだね」
「ウキー!」
 『鉄帝神輿祭り2023最優秀料理人』御子神・天狐(p3p009798)と『挫けぬ笑顔』フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)にピッチャーモンキーたちがかかってこいとばかりに応じる。
 渋柿があちこちに落ちている林の中、こちらに柿を投げてくる気満々のピッチャーモンキーたちと天狐は睨みあっている。
 何も全部取ろうというわけでもないのにあの臨戦態勢。天狐の言う通りに迎え撃つしかなさそうだ。
「奪い合えば足らぬ、分け合えば余る……とはよく言ったものだ。サルたち、独り占めしようとしているせいで自分たちで柿を減らしてるのに気づいてるのかあれ? おいしい柿はきっちりみんなで分け合ってやらねば、な」
「まあ、それが理解できればこんな合戦にはならないのだろうが……」
 『特異運命座標』エーレン・キリエ(p3p009844)に『彷徨いの巫』フィノアーシェ・M・ミラージュ(p3p010036)もそう頷く。
「柿投げ合戦……面白そうだな。猿もそろそろその場を譲る時だ、別の柿を探すがいい。上質な柿も楽しみだ……野山に柿を採りに行くのはいつ以来か……」
「食べ物を投げ合うのはちょっと気が引けますが……渋柿ですしね。潰れて地面に落ちても、林にとってはゆくゆく良い肥料になるかもですし……よし、やりましょう……!」
 『相賀の弟子』ユーフォニー(p3p010323)もそう気合を入れていく。
「ピッチャーモンキーですか……それなら私はバッターユーフォニーになります。バットはフリアノンか領地から持ち込んできています!」
 スイングしてやる気満々のユーフォニーの近くで『ライブキッチン』アルフィオーネ・エクリプス・ブランエトワル(p3p010486)も落ちている柿を念のため、調べていた。
「ふむ……どうやら、柿は普通の柿なようね。”よく客食う柿”なんていないのね。安心したわ」
 どうやら柿を疑っていたようだが、慎重なのは良いことだ。
「意地悪なお猿さんがカニさんをいじめてひどいお仕置きを受けたーなんて昔話もあるけど、混沌世界でもお猿さんと柿は切っても切れない関係なのかな。とにかく、おいしい柿をGETするためには戦いは避けられないね。そう、秋は闘争の季節! と気合いを入れてはみるけど、お互いにやりすぎないようにしないとね」
「うむ! というわけで……」
 『いざとなったら物理で』常田・円(p3p010798)に『メカモスカ』ビスコッティ=CON=MOS(p3p010556)も大きく頷く。
「メシの時間じゃーーー!!! なに、モスカ野球の時間か! 任せよ、我物を投げるのは得意じゃ! 何せ地元では負け知らずじゃったからなぁ。地元……地元ってこの場合どこになるんじゃ……? 我の根本原理はROOの中にある意識体とかになるんじゃが……。まぁよい! 柿食ったらわかるじゃろ!! ゆくぞ―!!」
 自分でツッコミまで済ませて今日もビスコッティは元気である。
 さあ、いざ勝負。その瞬間に前に出るのは天狐だ。
「仲間全員を『連鎖行動』で常に引っ張るぞ! 更に『ブレイクリミットオーダー』で毎ターン加速していく! これで全員の反応は実質1300オーバー!!! さぁモンキーよ、このスピードに追い付けるかな?」
 なんということか。今日の天狐は最初から全てを終わらせる気だ。
「貴様らが剛速球を投げるというのなら! ワシらは自分自身が剛速球となる!! 縦横無尽に動き回る剛速球かつダイナミックな変化球! これぞイレギュラーズ! 伊達に冠位を倒そうなどと大見得切っとらんわ!」
 いいんだろうか、こんなところでそんなカッコいい台詞のカードを切って平気だろうか。
 天狐は最高に輝いている。そう、なんだっていいのかもしれない。こんなに天狐は輝いているのだから。
「寄せては返す波のよう? いいや違うね、全てを押し流す勢いとゴリ押しの大津波じゃ! ハイペリオンオーバーライドでモンキーの顔面へと渋柿タッチダウンを決めてくれようぞ!」
 そしてフォルトゥナリアはその怒涛の波に乗った1人だ。
「天狐さんの流れに乗っていくよ!この絶対的な速さと連携で先制を取って圧倒していきたいね!」
(独占することに面白みを感じているタイプの相手であるからこそ、可能な限り早くこちらが強いと思わせていきたい。仲間と別の方向から投げることで半包囲っぽい形を作って圧倒していくような狙い。封殺も狙っていくよ!)
「これが私の葬送曲・黒アタック!」
 今日のエーレンもまた、天狐の波にのっている。いや、乗らざるを得ない速度だ。
「反応1300て。いったい何を食べて生きてればそんな反応を実現できるんだか……凄いな」
 たぶんうどんだ。実際のところは分からないが。
(ともあれこれだけあれば確実に先手を取れる!)
 機動力を活かして残像ができるような速さで柿の木に接近し、ピッチャーモンキーが最初の渋柿を投げ始める前にその勢いのまま柿の木を駆け上がったエーレンは、そして【鳴神抜刀流・太刀之事始『一閃』】……ではなく【鳴神抜刀流・閃鞘之救命『慈嵐』】を放つ。
「なるほど……これが超反応の世界、か……!」
「僕はエーレンさんについていけるだけついていくよ」
 円もエーレンと共に天狐に引っ張られるように行動開始する。
(彼なら四方八方から渋柿を投げられても大丈夫だろうけど、万が一ってこともある。僕が持ってる派手な旗を振ってお猿さんの注意を引いて……!)
 その凄まじい速度で振られた旗は、確かに目立っている……!
 フィノアーシェもピッチャーモンキー渋柿をその身に受けつつ他の味方の援護も兼ねて投げ返すつもりだった。
「一応、野球のグローブは買ってきた(※自腹)が……我に野球の知識や経験は殆どない、ただ素人技術で受け止めようとするだけだ。グローブで受けられなくてもこの身で受ければいいだけだからな。服が汚れるのは致し方ないのだ……帰ったら洗う……!」
 しかし、しかしだ。問題が1つある。
「速すぎてサルよりこちらが速い……!」
 猿に速さが足りない。いや、天狐がフィノアーシェたちに見せる世界が速すぎるのだ!
 だからフィノアーシェは渋柿を拾って投げて。ユーフォニーもまた、その速さを体感していた。そしてフィノアーシェと同じ問題に気付いていた。
「わあっ、すごいです! これが超高反応の世界……! あれ待ってください、おサルさんより先に動くということは打ち返せない……!? これは痛恨のミスでした。その辺に落ちている渋柿を軽く上に放って、落下して来たところを思いっきり打ちましょう。狙うはもちろん顔面ホームランです。行きますよ……!」
 しかし渋柿はそんなホームランする勢いで打てば当然のように砕けるものだ。
「……あっあっだめですだめです柿が潰れます! 大人しく普通に投げましょう……せーのっ、えーーーいっ!!! おサルさんたちとの野球はまた今度のお楽しみですね」
 だが、バッターにはなれなくてもピッチャーはいる。ビスコッティである。やはり天狐に導かれし1人だ。
「投球フォームは肘を高く上げて思いっきり角度を付けたアンダースロー。急速はそこまでではないがバッターにとってはエグるような角度で飛び上がるボール。通常の投球と比べて相手は角度が違うから距離感を見失う。これが必中の一投よ!」
 そう、だからこそビスコッティはその通りに投球開始する。渋柿を。
「ヘイモンキー……プレイボール……!」
 どやぁ……と笑うビスコッティの第一球が炸裂する。
「反応1300にあわせて投げたから肩がもげそうなんじゃが?? 我の投球はそれだけではないぞ! ボルジアにミラージュ、絡め手なら負けはせんぞ! ふははは! モスカ超特急!!」
「そして……これぞ必殺、【カニ光線】!かつて行われた、サルカニ合戦で、サルの軍勢を薙ぎ払ったといわれているわ。どう? 効果覿面じゃないかしら?」
 V字の指のあいだに渋柿をはさみ、アナイアレイト・アンセムを放つアルフィオーネも合わせれば、ピッチャーモンキーがなんかもう……可哀想な位であった。だが慈悲は最低限度である。

●柿を食べよう
「跳躍して手が届く高さなら木登りしなくても大丈夫だよね。渋柿はまだまだ青いけど、干し柿にできそうなのがあれば拾っておくよ!」
「はい、たくさん持って帰りましょう♪」
 円とユーフォニーを中心にたくさん柿を集めれば、次は実食である。
「さてさて、万事上手くいったのなら美味しい秋の味覚を皆で味わおうではないか」
 そんなことを天狐が言えば、ビスコッティが歓声を上げる。
「そのまま食べるのもいいし、お料理が得意な人に作ってもらったものに舌鼓を打つのもいいね。折角の秋の恵み、目一杯堪能するぞー!」
「柿って渋柿とそうでないのは見りゃあわかるんじゃが。それより料理ってどうやるんじゃ?」
「どうやるの?」
「は、はい。とはいえ、そうですね……」
 ビスコッティとエンの純粋な瞳を受けながら、ユーフォニーは柿を1つ手に取る。
「柿はまずそのままで食べたいです。みんな身体動かしてお腹空いてると思いますし、お料理しながらつまむことも出来ますから」
 なるほど、確かにその通りだ。そのまま食べても甘い柿は、それだけでスイーツになる。
「あとは……いくつかは干し柿にもしちゃいましょうか。干し柿なら渋柿を持って帰ってもよかったですね……もし収穫した中に渋柿が紛れていたら優先的に使いましょう。皮を剥いて、軽く熱湯に通すのと焼酎を吹きかけて殺菌したら数週間干しましょう。カビないようにちゃんと毎日見に来ます。冬の楽しみまで増えましたね!」
 確かに素晴らしいことだ。ユーフォニーがそんな素敵な技を見せた後、ビスコッティの視線はアルフィオーネへと向く。
「ソースとか付け合せにするのは聞いたことがあるが、それ以外は全く知らんのじゃよな。アルフィオーネのメシがくいたーいー。我腹減ったーー」
 そんな、うきうきわくわく棒読みモスカにアルフィオーネは頷いて。しかしそこではビスコッティは止まらない。
「あと我思うんじゃが、そこの天狐。うどんとなにか組合せられんのか? お主ならできるんじゃろ。なんか、うどんのすごい人と聞いておるぞ!」
 そんな振りに2人はどう応えるのか? アルフィオーネは慌てずいつも通りだ。
「タルトやプリンもいいが、今回はシンプルイズベスト。焼き柿とする」
 焼き柿。そう、基本的にはフルーツは熱でその甘みを増す。柿の場合でも同じだ。
「作り方はまずへたの部分を切り落とし、切断面に割れないように、放射状に切れ目を入れる。バターを乗せ、覇竜放炎調理法のブレスで、中まで十分に熱くなるまで焼いたらできあがり。なるたけ低い温度で時間をかけて焼いた方がよい……ってね。すっごく簡単で美味しいから、帰ったらお家でも試してね。そうね、オーブンか、網で焼くといいわ」
 イチョウの葉のお茶も準備し始めるアルフィオーネ。では、天狐はどうだろうか?
「美味しい柿はそれだけで美味しいんじゃがな、ここは折角なのでアレンジと洒落込もうではないか。クリームチーズを一口サイズに薄くスライスした柿で挟み込み、更に餃子の皮状にした薄いうどん生地で包み込む。そして少量の胡椒と蜂蜜を垂らして食す秋のデザートじゃ! 調理も簡単で尚且つ美味しい、柿とクリームチーズは意外にもベストマッチじゃぞ? 今しか味わえない旬の味、しっかり舌に刻み込むのじゃ!」
 多少余った料理はモンキーにでもくれてやるかの。美味しいは共有してなんぼじゃけぇの、と天狐は続けるが……なんとも素晴らしい心意気だ。
「柿とクリームチーズをうどん生地で包み込む…だと……!? これは絶対美味しい柿うどん菓子だ……!」
 そう驚愕しながらも、フィノアーシェはまずは生で柿を食べて味を確かめる。
「こうやって皮をむいて生でかじって味わうもよし。柿の料理やお菓子などを作るのもありかもしれないな」
 想像よりも甘い。となると、フィノアーシェが作るものは決まった。
「柿をジャムにできると聞いたので、レモンも少し入れて煮詰めて作ってみよう。パンやクッキーにつけて食べると美味しい……といいな」
 初挑戦であるが、実際に柿ジャムは存在している。ミスをする確率は低いだろう。
「ジャム以外にも何か作るか。焼き柿、煮柿、炒め柿……」
 女子力(物理)型であるらしいフィノアーシェは焼き柿は皮剥いてそのまま焼くし他のものは普通の煮物や炒め物に柿を入れて作っている、が。なんとも豪快である。
「柿を薄く切って焼けば柿チップスになるか。よし作ろう」
 さておきフォルトゥナリアは、こちらは普通に調理している。
「他の人が作った料理も楽しみだけど、ひとまず生でいただきたいね。皮を剥いてカットして一口大にして食べる。シンプルな柿の味を楽しめて絶対美味しそうだからね。いただきます! うん、甘いね!」
 概ねフォルトゥナリアの期待した味だ。これならば、望んだものが作れるだろう。
「あと何作ろうかな。そうだね。柿を具とした野菜炒めでも作ってみようか。調べてみたところ、結構美味しいらしいんだよね。塩味と柿の甘みが相性抜群らしいよ! ということは生ハムとか干し肉とかとかそういう感じの保存するために塩で保存してあるお肉にも合いそうだね」
 料理は挑戦だ、それもいいだろう……ちなみに、エーレンはいつも通りに慣れた手つきであった。
「さあてここからが本領だ。まずはこの柿がどれほど甘いのかちょっと味見……って、本当にものすごく甘いな。さすが覇竜の柿だ。当然そのままでも素晴らしいが、せっかくなのでこいつでたくさんスイーツを作るぞ」
 そう、エーレンが挑戦するのはスイーツだ。
「まずはこの柿を細かくすりおろし、そこに牛乳を適量加える。これを器に注いで氷のそばで冷やしておくと、それだけできちんと固まってプリンになるんだ。不思議だな。生クリームやミントで飾れば見た目にも美味しい柿プリンだ」
「うまい!」
 ビスコッティの味見にも合格だ。
「さあ、次だ。細かく刻んだカキに少量のレモン汁を加えてよく煮込み、丁寧に裏ごし。ここに水と寒天、それに砂糖を煮たものを加えれば今度はプリンではなくカキ羊羹にもなる。甘いのが好きな人向けにこしあん入りバージョンも作ろう。洋スイーツもできるぞ。バターと砂糖を柔らかく練り混ぜて卵、小麦粉、砂糖、アーモンド粉を加え、器に流し込んで焼き上げる。紅茶にも良く合う柿パウンドケーキの完成だ。集落の皆にも振舞うかな」
 なんとも素晴らしい料理やスイーツが勢揃いだ。そうして出来た料理の数々はフリアノンの人々や……ピッチャーモンキーにも振舞われたそうである。
 秋の味覚は人を幸せにする。つまりは、そういうこと……なのかもしれなかった。

成否

成功

MVP

御子神・天狐(p3p009798)
鉄帝神輿祭り2023最優秀料理人

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!

PAGETOPPAGEBOTTOM