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シナリオ詳細

<クロトの災禍>深き地の禍

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<クロトの災禍>深き地の禍
「明日、世界が滅亡しますです。
 あ、嘘です。明日じゃないかも知れませんが、近い将来、世界は滅亡するでごぜーます」

 イレギュラーズ達が皆、聞き及んだ言葉。
 「世界が滅亡する」……その神託の言葉が、現実に起こる事だなんてにわかには信じがたい所であっただろう。
 しかしここ最近、まるでその神託の言葉を具現化するかの如く。
『グルゥゥゥ……グギャゥゥゥ……!!』
 獰猛に荒れ狂いし獣の群れが、深緑の迷宮森林、その西部に位置する『メーデイア』に前触れも無く、突如姿を表したのだ。
 ケルベロスを思わせるかの様な、三つ首を備えた見慣れない『魔物』。
 更にその口内には焔が轟いていて……。
『え……な、何だあいつらは!?』
 偶然メーデイアを訪れていたハーモニアの人々は、意味の分らない事態に驚きの声を上げるばかり。
 それも当然、このメーデイアは迷宮森林という地の中においても、特に奥まった場所に位置しており、外からの侵入者が来ようものなら、先に見つかる筈の場所なのだ。
 そして……驚きに戸惑う深緑の人々をギロリ、と睨み付けた獰猛たる獣達は。
『……ガウウウウ!!』
 とその口元から炎を吹き出す。
『うわっ……!! に、逃げろっ!!』
 深緑にとって、炎は大敵……しかし戦う力を持たぬ彼ら彼女らが太刀打ちする術は無い。
 一筋の焔を吐き付けた『魔物』共は、周りの人々が全て去るまで焔を吐き……メーデイアの一角を我がもの顔で蹂躙し始めるのであった。


「何故……この様な自体が起こるのでしょうか……」
 深緑の地に帰ってきた『深森の声』ルリア=ルミナス(p3n000174)は、深緑の知人から聞き及んだ話に驚き、顔を強ばらせる。
 それに声を掛ける君達に振り返ると、ルリアは。
「すいません……私も突然の事で、事態が飲み込めてはいないのですが……迷宮森林の西部に位置する『メーデイア』の地に、突如炎を扱う獣の群れが現れた、との事です……」
「この地域は深緑の中でもかなりの奥地になります。そのような場所に誰からも察知されずに、突然この様な獣達が現れるだなんて……考えられません。何処からとも無く転移してきた、なんて事があるのでしょうか……」
「さらに、この混乱結果なのかは分りませんが、メーデイアを訪れていた深緑の人達の一部の行方が分らなくなったという話もあります。この地域は旧時代の遺跡も多数存在している場所です……そこに隠れているだけならいいのですが……」
「突然の事で本当に申し訳ありません……どうか力を貸して頂けないでしょうか……宜しくお願いします……」
 不安な中……みんなを助けてほしい、と……深くルリアは頭を下げるのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 深緑の最奥部に突如現れた『終焉獣』の様な、獰猛な獣達。
 彼らはどの様にして現れたのでしょうか……。

 ●成功条件
  迷宮森林西部『メーデイア』の地域に突如現れた獣共を退治する事と逃げ遅れた深緑の人々を救出する事です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   深緑のこの地域は古代遺跡が点在している地域です。
   遺跡はそんなに大きくありませんが数があり、探すとなると結構骨が折れる事でしょう。
   更に救出作戦をしていれば、当然獣達が感づいて仕掛けてくるでしょうから、安全地帯を築き、そこまで護衛するのと、安全地帯を維持する為の作戦も必要となります。

 ●討伐目標
 ・終焉獣に似た:焔を吐く三つ首の狼の群れ
    ケルベロスの如き3つ首の狼達です。
    一匹一匹の大きさはちょっと小振り(中型の柴犬位)ですが、数が多いです。
    又、常にガウガウガウガウ鳴いているので、近くにいれば分ります。
    攻撃手段は牙、爪、そして炎のブレスです。
    遺跡ならまだいいですが、炎が深緑の緑についてしまうと燃え広がるかもしれませんので、この点特に注意してください。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <クロトの災禍>深き地の禍完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年09月30日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)
鏡花の矛
ツリー・ロド(p3p000319)
ロストプライド
ロジャーズ=L=ナイア(p3p000569)
同一奇譚
イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
黒撃
橋場・ステラ(p3p008617)
夜を裂く星
ネリウム・オレアンダー(p3p009336)
硝子の檻を砕いて
キルシェ=キルシュ(p3p009805)
光の聖女
ムサシ・セルブライト(p3p010126)
宇宙の保安官

リプレイ

●煌めきの禍根
 世界滅亡の預言を耳にしたイレギュラーズ達。
 それを止めるが為にイレギュラーズ達は世界を飛び回り、活躍してきた。
 少しは平和に近づいて来たのか……等と思い始めた頃合いに、突如として各国に姿を表し始めたのは獣やら、人型をしている怪物共の群れ。
「ふぅん……何の前触れもなく現れた、終焉獣らしき獣、か」
「そうね。本当に、どうしてこんなことになったのかしら……?」」
 『硝子の檻を砕いて』ネリウム・オレアンダー(p3p009336)と『リチェと一緒』キルシェ=キルシュ(p3p009805)の二人が零す言葉。
 大自然に包まれたこの深緑の地に姿を表したのは、終焉獣に似た三つ首の狼の群れだと言う。
 更にその口内には業炎の焔が渦巻き、その片鱗が漏れ出しているという。
 ……当然ながら、深緑の地にとって火は禁忌。
「なんだなんだ? 魔種が魔物を大量召還して勝負を仕掛けてきたのか?」
 『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)が目を見開き驚きの言葉を上げると、『せんせー』ロジャーズ=L=ナイア(p3p000569)は。
「ほう……獣が終焉を語るとはアベコベなものだな」
 と尊大な口調と、大きなモーションで驚いた風を装う。
 無論、それが真意かもしれないのは否定出来ないのだが……少なくとも街の人達にとっては寝耳に水な事件。
「深緑で焔を……火を傷付ける溜めに扱うだと……! その様な愚劣な行為は、断じて……許さんっ!」
「そうね。深緑に火は一番ダメだって言うのに……また燃やされるかもしれないってのは許せないわ」
「そうだ! 終焉であれなんであれ……そんなことをするのならば、この胸に宿る焔にかけて……この宇宙保安官ムサシが許さない……!」
 『宇宙の保安官』ムサシ・セルブライト(p3p010126)と『優しき水竜を想う』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)の二人が憤りを露わにするのも無理も無い。
 これは深緑に棲まう人々を危機に陥れ、更には深緑の大自然を全て損壊させかねない大事件なのだ。
「今回の仕事は救助に防衛に獣狩り……か。確かにイロイロ忙しい依頼だよね!」
「そうですね。終焉獣……ケルベロスかオルトロスだかは知りませんが、消し飛べばどちらも同じですとも?」
「うんうん! 仕事は一杯だけど、これはこれでやり甲斐があるって考えれば気合いも入るし、頑張ろうね!」
「ええ」
 『黒撃』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)と『夜を裂く星』橋場・ステラ(p3p008617)が互いにうなずき合うと、パチパチパチと拍手をするロジャーズ。
「うむ。獣の数字は最後とやらをお座りして待つのが定石……真逆、奴等こそが喇叭(らっぱ)を吹く天使だとでも? Nyahahahaha!! 貴様は如何に思う。第四の壁の向こうの貴様だ!!」
 声高らかに、尊大な言葉を口にするロジャーズ……周りの人々からも不思議、という視線で見られるが、一切気にはせず。
「うーん……気になること、沢山あるのよね。でも、先ずは逃げ遅れた人達を助けなきゃ……!」
「そうだね。店主の許可も降りたし、クアトロの奴に貸しを作るのも悪くはない……何か新しい毒薬のヒントになるかもしれないし、調査を手伝うとしよう」
 ネリウム、キルシェの言葉に加えて、更にオデットとサイズも。
「ああ、まったく……そういう真っ正面でイレギュラーズに勝てると思ったら大間違いだな……全て受けて立つわ!」
「そうね、出来る限り守って見せる。勿論、逃げ遅れた人たちもね」
 と……並々ならぬ思いを心に抱きながら、イレギュラーズ達は迷宮森林西部『メーデイア』地方へと急ぐのであった。

●稲妻の如く
 そして、イレギュラーズ達は西部森林地域へと到達。
『グルルゥゥゥ……!』
『……え?? あ、な、何だ?』
 と、今迄何も無かった所に、幻かの如く突如現れた獣が低く唸り声を上げて、姿を表す。
 周りの人々が突然のことに思考停止してしまい、自然と足が止まってしまう。
 ……そこに。
『……グガァアア!!』
 獣共の口元からとぐろを巻く業炎が噴き出さる。
 当然……呆気にとられている住人達がそのターゲットで。
『……ひぃっ!』
 足元を掠めた炎弾……咄嗟に正気をを取り戻した人々は、ギリギリにその焔を回避する。
 だが……火が着いた足元には小さな炎。
『やべえっ……け、消さねえと!!」
 慌てて足元の焔を踏みつけて消そうとするが、それを狙って更に別の場所に現れた獣共が鳴き声を聞きつけて、増援も又集まり始める。
『な、何なんだよ……さっきまで何もなかったのに……!』
 と、明らかに狼狽する人々の焦り。
 その様な事態の場面に……イレギュラーズ達は到着する。
「くっ……やられる前に殺ってやんよ! 沸き立てカルマブラッド! 三つ首の狼を切り刻み! 敵を屠れ!」
 と、サイズが即時に黒き大顎を生み出し、相手に向けて穿つ。
『キャウウン!!』
 直撃を受けた獣共は、大きく跳ね飛ばされ、地面に叩きつけられる。
 どうにかして身を起こそうとする獣共を見据えつつ、すぐにイグナートが間へ割り込む。
「大丈夫? 怪我はないカナ?」
『え、ええ……はい』
「ン、良かった。取りあえず……あれ、ネリウムの馬車に一旦みんなは避難して。安全な所を今探しているから。大丈夫、絶対に守るヨ!」
 相手の反応を確かめつつ、問題無いのを確認してサムズアップ。
 その肩をぽん、と元気付けるように叩きながらイグナートは指を差し、避難する方向を指し示す。
 更にロジャーズとイグナートの二人も襲われた場所に手分けして急行、取り急ぎネリウムのドレイク・チャリオッツの馬車の中へと誘導する事で、安全を確保しようと尽力。
 その一方、敵の群れを抑える為にサイズとムサシ、ステラの三人は。
「あの方々に牙を剥く様な真似はさせぬであります。どうしても、と言うなら自分を倒してからであります!」
「ああ! 小さい身体だとかバカにすると、痛い目を見る事になるぞ!」
「ええ。それでは殲滅を始めるとしましょう」
 戦闘態勢を取り、ビシッ、と指を突き立てるムサシと、妖精サイズの体躯と同じ位大きな鎌を前方に構え、威嚇するサイズ、そして敵味方を見分けて放つ雷撃。
『グルゥゥ……!!』
 それに獣共はというと、足を地面に擦りつけて、いつでも駆けれる準備態勢で構え……そして前側に並ぶ者達は接近して噛みつき、後方に居る物は口を大きく開き、真っ赤な焔を吐き出して攻撃。
 噛みつきも、焔も、どちらも己が身を呈する事で体力は大幅に削られる事にはなる……だが、自分の身が焼けようとも、深緑の緑には、決して延焼させない勢い。
「さぁ、今の内だ! パニックを起こす必要は無い。我等が居るからには、貴様等に火の粉一つすら及ぼさぬぞ!」
 そして更にロジャーズが堂々たる言葉で呼びかける事により、その心を落ちつかせる様に対処する。
 と、仲間達が避難誘導の時間を稼いでいる一歩で、オデットとキルシェは別班として動く。
「ねぇ……みんな。この辺りで人が一杯集まれそうな、広い場所を知らないかしrあ? 知ってたら教えてほしいの」
 そう自然と精霊達に向けて呼びかける事で、かの獣共の気配無く、今も平穏な状態になっている場所を問い、それに合わせる様にオデットも、精霊達に優しく、安全な場所がないかを問い掛ける。
 勿論最初の内は、拡がる大自然も、精霊達も突然起きた状況に怯えたのか、イレギュラーズの言葉に耳を傾けようとしない。
 それでも、諦める事無くキルシェとオデットが優しい口調で呼びかけ続けると……他の仲間達が敵をしっかり抑えているのを目の当たりにした、というのもあるであろうが、コッチ、コッチ、と場所を指し示していく。
「キルシェさん」「はい!」
 あうんの呼吸で頷き合い、そしてその方向に急行し、周囲の状況を確認。
 獣達が出てくる様子は無い、少し奥まった場所にある、遺跡の傍らで大きな大きな大樹の根がうねり地上に張り出した箇所。
 空を根が覆い隠している為に薄暗くはあるものの、仕掛けられる方向は前方のみの袋小路。
「大丈夫そうですね!」
「そうね……うん。これでこの場は大丈夫の筈。それじゃ急いで呼んでくるわね!」
「はい!」
 キルシェをその場に残し、オデットは騒がしく戦い続けている獣と仲間達の元へと急ぐ。
 そして、仲間達に。
「みんな、こっちよ!!」
 と大きな声で呼びかける。
「分かった……さぁ、みんな捕まっていて。ちょっと揺れるかもしれないからね」
 と、ネリウムはチャリオッツに乗り込み、手綱を引いてオデットの方向へと急行。
 勿論避難している人達の乗るチャリオッツを追いかけようと、獣共の集団は追い立てるように地を蹴る。
 ……だが。
「笑止……!」
 先んじてロジャーズがぐちゃぐちゃの『何か』を彼らに嗾け、泥沼の中に引き摺り込んで、その動きを大幅に制限。
 更にイグナートも、泥を逃れた者をターゲットにし、渾身の拳を強烈に叩き込んでいく。
 そして二人の迎撃により僅かに生じた間へ全力移動したステラ、サイズ、ムサシが立ち塞がる事で、万が一にも攻撃が届かない距離まで敵を完全にその場に留まらせる。
 そのおかげで、馬車に乗った人々はキルシェの居る避難区域へと到着。
「みんな、大丈夫? 取りあえず、このお水を飲んで、落ちついて下さい!」
 とその手に作り出した聖水を皆に差し出して、ゆっくりと飲ませて安心する様に促していく。
『はぁ……ありがとうよ。でも、それにしてもあいつらは一体、どうして……』
「ごめんなさい。そこはルシェ達も良く分からないの。でも、大丈夫。ルシェ達が絶対にここを護るから! オデットおねーさんが、おまじないをかけてくれたの!」
 イレギュラーズ達も、何故彼らが現れたのかはまだ分からない部分が多い。
 でも……今できる事は、皆を安心させて、獣達を全て撃退する事。
 オデットの結界と共に、彼女の子犬、オディールが人々にそっと寄り添いながら、安心させるように鳴く。
 ……そのおかげもあり、避難してきた人々はやっと安堵の息を吐き、安息を取る事が出来る。
「オデット、ここは任せても大丈夫かな?」
「ええ!」
「分かった。それじゃ、こっちはあの群れを倒すに集中しよう」
 ネリウムの言葉に大きく頷くキルシェ。
 そしてロジャーズ、イグナート、ネリウムの三人は、敵に対峙するステラ、サイズ、ムサシとオデットの元へと合流。
「避難している方達は、大丈夫ですか?」
「うん……でも、彼らの出現条件も分かって居ないのが現状だ。下手に時間も掛けられない。だから、兎に角薙ぐってこの場を抑えないとネ!」
「確かに……そうですね。立ちはだかるならぶっ飛ばしていきましょう」
 イグナートに、僅かに目を輝かせるステラ。
 そして彼女は指輪より烈火の赤光と氷晶の様な青光を瞬かせて、容赦無く両方の雷鳴を戦場にとどろかせて貫く。
 感電して動きが鈍った獣を見つけた所へ。
「さぁ、ミンナ、一気に行くよ!」
 イグナートが皆に発破を掛けて、そして優先的に狙いを集中させて。
「焼くべき真は此処よ!」
 ロジャーズの言霊を乗せた鬼の面が居並ぶ者達をバクリと喰らい、ネリウムも致死に至る毒を撒く。
 一歩歩いただけで、その身を削られる猛毒に、狼達は苦悶の咆哮を上げて、その三つ首はバラバラな方向を向き……断末魔の様に火を撒き散らす。
「っ……死ぬ時まで森を焼き尽くそうと言う事ですか!? だが、そうはさせません! ムサシさん!」
「了解であります!」
 死する敵に至近のステラとムサシは地面を蹴り、飛翔。
 空からの落下の勢いを活かすようにしながら、それぞれ左右の首に狙いを研ぎ澄まし、一閃。
 炎を吐く首を地面へとめり込ませながらも首を切り落とし、それ以上炎を吐けぬ身体へ。
『グギュウウ……』
 仲間の無惨な死に方に、ほんの僅か怯んだような動きを見せる獣達。
 だが……別の獣が方向を上げれば、先程の事を忘れ去ったかの様に更なる強い咆哮を奏で、仕掛けて続ける。
「本能的な獣の闘争能力……という事でしょうか。まぁ、終焉獣ですし、終わりは考えに無いという事かもしれませんね」
「ああ。ま、一匹たりとも逃す積もりは無い……兎に角この場を解放しないと。他に逃げ遅れている人もいるかもしれないしな」
「確かにそうでしたね。的確に、急ぎましょう」
 サイズの言葉に頷くステラ。
 そしてイレギュラーズ達は、立ちはだかる獣共を力を合わせて群がる獣共を掃討していった。

●安堵の陽
 ……そして。
「ふぅ……取りあえずこの場は大丈夫そうね」
 周りを見渡すステラ……だが、依然として安心は出来ない。
「さて、と……先ずは他に逃げ遅れている人が居ないかは確認しないといけないわね。後はもうちょっと安全な場所も探さないと」
「ええ!」
 オデットに頷くキルシェ、そしてイレギュラーズ達は一旦、傍らの遺跡の中を確認。
 特に怪しい所もなく、獣達もいない場所。
「流石に木の下だと、上方から仕掛けてくるなんて事もありそうだし……避難場所をここに移しましょうか」
 とステラの提案に皆頷き、そしてチャリオッツの人達を遺跡の中に避難。
「それじゃ……取りあえず近い所を順々に探していきましょうか」
「分かりました! 先行偵察は自分にお任せ下さい!」
 敵の気配を鋭く察知したネリウムが、ムサシやサイズと共に反応があった方向へ急行。
 咆哮が響く中、叫声の悲鳴も響く。
「こっちか……!」
 その声がした方向へと急げば、またもハーモニアの住人達が襲われ掛けて居る状態で。
「くっ……させるかっ……!」
 またも己が身を呈して敵の攻撃を受け止めて、かなりのダメージを喰らう。
 しかし、燃え盛る心の炎は決して燻ることはない。
「……まだ、まだだっ!」
 力強い言葉を吐き、迎撃の拳を確実に叩きつけて一時の隙を作り出しながら、仲間達が合流する時間を稼ぎ……合流次第に敵を一匹ずつ集中砲火し、確実に撃墜していく。
 そんなイレギュラーズ達の作戦が功を奏した所も有り、ハーモニアの方々は傷を負うこともない。
 幾つもの終焉獣の群れを撃退し、逃げ遅れたハーモニアの人々を救い続けて……敵の気配が無くなるまで続ける。
 そして……その気配が消え失せて、数刻。
「……うん。もう大丈夫そうかな?」
 とイグナートの言葉にロジャーズはフフフ、と不敵な笑みを浮かべて。
「ああ、その様だ。いやしかし、混沌から姿を表す獣達……興味深い所ではあるな」
 この様な各国の奥地にある様な所に突如現れる敵。
 どうして出て来たのかは分からなければ、対処しようもないのは間違い無いだろう。
「まぁ、良く分からないのは今迄の敵もそうだしな……兎に角避難した人々を安全な所まで護衛して帰るとしようか。ここは……流石に危険だ」
「そうね! みなさん。あともうちょっとの辛抱なの。私達が居れば、大丈夫だから!」
 サイズの言葉にキルシェが皆に元気良く声を掛けて励まし続けて……それに元気付けられながら、人々と共に『メーデイア』の地から離れるのであった。

成否

成功

MVP

橋場・ステラ(p3p008617)
夜を裂く星

状態異常

なし

あとがき

皆様ご参加いただきありがとうございました!
深緑の地に突如現れた獣達……という話でした。
少なくとも炎を扱う時点で、国に迎え入れられる事は無いでしょうね……。

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