PandoraPartyProject

シナリオ詳細

a special day

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●特別な1日を考えよう
 大人ってつまらない。
 色んな事で遊びたいのに、すぐ疲れちゃう。
「ねー、どうしようか?」
「だって2人で遊ぶのも飽きたじゃん」
 大人用のダブルベッドでごろごろと転がる。すぐ飽きた。
「そうだ!」
 イレギュラーズを呼ぼう、と少年が言った。イレギュラーズ? と少女が問うた。
「凄い人たちで、色々な仕事を引き受けるんだって」
 きっと遊び相手にもなってくれるに違いない。
「良い考え! 早速依頼しよう」
 少女が目を輝かせ、ベッドの上で立ち上がった。そしてぴょん、と飛び降りると一目散に部屋の外へ駆けていく。
「あっ先にずるい!」
「競争よ!」
 ドタバタと、紳士淑女らしからぬ足音が遠のいていった。

●特別な1日を作ろう
「依頼人は幻想貴族の子供達なのです。1日遊び相手になってほしい、とのことで」
 耳を疑うかもしれない。しかし、正式な依頼である。
 『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)は詳細をイレギュラーズに告げる。
「子供達は普段から元気いっぱいで、遊ぶことが好きみたいなのです。でも、なかなか貴族の子供同士だと遊びに止まらない可能性もありますし、かといって自分達より身分の低い子供と遊ぶのは親が許しません。結果として、イレギュラーズに頼むことになったみたいなのです」
 使用人とは既に遊びつくした、というより使用人たちが遊び疲れてしまったらしい。
 子供と大人の体力の差もあるだろうが、子供達の提示してくる遊びの多さにも要因がある。
「揃いも揃って興味が移り変わりやすい……飽きやすい性格なのです。次から次へと遊びが変わるので、振り回されて大人はヘロヘロになってしまうのです。皆さんなら普通の人より強い、つまり体力があると思われたみたいですよ」
 きっと大丈夫なのです! とユリーカは力強く頷く。
「あと、子供達から皆さんに1つ要望なのです。皆さんで最低でも3つ、楽しい遊びを考えてきてほしいそうですよ」
 イレギュラーズはこの世界の人間だけでない。子供達も知らない遊びを知っているだろうと思ったようだ。
「皆さんの力で、素敵な1日にしてあげるのです! どうか、よろしくお願いしますね!」

GMコメント

●すること
 子供達の遊び相手

●概要
 朝ごはんを食べた後、あたりにイレギュラーズは邸を訪れます。午前中遊び、昼食休憩をとって午後遊びます。空が橙色に染まってきたあたりでお暇しましょう。
 尚、昼食休憩時間はリプレイに描写しません。
 遊びは全員で3、4つ考えてください。多人数で楽しめると良いかと思います。

●ロケーション
 幻想貴族の邸です。外は晴れています。
 外出の許可は下りていませんが、庭も大きいので外で遊ぶなら庭でも十分に遊べるでしょう。
 どこぞの旅人(ウォーカー)に聞いたのか、忍者屋敷のような仕掛けがところどころにあるようです。隠れ鬼とかに使えます。

●子供達
 貴族の子供です。13歳と10歳、兄と妹で子供らしく元気いっぱいです。貴族らしくありませんが、危害を加えたり脅しなどはだめです。貴族の子供は貴族ですから。
 そこらの大人より体力もあり、普通の子供なら怖がるようなものも怖がりません。
 また、興味の移り変わりは激しいです。同じ遊びも3回は続きませんが、ルールをある程度変更して遊べば多少長続きするでしょう。

●ご挨拶
 愁と申します。
 私はもっぱらインドアで遊ぶことが好きでしたが、依頼人の子供達はそうでもないようです。
 考える遊びの数は皆様で相談の上お決め頂ければと思います。相談期間は5日ですので、お気を付けください。
 ご縁がございましたら、よろしくお願い致します。

  • a special day完了
  • GM名
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2018年10月22日 21時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

シャルレィス・スクァリオ(p3p000332)
蒼銀一閃
リリー・シャルラハ(p3p000955)
自在の名手
Q.U.U.A.(p3p001425)
ちょう人きゅーあちゃん
ヨルムンガンド(p3p002370)
暴食の守護竜
華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)
蒼剣の秘書
村昌 美弥妃(p3p005148)
不運な幸運
鴉羽・九鬼(p3p006158)
Life is fragile
御天道・タント(p3p006204)
きらめけ!ぼくらの

リプレイ

●遊びましょ!
「今回は楽しい依頼だわねー♪ いつもこんなのばかりなら良いのに!」
「そうだな。子供達と遊ぶだけとは言え……依頼されたからには全力で応えないとなぁ!」
 ね! と目配せをする『お節介焼き』華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)と『世界喰らう竜』ヨルムンガンド(p3p002370)。
 戦闘も少なくないイレギュラーズにとって『子供達と遊ぶ』という依頼内容は新鮮だろう。……いや、別の意味で戦いになるかもしれないが。
「「イレギュラーズだー!」」
 応接間で待つイレギュラーズの姿に、喜々として走り寄ってくる兄妹。『!!OVERCLOCK!!』Q.U.U.A.(p3p001425)も走り寄って「いえーい!」とテンションのままにハイタッチする。
「ふたりともげんきいっぱいだー!」
「元気だよー!」
「今日はいっぱい遊べるの!」
「うんうん! よくねて、よくたべて、よくあそぶ! こどもはげんきがいちばん! いっしょにげんきに、あそんじゃおう!」
「いろんなことして、いろいろはなして、いろいろうごいて、たくさんたくさんあそぼーね!」
 突然聞こえてきたQ.U.U.A.以外の声。きょろきょろと辺りを見回す兄妹に「した、しただよー」という声がかけられる。
「わぁ、小人さん!」
「かわいー!」
 足元で手を振って存在を主張していた『小さな思い』リトル・リリー(p3p000955)はにっこりと兄妹に笑いかけた。
「きょうはよろしくね! あ、けがにはきをつけよー!」
 はーい、と声を合わせて応える兄妹。それを後ろから残りのイレギュラーズ達が微笑ましく眺める。
(依頼するまでとは、って思ってたけど……やっぱり元気な子供達だね。覚悟しなければ……!)
 子供の体力は馬鹿にならないのだ、と内心で気合を入れる『Life is fragile』鴉羽・九鬼(p3p006158)。
 順繰りに自己紹介を終えると、『タント様FC入会希望』シャルレィス・スクァリオ(p3p000332)が声をあげて視線を集めた。
「はーい注目! 私達が考えてきた遊びを教えるね! 最初の遊びは……『タント様ごっこ』だよ!」
「タント様ごっこー?」
 互いに見合わせる兄妹。2人の前に、ずずいっと金髪の少女──少女であるかは不明だが──『きらめけ!ぼくらの』御天道・タント(p3p006204)が出る。
「タント様ごっこ! とは! そう! このわたくしっ!」
 パチン、と指を鳴らす音が響く。同時に。

   \きらめけ!/

  \ぼくらの!/

\\\タント様!!///

 何処からともなく、複数人の声。
「──‬をモチーフにしたきらめきときめき溢れるゲームですわー!」
 オーッホッホッホ! という高笑いと共にタントのエレガントブリリアントスパークリングポーズ!!
「なにいまの! もう1回!」
「そのポーズ面白ーい! こう? こんな感じ?」
 指ぱっちんを催促したり、ポーズを真似し始めたりとタントに群がる子供達。
「シャルレィス様の話をちゃんと聞けたら、もう1度やってみせてもよくってよ!」
 説明を聞いてもらえないか──なんて危惧する間もなくタントが子供達の注意をシャルレィスへ逸らす。シャルレィスは2人の視線を受け止めながら口を開いた。
「タント様ごっこはね、誰かが指をパチンって鳴らしたら他の皆ですかさずさっきの掛け声をかける遊びなんだ」
 連続で指を鳴らすのはなし。乗り遅れたらペケマーク1つで、最終的にペケの少ない人の勝ち。
「たのしそう!」
「はやくやろーっ」
 兄妹に促されて広間へ移るイレギュラーズ達。勿論タントはその前に指ぱっちんを催促された。
 ウフフ、と『不運な幸運』村昌 美弥妃(p3p005148)が笑みを漏らす。
(遊びというのは何歳になっても心躍るものデスねぇ♪)
 広場に入れば早速ゲームスタート!
 まず指を鳴らしたのはQ.U.U.A.だ。
   \きらめけ!/
  \ぼくらの!/
\\\Q.U.U.A.様!!///
 ポージングに合わせてライトエフェクトの幻影を作り出すQ.U.U.A.。同時にシャルレィスがしゅばっと駆け寄って称えるポーズを取る。
「おねーさんのそれいいなー!」
「わたしもやるー!」
 わいのわいのと兄妹が言う間にも次の指ぱっちん。ヨルムンガンドだ。
(沢山呼ばれて、呼んでいこう……!)
 連続にならないよう気をつけながら、指パッチンの機会を狙っていくヨルムンガンド。
 続いてリリーが出来るだけ大きな音でパッチン。皆の掛け声に合わせて「いえーい!」とポーズをとる。
「あっのりおくれたー!」
「ペケー!」
「は、はわわ……ペケですか!?」
 そんな周りに乗り遅れた九鬼は、自身への戒めに頬にペケを書く。
「そのポーズ、格好いいのだわー!
 ポーズを決めた子供達には華連が声をかける。少年が照れ臭そうに笑った。
 最初こそミスもあったが、繰り返せば乗り遅れる回数も減っていくもの。
「あっ」
 そんな時、うっかり美弥妃が掛け声に乗り遅れる。
「「間違えたー!」」
「次はがんばりマスよぉ!」
 ケラケラと笑う兄妹に張り切った様子を見せる美弥妃。
 子供達が全員の名前を覚えた頃合いで、次の遊びをタントが説明する。
「オーッホッホッホ! 次は『かっこよくころんだ』ですわ!」
 一部の旅人が知るであろう「だるまさんがころんだ」を格好良いポーズ縛りで遊ぶのだ。鬼の主観で判断してしまうと喧嘩が起きかねないので、自分が格好いいと思うポーズをすれば良いことになっている。
「最初の鬼は私がやるよ!」
 挙手したのはシャルレィス。他のメンバーは一定の距離をとって始める。
「か っ こ よ く こ ろ ん だ !!」
 ゆっくり言いながらくるっと振り返れば──これはまた個性的なポーズの数々。わんこ──猟犬にまたがりポーズをするリリーや思い思いにポーズを取る子供達。美弥妃は踊っているようなポーズを表現し、タントはアクロバティックにポージングを決めてみせる。Q.U.U.A.は逆立ちをしてみせて──。
「わわっ」
「あ、動いたー!」
 惜しい、ほんの少しだけ揺らいでしまった。
 シャルレィスに指摘されて鬼の元へ向かうQ.U.U.A.。勿論、その間も他の者は動いてはいけない。
(は、早く後ろ向いてっ……)
 片足立ちしている九鬼がそう祈る。浮かせている足が震えそう、というか実は少し震え──いや、震えていない。決して震えていないのだ!
 段々とシャルレィスに近づいていく中、ちらほらと脱落者も増えていく。残っているメンバーで最初にシャルレィスへ近づいたのは、割と体制に無理あるポーズの多かった九鬼だ。
 ラストスパートで駆け寄る九鬼。しかし、足が疲労でもつれる。
「……九鬼さん?」
 振り向いたシャルレィスの怪訝そうな声に、九鬼は顔を上げずに答えた。
「こ、これは大地を愛しているポーズです……」
 明らかに転んでいるのだが──まあそういうことにしておこう。
 九鬼が立ち上がる間にヨルムンガンドが近づき、これまでの中二病ポーズとは異なって「がおー」と襲い掛かるポーズ。シャルレィスが振り向くと同時にぎょっとする。
「わぁっ!? び、びっくりした……」
 もはやタッチできる距離。シャルレィスが背中を向けて声を出すと同時、肩にヨルムンガンドの手が触れた。
「逃げろー!」
 かっこよくころんだ、と唱えられる間に散っていく一同。ストップの言葉にその場へ立ち尽くし──。
「次はワタシが鬼デスねぇ」
「いいなー!」
「僕も次やりたい!」
 美弥妃がシャルレィスと交代すると子供達からの羨望を浴びる。どうやら2人が鬼になるまで終わらないらしい。

 他人のポーズに笑ってしまったり、ポーズに凝りすぎて動いてしまったり。意外と難易度の高い遊びは子供達に気にいられ、気づけば昼時を少し過ぎてしまったのだった。


●子供達がお昼を5分で食べて帰ってきました。
(隠す時間がなかったのだわ……!)
 ほんの少し、華蓮は焦っていた。
 まさか子供達があっという間に昼食を食べ終わり、丁度昼食を食べ始めたイレギュラーズの元へ来るとは思ってもいなかったのだ。
「ちゃんと食べてきた? よく噛まないとダメなのだわよ?」
「「うん!」」
 2人は揃って大きく頷き、まだかまだかとイレギュラーズを待っている様子。これでは少し抜けて準備を──なんて言っていられない。
「そっか、それはえらいのだわー♪ 私達もちゃんと噛んで食べるから、もう少し待っててね」
 子供は褒めて伸ばす華蓮、2人の頭をよしよしと撫でる。兄妹は嬉しそうに頷いた。
 そんなわけで冒頭に戻る。
「なあ、この屋敷には仕掛けが沢山あるんだよなぁ……?」
 案内してくれないか、とそわそわしながら子供達へ問うたヨルムンガンド。2人が大きく頷く。
「いいよ!」
「じゃあおいかけっこね!」
「おお! じゃあ私が鬼だな……!」
 まさか案内も遊び付きとは思わなかったが、2人の遊び好きな性格を考えれば納得もいく。
 部屋を飛び出していった2人を追いかけるヨルムンガンド、部屋を出る寸前に華蓮へ視線を送った。
「……あっそういうことね! わかったのだわ♪」
 準備時間を稼いでくれるらしい。華蓮は先ほどまで遊んでいた広間へ向かう。
「私もおいかけっこに参加しようかな!」
「かけっこだー! きゅーあちゃんもフルタイムで遊べるよ!」
 なんておいかけっこに参戦する者もいれば、小休憩というように食事を取った部屋でまったりしている者もおり。
「もふもふだー」
 リリーがわんこにもふりと抱きつく。もふもふはよきかな。
 窓越しにぬっと尾花栗毛の馬──リリーに懐いているカヤ──も中の様子を伺ってくる。アニマルセラピーに、と連れてきたのだ。
 華蓮が戻ってきて暫し、賑やかな声と共においかけっこをしていた一同も戻ってくる。
「良い運動だったねー」
「仕掛けが沢山あったなぁ……!」
「きゅーあちゃんはまだまだあそべるよ! ひろまにもどってあそぼー!」
「「おー!」」
 広間に戻ったイレギュラーズ達と兄妹。
「こんどはきゅーあちゃんがリーダー! なづけて『きゅーあちゃんをさがせ!』」
 ルールは至極シンプル。ドリームシアターで分身を沢山出現させ、制限時間内に本物を当ててもらうのだ。
「さあ、いっくよー!」
 早速ドリームシアターを使うQ.U.U.A.。分身が複数現れ、それぞれがアクロバティックな動きでひと所に留まらない。自身をイメージするからか幻影も完成度が高く、最初からなかなかの難易度だ。
 しかし子供達も屈せず、リリーや美弥妃達も混ざって本物を探し始める。
「うーん、むずかしー……」
「あれっぽくありませんかぁ?」
「えー? でも、くちのとこのやつがないよ!」
「あらら、本当デスねぇ」
「あっちはふくがちょっとちがうー」
 くちのとこのやつ、はインカムを言いたいらしい。
「きゅーあ可愛いなぁ~!」
「いえーい! かわいいきゅーあちゃんがいっぱいだよ!」
 ヨルムンガンドが声をかけるとどこからかQ.U.U.A.の声。背中を向けている姿もあったため本物を断定までには至らないが、それでも分身はいくらか特定できた。
 時間ギリギリではあったが、兄妹は「本物はこれだ!」と1人のQ.U.U.A.を指す。
「ざんねん、みつかっちゃったかー」
「やるじゃないの! この調子この調子♪」
 丁度1分経過で幻影が消える。華蓮が子供達を褒めると、2人は「こういうのも楽しいね」と互いに頷き合った。
 次に分身を出してもらうのはシャルレィス。幻影の希望をQ.U.U.A.に伝え、屋敷で借りた模擬刀を構える。かっこよくころんだ、の時のような格好いいポーズを意識して立ち回れば「かっこいいー!」と子供達からの素直な声。
 にんまりとしたシャルレィス、うっかり幻影をすり抜ける。
(ば、ばれちゃうーっ!?)
 焦ると同時、目ざとい子供達に指摘された。早くも見つかったシャルレィスに代わり、美弥妃はほんの少しずつ色を変えて幻影を出してもらう。
「どれも本物と一緒で難しいな……!」
 ヨルムンガンドが唸る。子供達も今回は難しいようだ。
「あっちはめのいろがちがうかな?」
「そうだねー」
 少女の言葉に頷くリリー。少年も声を上げる。
「あっちはりぼんもちがうよ!」
 そうして少しずつ選択の範囲を狭めていくが──制限時間は1分だ。
 消えた幻影に美弥妃がきょろきょろと辺りを見回す。
「あら、終わってしまったのデスねぇ」
「「ええーっ」」
 悔しい、と口を尖らせる2人。くすりと笑いながら華蓮が時計を見る。
「そろそろだわね……皆、実はこのお部屋にはお宝が隠されているのだわ!」
「「お宝!!」」
 兄妹が本日何度目かの異口同音。その表情は先ほどと一転している。
「皆で見つけてみるのだわー♪ 物は壊さないように!」
「小細工無しの実力勝負になりますわね! 本気で探しますわよ!」
「ふっふっふ、手加減なし、冒険者の実力を見せてあげるよ!!」
「できなことがあれば、お手伝い致しマスよぉ」
 我先にと部屋の中を駆けまわる子供達。タントやシャルレィス、美弥妃を始めとした何人かがそれを追いかける。
「がんばれわんこ!」
 リリーも猟犬とともにお宝を探し始める。子供達はカーテンをぶんぶんと振ってみたり、テーブルの天板裏を覗いてみたり。ヨルムンガンドが保護結界を張っているため、意図的でなければ物が壊れる事は無い。
 そんな彼女は、華蓮から「お宝はお菓子」と聞いて目を輝かせた。
「それなら負ける訳にはいかないな! 全力で探させてもらうぞぉ…!!」
 宝探しに参戦していくヨルムンガンド。Q.U.U.A.はそれとなく子供達にヒントを出す。
 それらの光景を眺めながら、九鬼はひと息ついた。
「平和で…何だか子供の頃を思い出しますね……」
『我には良い様に使われている様に見えるがな』
 ふん、で鼻で笑う声。《夢刀》のギフトで消えたように見えていた霊刀に宿るインだ。
 九鬼はその言葉ににっこりと笑う……が、目が笑っていない。それと同時、子供達から歓声が上がる。お菓子が美弥妃に下ろしてもらった壺の中から見つかったのだ。
「……皆ー、この人魂捕まえたら私の分のお菓子分けてあげるよ!」
『お、おい!?』
「本当!?」
「わぁっ、ひとだまだー!」
 見る機会もなかなかないだろうに、人魂を見ても怯まない2人。むしろ興味津々である。
 ささやかな騒動を経てお菓子を食べ、一同は『きゅーあちゃんをさがせ!』後半戦へ。
 九鬼はあえて分身と同じ動きを取る。こちらを見る一同の表情に内心ニンマリ顔だ。
(ふふ、苦戦してるねー……!)
 だが、突然子供達が「あっ!」と声をあげて本物の九鬼を指した。見破られてしまったらしい。
 子供の観察眼は侮れない──なんて思っていた九鬼は気が付いていなかった。頭上でインが本物を示すようにくるくると回っていたのだ。
 タントは分身と共に全力ポージング。オーッホッホッホ! と声が出そうになるが即バレするので我慢。代わりに心の中で高笑いをする。
(オーッホッホッホ! あまりのきらめきにすぐバレてしまうかしらー!)
 そのきらめき故かどうか定かではないが、子供達が「あれがほんもののタントさま!」と比較的早く本物を当て──何故か突進、いや抱きついてきた。とはいえそのスピードは手加減がない。
「ぐはっ」
 消える幻影、やったー! と万歳する兄妹。抱きつかれたタントは鳩尾を押さえたとか、なんとか。

●またね!
「あっという間に夕方かぁ」
「今日は楽しかったデスねぇ」
 美弥妃が茜空を仰いで呟けば、それを耳にした兄妹が大きく頷いた。
「うん、楽しかった!」
「楽しかったー!」
「また遊んでくれマスかぁ?」
 その言葉にきょとんとする子供達。いいの? と少女が首を傾げる。
「勿論なのだわ!」
 華蓮が大きく頷き、続けてタントが口を開いた。
「このような依頼であればいつでも! 大歓迎ですわー! 是非是非またお呼び下さいまし!」
「ふふ、私達も楽しかったですから。また遊びましょうね」
 九鬼に頭を撫でられた2人は互いに顔を見合わせ──笑顔でイレギュラーズ達に頷いてみせた。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 お疲れさまでした。
 プレイングを拝見してとても楽しかったです。私も混ざりたい、と終始思いながら執筆させて頂きました。兄妹も満足しないわけがない1日ですね。

 今後もご縁がございましたら、どうぞよろしくお願い致します。

PAGETOPPAGEBOTTOM