PandoraPartyProject

シナリオ詳細

カルネと行こうよタコパの里

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●タコパ
「たこ焼き食べ放題の楽園があるって本当!?」
 おめめをキラッキラにした秦・鈴花(p3p010358)が身を乗り出している。
 その背丈も相まって二人がけのテーブルを容易に乗り越える彼女から身を引いて、カルネは大きく椅子を後ろに傾けた。
 そのまま倒れてしまわなかったのは、そっとイーハトーヴ・アーケイディアン(p3p006934)が椅子の背もたれを押さえてくれたからである。
「聞いたことあるよ。タコパ島だっけ?」
「タコパ島!?」
 なんてハッピーでキャッチーな名前なのだろう。
 が、事実である。というか、由来もある。
「海洋貴族がシレンツィオ諸島の一角に見つけてね、世にも盛大なたこ焼きパーティーを開いたことからそこはタコパ島と名付けられたんだ」
「思った以上にまんまなネーミングね」
「結構多いらしいよ、そういうケース」
「で!」
 テーブルの横からリュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)が楽しげに割り込んできた。
「その貴族が野生のフライングたこ焼きをゲットしてきて欲しいからって、依頼を出してきてくれたんだよね」
「そうゆうこと」

 話だけ聞いてると頭が残暑の太陽で煮詰まりそうなのでこの辺で整理しよう。
 タコパ島とはその名の通り野生のフライングたこ焼きの群生地である。
 いきなり野生のフライングたこ焼きとか言われても困ると思うので、まずは想像して欲しい。
 あの半球形のくぼみの沢山あいた鉄板に生地を流し込んでいきじゅうじゅう焼いてるさまを。そしてタコを入れてしばらーくしてからくしで上手にひっくり返していくあのさまを。
 まんまるく焼き上がった香ばしいたこ焼きがお皿に盛り付けられ、そこにソースと青海苔がまぶされるさまを!

「「「うわあ!?」」」
 突然ただの美味しいたこ焼きを想像してしまった三人が頭を抱えてのけぞる。
 こういうのって、想像しちゃうともうたこ焼きの口になるよね。
 実際カルネもそうだったらしく、コホンと咳払いをして続けた。
「『フライングたこ焼き』っていうのは想像してるそのまんまのたこ焼きが空をふわふわ浮かんでるっていう混沌の不思議生物のひとつだよ。なぜかいつもほくほく暖かくて美味しいんだ」
「そりゃあ美味しいでしょうね」
 なら行きましょうすぐ行きましょうとカルネを小脇に抱えて走り出そうとする鈴花。
 彼女をどうどうとリュカシスとイーハトーヴが両サイドからなだめた。
 すごい余談も余談だが、イーハトーヴとリュカシスは肌の色合いもあって並ぶと結構絵になるのだ。ROOだと今度はマスコット二人組みたいになって絵になるので、このコンビはなかなかの人気である。余談終了。
「待って待って。あそこにはタコパガーディアンがいるんだ」
「タコパガーディアン!?」
 またハッピーでキャッチーな名前!
 さもあらん。このタコパ島を守護しているという謎のゴーレムが確認されているのだ。
 ゴーレムはそれはもう怪力だし目からビームは出すしちょっと飛ぶしでなかなかに手強く、しかもそいつら複数体もいるらしい。
 観光気分でフラッといったら軽くひねられてしまうのは目に見えている。
「もっというと、倒しても数日したら復活しちゃうらしいからね。きっと今行ったらタコパガーディアンが物凄い勢いで襲ってくるはずだよ」
「謎な上に厄介ね……」
「うん、謎な上に厄介なんだ」
 抱えられたカルネがハアとため息をついた。
「だから人員を集めてから行こうね。依頼内容はシンプル。タコパガーディアンを倒して、タコパして、たこ焼きを持ち帰る! 以上!」

GMコメント

※こちらはライトシナリオです。短いプレイングと選択肢のみで進むアドリブいっぱいのライトな冒険をお楽しみください。

●シチュエーション
 ガーディアンを倒してたこ焼きパーティーをしよう!

●エネミーデータ
・タコパガーディアン
 誰が名付けたのかハッピーでキャッチーな名前のゴーレム。
 怪力だし目からビーム出すしちょっと飛ぶしでわりかし大変だけど、倒せば数日くらいは復活しないのでタコパのための試練と思えばなんのその。

●一口プレイング
 折角のたこ焼きパーティなので飲み物やその他のおやつは持参しましょう。
 好みのたこ焼きがあったら教えてね!

●カルネくん
 今回も一緒に戦ってくれるカルネくんです
 タコパの経験は実はないのでちょっと楽しみにしています

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりませんしたこ焼きは美味しいです。


フライングたこ焼きって知ってる?
しってる?

【1】しらない!
困惑が先に来ますが、楽しそうな気もします。

【2】知ってる!
美味しいよねフライングたこ焼き! 群生地なんてあるんだ!


戦闘スタイル
ガーディアンと戦う時のおおまかなポジションです

【1】アタッカー
攻撃をどかどかぶつけるアタッカーです。
得意な攻撃手段をここぞとばかりにぶつけましょう。

【2】ディフェンダー
相手の攻撃を引き受けて防御する役目です。
防御を固めたりタンクを治癒したりと大事な役割です。

  • カルネと行こうよタコパの里完了
  • ゴーレムを倒してたこ焼きパーティーをしよう!
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別 通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年09月18日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談0日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)
無敵鉄板暴牛
イーハトーヴ・アーケイディアン(p3p006934)
キラキラを守って
レイリー=シュタイン(p3p007270)
ヴァイス☆ドラッヘ
秦・鈴花(p3p010358)
未来を背負う者
月瑠(p3p010361)
未来を背負う者
レイン・レイン(p3p010586)
玉響
カトルカール(p3p010944)
苦い
ピエール(p3p011251)
ナマモノ候補

リプレイ

●食い意地は国を救う
 シレンツィオ諸島が開拓されるにあたって、元々裕福かつおおらかであった海洋の民はそれほど食材探索に熱心ではなかったという噂がある。むしろ熱心であったのは踏破のあかつきに一部の土地の権利を得られる鉄帝側であったとか。
 鉄帝は先の大寒波の例が極端であるにしても食糧不足を起こしやすい地域に暮らす民族であるがゆえ、シレンツィオ諸島においての食材探索にはどうしても熱心になるのだろう。
「――だから島の端に作られた簡易拠点が鉄帝式なんだね!」
 簡易拠点という名の木造の小屋をくるくると、物珍しそうに、かつちょっとなじみ深そうに見て回る『駈ける一歩』リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)。
「かなあ。少なくとも、この島を探索したのは鉄帝海軍だったんじゃないかな。フライングたこやきの情報も割とそっち側からだったし」
 カルネは庭先(?)になんとなく置かれた椅子に腰掛け、のんびりと背もたれに身体を預けている。
 彼の頭の上にちょうちょが飛んできて、ちょんと髪のうえにとまった。
「『そっち側』ってどういうこと?」
 ちょうちょをつかまえようとそっと手を伸ばして、けれど逃げられて、『ヴァイス☆ドラッヘ』レイリー=シュタイン(p3p007270)はカルネに問いかけた。
「情報自体はシレンツィオ・リゾートの酒場で得たものだったんだけどね、その酒場がリトル・ゼシュテルだったんだ。あの辺は多少の棲み分けがなされてるから、得られる情報もちょっとずつ違うんだよ」
「なるほどねえ。ひとつの島なのにちょっと不思議」
「けどそのおかげでフライングたこやきにありつけるんだし、感謝だよね」
 『覚悟の行方』イーハトーヴ・アーケイディアン(p3p006934)はにっこりと笑って小屋の中にリュックサックを下ろした。
 各自タコパ用の追加装備(?)を持ち込んでいるのだが、まさかそれを抱えたままタコパガーディアンと戦うわけにもいかない。というわけで、この簡易拠点に荷物を置いているのだった。
 鍵も扉もないけれど、ゆうて孤立した島なので防犯もなにもあったもんじゃあない。
「しかし……なぜ、たこ焼きが飛ぶ?」
 と、かなり今更な疑問を口にする『ナマモノ候補』ピエール(p3p011251)。
 そのいかつい猪頭の巨体を体育座りさせる様は異様であったが、異様なモンを見慣れてるイレギュラーズはむしろその光景をさらっと受け入れていた。
「たこ焼きって飛ぶものでしょ? 私聞いたことあるわ!」
 『未来を背負う者』秦・鈴花(p3p010358)がしゃきーんとお箸と舟皿を手に持って、クロスして構えていた。どうみてもこれからお祭りに行く人のフォームである。ゴーレムと戦うのはオマケくらいの感覚であった。実際そうだし。
「いや、普通は飛ばない……よな?」
「普通は飛ばないね」
 『苦い』カトルカール(p3p010944)が烏龍茶の入ったボトルを小屋において、ふうと額の汗を拭う。
 もう九月に入るというのに随分と暑い。もっと軽装で来れば良かっただろうかとカトルカールは長袖の上着を脱いで思う。
 一方で、日差しをいつもの傘で防ぎながらぼうっと足っている『玉響』レイン・レイン(p3p010586)。どうやら日傘兼用の傘であるらしい。
「飛んでるのは食べた事ないけど……クルクルしてるのは見たことあるよ……
 ずーっと見てたら……あっちいってって言われたっけ……」
「なあにその悲しいおもいで」
 『宝食姫』月瑠(p3p010361)がしょんぼりとした顔をする。そして鈴花のほうをちらりとみた。
「鈴花(りんりん)もそういう経験あるの?」
「くるくるしてるたこ焼き? 勿論見たわよ。片っ端から食べていったら勘弁してって言われたわ」
「なあにその……なあにその思い出?」
 と、そうこうしているうちに準備は終了。早速タコパガーディアンに挑むイレギュラーズたちであった。

●正式名称がないばかりに
「皆、見て! タコパガーディアンだよ!」
 カルネが指さす先、厳つい外観をしたゴーレムがモノアイを光らせゆっくりと立ち上がった。低いヴゥンという音は魔導機関によるものか、倒しても数日で修復されるという話からして、おそらくこの島そのものに張られた仕掛けの一つということなのだろう。
「なんだか……」
「うん……」
 リュカシスとイーハトーヴがこそこそと話し合う。
「どうしたの?」
 いつでも仲間を守れるようにと前に出ていたレイリーが問いかける。
「ああ、えっと、アーカーシュに出てくるゴーレムになんだか似てるなって」
「言われて見れば似てなくも無いけど……ゴーレムって大体あんな感じじゃない?」
「それはそうかも」
「皆、来るよ!」
 会話を遮るように叫ぶカルネ。するとタコパガーディアンの一体がモノアイからビームを発射した。
「私の後ろに隠れて!」
 レイリーは両腕両足のアームドコンテナから展開式増加装甲を開くとタコパガーディアンからのビームを防御。そのまま思い切って突進をしかける。
 光線は装甲によって阻まれたまま突き進み、至近距離まで迫ったところでレイリーの後ろからリュカシスがぴょんと飛び出した。
「行くよ!」
「「うん!」」
 飛び出したのは彼一人ではない。次いでイーハトーヴとカルネがそれぞれ飛び出し、ゴーレムを三方向から取り囲む。
 腕によって振り払おうとするタコパガーディアンを押さえつけたのはレイリーの剣だ。
 そうして固定された腕に、リュカシスはガチャガチャと展開した巨大な剣でもって斬りかかった。
「えいっ!」
 派手に切断されるタコパガーディアンの腕。
 そこへカルネは銃撃を加え、片腕で防御しようと数歩さがりかけたところでイーハトーヴは抱えていたアタッシュケースをばこんと開いた。
「行くよ、オフィーリア!」
 そこで登場したのはなんとパワードスーツを纏ったオフィーリアであった。
 物凄いパンチのラッシュがタコパガーディアンへと叩き込まれ、そのボディがぼこぼこと崩れていく。硬い装甲を纏ってこそいるが、それを上回るだけのパワーがこの『アダムスーツ』にはあるのである。
 各武装甲を破壊され弱点となるコアが丸見えになったところで、四人の一斉攻撃が炸裂する。
 コアが破壊されたタコパガーディアンは仰向けに倒れ、そして残るタコパガーディアンは警戒するように交代を始めた。
 地面をホバー移動でジグザグに後退する彼らを追いかけるのは鈴花と月瑠のコンビだ。
 ビームを紙一重のところで回避すると、二人はぴょんと跳躍。翼を同時に広げると。風を捕らえてミサイルのごとく跳び蹴りを繰り出した。
 ただの跳び蹴りではない。翼によって加速をうけ、宙返りからの遠心力を加えた息ピッタリのダブルキックである。
 それをくらったタコパガーディアンは派手に転倒。
 装甲がひしゃげてコアが丸出しとなる。
「今よ!」
「おっけー!」
 鈴花の竜拳がコアへと炸裂――すると同時に、月瑠の壱式・竜爪がコアへと炸裂。
 要するにダブルパンチがコアを打ち砕いたのだった。
 砕けたコアの破片を拾いあげ、ひとこと『まずそう』と呟く月瑠。
「落ちてるもの食べちゃダメだからね?」
「たべないよ!」
 いくら宝石っぽいからって! と言い返す月瑠。
 そんな二人へ襲いかかるタコパガーディアン。
 ホバー移動から一転跳躍。背部のスラスターを使って一気に距離を詰めてきたタコパガーディアンがその怪力でもって二人を殴り倒そうと拳を振り下ろした。
「おっと!」
 月瑠は鈴花を掴んで飛び退く形でギリギリ回避――したが、目からのビームを受けて月瑠は防御姿勢のまま吹き飛ばされた。
「月瑠!」
「だいじょーぶ!」
 ごろんごろんと転がりつつも声を上げる月瑠。
 よくも――と反撃に出ようとしたところで、ピエールがその斧でもってタコパガーディアンの顔面をぶったたいた。
「ここは任せな!」
 フンッと鼻息を荒くすると、ウオオと声をあげて斧をそのまま振り抜いた。
 パワー勝ちしたのはピエールの方だったらしい。タコパガーディアンはそのまま大きく押し出され、どすどすと地面を数歩後退する。
 顔面をやられたことでビームが出せなくなったのか、ならばと格闘の構えを取り始める。
 斧を構えジリッと間合いを確かめるピエール。
 タコパガーディアンは巨体だが、ピエールの方も負けず劣らず巨体なのだ。
「手伝う、ね」
 そんなピエールの左右後方に展開したのはレイン――と、カトルカール。
 レインは畳んだ傘をライフルのように構え、カトルカールはショットガンをポンプするような動きでリロードしながら射撃を開始した。
 右側から仕掛けたカトルカールのショットガン射撃は思い切り距離を詰めながらの連射だ。
 いくら装甲の堅いタコパガーディアンといえどその身体をひしゃげさせるには充分である。
 反撃に繰り出されたのはタコパガーディアンの両腕。それもコマのように上半身だけを回転させ突っ込んでくるという大胆な反撃であった。
「むうっ――!」
 ピエールがカトルカールの前に飛び出し彼を庇う。
 なんとか防御に成功したところで、回転するタコパガーディアンの脇腹あたりにちらりとコアが見えた――のを、レインは見逃さない。
「そこ……」
 レインはライフルのように構えていた傘に魔力を通し、鋭く発射した海月型の魔術弾丸を見事にコアへと命中させる。
 螺旋状にねじれた弾丸は着弾と同時にぎゅるんと回転を始めコアを掘削。
 そのままコア内部まで身体をねじ込むと仕込んでいた爆発コードを発動させる。
 つまりどうなるかというと、ボンッという激しい音と共に腰部分が吹き飛んだことでタコパガーディアンは上半身を回転させながら上下に分離。その上半身は地面に転がり、下半身も一足遅れてがくりと崩れ落ちたのだった。

●ここからが本番だ!
 タコパの里。それはフライングたこ焼きの群生地である。
 これを発見した鉄帝民は歓喜しその場でたこ焼きパーティーを開きそのままのノリでここをタコパの里と名付けてしまったという逸話(?)をもっている。
 その気持ちが……。
「うわああ……」
 空飛ぶたこ焼きの群れを見たレインにも、ちょっと分かった。
「フライングたこやきは繊細な生き物で、こうして網で捕まえるだけで非フライング状態になるんだ。だからとりすぎは厳禁、だよ。必要な分はあとで確保するから、今はちょっとずつとりつつ食べようね」
 カルネのそんな一言に頷いて、レインは早速手にした網でさっとフライングたこ焼きを捕まえてみた。そして船型のお皿にそっとのせる。
「熱そう……」
「うん、中身はかなり熱いから、気をつけてね」
 レインは頷くと、ふーふーしてからひと囓りした。
 そえたソースと青海苔の風味に続き、たこ焼き本来のまったりとした満足感が口の中に広がる。
「おいしい……」
「口の中が熱くなったら烏龍茶をどうぞ」
 烏龍茶が運び込んできた烏龍茶のボトルをテーブルに置いた。
 割と今更だが、カルネたちはキャンプ道具を持ち込んでいるのでテーブルも椅子も完備なのである。鉄帝民たちがここに椅子やらテーブルやらを建設しなかったのは、たこやきが繊細な生き物だと知ってのことだろう。工事のドサクサで無駄になるたこ焼きなど悲劇でしかない。
「そうだ、変わり種もあるのかな。チーズとかウィンナーとか好きだぞ僕は!」
「うん。あるんじゃないかな。不思議な飛び方をしてるたこ焼きを探してみてね、きっとそれが変わり種だよ」
「やったー!」
 カトルカールが網を片手にふよんふよん飛んでるたこ焼きを追いかけ始める。
 その一方、ピエールは黙々と葱を切っていた。
 刻んだ葱を並べたたこ焼きの上にバッとまぶすと、ネギマシたこ焼きを作り上げたのである。
「…………」
 黙ってこっくりと頷くピエールの表情には満足そうな色がある。
 一方で、鈴花はたこ焼きをそれはもうモリモリと食べまくって……。
「ハッ! そういえば私『カルネくん』するの忘れてたわ!」
「なあにそれは」
 小首をかしげる月瑠。
「敵陣にカルネくんを投げて盾にする戦法のこと」
「なあにそれは!?」
 それはともかく、とたこやきをお箸でつまみ上げる月瑠。
「なかなか美味しいのね。ある意味宝石みたい」
「そう、たこ焼きは鉄板の上で作られる宝石なのよ」
「なあにそれ?」
 そんな傍ら、レイリーはピエールから譲って貰ったネギタコをぱくつきつつ、だし汁を用意していた。
「それは?」
「うーん、ちょっと特殊なたこ焼きの食べ方……かな」
 レイリーはだし汁に一度だこ焼きを沈めると、よくすったそれを口に運ぶ。
「出しが染みて美味……」
「みてみて! 大きい奴捕まえた!」
 特に大きいフライングたこ焼きをゲットしてきたらしいリュカシスが上機嫌で見せてくる。
「わ、すごいね。捕まえるの大変だったでしょ」
「なるべく大きい奴つかまえたかったから!」
 驚くカルネに、リュカシスは胸を張る。
 そしてお箸でそっと分けて、中身のでっかいタコをあえて先に食べたりしてみた。
「あ、そうだ。熱いたこ焼きを食べてるし、食後にアイスでもとおもって持ってきたんだ」
 イーハトーヴが魔法のクーラーバッグをちょいっと掲げてみせる。
「いいね、あとで一緒に食べようか。それより……そっちの調味料は?」
 カルネが振り返ると、イーハトーヴがテーブルにマヨネーズやソースやお塩を並べてるのが見えた。
「やっぱりたこ焼きには調味料が欠かせないよね、って」
「確かに。タコパだもんね」
 イーハトーヴとリュカシスは捕まえてきたたこ焼きにうにゅーっとマヨネーズとソースをかけると、それぞれ自分の口へと運んだ。
 はふはふとしばらくやってから、満足げににっこりと笑う二人。
「このたこ焼き、帰ったら自分でも焼いてみよ。ボク、うまく焼ける気がするんだ!」
 謎の自信を見せるリュカシス。
「ああ、そういえば本来のタコパって、自分で作るんだったわね」
 鈴花が今更みたいな顔で振り返った。
 そうなの? と月瑠。
「今度みんなでやりましょ。好きな具材持ち込んで、好きなように焼くの」
「それはそれで楽しそう!」
「まあね。タコパってそういうものよ」
 レイリーがビールの瓶をポンッと明けるとそれをあえてそのままグビグビ行った。
 ご想像いただけようか。たこ焼きとビールの相性というものを。
「今度は、クルクルも、できるのかな……それは……楽しみ……」
 まだはふはふしながらも次回のタコパを楽しみにするレインである。
 一方で、変わり種を捕まえてきたカトルカールがチーズたこ焼きをぱくついていた。
「たこ焼きっていいながらタコ以外を入れちゃうのって、あるあるだよね」
「あるあるなのか……まあ、言われて見れば、そうだな」
 ピエールもこくんと頷いてネギマシのたこ焼きを平らげた。
「さて、こんなにあるんだ。おかわりといくか?」
「賛成ー!」

 その後、皆はおなかいっぱいにたこ焼きを堪能して帰ったそうな。
 めでたしめでたし。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――mission complete

PAGETOPPAGEBOTTOM