シナリオ詳細
おやさいダークネス~Dark Begins~
オープニング
●野菜に存在する中二病
それは、トウモロコシだった。
夏野菜の代表格といえる、とても素敵なトウモロコシ。
しかし、何かがおかしい。一体何処がおかしいのか……答えは明白だ。
トウモロコシの実を包む葉が、凄い黒い。一体何があればこんなことになるのか?
覇竜の作物だからとかいうんじゃない。それを言ったら一言で終わっちゃうでしょうが。
さあ、一体何が起こったのか? 何やら闇を纏ったかのようなオーラをも纏うトウモロコシたちは、植えたときは普通のトウモロコシだったはずなのだ。
となると育つ過程で何かがあったのだろうか?
たまたま近くをデミワイバーンが通り過ぎていくが、まさかアレが原因なのだろうか?
「ギッ⁉」
なんということか。上空に差し掛かったデミワイバーンに、トウモロコシたちから黒いオーラが放たれる!
瞬間。デミワイバーンの色が黒に染まった!
なんということか、見方によっては凄いカッコよく見えるが……飛ぶときに翼から星屑のようなものが流れ、翼の片方は白い……なんだろう、なんかこう。光と闇が合わさって最強に見える系のアレの如きだ。
なるほど、これはどうやら……このトウモロコシに関わるとこうなるということのようだ……!
●ダークネスな野菜
「シャイニングがあるなら、ダークネスもあるに相違ない」
「シャイニングならぬダークネスジャガイモ掘りってわけね。問題はあるかだけど」
「あるんじゃよなあ」
『死神の足音』ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)と『ライブキッチン』アルフィオーネ・エクリプス・ブランエトワル(p3p010486)に、『フリアノンの酒職人』黒鉄・相賀(p3n000250)が声をかける。
「まあ、ジャガイモではなくトウモロコシなんじゃがな」
そう、覇竜トウモロコシ。それはこの時期に美味しい野菜なのだが……この覇竜トウモロコシ、一定確率でダークネス化するのである。そうなった覇竜トウモロコシはダークネストウモロコシと呼ばれ、味は良くなるが収穫が面倒になるのだ。
「ダークネストウモロコシ……」
「聞いたことがあるようなないような」
「あまりメジャーではないからのう」
ダークネストウモロコシ。それは中身は普通なのだが黒き葉を纏ったトウモロコシである。
近づくと黒いオーラを放ち、収穫者をなんかダークネスっぽい服装や言動に変えてしまうのだという。
勿論時間経過で元に戻るが……記憶はしっかり残るというのだからタチが悪い。
そう、そんなダークネストウモロコシだが、実はフリアノン近くの覇竜トウモロコシの畑で全部ダークネス化してしまったのである!
「こうなると皆収穫を嫌がってのう。ちょうどダークネス野菜に興味あるようじゃし、ちょうどええじゃろ?」
ダークネストウモロコシは、美味しい。
しかも今回、相賀が仕込んだ美味しい醤油もある。これを塗って焼けば、とんでもなく美味しい焼きもろこしが出来るのもまた、間違いないのである……!
- おやさいダークネス~Dark Begins~完了
- 中2な思い出を貴方に
- GM名天野ハザマ
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2023年09月17日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●収穫の時:前編
これは、ダークネストウモロコシに挑んだ者たちの記録である。
一部あんまり変わらない者もいるかもしれないが、基本的にはトウモロコシのせいである。
「――玉蜀黍の畑には魔物が棲む――魔物は只管に黒く、血肉を求めてさまよい、――無数の蹄で均すと謂う――山羊の鳴き声を耳にした貴様、――絶望し、拳銃とやらに縋ると好い――黒い仔山羊は畝と仲が良く、虚の味、筆舌に尽くし難く」
「……えっ。なにこれなんか言動が可笑しくなってんだけど!!!」
火々神・くとかが『せんせー』ロジャーズ=L=ナイア(p3p000569)の言動に何かを感じているようだが、全部ダークネストウモロコシのせいである。なんかいつもとそんなに変わらない気がしても、ダークネストウモロコシのせいである。
「収穫祭――嗚呼、悉くを我等が運命、サダメと見做すので在れば、素晴らしい。玉蜀黍の黒は我が血潮に似て極めて肉らしく、謝肉祭、カルナバルの悦びめいてざわめく。クルーシュチャの解答が如くに列された貴様等は、成程、我が身を染めるに相応しいか。絡まった髭の凄惨さは何処かの聖餐が如くに全てを狂わせ、総ての蕾を舌のの上で転がす。金色だった頃、光輝だった頃の貴様等は愈々アカシック・レコードから喪失し病的なまでの、病みつきなまでの、馥郁さを蓄えている。嗚々――! グロテスク哉、ナンセンス哉、虚に伸びて往く植物、ザイクロトルの血筋! 我が名を知らぬとは、貴様等、我等が父、盲目白痴のダイモーン=スルタンめいて、忌まわしい――! 改めて名乗るとしよう。我こそが這い寄る混沌、ナイアーラトテップ。嗚呼、この世界では、物語ではロジャーズ=L=ナイアだったか! Nyahahahahahaha!!! 何……? 貴様等はウィッカーマンの真似事が好きだと囁くのか、闇め、暗黒め! ならば望みの通りに火炙りだ、火炙りの刑だ、罪と称される糖度ども! 灰は灰に? 塵は塵に? 違うのだ。貴様等には煉獄が、ランタンを提げた愚者の二の舞が相応よ!」
つまり焼きもろこしにしてやると言ってるのであるが、これがロジャーズのいつも通り……いや、恐るべきはダークトウモロコシである! おのれー。
さて、『数多異世界の冒険者』カイン・レジスト(p3p008357)はどうだろうか? 普段常識的なカインだが、どんな変化が訪れたのだろうか。
「ふっふっふ……民草によりてはパンドラに願うしかない災厄であれど、†冒険者†にとってダークネスは常に側に在りしもの。いわば日常の延長線上にダークネスは常にある。ならば畏れるに足らず。目の前にある果実を見逃すかの如き愚かさ。そう、人の根源が二重の螺旋であるようにこの闇もまた二重の美味を含んでいる……そんなものを見逃す見逃す†冒険者†ではない。さあ、宴の時だ!」
よし、いい感じに駄目そうだ。
「収穫……改め豊穣なる感謝祭は†冒険者†の必須技能だ。母なる大地の祝福に永遠なる祝祷を行いながら終焉を望まぬ慈悲をもたらし、その動きは風の如く、そして豊穣なる祝福をより強く得るには知識、技術、経験何れも欠かせないモノ……それにしてもこの色艶、ずっしりと詰まった重み、匂い――なるほど、味わう前から分かるという物さ。ああ、僕は此処に宣言しよう! これは、極上の上物であると――! この世に全てを知る者がいるとして、それすらこれには嫉妬し得ると! 勿論、真摯に依頼に全力を尽くす†冒険者†の僕はつまみ食いなんて無作法な真似はしない。楽しみは後に取っておいてこそ輝く事もあるのだ。待ち遠しい“その時”の為に、僕も全力全開で収穫していくしかないよねー―!!」
そういうことらしい。ところで見た目的には今日ロジャーズ並に「ぽい」『邪悪な力アドバイザー』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)はどうだろうか?
「……このトウモロコシ、いま狙い撃ちしたよな??? そんな怪しいモノに染まってたまるか」
おや、結構だいじょうぶに見えるがどうだろうか。
「ジャミル・タクティールでまとめて刈り取れれば良かったんだがこれだと叩き潰してしまうからな……英霊残響:怨嗟なら大丈夫だぞ(不殺だから)」
大丈夫だ、言っていることがちゃんと理解できる。影響下にはない、のだろうか?
「はっ……トウモロコシ……うっ頭が……ああ、思い出したぞ、俺は──」
なんということだ。アーマデルに秘められた辛い過去がこんなタイミングで蘇ろうとしているのか?
「ハローアーマデルこんにちは (できたてのポップコーンはいかが?) アーマデルはみんなのにんき……にんき……くっ……できたての! ポップコーンは! いかが!!! つられてやましくなっちゃうのーオゥッ! できあがったら! つまみを! つまみを持てって言ってんだろ俺に触ると火傷するぞ!!!!」
なんだろう、ダークネスはダークネスでも時代の闇というか練達というかもっと根深い何かというか。
とにかく練達の再現性東京のポップコーンマシンは現役なのでぜひ立ち寄ってほしい。
「おのれダークネストウモロコシ、略してダークモロ。力が……欲しいか……? だがその手の勧誘はほぼ詐欺だから己の道を突き進むがいい。これが……俺の……ちからだ……! ん? これは一口だけかじられた跡が……まさか、いるのか……アライグマ……!?」
そんな彼等の醜態……もといダークネスを『祈光のシュネー』祝音・猫乃見・来探(p3p009413)は見なかったことにしながら収穫に励んでいた。
「ダークネス化……可愛い黒猫さんになるのかな? でもおいしいのなら、食べてみたい……頑張って収穫してみるね。みゃ。これがダークネストウモロコシ……本当に黒いんだ……あれ?」
本当に黒猫になるようなアレだったらよかったのにね。さて、祝音はどうなってしまうのか?
「ふっふっふ……我はまつろわぬ黒子猫、です。みゃー」
おっと、中々に可愛らしいことになっている。
「黒とうもろこし…とうもろこしの漢字変換ってなんだっけ……ともかく黒もろこしよ収穫させてもらうぞ! みゃー!」
そんな祝音を見て或葉 伊都羽も驚愕している。
「ま、まさかこのトウモロコシ、我々を中二病にする気か……!?」
その通りである。しかしなっちゃえば特に問題もない。伊都羽もすぐに染まっていく。
「黒き玉蜀黍よ、この場の面々に逆らうつもりか? ならばこの手で刈り取り、我等が糧としてくれよう……!」
「貴様等は我等が重要な糧となるのである……みゃ」
意訳:黒とうもろこし、後で僕等がおいしく食べるよ。そういうことらしい。
同じダークネスでも闇の形は人それぞれ違う。そういうことのようだ……!
●収穫の時:後編
『少年猫又』杜里 ちぐさ(p3p010035)。それは、あまり賢くない明るく天真爛漫な猫少年の印象が深い少年のイメージがある人物のことである。
「今回はトウモロコシを収穫して食べるだけの簡単かつおいしい依頼なのにゃ! 頑張っておいしいトウモロコシいっぱいとるのにゃ! って、なんか黒いにゃ? まあ、覇竜のトウモロコシだからそういうこともあるにゃ」
そんなことを言っていたちぐさがどうなったか見てみよう。
「そう……竜の総べる地に於いて漆黒の黒き玉蜀黍など取るに足らず、にゃ。僕が其れらを収穫すること、恰もシュレディンガーの猫のように其れは不確かであり、総ての運命は僕の手の中と言える、にゃ。何故なら刈り取るか否かすら! 総て僕の意思に委ねられていると言えるのにゃ……! 早く働け、にゃ? 其れは恰も蝶の羽ばたき、バタフライ・エフェクトと言えるかもしれないにゃ。かの言霊が竜巻を呼び……黒き漆黒の玉蜀黍は刈り取られ美味しく食される……焦る必要は無いにゃ。運命に抗えぬ猫又たる僕はいつでも全力なのにゃ」
言いながらちぐさは「†泣き虫子猫の収穫祭†」と書かれた看板をその辺にグサリと刺す。
「説明するにゃ! 泣き虫子猫の収穫祭(ちぐさハーヴェスト)とは、僕が一生懸命トウモロコシを収穫する作業なのにゃ! かわいい額に流れる汗をご堪能くださいにゃ!」
おっと、微妙にダークネスと元のちぐさが混ざり合っている。光と闇が合わさって最強に見えたり見えなかったりするやつだ。
そんなちぐさをそのままに、『ナチュラルボーン食いしん坊!』ニャンタル・ポルタ(p3p010190)もまた畑の前に佇んでいた。
「焼きもろこしが食べられると聞いて!!!! むむ?なんじゃ、このもろこしは? ふむふむダークネストウモロコシ……古の我の記憶が蘇るような蘇らんような……うむ…まだ記憶が完全では無い様じゃ……食べて食べて食べまくれば完全復活するやも知れぬ。闇の大地から放たれた瘴気を取り込み我が内なる邪神……貮鵺堕朧を呼び覚ます時……!!」
畑に入った瞬間衣装チェンジするニャンタルは左目に五芒星を書いた黒い眼帯、右目は赤いカラコン、髪は(鬘で)美しく長くなり、右腕迄の包帯、右肩がちぎれた黒革ジャケット(シルバーのチャック盛り盛り)の姿になっていく!
たぶんダークネストウモロコシのせいだろう。なんか浴びる前から若干怪しかった気もするがきっと気のせいだ……!
「ふふ……内なる我……貮鵺堕朧の力……その身を持って味わうがいい……!!!!」
ダークネストウモロコシを思いっきり引きちぎって収穫するニャンタルだが、その表情は……故津田。
「お前も我が糧となれ……ここは我等饗宴の地!!」
ちなみに内なる光のニャンタル曰く「もいでもいでもぎまくるぞい!!」ということらしい。
「キャーハハハハッ!!!!楽しい…楽しいぞぉぉおおお!!!!! 私をこんなにも楽しませたのは貴様が2人目……1人目は2兆億年前…白髪おさげに髭した武術の使い手であったな」
こんなところでそんな話を開陳していいのだろうか。分からない。分からない……まあ、真実かネタかもダークネス化している今は分からないけれども。
「懐かしい……全てが懐かしいぞ。今再び、この私を楽しませるものが現れようとは……! ククッ……私の力……貴様は何割引き出せるかなァッッ?! 1つ、2つ、5つ、100!! 300! 500!! 1700!!!! 私の力に平伏せ……!!!!」
ちなみにカウントは結構適当なので本当に1700のダークネストウモロコシを収穫したわけではない。念のため。
「いやいや、待って。野菜から何か黒いガスがでて、服とか黒くなってしまう。は、まだわかるわ。十分ありうる。けど、言動が変わるとかはないでしょう。あのおじいさまに担がれているのではないかしら……なんて思ってはいたけど。何この惨状? そりゃ、黒くなるだけじゃ、そりゃあ、いやはいやでしょうけど、イレギュラーズに依頼するほどじゃないもの。ありえないありえない。パパっと収穫して、たんまり美味しいトウモロコシを頂戴しようじゃないの」
『ライブキッチン』アルフィオーネ・エクリプス・ブランエトワル(p3p010486)もそんな風に現状を直視し挑むが……やはりダークネスからは逃げられない。そんなアルフィオーネは今は闇の祭祀長(自称)である。
いいだろうか。闇の祭祀長である。正気に戻った後に聞かせてあげたい言葉である。
「見よ、この場に集いし闇の使徒たちよ! これぞまさしく、混沌の神への供物、ダークネストウモロコシ! まだ足りぬ……もっともっと集めなくては。混沌の神に黒を捧げよ! 更なるトウモロコシを! もっと、もっとだ! 闇を重ね黒を深め道へと至るのだ!」
道が具体的に何かは分からない。食道楽の道とかだろうか?
第四の壁をフル活用する『死神の足音』ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)もまた、集まってきたダークネストウモロコシを前に調理を始めていた。なお、今絶賛アレの最中なのでダークネス化していてもよく分からない無敵状態だ。
「まず、トウモロコシは俺はあまり好きではない。野菜の甘い感じが苦手なんだろう。これ同様にフルーツも苦手だ。第一野菜はキャベツと玉葱とネギがあれば後はサプリでいい(暴論であり、理想的な食生活とは言い難い。ちゃんとバランスよく食べよう)」
確かにサプリよりはしっかり野菜を食べたほうがいい。補助食品であるということを忘れてはいけない。
「だが、ロジャーズがいるならば話は別だ。俺はウィッカーマン。燃え残った全てに火をつけて、火をくべる者! 暗黒なるトウモロコシよ。全て燃えるがいい。その際に煉獄の焔に焼かれ、その麗しき実は無残にも弾け飛び無残なる姿に変貌する事だろうよ!! ナイアーラトテップよ。這いよる混沌よ。忌まわしき狂気の創造物よ! お前もいずれ物語として読み終われる時が来るのだろう。だが、永久不滅なればその物語は伝染していくのだろうよ! 俺の物語はこの混沌の地で語り継がれるが、それだけなのだ。嗚呼。旅人共よ。お前たちの物語は何故続いていく? こうして終わっていく俺の伝奇は、起承転結の結に入っていくというのに! 俺の焔はまだ全てを燃やしていないのだ! なあ、そうは思わないか。話し手共よ!」
ようするにポップコーンをロジャーズと作っているのであるが、正気に戻ったくとかはそんな2人を見て溜息をついている。
「……死にたい。なんか中学二年生の頃を思い出……うっ頭が……ま、まあいいわ、これはアタシの罪、背負って生きなくちゃ。あれ、このトウモロコシ美味しい。あんな見た目のクセして中々いけるわね。もっと焼きましょう」
「嗚呼、貴様――生徒! 気に入ったのか!」
「いやそもそもの原因は誘ってきたアンタの所為でしょ!!! これだからニャルラトホテプは……」
そう、トウモロコシはポップコーンにするのが一番美味しい。なんかまだダークネスが治っていないアルフィオーネがダークネスのまま「儀式」を始めている。
そう、その儀式とは巨大な鉄板の上にトウモロコシを並べて、トウモロコシに醤油と溶かしバターを塗り、覇竜放炎調理法でこんがりと焼き上げ……そして祈りをささげるというものだ。
「宵闇の父の血(醬油)と黄昏の母の涙(溶かしバター)に浸したトウモロコシを浄化の炎(覇竜放炎調理法)で焼き払うことにより、混沌の神への捧げものとしてついに完成する。さぁ、神よ!お納めください。わが祈りともに。そして、偉大なる力をわれらに与えたまえ! さあ、儀式は終わりました。さぁ、ブラザー、そして、シスターたちよ。最後の仕上げです。このトウモロコシを頂くのです。そうすれば、混沌の神の力があなたたちに宿ることでしょう」
まあ、食べ物とかをそういうのになぞらえる儀式はよくあるので何も問題は無さそうだ。本人が正気に戻った後にどうなるかという話を除けば。
「良い素材だからこそ、シンプルな料理が輝くと言う物。折角なので簡易な物であれ焼きもろこしの料理も手伝い、いざ実食! この醤油の輝きが黒色の葉を思い出して……じゃない……うん。この極上の醤油で、至上のとうもろこしの甘さが引き立つ最高のハーモニー――、……おっと、まだダークネスがちょっと残ってたかな? まぁいいか、それくらい美味しいんだからね!」
カインもまだダークネスが抜けきっていないが、美味しそうにやきもろこしを作って食べている。
「トウモロコシと言えばポップコーンだろう? ……えっ乾燥させておかないと…ポップコーンにはならない……だと……? 俺は……俺は一体何の為にあんな恥ずかしい思いを……いやあんまりしてないな、すまない概ね常通りだったって、あ。出来るのか? なら今の辱めはいったい……」
ブランシュたちの作ったポップコーンを食べながらアーマデルもやきもろこしを作っていく。
「焼きトウモロコシ、それは素朴でいながら芳醇な味わい…醤油とほんのりバターの織り成す交響曲……そしてここに味変用スパイスがある、何色にも染まらぬ孤高の黒からミラクルカラフルフレーバーにジョブチェンジして貰おうか」
なんかアーマデルもまだダークネスが抜けていない気がするが、祝音はすでに正気に戻ったようだ。
「……ダークネスって、結構恥ずかしいんだね……みゃー……」
伊都羽と共に赤面し、マフラーで顔を覆い恥ずかしがる祝音だが、もう終わったことである。
「ぐああああ……中二病は、中二病は抜けた後が辛いんだ……!」
「え、さっきの状態が『中二病』? 僕、中一だけど……1年早くなったのかな?」
「そういうことじゃないんだが説明するのもなんか嫌だな……!」
「それは兎も角として、ダークネストウモロコシを食べよう」
「……だな」
祝音もダークネストウモロコシに醤油を塗って焼いていく。
「塗りムラができないよう気を付けるね。香ばしい匂い、美味しそう……真っ黒なダークネス、うっ頭が……」
まあ、色々大変である。
「なんか……疲れたのにゃ。トウモロコシはおいしいのにゃ、直火焼きもいいけどホイル蒸し焼きも甘くておいしいにゃ。この疲れ、トウモロコシの魔力?みたいなのでいっぱい頭使ったからなのかにゃ?? あと、僕の活躍はショウに知ってほしいっていつも思うけど、今日のことはなぜかナイショにしときたい気分なのにゃ……理由は分からないけど、一歩オトナに近づいた気がするのにゃ……」
「さっきの事忘れる為にも沢山食べるよ! ダークネストウモロコシ、おいしかった。でもさっきの事は……僕達だけの秘密、って事で。みゃ」
ちぐさと祝音もそんなことを言い合っている。
「いやぁ~もろこしうまいな〜炊き込みバター醤油ご飯も美味! 所で相賀…このもろこし、酒にはならんのか? 我はまだ飲めんがいつか飲んでみたいぞ!」
ニャンタルも相賀に絡みながらそんなことを聞いているが、トウモロコシを使った酒はあるにはあるらしい。さておいて。
「皆のブロマイドでも撮っておけば良かったかのう? 素材が有ればポスターとかキーホルダー、クリアファイルとかも作れたのになぁ。ステッカーも捨て難い! ホログラムの五芒星もつけてな! 筆箱の内側に入れとくのも良きじゃ。いやぁ〜! 勿体無い事をした! 次の畑とか無いんか?? その時はバッチリ! 畑の端から皆を激写しておくな♪」
とんでもないことを言っているニャンタルだが……そんなことがあれば最初にニャンタルは縛り倒されている気もする。
そんな思いが……覇竜の空に、静かに流れていった。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
ここぞとばかりに輝いてる人もいてニッコリしました
ご参加ありがとうございました!
GMコメント
皆でトウモロコシを収穫して食べましょう。
あと中二になりましょう。
ープレイング(収穫)の手引きダークネスー
普通にプレイングをかけて大丈夫です。自分の理想の中二がある方はそういう風な収穫プレイングをどうぞ。
パートは「収穫」「実食」の2つです。
「おまかせ」と一言書いておけば、天野が好き勝手に収穫部分のプレイングを元に中二仕立てにします。
どうなってもいい……という人はどうぞ。イメージ崩壊必至です。
―プレイング(実食)の手引き―
中二の時間は終わりです。消えない思い出を胸にトウモロコシを食べましょう。
●ダークネストウモロコシ×好きなだけ
とっても美味しいトウモロコシです。近寄った者に黒いオーラを噴出し恰好や言動などを中二病にします。
これは時間経過でなおります。バッドステータスではありません。そんなくだらないものじゃない。そう、これは俺たちに訪れたディスティニータイム……黒の導きがその刻を告げたんだ……
●情報精度
このシナリオの情報精度はD(ダークネス)です。
ダークネスした参加者の言動は断片的であるか、あてにならないものです。
今日の思い出の流出を疑い、不測のデジタルタトゥーに備えて下さい。
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