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シナリオ詳細

<泡渦カタラータ>ぎょ(魚)っとな集団

完了

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●潜む魚、その数や
 ギルド・ローレットは慌ただしく動いていた。正確には、情報屋とイレギュラーズが、であるが。
 集められたイレギュラーズは、難しい顔をした『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)が口を開くのを待った。
 考えが纏まったらしい彼女は、イレギュラーズを見回すと、「お願いするのです」と前置きをして、本題に入る。
「皆さんがこれまで調べてくれたり対応してくれた大渦の件について、さる御二方から対処してほしいという依頼を受けたのです。その中で、今回僕が皆さんに依頼するのは、海上に現れる魚類達についてです。どうも大渦の影響を受けたのか、体躯が大きくなっている魚類が多く出現しています。分類的には魔物ですね」
 用紙を一枚、めくる音。
「今回の場所は大渦の近く。件の魚類もその周辺に多く居ます。体躯はざっと一メートル程。鋭利な歯も同様に大きくなっており、口の中に腕を入れようものなら噛みちぎられる程の力があるそうです。跳んで攻撃してくる他、体当たりもしてくるとの事です。この体当たりも力が強く、集団での体当たりに気をつけないと船の転覆も見られるのです。見た目だけなら普通の魚が大きくなったように見えるので、注意が必要なのです」
 そう言ってユリーカが見せてきた絵の資料は、なるほど確かに見た目は普通の魚であった。書かれているサイズと、ギザギザ歯の大きささえ見なければ。
 ユリーカは資料を手元に戻すと、今回の依頼についての情報をさらに付け加える。
「数はゆうに五十を超えるという事で、水中に慣れているものでない限り、出来る限り船上での戦いをお薦めするのです。水中戦に慣れてない人が水中に落ちれば、ただでは済まないのです。その事は、特に、注意してほしいのです」
 いつもよりも声のトーンを低くして、念を押すようにイレギュラーズに告げるユリーカ。
 彼女の真剣な目に気圧されて、イレギュラーズは反射的に頷く。
 その反応にユリーカは安心したような息をつくと、落ち着きを取り戻したように声のトーンを戻す。
「船は既に手配してあるのです。一つの船につき、五人ぐらいしか乗れない感じなので、気をつけてくださいなのです。あと、木造船なので、体当たりを何度も食らうと転覆だけでなく破損する恐れもありますので、それも気をつけてほしいのです。」
 ユリーカにいってらっしゃいと見送られ、イレギュラーズはギルド・ローレットを後にした。

GMコメント

●情報精度
 B
 五十以上おり、正確な数は不明。そのため、Bとする。
 体当たり、跳躍&噛み突きの攻撃が見られる。
 ただし、その攻撃力は高く、体当たりも集団で来られると船が転覆する恐れあり。
 水中には、海種でない限りは潜らないほうが良い。慣れないものが水中戦を行おうとすれば、重傷の恐れが高い。

●船
 一隻五人乗りの木造船。その為、体当たりを何度も受けると転覆もしくは破損の恐れあり。

●マスターより
 お久しぶりです。
 初の海上戦となりますね。
 海種以外は船上からの攻撃となります。ご注意ください。
 魚については、イメージとしては魚サイズまで小型化したジョー○が集団で来ているようなものと考えていただければ。
 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております!

  • <泡渦カタラータ>ぎょ(魚)っとな集団完了
  • GM名古里兎 握
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年10月23日 22時00分
  • 参加人数10/10人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(10人)

デイジー・リトルリトル・クラーク(p3p000370)
共にあれ
善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)
レジーナ・カームバンクル
サングィス・スペルヴィア(p3p001291)
宿主
ボルカノ=マルゴット(p3p001688)
ぽやぽや竜人
エイヴ・ベル・エレミア(p3p003451)
ShadowRecon
リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)
木漏れ日のフルール
ルチアーノ・グレコ(p3p004260)
Calm Bringer
ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)
氷雪の歌姫
ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)
奈落の虹
藤堂 夕(p3p006645)
小さな太陽

リプレイ

●当方に囮の用意あり!
 情報屋より、既に船が手配されているという事であったが、港に来たイレギュラーズは別の案を決めていた。
 曰く、手配された木造船を囮の船として使い、こちらは『大いなる者』デイジー・リトルリトル・クラーク(p3p000370)が手配した船に乗り、向かおうというもの。
 デイジーが用意したのは、豪華旅船『ビッグドリーム号』。小型旅船ながらも、その外観は煌びやかであり、また、内部は快適仕様。流石は名門クラーク家、というところか。
 船を用意した事について、胸を張るデイジー。
「ふっふーん♪ 遠慮せず妾の船を使うが良い。偉大な妾を褒め称えるのじゃ」
「素敵です、ディーさん」
 『木漏れ日の妖精』リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)に称賛されて、ご満悦といった様子のデイジー。
 小型船の用意は出来たが、今度は囮の船に乗せる為の撒き餌として肉などを用意しなければいけないという事で、イレギュラーズの内数名が、肉を探しに行った。
 『メルティビター』ルチアーノ・グレコ(p3p004260)と、リディアは自身が持ってきた干し肉などを提供するという事で、船の前で待つ。なお、ルチアーノが持ってきたのはA5等級というレア感たっぷり、大ボリュームな生肉である。些か勿体無く感じるところだ。
 また、 『レジーナ・カームバンクル』善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)も彼らと共に船の前で待った。彼女は、ギフトによって使い魔を二体召喚し、傍に控えさせる。その使い魔達は人の姿と変化し、彼女と共に船の前に立つ。船に乗せる囮役として使い魔を使用する心算だ。
 探しに行ったのは、『ぽやぽや竜人』ボルカノ=マルゴット(p3p001688)や『特異運命座標』ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)、 『特異運命座標』ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)、それから 『特異運命座標』藤堂 夕(p3p006645) 。加えてデイジーも参加し、船に積む為の肉を探しに行った。
 港内といっても、そんなに遠くまでは行かず、出来るだけ近場に絞っての探索だ。その結果、傷みのある肉が主に集まった。そのせいか、袋に入れているとはいえ刺激臭が多少ある事は致し方あるまい。思わず鼻を摘まむ者が居たとして、誰が咎められよう。
 囮用の船にそれらの肉とレジーナの使い魔達を乗せる。
 また、夕が肉とは別に、水に浮く人間サイズの麻袋を用意した。中身は藁を詰め込んだ物だ。
 囮の船には夕が操作すると名乗り出た。引きつけたところで、自身が持つ手段でデイジーの船に移動するという事なので、仲間達も特に反対する様子は見られなかった。
 他にする事として、船の補強が挙げられた。補強と言っても、単に仲間が船から落ちないよう、ロープを船につけられるような部分を作る、というだけである。
 改造技術を持つ『ShadowRecon』エイヴ・ベル・エレミア(p3p003451) がその役を買って出、ボルカノや『宿主』サングィス・スペルヴィア(p3p001291)が手伝った。
「ぜったいに落ちたくない! ぜったいに!!」
 魚の数を想像し、意気込むボルカノの気迫や凄まじく。
 その様子を横目に、ウィリアムはこれからの戦いについて方針を呟く。
「一匹残らず仕留めよう……食べられないのがちょっと残念だね」
「なに?! 食べられないのか?!」
 反応したのはデイジー。彼女としては、とれたてピチピチの魚が食べ放題だと思っていたので、少しばかりショックを受けた様子だ。
 同じく、ルチアーノも、「え?」という顔をしていた。
 彼としては、魔物化した魚も持ち帰って食べれないかと考えていた。恋人への手土産にと考えていただけに、食べられないのならばどうしようという顔だった。
 フォローするように、メリルナートがなだめる。
「まあまあ、まだそうと決まったわけではありませんわー。物は試しでしてみても良いと思いますわー」
 彼女の言葉で、「そうだな、そうであるな!」と、途端に元気になるデイジー。
「改造終わり。いつでも行ける」
 エイヴの報告を受け、イレギュラーズは船に乗り込む。
 「その前に!」と、夕がちょっとしたおまじないを口にした。
「ホクスポクス・フィジポス。ホクスポクス・フィジポス」
 彼女曰く、悪い事を遠ざけるおまじない、らしい。効果はあるかはともかく、気の持ちようというのは大事だ。
「それでは、出発しんこーヨーソローなのじゃー!」
 デイジーの言葉で船が動き出す。
 ゆっくりと滑り出し、速度を徐々に上げていく。目指すは大魚のが目撃された場所へ。

●近くで見ると、その大きさは
 夕が操作する囮船の後方を、デイジーの豪華旅船がついていく。
 囮船の頭上には、夕が召喚した鳥の使い魔が居る。使い魔との五感共有を行なう事で、彼女は索敵も同時に行なっていた。なお、移動の際は、巨大な戦鎌で飛ぶ予定だ。
 また、囮に乗っているレジーナの使い魔達も、レジーナとその五感を共有している。左目と右耳を共有する事で、彼女もまた状況の確認に努めていた。
 船の大きさとしては、豪華旅船の方が若干大きい。それゆえ、囮の船とぶつからぬように速度に注意して走っている。
 豪華旅船の船上では、イレギュラーズそれぞれがロープを体に巻き付け、船と結びつけた。
 その上で武器を持ち、いつでも迎撃出来るように準備する。
 中でも、エイヴは小型船の中で一番高い位置を陣取った。武器が狙撃銃のみしかない以上、狙われにくい場所をとるのは定石。
 囮の船の動向を見る他、海面にも注意する。集団であれば、その魚影も見えるはず。
 そろそろ、情報にあった場所に近付く。
 より一層気を引き締めたイレギュラーズ。
 その時、囮船の上に居る夕の使い魔が旋回した。
 デイジーが旅船の操舵手へ停止を指示すると同時に、夕も操作していた船から離脱する。
 徐々に速度を落とす両者の船。
「――――来たよ!」
 サイズを魔女の箒代わりに使用して乗ってきた夕の鋭い一言と同時に、囮船へと向かう幾つかの魚影。
 海面を跳躍したそれらは、船上に残されたレジーナの使い魔達へと容赦なく襲いかかる。
 視力に優れた者、もしくは、狙撃銃のスコープなどで覗けば、敵の様相が分かるだろう。
 鋭く生え並んだ牙。爛々と輝く目。肉厚な体躯に大振りの尾と大きな背びれ。開いた口は真っ赤で、それはさながら血に濡れたよう。
 見た目は普通の魚のようだが、レジーナが召喚した使い魔の胴体ならば一口で食べられるほどの大きさであり、イレギュラーズが海上に落ちた場合を考えると……とてもじゃないが想像したくない。
 そして、魚達が噛みついた使い魔達は、無残な肉片を出す事も無く消滅した。レジーナの使い魔は衝撃で消えるのだ。
 何が起きたのか、使い魔達に噛みついた魚達は理解できないかのような目をして海に再び潜っていく。
 それでも、肉の匂いはしたのだろう。あっという間に木造船へと魚達がぶつかりあり、中には魚同士がぶつかって弾きだされるような様子も見られた。どうやらそこまで知能は高くないらしい。
 船縁を陣取るサングィスが、その様子を見て独り言を呟いた。
「寄ってくる前に出来る限り排除したいものね」
『混戦になれば意図せず船が傷つく危険も考えられるしな』
 二人で一つの独り言。
 まだこちらの船に向かってくる魚は居ない。見えているのは囮の船に積んだ肉類に群がる魚達。
 まずはそちらへと遠術を発動し、傲慢の血潮の補助により、目標へと当てやすくする。
 威力はまずまず。一体へ大ダメージを与えるに足りる。
 続く様に、遠方への敵に対しての術を持つ仲間が武器を構える。
 エイヴのライフルが火花を散らし、その弾を撃ちこんだ。掃除屋の名に恥じぬその正確無比な射撃は、容易く敵を貫いた。
 ガッツポーズも何もしない。彼女にとって、これは仕事であり、いつもと変わらぬ事だからだ。
 同じように銃を用いているのはルチアーノ。魔銃と呼ばれるミッドナイトラヴァーを使用し、砲撃を仕掛ける。
 砲撃が、魚達へと降り注がれる。
 彼らほど遠方まで攻撃が届かぬ者は、敵を此方へと引きつけるべく、動く。
 ボルカノが大きく息を吸い、吐き出した息を言の葉に変えて口を開いた。
「我輩の名はボルカノ=マルゴットである! 我をと思わん者は遠慮なく向かってくるがいい!」
 その口上に、他にも人が居ると知った魚達が潜ったり飛び跳ねながら近づいてくる。
「ふっふーん! ギザギザ歯の魚の群れなんて怖くもなーんとも! アッ嘘ですごめんなさいこわいからやめてー!!」
 ヘタレでは?
 そんな疑惑が一瞬仲間の頭に浮かぶも、今はそこに突っ込むべきではない。
 近付いてきた魚達へ、デイジーとメリルナートが歌を唄う。冷たい呪いの歌は響き、その歌声は魚の元に届く。
 目に見えて、その効果は現れた。一部ではあるが、彼女に魅了されたように、うっとりとした様子で動きを止める敵の姿が見られる。
 そういった敵へは夕の遠距離術式が放たれた。威力はそこそこだが、それなりにダメージは与える事が出来た。
 ウィリアムからは雷撃をその魚達にお見舞いした。一条の光は跳躍した魚を貫き、その体躯を海上へと横たえらせた。
 近付いてきた魚へ、立ち向かうは、リディア。
「そう簡単には近寄らせません!」
 船縁に寄り、無数の魔力弾を形成し、弾幕を張る事で敵数体の接近を防ぐ。
 それでも、船があり、人が居るという事を知って群がり始めた魚の数は多い。
 加えて、囮の船より少しは大きいとはいえ、小型船である事に変わりはない。つまり、大きく跳躍した魚達が船上に上がってくる事もあった。
 魚がリディアに噛みつこうとしてきたのを護るのに動いたのは、ボルカノだ。
 彼は竜のような固さを持ったオーラを纏い、自身の防御を上げていた。ゆえに、誰かを護る為に動く事も可能であった。
 傷は負ったが、その代わり、噛みついてきた魚に膝蹴りを食らわせる事で反撃し、衝撃によって魚の姿は海上へと舞い戻る。
「大丈夫ですか?!」
 リディアが急ぎ、彼に治癒を施す近くで、ウィリアムの魔力弾による弾幕が張られたり、メリルナートの氷の鎖が敵を絡めとるなど、少しずつ敵の数を削いでいく。
 デイジーもまた、メリルナートと同じように氷の鎖を使用して魚へ一撃を食らわせる。
 ルチアーノは近くに来た魚に対し、自身の怪我と引き換えに折り畳み式のナイフを刺した。魚に声があれば叫んだだろう、大きく開いた口そのままに、痙攣する。蹴りを入れてナイフを体から離し、もう一度刺した。
 エイヴは相変わらず遠方の魚の狙撃に余念が無い。
 彼女は無言で撃ち続け、正確に魚の急所を当てていった。
 レジーナは、傷ついた仲間の回復に努め、周りの様子を見ながら上手く立ち回る。
 回復支援としての活動が主であったが、そういった支援に専念する事でイレギュラーズも安定して魚の集団に立ち向かう事が出来たといえよう。
 魚の数は次第に減っていく。
 時間が進むごとに感じる手応え。
 そして、最後の一匹を、エイヴが仕留めた。

●その魚、持ち帰る?
 海上に浮かぶ魚の死骸達。船上にも魚が居る事は居るが、どう見ても持ち帰るにはちょっと……な惨状だ。
 囮船は大破し、また、魚の死骸達と同様に使い魔も死骸となって漂う。
 更には、傷んだ肉も袋から出て漂っていたから、まあ、その、臭いが出ていたのは致し方ない。
 その様子を見て、肩を落とすデイジーとルチアーノ。
「大漁じゃ! ……と、言いたいところではあるんじゃが」
「流石にこれじゃねえ……」
 持ち帰れない様子にショックを受ける二人の背中を、ボルカノが慰めるように軽く叩いた。
 自然は弱肉強食であり、浄化も自然と共にあり。
 という認識を持つ為に、この状況から疑問を抱いたメリルナートが呟く。
「海の藻屑として漂っていれば、その内他の魚とかに食われるんでしょうかー」
 彼女の疑問に、答える者は居ない。
 後処理も出来れば良いのだろうが、どうしたものか。
 そう思っていたところ、レジーナが「もう一体使い魔を召喚しましょうか」と言い出した。
「食べてもらう程度は出来ると思うわ」
「じゃあ、お願い」
 エイヴに頼まれ、レジーナは頷くと、使い魔を一体呼びだした。
 彼女が召喚したのは、名状しがたい冒涜的な魔物。
 その姿を具体的に言えば、ウニに棘の代わりに触手が生えているような姿のお化け。
 召喚したレジーナ以外は、そのおぞましさから目を背けた。
 『それ』が海面をキレイに食べつくし、また、レジーナが『それ』を消滅させるまで、皆が振り向けなかったのは仕方あるまい。
 かくして、魚の死骸やらで埋めつくされていたこの場は、イレギュラーズを乗せた豪華旅船以外、きれいさっぱりとしたものとなった。
 後片付けも出来た事で、安心して帰りの航路を楽しむのだった。

成否

成功

MVP

善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)
レジーナ・カームバンクル

状態異常

なし

あとがき

皆さんのおかげで、なんとか魚退治が無事に済みました。
後片付けも平和に済んで良かったです。ええ、平和ですよね、ええ。
お疲れ様でした。

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