PandoraPartyProject

シナリオ詳細

だがスイカは爆発する

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●覇竜のスイカとは
 スイカ。それは夏の風物詩だ。
 一般的に多くの人が知るスイカとは緑色で丸く、黒い線が入っている。
 割れば中は色が赤く、黒い種がたくさん入っているような……まあ、そんな代物だろう。
 実際にはスイカとはもっと色々ある。たとえば中身が黄色いものもあるし黒い線が入っていないものもある。
 あるが、その辺はさておこう。
 さて、では覇竜にスイカはあるのかどうか?
 答えは「ある」となる。そう、覇竜にスイカはあるのだ。
 しかしスイカ畑ではなく、天然モノ限定になる。この草原のあちこちに天然のスイカが食べごろで生っている。
 大きさも充分で、なんとも美味しそうだ。
 普通のスイカと違うのは、ツルが実から分かれて2本繋がっていることだろう。
 赤いツルと、青いツル。なんだか不思議な色だが……よく聞いてみるとスイカから「カチ……カチ……」と練達の時計のような音がしている気がするのだ。
 こういうの、なんだか練達のドラマとかで見た気がする。赤か青、どっちかを切ると止まるのだ。
 何が止まるのかまでは言及しないけれども……。

●爆発するよ?
「今度はスイカじゃ! スイカならきっと爆発せんはずじゃ!」
「するぞ?」
 『勇猛なる狩人』(p3p009658)にダリル『フリアノンの酒職人』黒鉄・相賀(p3n000250)は無慈悲にそう答える。
 そう、覇竜のスイカは場合によっては爆発するのだ。
 その名もクロックスイカ。切るツルを間違えると真っ黒になって爆発するからそう名付けられたらしい。
 時計とかそういうのは一切関係ない。いいね?
 ちなみにツルの色は赤か青であり、どちらかを切れば爆発せずに止まるらしい。
 どれが正解であるかはスイカごとに異なり、しかもクロックスイカは性格が悪い。
 以前植物疎通で「赤と青どっち?」と聞いたものは「自分を信じろ……!」とかいう答えを貰ったらしい。全く答えになっていない。「今日は良い日和だ」という答えもあったらしい。全くスイカ側に答える気が見受けられない。
 まあ、そんなわけで……間違ったツルを切らずに正解のツルを切ることでクロックスイカをようやく収穫できるわけだ。
 正解のツルを切ればクロックスイカから聞こえてくる「カチ……カチ……」という音は止まるのでわかりやすいらしいのだが。
 実のところこのスイカ、爆発しないスイカよりも甘さが段違いらしい。人の不幸は蜜の味というが、そういう概念がもしかするとスイカにも適用されているのかもしれない。
「ま、そういうことじゃ。クロックスイカを取ってきてくれんかの?」
 クロックスイカはフリアノンから少し離れた草原に生っており、1つのクロックスイカが爆発しても連鎖爆発しない程度の距離に生えている。
 そう、失敗を恐れず挑戦できるということなのだ。無事に持って帰ってくれば夏の極上スイカを好きなだけ楽しめるこのチャンス。逃すわけにはいかないだろう……!

GMコメント

フリアノンから少し離れた草原に行き、クロックスイカを収穫しましょう。
赤のツルと青のツル、どちらかの正解を切れば音が止まり、もう1つのツルも安全に切り離せます。
間違ったツルを切った場合は大爆発です。スイカ色のアフロになります。
好きなだけスイカを取ったら、帰ってスイカパーティーです!
プレイング比率は半々くらいと思われます。

●クロックスイカ×たくさん
カチ……カチ……と音のするスイカ。
ヘタにダメージを与えると「自爆」して爆発を起こします。
赤と青の2つのツルが繋がっており、正解を切ると自爆することはなくなります。
なお、間違ったツルを切っても爆発しますし、この爆発を受けるとスイカ色のアフロになります。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • だがスイカは爆発する完了
  • 青と赤、どっちを切ればいいんだろう
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年08月27日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ウェール=ナイトボート(p3p000561)
永炎勇狼
アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
灰雪に舞う翼
ユイユ・アペティート(p3p009040)
多言数窮の積雪
ダリル(p3p009658)
勇猛なる狩人
エーレン・キリエ(p3p009844)
特異運命座標
アルフィオーネ・エクリプス・ブランエトワル(p3p010486)
ライブキッチン
レイン・レイン(p3p010586)
玉響
ナイアルカナン・V・チェシャール(p3p011026)
気紛れ変化の道化猫

リプレイ

●スイカ狩りだ!(前編)
「するんだ……爆発……」
「爆発するスイカ……とりあえず恐喝するか」
 『灰雪に舞う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)と『永炎勇狼』ウェール=ナイトボート(p3p000561)がそう呟くが、別に2人がROOにログインしたとかではなく、普通に覇竜のこれからの仕事の話である。
 そう、アクセルたちの前に並ぶのは野生のクロックスイカ。正しいコードを切らないと爆発するスイカである。
「爆発するスイカ……か。相変わらずの覇竜といった感じではあるが、やるべきことがハッキリしているのは助かるな」
「まあ、確かにな。その通りにやってやるのが正解とも限らんが」
「ああ、その通りだ。色々試してみようじゃないか」
 『特異運命座標』エーレン・キリエ(p3p009844)とウェールも、そう言って笑いあう。
 しかし、実際にどうするのか? まずはエーレンが一番手として動き出す。
「鳴神抜刀流、霧江詠蓮だ。まずは……こうだ!」
 高速で走り抜け、赤と青のツルを同時にすれ違いざまに斬る……爆発する……!
「うわあ……後ろが凄くアフロ……」
「なんかそういう芸人が練達のテレビに出てた気がする」
 半端なアフロ(スイカ色)になったエーレンを見てアクセルとウェールがそんな感想を漏らすが、失敗すれば自分たちもこうである。
「いやぁ、性格悪くて爆発する敵じゃなく西瓜でよかったね〜……ん? 敵なのかな? まぁ、食べちゃえば一緒だよね!」
「ああ、胃に入れば一緒だ。爆発すると胃に入らないのが問題だけどな」
 『多言数窮の積雪』ユイユ・アペティート(p3p009040)にウェールも重々しく頷く。
 だからこそ、爆発させないように収穫しないといけないのだ。
「よし、なら俺の番だな」
 ウェールはそう言うと練達上位式で適当な物を式神へ変化させる。
「こいつに、俺の代わりにツルを切らせるってわけだな」
 切る色はハイテレパスで毎回指示していき、爆発で散ったら再変化させていく予定だ。
「俺自身は爆発に巻き込まれない位置で採れたスイカの運搬役ってわけだな」
「へえ、なんか上手くいきそう!」
「だろ? そして此処で更にもう一手」
 そう、ウェールは植物疎通とハイテレパスで会話できるようにしてスイカを恐喝しようというのだ。
 透視で中身を確認し、早速とばかりに脅迫を始めていく。
『種子が450個もあるのか……爆発しても自身がいなくなっても種としての未来は安泰だなー。お前さんが爆発した後、散らばって発芽を待ち、すくすくと育っていくんだろうな。でもな、俺がアフロになったらお前さんの種子達を一粒残さず見つけ出し、すり潰す。復讐対象がもういないなら、血縁者に代償を支払ってもらうしかないもんな……子供たちに手を出してほしくないよな……なら、正解の色を言ってもらおうか?』
 と恐喝しながらスイカが何かを答えた瞬間、即座にリーディングで思考を読むという二重構造。
 すると……分かる。「黒」と言いながら「赤」と考えている……!
「よし! 赤だ!」
 そして式神が赤を切り……スイカが大爆発する。
「バカな……いや、そうか。赤が不正解と考えていたってことか……!?」
 何とも一筋縄ではいかない相手だ。
「透視や自然知識も試してみるか……?」
 やるべきことは色々ある。だが、そこにアクセルが進み出る。
「じゃあ、次はオイラだね。にしても覇竜の生き物はおいしさと何かあるののトレードオフみたいになってるね……」
 それはもうどうしようもない。運命である。
「ともあれ、オイラは正攻法でスイカのツルを切っていくよ!」
 そう、正攻法。具体的にどのようにやるのか……それは非常にシンプルだ。
「みんなが巻き込まれないようにある程度距離を取って、青のツルだけを切っていくよ! 理論上同色だけ切っていけば爆発する確率の理論値に収束するはず。あと切りたくなかったんだもん……赤い糸」
 ロマンチストである。スイカもこんなロマンチストには配慮……してくれない。爆発した。だが2度目は成功だ。
「よし、ボクも続くぞ!」
 そこにユイユも参戦していく。
「食べ物にがめついボクは直感でガンガン切っていって、アフロにもなりつつも数を確保する所存です。今日の直感はエキスパートと携行品でつよつよだよ! もふーん!」
 そう、ユイユは今日はスミレの砂糖漬けチョコケーキを用意してきている。こういうのは直感は大事だ。最後に頼れるものだからだ。
「じゃあ、いっくよー! 食べ物の為なら爆発なんか怖くないもんねー!」
 そう宣言しユイユは早速スイカへと向かっていく。
「スパスパっと!青赤青青赤あ……ぎゃーー!! もふもふじゃなくてチリチリに!!」
 短いアフロ(スイカ色)になったユイユだが、結構似合っている気がしないでもない。
「こ、こうなったら植物疎通で穏便に話そう……」
 袖の下でひとにぎりの灰をチラつかせて、性格の悪さを利用して隣の西瓜の赤青を吐かせようという作戦だ。
 ちなみにひとにぎりの灰は草木を植えた際の発育が良くなる効果がある。中々良い賄賂にも思える。
「ほらほらぁ、いいコナあるよぉ〜!仲間売っちゃいな〜……え? 青? よーしうわ違ったあああ!」
 スイカの性格の悪さが凄い。だが、負けてはいられない……!

●スイカ狩りだ!(後編)
「何故このような物が存在しているのじゃ??? 前のハナビメロンだけで十分じゃろうが。スイカまであるとは思わんじゃろうがよ」
「折角の美味しいスイカなのだから、できれば爆発させずに手に入れたいわね」
「そりゃそうなんじゃけけどのう。ま、各々で好きにやっていくしかないかの」
「そうね。自己責任よ」
 なんだかヤケクソ気味な『勇猛なる狩人』ダリル(p3p009658)に『ライブキッチン』アルフィオーネ・エクリプス・ブランエトワル(p3p010486)が頷くが……まあ、結局はやるしかない。ダリルも気合を入れ直し、一歩前に進む。
(今回も人海戦術じゃな。まあ、人ではないが)
 そう、使うのは式神使役と練達上位式。
 これで召喚した式神はクロックスイカの蔓を切断させる係だ。
 更にメカ子ロリババァは音が止まったスイカを連鎖爆発させないよう回収させる係にて行動させている。
「無論我自身もやるぞ……尤もこの姿でアフロになるのも癪」
 と、いうわけでダリルはギフトの凶滅の箱を発動する。自身を封じていた箱へと変身できるギフトであり、箱に転じた際では五感は保たれており、地面から数十cm程度浮いた状態になる事が可能というこのギフト。なるほど箱ならアフロにならないと考えることもできる、がどうだろうか?
「気分的なものとはいえ、植物ごときにしてやられるのも癪じゃ癪」
 ついでに味方を巻き込まぬ様飛行状態のまま解除に挑戦していくが……具体的にどうするのか。あっ、式神がアフロになった。
「さて、切るのであれば切る線は? 我っぽくないから赤をひたすら切る。我のオーラは青なんじゃ。何かかっけーのじゃから、折角だし青は残しておく」
 なんということか。結果的にアクセルと同じく青を切っている。やはり赤い糸とは斬られにくいものなのか。
 そして当然のようにダリルの「箱」が全部アフロになってモコモコアフロが浮いてるみたいになる。こわい。
「……まぁこんな切り方してればアフロになるのも致し方なし。ところで箱状態でアフロになるって、髪はどこから出てきたんじゃ?」
 分からない。不明である。さておいてアルフィオーネも植物疎通で交渉を試みる。
「爆発なんてしたってメリットないでしょ?種だって黒焦げになっちゃうでしょうし。素直に正解を教えてくれれば、種を条件のいいところに蒔いてあげるわよ? 食べられないスイカに用はないわ。消し炭にしてあげるから覚悟するのね」
 そう聞くが、スイカからは「かかってこいや」と返ってくる。まあ、そうだろうねって感じである。
 ならばとアルフィオーネはツルを切らずに食そうと試してみる。
 具体的には皮をくり抜いて、中身を食す。金属製のストローを差し込み、吸う……こんなところである。
 ツルを切る場合、オラクルで先読みをし、爆発を未然に防ごうとも考えていた。
 スイカが爆発する予兆を見せたのであれば、飛行で退避しつつ、クリミネルブリュレで対抗するつもりでもあり……もうとにかく、スイカアフロを回避しようとしているのが見て取れる。
 アルフィオーネ曰く。なんとかして、スイカ色のアフロヘアは避けなくてはならない。そのような姿は、プラーナ村修道院祭祀長にあるまじき恥辱である。爆発させたら、スイカがもったいないというのもあるが、それが最大の理由である……とのことらしい。
 そんな涙ぐましい努力をしているアルフィオーネを見ながら『気紛れ変化の道化猫』ナイアルカナン・V・チェシャール(p3p011026)と『玉響』レイン・レイン(p3p010586)も今回の仕事の大変さを再確認していた。
「なるほど、ここが覇竜……面白い物が沢山ありそうだね」
「カチ…カチ…沢山の音で凄いね……少し怖い……」
「クロックスイカ、間違った線を切ると爆発……でもその分とても甘い。ならばアフロになろうと頑張ろう……!」
「うん……スイカの爆発に巻き込まれると……頭が大きくなるって聞いた……それは面白そう……だから……スイカの観察も含めて、スイカを取っていくね……皆で食べたいし……」
「よし、ならやろうか」
 そうして動くのはナイアルカナンだ。
「連鎖爆発しにくいとはいえ成功したスイカを運んでいる近くで爆発はさせたくないから……」
 充分な距離を取って、仲間と離れた位置のクロックスイカの線切りに挑んでいく。
「賭けに勝つも負けるも博打、という訳で気分でGO! 気が向いたほうの線を切るよ!」
 そう、それはまさに猫の如く。
「今の気分は……青! さて、どうなるかな?」
 なんだか今日は青を選ぶ人が多いがする。赤い線くんの好感度が高いのかもしれない。
 しかし無情。スイカは爆発してナイアルカナンはアフロになる。
「わぁい爆発。スイカ色のアフロだね、いぇーい」
「何個でもスイカのアフロにな…間違えた、何個でもスイカの線を切るよ」
 やる気は満々だが、そこでナイアルカナンは思いついて式神使役や練達上位式で人間型の式神を作る。
「他のスイカの線を切ってもらえないかな……無理そう?なら僕が切るから、爆発しなかったスイカの運搬を頼むよ」
 言いながら、ナイアルカナンはレインの様子はどうかと思い視線を向ける。
「なるほど、そういう対処法もありか……面白いね」
 そう、レインは一風変わった対処法……いや、楽しみ方をしていた。
「蔓を切る為の道具、握ると、カチ……カチ……スイカみたい……上手に切れたらいいな……」
 レインはまさに楽しんでいる。
「僕の頭もそうだけど…皆の頭が大きくなるのも面白そうだから…… KURNUGIA-P508持ってきた……思い出作り……録画して……楽しいを焼き付けるよ……日差しは嫌いだけど……夏、バンザイ……」
 なんと撮影の準備までバッチリだ。そこまで楽しめるなら爆発も怖くないだろうな、とナイアルカナンは感心してしまう。
「スイカの蔓、色がついてるの、どちらか切らないとなんだけど……切る方を間違えなかったら……爆発は起きないけど……間違えると爆発……時間いっぱいまで待っても……多分爆発するんだよね……だったら…時間ギリギリで蔓を切った方が、楽しそう……スイカの観察……変化も見ながら……ワク……ワク……ドキ……ドキ……」
 確かにダメージは無いから、スイカアフロを恐れないのであればこれが正解であるかもしれない。
「でも、このルールだと……大丈夫な方を切ったら、少しガッカリしちゃうかも……? スイカが食べられるなら…どっちも楽しいし、嬉しいから……いいかな……」
 そうして爆発してアフロになってもレインは動じずに楽しんでいる。
「揺らしてみたり……形を変えてみたり……こういうのもいいな……動きがクラゲみたい……」
 そうしてスイカが充分に集まれば、スイカ狩りも終了だ。
「スイカ祭りだね。切ってそのままかじって食べたり
スプーンでくりぬいて他の果物と一緒にソーダの中に浮かべて食べたりジュース等にしてみてもいいかも。式神達も、ドラネコもスイカ食べる?」
 そんなナイアルカナンを見ながら、レインもスイカを食べる。
「ん、水がいっぱいで美味しい……落ち着く……元気出た……」
 スイカは水分量の多いことでよく知られているが、こうして食べるとなんとも元気が出る。
「皆……僕より美味しそうに食べてる……たくさん動いてたもんね……ふふ……」
 そんなレインの笑みがちょっと固まって。
「……今、気が付いたんだけど……これ…爆発を待ってる状況で……この畑のスイカが全部……爆発したら怖いよね……頭が空まで届きそう……入道雲になるね……」
 そんな怖いことが起こるかはさておいて。
 アルフィオーネもスイカのヘタの周りを円形にくり抜き、蓋状にしていた。
 そう、スイカを調理しているのだ。中身を掘り出し、ボールを下にしたざるにあげ、こして種を取り除く。ボールの中身をよく撹拌し、また、スイカに戻す。ストローを差し、蓋を閉めれば、スイカジュースの完成だ。
「種は食べちゃだめよ?あくる日、おへそから、スイカのツルが生えてくるわよ~」
 そういえばそんな都市伝説もあったが……覇竜だと本当にあるかも、と思えるから油断ならない。
 ならない、が。ダリルはそんなものは気にしない。
「皮付きのままかぶりつく! ぶった切るのも手間じゃ! 素材の味のまま喰らうまああああああああ!!! めっちゃあまああああ!! アフロになったかいはあったぞ! でもやっぱ気に食わねぇのじゃ!」
 ワイルドである。しかしダリル本人が気にしないのであれば問題は無いのかもしれない。
「あぁもし色々調理していたりする者から分けて貰えるならば遠慮なく頂こうぞ。スイカという水気が多い物をどう調理するのか、それもヒトとやらが生み出した技術。楽しみであるぞ!」
 そう、調理。ユイユも調理をしている。
「種を煎って塩を振ると美味しいみたい! 甘々の中にしょっぱい奴が一品あったらアクセントになっていいよね! おつまみにもいいってさ、相賀のおじーさま!」
 そんなユイユは皆からスイカの種をもらって炒っていた。
「とった種を分けてもらったし〜後は煎るだけだし、ダブルワークで飾り付けとかお片付けもしとこー。ほいさっさー」
 そうして準備が出来れば、ユイユもスイカパーティに加わっていく。
「お楽しみのスイカパーティだー!! 皆が作ったのをご賞味させて頂くよー、いただきまーす! ん〜〜〜! うまー!! あ、塩かけるとどれくらい甘くなるのかなぁ? 試してみよ!」
 そしてアクセルもフロストチェインを利用して冷やしたスイカを提供していた。
「聞いた話だけどスイカのいい切り方があるらしくて、まず横半分に切ってから、見える種が断面になるように放射状に縦切り。スイカは中心が甘くなるのと、種が縦に並びやすいから、こういう風に切ると甘い部分が等分できるし、種が取りやすいんだって」
「ほー」
 スイカをゴリゴリ食べていたダリルがアクセルの手際に感心したように声をあげて。
「あとはスムージーに挑戦! あるらしいとは聞くけど詳細はわからないから、想像と料理スキルでゴリ押ししてみるよ。とりあえずメロンと似たようなものと考えて、フロストチェインで凍らせたスイカとミルクと砂糖を練達のミキサー的な調理器具で撹拌! ちょっと趣を変えた飲み物として提供するよ!」
 ちなみにスイカのスムージーは練達で結構売っていたりする。是非飲んでほしい。ダリルも大満足だ。
「ああ、美味いな」
 エーレンも満足する中、ウェールも調理に挑戦していた。
 具体的に何を作るかといえばスイカを器にしたフルーツポンチだ。
「人の頭蓋骨を盃にするとか物語とかでたまにあるだろう? これもある意味同じで、憎いスイカを晒し者にしながら食べるのは、そして皆に振舞うのは、イイぞって俺の獣性が囁いたんだ……」
 なんだかウェールの闇が垣間見えた気がしたが、さておいて。
「とても楽しい所だね、覇竜。クロックスイカもとてもおいしい……また来てみたいね」
 ナイアルカナンのそんな爽やかな台詞が空に吸い込まれていく……そんな、幸せな日であった。

成否

成功

MVP

レイン・レイン(p3p010586)
玉響

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!

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