PandoraPartyProject
凛冽の楽園
遙か昔――
かつて、そこは神話の王国であった。
無辜なる混沌に固着した小世界は、長い安寧を享受していた。
大小様々な数多の精霊達が暮らす楽園を、彼等は虹の国、よろこびの園、金色ヶ原等と呼んでいた。
虹のように積み重なった無数の空間の彼方。
虹の橋は、誰にも渡る事が出来なかった。
誰も渡ろうとしなかった。
そもそも、誰一人その存在に気付いて居なかったのかもしれない。
その最奥に位置する小さな王国――妖精郷アルヴィオンはその頃に誕生したのだろう。
無辜なる混沌の勇者アイオン一行は、荒れ狂う大精霊を鎮める冒険をしていた。
数多の試練を乗り越え、無数の迷宮を踏破し、果ての迷宮に挑み――
やがてレガド・イルシオンを建国した勇者王その人である。
勇者王は希代の魔術師シュペル・M・ウィリーから、魔術的転送装置を作成してもらう。
これを利用して、アイオン達はついに、虹の国へとたどり着いたのだった。
冬の王と呼ばれた大精霊は、虹の国を支配していたとされる。
虹の住人達にとって、冬の王は侵略的外来種に相当する存在であった。
強大過ぎる暴威――閉ざされた冬の中で、多くの精霊達が滅んでいった。
そしてひどく弱く、ひどく小さな生き物達だけが残ったのだ。
生き残った精霊『妖精』達は、冬の王を追うアイオン一行と共に、冬の王討伐に挑んだとされる。
妖精の少女『剣士』ロスローリエンは、黄金の剣を振るい冬の王を傷つける。
妖精の少女『湖の』エレインは、勇者一行の力を借りて、傷ついた冬の王をついに封印したのだった。
その儚い命と引き換えに――
「だったかしらぁ。あらあら、なつかしいわねぇ」
その切り裂き、砕き、吹き付ける冷気が奏でる音色へ、崩れないバベルはどう作用したのだ。
――それはゆりかごでなく、棺へと産れ落ちた。
――それは冬と、死と、破滅を湛えていた。
――それは生命と呼べぬ、現象であった。
――それは自然の暴威、精霊であった。
崩れた封印の余波は、アルヴィオン全域に冬を運んできた。
凍えるほどの吹雪の中で、それは艶やかに微笑んでいる。
凍り付いたエレインの魂を喰らい、伝承される冬姫を名乗る怪物だ。
「さてさて。どうしようかしら」
アルヴィオンに滅びの歌が聞こえている。
「『おとうさま』……そのようなお身体となって、なんとお労しい」
妖精達の悲鳴と、魔の気配が感じられている。
「あんなものの子孫達が、まだ生きていたのねえ。冬が全てを氷に閉ざして、何がいけなかったのかしら」
膨大な冷気が辺りの精霊や魔物達を、瞬く間のうちに氷の彫像へと変える。
「この忌々しい身体も――これはたしか、エレインだったかしら」
それは己が頬に指を這わせていた。
まるで自身が実体であることを、懐かしむように。
まるでその身体が、さげすむべき対象(モノ)であるかのように。
「ならこの身体にも、お父様の抜け殻にも。この冬姫イヴェルテータがお役目を与えましょう」
――――全てを冬へ閉ざすのです。
妖精郷アルヴィオンに何者かが出現したようです……。
妖精郷アルヴィオンは――滅亡の危機に瀕しています……。
妖精郷アルヴィオンに決戦の時が間近に迫っています。
※サミットの結果、各国に領土が獲得出来るようになりました!
キャラクターページの右端の『領地』ボタンより、領地ページに移動出来ます!
→領地システムマニュアル