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Jail Scorpion
Jail Scorpion
「我が王よ。私の『献上』はお気に召して頂けましたかな?」
「ま、ご苦労と言っておくぜ」
薄ら笑いを浮かべたフギン・ムニンの芝居掛かった一言にキング・スコルピオは口元を歪めて応じる。
世界を騒がす『新生・砂蠍』――その王と大幹部の前には今まさに安否を心配される三人が居た。
「王は敵を侮らない。王は知らぬ事を嫌う。なればこその一手です。
先の雑魚共とは違う――彼等はローレットの主力層です。使い道はあるでしょう?」
「まぁ、な」
『黒陣白刃』御幣島 戦神 奏(p3p000216)、『意志の剣』サンディ・カルタ(p3p000438)、『皇帝のバンギャ』一条院・綺亜羅( p3p004797)――それぞれの顔を値踏みするキングは非常に愉快そうだった。
砂蠍の計画では『もう少し勝利する』予定だった。早期に幻想南部を制圧し、その余勢を駆ってメフ・メフィートを陥落せしめる。短期決戦を考えていたキングからすれば今回のローレットの横槍は余計そのものだったが、一先ず南部に拠点と橋頭堡を築く事には成功したのは確かである。事態が多少の長期戦になるならば、三人の利用価値は自ずと産まれてくるだろうと考えた。
「さて、何か言いたい事はあるかね? 無くても、こっちがあれば――聞き出すが」
嗜虐的にして邪悪な笑みを浮かべたキングが三人に問う。
しかして、結論から言えば――返ってきた返事は彼の想定の全く外だった。
「はーい、砂蠍さん。私に何をしてもらいたいのかな? 奴隷? 実験動物? 慰み者?
……でも命乞いとかはしないよ。私は敗者なんだから、ね」
そう応じた奏には何ら悲壮感は無く。
「然り。くっころは天義の姫騎士の台詞ぞ。王と呼ぶに値する男に抵抗はせぬわ」
綺亜羅の台詞も又、それ相応にぶっ飛んでいた。
「……は? てめぇ等はローレットの一員じゃないのかよ」
「えー? 味方につけっていうのならよろこんで裏切るよ。死にたくないし。
私は所詮雇われ。クライアントがローレットからあなたたちに代わるだけ。ビジネスライクさー。
だから、もしそういう話なら――倒産まではよろしくね」
「ローレット?アレはバイト先じゃ。一塊でなくば力発揮せぬ輩よ。
それに第一、此度は鉄帝国が幻想北部を支配できる機会じゃ。これに助力出来るならば重畳よ」
「てめぇ……何て訳の分からない連中を捕まえやがった」
綺亜羅の言葉にキングは苦笑し、傍らのフギンの顔を見た。フギンは肩を竦めてニヤついている。
(……おいおい……)
そして二人の仲間の何とも言えない反応に盗賊王と同じ程度に困惑した顔をしていたのが最後の一人――サンディだった。
元々、自身が砂蠍に協力する代わりに二人の女性の解放を交渉せんとしていた彼だったが、状況はそれ以上に混沌としている。
「貴方はどうなのです?」と笑いながら水を向けてきたフギンにサンディは難しい顔で応えた。
「……俺は元々盗賊上がりだ。貴族だ何だって連中には十分な位恨みもある。
条件次第じゃお前達に与しても構わない」
残る二人は何とも微妙だが、少なくともサンディの言葉は方便だ。
トリックスターの気分、鉄帝国への忠誠、――仲間を助ける為、動機は全く別だが奇しくも三人の発言はほぼ同じ方向を向いていた。
「どう考えます? キング」
「俺は慎重な男だぜ」
「心得ております。ですから、今回は――私に任せて頂けませんか?」
何やら考えついた事があるらしい。
人の悪い――そして食えない顔をしたフギンにキングは「勝手にしやがれ」と言葉を返した。
悪党の巣。蠍の牢獄――囚われのイレギュラーズを待ち受ける運命は、果たして。
イレギュラーズの反応
御幣島 戦神 奏 | プレイング |
---|---|
はーい、砂蠍さん。私に何をしてもらいたいのかな?奴隷?実験動物?慰み者? |
サンディ・カルタ | プレイング |
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他に囚われたイレギュラーズ、それも女性が2人いるということで。 |
一条院・綺亜羅 | プレイング |
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今は蠍には恭順して、行動を共にし、今後の意図を探るのじゃ。 |
フギン・ムニンの反応
しかし、口では何とでも言えますし――何より面白くもなんともない。
……ああ、そうだ。良い事を思いつきましたよ。
これならば、我が王にもきっとご満足頂ける事でしょう!