えっと……。
　オラボナさん。そう、オラボナさんからのお手紙……うん、大丈夫。まだ、まだ覚えてる。

　ホイップクリーム……？　これは……ああ、オラボナさんの事だ。うん。
　……でも、ほんとに不思議な人。文章も独特だよね。

　えっと、ちゃんと覚えてるよ……っと。そっか、あたしのこと考えて、忘れないようにって……手紙、くれたんだ。
　えへへ、優しいなぁ……うん、大切にするね。味も……うん？　あの時は食べてなかったよ！？
　でも、オラボナさんが自信持ってるのは分かるよ。ふふ、誰にも自慢したい所ってあるよね。あたしは、ギフトの力もあるけど、皆との楽しい思い出を忘れない事……だったん、だけ、ど。
　……ごめん、変なこと言っちゃった。でもでも、オラボナさんのことはまだまだちゃんと覚えてるし、皆が頑張れば忘れないでも済むから！　大丈夫！
　あたしも頑張るから、オラボナさんも……でも、無理はしちゃだめだよ！

　ひっ……。
　あ、え、なんだっけ、これ、えっと、あ、う。
　そ、そうだ、確かこの時の手紙の……そう、オラボナ、さん。オラボナさんだ。
　思いだした……ううん、嘘だ。『思いだしてない』。今調べて『今知った』んだ……。
　ふえ……ごめん、ごめんなさい……こんなに、こんなにしてくれたのに……忘れちゃって、怖がって……。

　お返事、かかなきゃ……でも、あたし、に。返事書く、資格、なんて。あるのか、な……。

　あ、オラボナさんからのお手紙だ！　ふふ、ちゃんとわかる。ちゃんと覚えてる。なんか嬉しいなぁ。

　手鏡、最初は、「ちゃんと笑えてるか」って確認に使ってたけど……いつかね、今のあたしを見るようになったの。
　泣きそうなあたし。不安そうなあたし。皆を信じてるあたし。もう少し頑張ろうって思ってるあたし。
　取り繕う必要ないんだよね。オラボナさんや、皆が、そう教えてくれたから。きっと、頑張れたんだ。

　おっ、またスナズリウオ、取りに行く？　今度はほいっぷくりーむ、も楽しめるのかもね。
　えへへ、またいっぱい思い出作ろうね！

　びっくりしちゃったよ！
　う、うーん、シレンツィオにお出かけしたときに、旅行カバンから落ちたのかなぁ……？
　そ、それとも泥棒！？　これが伝説の下着ドロってやつなのかな！？
　オラボナさん、拾ってもみないでよ！？　ね！？

も～～！　なんでぇ～！！