幕間
ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。
For me? Not for you.
For me? Not for you.
関連キャラクター:エッダ・フロールリジ
- 可愛い女ではないのです
- ●エッダ・フロールリジ
可愛い女では無いのです。
最初からそんな事は分かっているのです。
強きを尊ぶ鉄血を継ぎ、フロールリジに産まれ落ち。
幾多の戦場を、闘争を渡り歩いて。
それが誰が為の戦いだと言い訳をしてなんになりましょう?
弱者を踏み躙る『力』を憎んでいると言い訳をしてなんになりましょう?
私は可愛い女ではないのです。
強きを尊ぶ鉄血を継ぎ、フロールリジに産まれ落ち。
尽きぬ理想を抱えたとて、私は常に焦がれてもいたのです。
『唯、圧倒的に強い。単なる暴力という装置に。単なる闘争という概念に』。
……馬鹿げた話です。
私は誰かを救いたいと願いながら、何時も自身を救われぬ夢想に浸していた。
泣きたくなる位の二律相反(アンビバレンツ)を抱えて、重石を抱えたまま水の中を歩いている。
だから――だから、陛下。
貴方を知って、関わって。
関わって、また知る度に――可愛くない私は思うのです。
「一発、ぶん殴って差し上げたいのですが――宜しいでしょうか、陛下」
「宜しくねぇけど、『入れられるなら』御随意にどうぞ」
『可愛い』私は思うのです。
貴方を知って、関わって。
関わって、また知る度に――正体さえ知れないこの乾きは何度も姿を変えるのだろうと。 - 執筆:YAMIDEITEI