PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

妖怪の見る夢

関連キャラクター:鏡禍・A・水月

残さず食べるよ
 依頼と偽って連れ出した先は廃村で。
 既に到着している筈の『僕』が見当たらず、最大限の警戒をしながら得物を構える君の、その形の良い頭へ鈍器を振り下ろす。

 次に君が目覚めた時、きっと誰の家だったのかも分からない所へ閉じ込めている。
 両手首は包帯で止血しただけの頭上でまとめて手錠をかけて。
 家の柱と君の腰と両足首を鎖で繋いでいる。
 さて、人間はおおよそ8割の情報を目からの情報に頼っていると聞く。
 それゆえ目を塞がられると、これまで蓄積した情報を元に予測を瞼と脳裏に映す。
 逆に目が開いていると、蓄積情報を元に実践される様を観察してしまう。
 果たして君は、どちらが好きだ?
 ……これから何をされるのか分からなくて怖い?
 ふふ、ありがとう。でもまだ足りないから付き合って?
 そう、それで次はどうしようか、という相談をしていたなぁ。
 ねえ、どうされたい? どうやって恐怖を抱きたい?
 その恐怖心を丸ごと食べてあげるから、腹が済むまで、ずっと。
 だからもっと、恐怖して。いとおしいひと。
 君の恐怖を食べ尽くして、そして最期に君を………──。
執筆:桜蝶 京嵐

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