PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

よろずな日々

関連キャラクター:ヴェルグリーズ

たまにはこんな朝
 潮風が気持ち良く吹きわたる。
 昨日は依頼がよるおそくまでかかって、それでこの海辺の街に泊まっていた。
 そしてせっかくついでに、早起きして街を歩いて回っていた。
 人もまばらな時間で、漁に出る船を街の高台から見送って民家の間を歩く。
 こんな朝早くから畑の世話をする人、ランニングと犬の散歩をする人。
 色んな人たちがヴェルグリーズとすれ違っては挨拶や軽い雑談に応じてくれる。
 しばらくすると、大通りの店たちが開店準備で忙しなくなる。
 その横を、学校へ向かう子どもたちが走り抜ける。
「おっと、危ないよ。気を付けて」
 ひとり、転げそうになった男の子の腕を掴んで助け起こす。
 男の子は照れたように笑ってありがとうと言うと、やっぱり風のように行ってしまった。
 先に待っていたのは友達だろう、肩を一度、叩き合うとキラキラと笑いながら歩いている。
 ゆっくり海の方へ歩き、ほんの一時間くらい前には船もいたんだよなと浜と道路の間に立つ。
「やあ、お兄さん。観光かい? 今なら入れたてのコーヒーでモーニングを出してやるぞ」
「本当ですか? じゃあ、お願いします」
 海の目の前にある喫茶店の亭主に話しかけて貰ったので、そのままモーニングを食べに入ることにした。
 そしてそこで出されたモーニングとコーヒーは、とても美味しかった。
 

執筆:桜蝶 京嵐

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