PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

あーまでるこれくしょん

関連キャラクター:アーマデル・アル・アマル

謎だらけの会場からの脱出
「ついにこの日が来てしまったな、弾正」
「嗚呼」

 緊張した面持ちで頷き合うアーマデルと弾正。二人が訪れているのは『シビア脱出ゲーム 電気街店』。巷で噂の「謎」を提供するお店だ。

「そろそろ始まる時間だ。ほら、壇上に司会が……」
 案内されたテーブルの前でソワソワしていた弾正が顔を上げ、明後日の方向へ目を逸らす。壇上に立っているのがとても見知った顔だから。
「どうしてイシュミルが司会なんだ?」
「他人のそら似という事もあると思うが」
『さて、これから皆さんには様々な謎や暗号を解き明かし、制限時間60分以内にこの会場から脱出してもらうよ。
 失敗した場合は、会場ごとゲーミングに爆発するから命がけのつもりで頑張ってね』
「どう聞いてもイシュミルだろうアレは」
『そんな訳で、シビア脱出ゲーム・スタートだよ』

 ツッコミたいが1秒でも時間が惜しい。小謎の書かれた紙を手分けして解読し、導き出された答えでクロスワードを埋めていく。

「弾正、小型のライトを貰ったぞ」
「……ほう。これはブラックライトだな。会場の中をこれで照らせば、暗号が現れるというギミックだ」
「なるほど。使い方は分かったが、弾正はどうして俺のお腹ばかりライトで照らすんだ?」
「小謎Dの答えは『蛇』だな」
「今ので答えが見えたのか?!」

 試しにぺかーってお腹を照らしてみるアーマデル。確かに浮かび上がる光る文字。
(くっ……手のかかる事を……!)

 埋めたクロスワードの一行を読むと目的地の場所が分かり、次の謎を手渡されて再びテーブルで謎を解く。鍵のかかった宝箱に、歪なパズル。凝ったギミックが謎解き終盤である事を告げる。

『残り10分。最終問題のカードに答えを書いたら、提出BOXへ出してね』

 イシュミルがステージに黒い箱を置いた瞬間、どっと人が群がりカードを入れていく。

「くっ、間に合え……!」

 アーマデルが黒い箱へ投函した瞬間、終了のブザーが響いた。場が暗転し、解説パートが始まる。
『……という訳で今回のシビア脱出ゲームは最終回答のカードに『白猫』と書いて提出BOXに出した人が脱出成功』
「よし、合っていたぞ! これで成こ――」
『で す が』
「「えっ」」
『本当にそれで良かったのかな?』

 優雅な微笑みと共に、イシュミルが壇上の黒い箱を掲げる。
『私が提示した脱出成功の条件は、カードを"提出BOXへ出す"事だけど……この箱が提出BOXだとは、一言も説明していないよ?』
「「あっ」」
『本物の提出BOXは会場の入口に、ゲームが始まる前から置かれてたよ。よくある引っかけだよね』

 ぽちっ。ちゅどーん!!

「ばっ、爆発オチは最低だーー!!」
執筆:芳董

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