幕間
ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。
よろずな美術館【シャイネンナハト】
よろずな美術館【シャイネンナハト】
関連キャラクター:ヴェルグリーズ
- 輝きの夜に
- 【クリスマスマーケット】
場所:どこかの国で行われるクリスマスマーケット
時間帯:夜
電飾は……練達等なら。電気のない国ならガス等やランタン等
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冬のある日、数日に渡って開かれる、冬の市場。
シャイネンナハト前まではシャイネンナハトにちなんだグッズが目玉だろうか。
窓際に飾れそうな小さなもみの木を模した置物。
赤や緑の丸やクッキーの人形やラッパを手にした天使のオーナメント。
くるみ割り人形、角を生やした赤鼻の四足の動物、天使形のベル……
当日となれば人々のメインは飲食店に切り替わるだろうか。
身体を温かくするための、スパイス効かせたグリューワイン。
子どもたちは遠くから漂う甘い香りに誘われ、ホットチョコレートの屋台へと駆けていく。
キラキラ輝く灯りで、昼のように照らされて。
行き交う人々の表情はみな笑顔。
店々からの湯気と、そして人々からこぼれる白。
降り出した雪が灯りを反射して視界にちらつく。
ひとりでなら、暖かい飲み物を手に。
誰かとともに歩むのならば、互いに笑顔と白い吐息と会話を弾ませて。
灯りと笑顔を見て回る、幸せなひととき。
【スカイランタン】
場所:湖上、もしくは海上
時間帯:夜
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中央の燃料に明かりを灯し、糸で繋いだ紙袋をふわりと被せれば、熱気球が浮力を持つ。
手から離れようとしているランタンの顔とも言える紙袋には、先程書いたばかりの願い事。
同じ願いを胸に、そっと手を離した。
たくさんの同じ明かりたちが、黒一色の夜空に放たれた。
目を離せばあっという間に己のスカイランタンを見失いそうで、瞬きもせずに見上げる。
願いは天へと昇っていく。
届くだろうか。
叶うだろうか。
叶えばいい。
そう、思う。
たくさんの願いが、空をあたたかに染める夜。
【キミがいない、キミだけがいない】
場所:自宅
ひとり、もしくはお子さんのような子と
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クリスマスツリーのような野菜(ロマネスコ)を玉子とマヨネーズで和えて、赤と黄色のミニトマトを添えたサラダ。
さいの目切りにした玉ねぎとじゃが芋、赤と緑の野菜、厚切りのベーコンの具だくさんコンソメスープ。
照りが美味しそうな鳥肉が鎮座する大きなお皿には、カービングナイフとフォークを添えて。
この日のために早くから――ファントムナイトよりも前から予約した、キミが美味しいと言った店のホールケーキ。
よく磨いて用意したグラスには、しゅわしゅわと泡立つ黄金色のシャンパン。
キミのために用意したプレゼントは、ソファの上に。
キミと祝う。
今年もお疲れ様、と。
この輝かんばかりのこの夜に、と。
来年もよろしくね、と。
それが当たり前になっていた。
だから、多く用意しすぎてしまったんだ。
キミの席に、キミがいない。
すべてが完璧なのに、キミだけがいないんだ。
座る主の居ない、空いているひと席分。
その空間が妙に広く思えた。 - 執筆:壱花