幕間
ならず者のゴブリン談
ならず者のゴブリン談
関連キャラクター:キドー・ルンペルシュティルツ
- « first
- ‹ prev
- 1
- next ›
- last »
- リゾートの裏で
- あ゛? おい、俺の前であの見すぼらしい小鬼の話をすんじゃねぇよ。
あの野郎……なにが三賊だ。他所からやってきて、人のシマで好き勝手しやがって……部下まで連れてでけぇ顔しやがってよ。そもそもてめぇは海賊じゃねぇだろ。
……おい、てめぇ今なんつった。
うっせぇ! 俺ァ嫉妬なんかしてねぇよ! セイリーンもなんであんな奴にご執心なんだよ……あ? セイリーンって誰だって? う、うるせぇよ! お気に入りの嬢だろって? おい!誰だ今喋ったった奴。ぶっ殺してやる!!
それなら闇討ちでもすればいいだって?
……死にたくなきゃやめとけ。
あいつらにゃ手を出すな。これは俺からの忠告だ。 - 執筆:ユキ
- 『暗送秋波』スランの話
- 「ああ、あれか。小汚ェゴブリンだが、口先も手先もどうにも器用らしい。
昔こそ情けねえこそ泥だったくせ、いつの間にか『らしく』なってきやがった。
だが最近は盗賊らしい事なんざ殆どしてねェんじゃねえのか。随分と落ち着いちまった印象だね。
そう言やあ、煙草か香水かしらねえが、あの甘ッたりい臭いは周りには大不評なんだよな──あいつに近寄ると俺も頭が痛くなるぜ。
ま、洞窟にコソコソ隠れ住んでる獣みてえなゴブリンよりかは、よっぽどマシな臭いだがね」
- 執筆:りばくる
- キドーの締めた街。或いは、今日もスラムの片隅で…。
- ●悪党賛歌
キドーの野郎を知らねぇって?
ははぁ? お前、さては新参者だな? なにせこのスラムでアイツのことを知らねぇ奴は1人だっていねぇんだからよ。
あ? 有名人なのかって?
おぉ、そりゃもちろん。アイツはこのスラムの救世主さ。
昔、この辺りを締め上げてたマフィアがいたんだ。数と暴力に物をいわして、俺らをいいように使うクソヤロー共だったぜ。
だが、今はいねぇ。
キドーの奴が、力づくで追い払っちまったのさ。
どうやったかは知らねぇが、それ以来アイツは俺らの英雄ってわけよ。
キドーの奴を尊敬しているかって?
はは、逆立ちしたってアイツを尊敬することはできねぇな! - 執筆:病み月
- 仕事仲間の証言
- キドー? ああ、あの小鬼な。アンタ、ここには来たばかりか? このへんで知らないやつはいないと思うぜ。ゴブリンにしちゃあ妙に強ぇしよ。
こないだ、一緒に仕事をさせてもらったけどよ、アイツのギフト便利だよなあ。鍵を解除する時にバカデケェ音がしたときは心臓が止まるかと思ったけどな。盗みをするときにあんなデケェ音がするってのもどうなんだろうな?
アイツの評判? まあそこそこ悪いよ。アレは盗みを心底楽しんでる生まれつきの悪党だからなあ。アイツに関わるなら気をつけたほうがいいし、できれば関わらないに越したことはないぜ。
- 執筆:永久保セツナ
- 『酒瓶魔女』グウィンダの見立て
- あの小鬼野郎ねえ? トサカを立てていたやつがまあ、今じゃ『シャチョサン』もとい『ルンペルシュティルツ』の初代様とはね。
ま、アタシらと同じ欲の張った奴さ。いや、あれだけの欲深さは、中々ない。
しかも魔術師と来た。欲深い魔術師は限界の向こうに手を伸ばして――届き切らずに犬死にするか、伝説になって派手に死ぬかって決まっている。
あいつの死にざまが楽しみさね。いや、憎んでいるわけじゃない。
アタシはキドー・ルンペルシュティルツに酒を取られた時から、興味深く見守っているだけ。
『奪われた酒代はツケだ、刃を走るが如き派手な生きざまを見せてくれそうだから』――とね!! - 執筆:蔭沢 菫
- 犬
- ハ――!
何だってアンタ、あの小鬼の尾っぽなんざ追っかけてんだ?
何? 俺もあの人みてぇにビッグな男になりたいだぁ?
アンタ莫迦じゃねぇのか、あんな欲深糞悪党なんぞに憧れるたぁ正気じゃあねぇな。
あの野郎無茶苦茶に俺のお仲間をパシリにしてるそうじゃねぇか。
今度会ったら直々に『お仲間に入れてやる』ってもんよ……?
あん? じゃあ「また今度」だぁ?
もうアンタも戻れやしねぇよ、頭領がお呼びだぜ。 - 執筆:にゃあら
- « first
- ‹ prev
- 1
- next ›
- last »