PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

窓際族生存記

関連キャラクター:回言 世界

アーユーワールド?
「そんで、仕事の内容は? 俺は何をすりゃいいんだ?」
 四方八方に広がる本の山。本の虫がその生涯をかけても読み切ることは叶わないだろう数の本が並んだ図書館で、回言 世界は気怠そうに問いかける。
 こうやってここに居るのは何度目だとか、最初はいつだとか――そういうことを考えることが煩わしくなるくらいには訪れているし、様々な世界を回ってきた。ぶっちゃけ境界図書館じゃ彼を知らない案内人はいないし、それは無辜なる混沌でも有名な話だろう。
「オプスk……ああ、この前の黒っぽい奴か。そいつがどうしたんだ?」
 欠伸をする世界は、如何にも“面倒くさそう”な態度だった。
 目の前で説明する境界案内人の話を聞きながら呑気に欠伸をしたり、眠そうな顔をしてみたり、或いは話が長くて近くのソファーへ座り込んで本当に寝ていたり……。
 “って寝てるし”、だとか“聞いてんのかお前”だとか、寝ている世界に茶々を入れる境界案内人もごく少数いたかもしれないが――まぁ、彼が顔色一つ変えないのは言うまでもない。
「っと、話終わったか? たく、相変わらず説明長いっつうか、心配性っつうか――ま、話は分かったよ。少し……いや、かなり面倒だが行ってくるか」
 境界案内人によって、描かれた御伽噺の様な世界が開かれる。
 よそよそしい様子の境界案内人へ後ろ姿で手を振った世界は、その世界――worldへと消えていった。
執筆:牡丹雪

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