PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

悪行の記憶・善行家の今

イロン=マ=イデンは毎晩しっかり眠り、そしてときたま夢を視る。
浮かぶのは、助けた人々の顔、声、そして……忘れたと思っていた過去の記憶もある。


関連キャラクター:イロン=マ=イデン

街の人の声
「イロン=マ=イデン……ああ、あの子のことかな? 金髪の可愛らしい女の子」
 とある街で様々な品を並べる商人は名を聞いて、該当する人物のことを思い出す。
 彼女には以前助けてもらった経緯がある様子の商人は、当時のことをつらつらと語り始めた。
 と言ってもごく簡単な出来事が起きた程度。並べた商品の数が足りないと思っていた所に、イロンが犯人を見つけて連れてきたそうで。

「あの子は、そうだね……善い行いをした、と言い切って僕に向けて笑顔を浮かべていたよ。それが正しいんだと信じていてね」
「あの時はびっくりしたよ。僕の知らないところで事が終わってたし」
「うん、あの時は本当に助かったんだ! あの商品がなかったら、売上がなかったんだよねぇ」
 その日の売上はイロンが連れてきた犯人が盗んだ商品が人々の目に止まったことで一気に上がったそうだ。
 この時の感謝は、今でも忘れられないと商人は呟く。

「ただ……後から考えるとね、あの子は無理をしてないかなって思ったりもしたんだ」
「なんだろう、なんていうのかな。全ての悪を絶やすなら、なんでもする……みたいな?」
「ちょっと、思い詰めてないかなって心配になったかなぁ」
 心配そうな表情を浮かべた商人。あまり無理はしないでほしいな、と一言告げてから彼は再び商売を再開した。

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