PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

人形少女食事録

関連キャラクター:ヴァイス・ブルメホフナ・ストランド

アフタヌーンティー
 ヴァイス・ブルメホフナ・ストランドは人形である。
 髪の先から足の爪先まで真白な人形である。
 そんな人形は、人に憧れ人に成りたい人形だ。
 中でも食事は大好きで、今日も何を食べようかと街を歩いている。
 ふと、目に止まった看板は『アフタヌーンティー』。
 色とりどりの食べ物が三段のスタンドに収まっている様はとても可愛かった。
「ごめんください、こちらは1人でも頂けるかしら?」
 ヴァイスが店員に聞けば、どうぞと中へ案内される。
 店員にお礼を告げてアフタヌーンティーを頼み、不躾にならないように店内を見渡す。
 木製の家を滑らかな白い壁に塗り替えられていて、扉は爽やかなライムグリーンだった。
 窓は大きく天井のランプシェードは鈴蘭の形で鈴なりに咲く様が愛らしい。
 店内の壁にはドライフラワーや女の子の絵が飾ってあって、大変可愛いことになっていた。
「お待たせしました」
「まあ、まあ。素敵だわ。ありがとう」
 店の雰囲気に和んでいたところにアフタヌーンティーが届く。
 作法が分からないなりに上から手を伸ばす。
 ミニココットの器にコーングラタン、カクテルグラスのサラダ。
 二段目はザクザクと歯触りの良いスコーンに自家製クロテッドクリーム、蜂蜜、マーマレード。
 そして一番下にチョコレートケーキ、フルーツパフェ、クリーム&ジャムパン。
 それらを順番に頬張り、堪能しては薫り高い紅茶を飲んで一息つく。
「ああ、美味しかったわ。見た目も素敵で、こんな体験は本当に初めてだった」
 そうしてヴァイスは新たにアフタヌーンティーという食事体験を知ったのだ。
執筆:桜蝶 京嵐

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