幕間
ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。
くっ、ころせっ!!!!
くっ、ころせっ!!!!
関連キャラクター:シフォリィ・シリア・アルテロンド
- こんなところに触手モンスターが!
- 「くっ……こんな……」
手足を絡めとる太い蔦を恨めし気に見やる。シフォリィは目の前の形容しがたい植物系モンスターに不覚を取り、絶賛拘束中なのだった。
「まさか距離を取ろうとしたら足を掬われるなんて……なんですか。ここまできて何もしないんですか、ちょっと」
拘束はされたがしかしアクションがない。蔦は変わらず彼女の肢体を縛り、地面に転がすがままである。うら若き乙女を拘束して放置とは何を考えているのか。というか体勢が地味につらい。せめて楽な姿勢になりたい。
芋虫の真似事をしようにも食い込んだ蔦はびくともせず、ただ時間だけが無為に過ぎていく。
――ガサ、ガササッ
「っ!」
「おお、かかっとるかかっとる……って嬢ちゃんなにしとるんだべ?」
木々をわけて姿を見せたのはこの地元の狩人。影の向きが変わり、得体のしれないモンスターにみえていた案山子の姿もハッキリとしていた。
「……くっ、ころしてください」
「突然何を言い出すんだべや!?」
記録には残されない、というか記憶から消したいある日の一幕。
- 執筆:鴛乃