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幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

かぜのなか

風の足取りを追うだって?
そいつは無茶な注文だ。
第一、かぜには、足はない。
例えどんなに目を凝らしたとて、
草木の揺れが、精々さ。


関連キャラクター:サンディ・カルタ

過ぎ去ってゆくひと
 やさしい、と言えばやさしい人よ。優しいか易しいかは置いといて。
 女の子が困っていたら見捨てるような人ではないわ。むしろ体を張って助けてくれちゃうような人。私も何度か重たい荷物を運ぶのを手伝ってもらったしね。
 でもどうしてかしら。あの子がいつかパンを買いに来なくなっても、私はしばらくして思い出すくらいだわ。「ああ、あの子来なくなったのね」って。
 だって、風に行先を訪ねる人も、追いかけて留めておこうとする人もいないでしょう。
 もしいたら? そうね、それはきっと相当な変わり者か、その風に焦がれて止まないのでしょうね。
 ――大通りのパン屋の看板娘、レニィ
執筆:凍雨

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