PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

恋する乙女の蒼い日々

関連キャラクター:華蓮・ナーサリー・瑞稀

3/14
●不満なのだわ!
「……はい、レオンさん!」
「何だね、華蓮君」
「実を言えば、私には言いたいの事があるのだわ」
「珍しいね。頬を膨らめて――何か抗議の直談判?」
「察しが良くて助かるのだわ。
 レオンさん、今日という今日は何時もの優しい華蓮ではいられねーという事なのだわよ」
「怖いな。本気って訳か」
「そう、本気って訳で――って全然そんな感じでは無いのだわ!?
 私、真剣に抗議するのだわよ? もっと身構えても良いのだわ!!!」
「いやいや、本気で承ってるって。
 でもほら、ドラマとかじゃあるまいし……オマエに叱られたら俺が全面的に悪いからね。
 最初から白旗上げてるだけ。聞くから、ちゃんと。はい、どーぞ」
(実を言うと今の台詞が既に地雷過ぎて与太空間だというのに色々とレオンさん全開なのだわ……
 確信犯でやっている確信があるから最早始末に負えねーのだわ……)
「どうしたの?」
「……ン、コホン! はい、では言います。心して聞いて下さいなのだわ」
「はい」
「今回の問題は簡単に言うと」
「簡単に言うと」
「『レオンさん、私を可愛がり過ぎ問題』なのだわ!」
「それはそれは」
「はい、質問です」
「どうぞ」
「レオンさん、今日はこの後どうする心算だったのだわ?」
「オマエが喜ぶかと思ってグラクロのお返しにデート等に誘おうと」
「ふむふむ」
「若い子に人気のメフ・メフィートの予約困難店等をリサーチしまして。
 大人の力(けんりょくとこね)で無理矢理予約をねじ込みましたね」
「素敵なのだわ。それから?」
「夜八時半まで食事で、それから適当に景色等を眺めまして。
 ロマンチックな雰囲気でお返しのプレゼントと渡しましてね。
 いい雰囲気のまま、夜九時半頃にはご自宅まで送り届けようと」
「百点なのだわ! でも百点だから駄目なのだわ!!!」
「……???」
「意地悪が! 意地悪が全然足りないのだわ!?
 そもそも、九時半にご自宅に完璧に送り届けているのが大切にし過ぎなのだわ!?
 レオンさんって明らかにそういう男ではないのだわ!!!」
(理解が深くて恐縮だなあ……)
「……コホン。私だって別に雑に扱われたい訳ではないのです。
 お姫様は女の子の理想に決まっているのだし。でも、レオンさん」
「はい」
「たまには――もうちょっと、意地悪してみてもいいのだわ?」
(袖掴んで、上目遣いが可愛いなあ……)

https://rev1.reversion.jp/illust/illust/77380
執筆:YAMIDEITEI

PAGETOPPAGEBOTTOM