PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

地上と微睡みの狭間で

関連キャラクター:トスト・クェント

甘く、柔らかな
 うーんうーん。息苦しい。どうしてこんなに息苦しいんだ。
 息苦しい? それもまた何か違う気がする。全身を柔らかいもので圧迫されているような。
 トスト・クェントは唸りながらも目を覚ます。一面が山吹色のようなもので埋め尽くされている。ふわふわしたスポンジのようだが、それが全身を覆っているので非常に動きづらい。出来ても口の開閉だとか――。
「あむ」
 あ。口の中に入っちゃった。トストはその状態で固まった。
 手足が緩く拘束されているような状況なので口から出すこともできず、さりとてこのまま噛んでしまっていいのか。しかし噛み切らなければこのスポンジに口の中の水分をすべて持っていかれる!
「むぐ……ん?」
(甘い?)
 覚悟して食べたふわふわのスポンジは、噛めば噛むほど甘かった。というかこれ、水を吸収する方のスポンジじゃなくてお菓子のスポンジだ。
(なぁんだ)
 やけに納得が早いことに本人は気付かない。それどころか自分がオオサンショウウオケンタウロスの姿であることを"思い出し"、泳ぐようにしながらむしゃむしゃとスポンジを食べ始める。
 咀嚼しながらなのでものすごく早くはないが、スポンジだけを食べ続けている割に早い。お腹がイイ感じに膨れそうだ、というタイミングでトストはひょっこり天井を突き破った。
「……一面のカステラだ!!」
 そこに広がるのはどこまでも――地平線まで続くような、大きなカステラの上面。トストは今、カステラの中を泳いでいたのだ。
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