PandoraPartyProject

幕間

ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。

野花

関連キャラクター:白薊 小夜

浮気性
●貴方は女怪と言うけれど
「……たまに理不尽な気がするわ」
 珍しく薄い唇を尖らせた白薊 小夜(p3p006668)に死牡丹・梅泉(p3n000087)は「うん?」と首を傾げた。
 屋敷の縁側で茶を啜る梅泉の傍に小夜はちょこんと正座をしていた。
 生家は武家なれば、きちんとした教養を施された彼女はとっておきの羊羹を二切れと抹茶を出し、彼はそれに満足している。
「やぶからぼうにどうしたのじゃ」
「……梅泉は私を散々女怪と言ったけれど、冷静に考えたら貴方の方が羅刹か何かではないの」
「ふぅむ。確かに」
「まぁ、そうでなかったらこんなに追いかけたくならないのだけど――」
 言うだけ言って頬を赤らめる小夜は概ね自爆しており、この場にsznが居たら大惨事は免れない所である。
 とは言え、似た者同士の二人は境遇も似ており、sznは買い物に行っているし、たてはは雪之丞(たてはがかり)に押し付けているから問題ない。
 もう一人の家人(フィーネ)は柱の影から微笑みと共に現場を覗く事はあっても騒がしくなる余地はないのだし。
「――こほん。兎に角、理不尽だわ。
 確かに私は女怪で多情なのかも知れないけど、梅泉だって羅刹で大事故発生装置じゃないの」
「……小夜?」
 怪訝そうな梅泉を小夜は「今日はこれでいいのよ」と受け流す。
「いい機会だから、梅泉。貴方のした事を整理するわよ」
「整理とは」

1、たてはちゃんの場合
「……うち、駄目だったやろか?」
「まだまだおぼこい。間合いも切れ味も子供じゃな」
「……………」
 気落ちしたたてはの頭に梅泉の片手が伸びた。
 頭を軽く撫で、黒絹のような髪を梳くようにした彼は離れ際に言った。
「十年の後に今一度。もっともわしはもっともっと――強くなるがな」

「十年の後に今一度じゃないでしょう。致命傷でしかないじゃないの!」
「小夜???」

2、サクラちゃんの場合
「わしはな。主が預かり知らぬ場で散る事を望まぬ。
 ……これも数奇で酔狂よなあ。死牡丹梅泉が桜を愛でて育む等とは」
「……っ……」
「強くなれよ、サクラ」
「そういうとこだよ……」
「……は?」
「……そういうとこなの!!!」

「普通に死ぬでしょう?」
「……今日の主は何か変ではないか?」

3、空観さんの場合
https://rev1.reversion.jp/scenario/ssdetail/2792

「論ずるに値しないとはこの事だわね」
「物凄く雑な事をされた気がするのじゃが……」
「ここまでを見ても『そういう所』なんだけど。
 この話には一番重要な核心が抜けているわ。分かるわね?」
「???」

4、私の場合
「……質問に質問で返すけど。
 ねぇ、梅泉。貴方はもし自分の獲物(おんな)を他所に取られそうになったらどうする?」
「当然、鏖じゃな。わしが死ぬならそれも一興、それまでよ」
「そういうところよ」

「……」
「……………」

 待ち侘びて
 一夜の夢の
 梅の花
 散り過ぐ刃鳴の
 色ぞをしえよ

「……小夜?」
「……………はぁ」

「……」
「……うん?」
「……………」
「……て。
 ……きれいにころしてね。わたしをわすれないでね」
「うむ、忘れぬな。主は良い女じゃった。名の通り綺麗な女じゃった。『小夜』」

「駄目じゃあ無いの……!」
「何事じゃ!?」
「全然駄目だわ……これは無理……!」
「だ、大丈夫か?」
「……こ、これは予想以上に反動が強い。まるで一菱の剣のよう」
「良く分からぬ状況に喩えられたのじゃが!」
「与太とは言え、これは危険な試みだったわ。
 封印しましょう――夜中の暇潰し程怖いものはないのだから」
 そう言う小夜の表情は僅かばかりに罰が悪く、僅かばかりに緩んでいてやっぱり見る人が見たら大惨事は確定だろうと思われた。

※与太なので本気にしないように!
執筆:YAMIDEITEI

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