イラスト詳細
三者四様というやつですな!
イラストSS
●12月25日
「サイズさん、電池は大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ」
「相変わらずそういうとこは抜け目ないなあ、サイズ」
ホテルを抜け出し三人の妖精は練達の繁華街を走り抜ける。サイズの手にはカメラが一台、冬の思い出づくりに代わりばんこで写真を撮るために。
「サイズさん、あのコスメかなりいい感じじゃない!?」
「ハッピーさんはこういうのが好きなのか……?」
まずは昨日周り切れなかったお店をぐるりとウィンドウショッピング。寿命とか今後の事を考えれば勉強だけで買いはしないけど乙女はそれでも楽しいものなのだ。
「ハッピーさんはそのままでも可愛いと思うけどな……」
「サイズさん、可愛い子が綺麗にしたらもっと可愛くなるでしょ?」
「……それも、確かに……?」
これ以上きれいになったら直視できるだろうか――説得(?)させられながらサイズはそんな事をふと考えるのであった。
「ついに完成だね、メープル!」
「私達にかかればこんなもんだよねっ!」
冬ならば冬らしく遊ぶのも一興、というわけでガイドブックで見つけたかまくら作りに精を出して見るハッピー達、疲れ知らずのハッピーはもちろんメープルだって非力でも念力は人一倍ある故に、あっという間にあったかいかまくらが出来上がった。
「カメラさんには飲み物でも買いに行ってもらってゆっくり休もうぜミ☆」
「賛成ー、中で先に楽しませてもらおうぜぃ!」
中でどうやって楽しんだかって? ソレは二人だけの秘密。
「メープル、寒いのは大丈夫か?」
「平気平気、昔よりずーっと強くなったからねー」
たっぷり遊んだ後はほっとココアで一息タイム。寒さに弱い妖精を気遣うサイズに上機嫌のメープルがまくしたてる。
「あ、でもそうしたらサイズのやさしさでココアもプレゼントされなくなっちゃうかなー、やっぱりメープル寒いのやだー」
「そんな心配しなくたって、いつだって買ってあげるさ」
おねだりするように体を擦り付けながら甘えるメープルの体に負けじと翅を重ねながら、笑顔の代金としては安すぎるなとサイズは微笑んだ。
「ほれサイズ、笑顔笑顔」
「みんな羨む1枚にするぜ☆ミ ほらほら!」
「……ふ、二人みたいに笑うのはちょっと苦手で……」
晩餐は豪勢にクリスマスメニュー、乙女二人に詰め寄られ少しばかり恥ずかしがるサイズであったが、シャッターは彼が微笑んだ瞬間を見逃さなかった。
三人の夫婦が織りなす四つの恋愛模様。また来年もこうして、楽しく過ごせますように――
※SS担当:塩魔法使い