PandoraPartyProject

イラスト詳細

蒼穹を待つ

作者 楠木なっく
人物 シキ・ナイトアッシュ
アベリア・クォーツ・バルツァーレク
サンディ・カルタ
イラスト種別 3人ピンナップクリスマス2023(→おまけイラスト)(サイズアップ)
納品日 2023年12月24日

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イラストSS

 夜のクォーツ修道院。
 真っ暗闇の中、1つのランタンが部屋の灯りとなって3人の姿を映し出す。
 シキとリアとサンディの3人。今日はちょっとした宿泊会のような形で布団を敷いて、それぞれで喋っていた。

「今年も大変だったよねぇ」
「本当に。シャイネンだからって皆浮かれてたのもあるんだろうけど」
「あたしはむしろ、平和でよかったなって思うよ。こういう日が続けばいいなって」
「そうだな。これから先、何が起こるかわかったもんじゃないし、今日ぐらいはゆっくり休んでもいいよな」
「でもせっかく3人で揃ったんだし、何か話さない?」
「何かって……まあそうね、せっかくだしね」

 シャイネンナハトの日だから、これまであった出来事などを語ろうよと持ちかけたシキ。
 それに乗じてサンディも仰向けの体勢から少し身体を動かし、話を聞く体勢へ。
 リアはそのまま、天を仰ぐ形で2人の語りに耳を傾けた。

 これから起こるであろう、大きな戦い。
 それを前にした小さな平和の時間。
 この瞬間だけは、もう二度と訪れないかもしれないから。
 だから、せめてもの思い出語りと、思い出づくりをしておいた。

「そういえば今年も雪凄かったよねぇ。2人は雪だるま作った?」
「あー、あたしは作ってない。作ってアイツに送れば良かったかな?」
「俺も作ってないなー。寒いし」

 ひゅう、と少しだけ聞こえる風の音で、思わずサンディは布団を深めに被る。
 シキも時々寒そうに肩までしっかり布団を被って、リアは口元まで覆うように布団を被る。
 温かい室内だけれど、風の音が少しだけ寒さを思い出させる辺り、冬というのは侮れない……。

 それからも3人は思い出話に花を咲かせた。
 あれやこれやと起きた戦いを思い起こすと、なんだかそろそろ最終決戦な雰囲気も感じ取れるが……例え最終決戦であっても全力を尽くすだけだと笑い合う。
 これまでに全力を尽くしてない戦いはなかった。だから、普段と変わらない戦いを……否、それ以上の戦いをやるだけだ、と。

 語り語って何時間。
 気づけば屋根近くにあった月が少しだけ上に登り、真夜中を示している。

「えっ、もうこんな時間!? 俺明日もやることあるんだよー!」
「あちゃー、喋りすぎたねぇ。2人共、おやすみっ!」
「はいおやすみ。寝坊しないようにね」

 灯りをそのままに眠りについた3人。

 愛しい友達。青空のような友達。最初で最後の帰る場所。
 それらを守るために、彼女達はシャイネンの夜を越えて戦いに出向く。

 ※SS担当:御影イズミ

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