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ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤの鹿野慈によるおまけイラスト
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤの鹿野慈によるおまけイラスト
イラストSS
さらさらと雪の振る夜。
街灯の僅かな灯りを頼りに、ヴァレーリヤは道を歩く。
誰もいない1人の散歩。冷たい風を受けて、すたすたと。
1つの街灯を通り抜けて、次の街灯を目指したその時。
ヴァレーリヤの視界にある人物が映る。
――夢見 ルル家。
遂行者となった、今や互いに敵味方の間柄。
彼女といろいろな出来事に巻き込まれたが、それも今や遠い昔のこと。
(……)
ルル家はまだ、ヴァレーリヤには気づいていない。
今なら道を逸れて声をかけないことも出来る。
……けれど、ヴァレーリヤは逡巡の後に、声をかけることを決意した。
ここで声をかけなかったら、もう二度と友として話すことも出来ないから。
「……ごきげんよう、久しぶりですわね」
ヴァレーリヤの一言から始まったやり取り。
ルル家は視線をヴァレーリヤに向けて、柔らかな微笑みを寂しそうに返す。
目的のために離れた故に、ここで会うとは思ってなくて。
「一応聞いておくけれど、もう戻っては来ないのですわよね?」
しばらくの沈黙の後、ヴァレーリヤから切り出して。
数秒だけ考えたルル家は同じ笑みを浮かべて、一言だけ。
「おそらく、難しいでしょうね」
シャイネンナハトの夜の出来事。
それはまだ、決着が付く前のお話。