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イラスト詳細

ウィリアム・M・アステリズムの八十一鱗によるおまけイラスト

作者 八十一鱗
人物 ウィリアム・M・アステリズム
エト・アステリズム
イラスト種別 おまけイラスト(→元発注イラスト
納品日 2023年12月24日

3  

イラストSS

 ラテアートを浮かべたカプチーノ、絵画のように煌めいて見えるケーキの数々。
 二人で過ごすシャイネンナハトであればホールケーキなんて持て余してしまうくらいだからと、ティーパーティをうたってアフタヌーンティースタイルにしたのだったっけ。
 作法もなければルールもマナーもしきたりもない。それが心地よくて、幸せだった。
 ティーカップとケーキを持って腰掛ければ立ち上がるのも億劫になるほどの心地よい空気。お互いの温もりから離れるのが嫌だった、というのが本音ではあるのだけれど。
「フォーク持ってくるの忘れちゃった」
「じゃあ手でいいんじゃないか」
「あとで洗えばいいかな」
「だな。どうせ二人きりだから」
 ちょっとの横着くらいならご愛嬌というものだろうか。指で掬ったクリームを、ざらざらした舌がからめとっていく。
「甘い?」
「ああ、凄く」
「そっか、それなら良かった」
「エトも食べてみろよ。ほら」
「ん、……ほんとだ、甘いね」
 同じように指で掬われたそれを舐める。普段は舐めることのない無骨な指先に舌で触れる。ふわふわとしていて、やっぱり甘い。
 背徳の甘味は禁忌。知ってしまえばもう戻れない。
 一度、二度、三度。重ねた罪の数だけ、より甘みは二人を捕えていく。

※SS担当:染

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