イラストSS

　買い物に出るというアミナに同行するとルブラットは提案した。「嬉しいです」と笑った彼女は昨年の今頃と比べれば見違える姿である。
　シャイネンナハトに対してルブラットは憂鬱な気持ちも強くあったが、アミナの力になれるというならば喜ばしい。
「荷物を持とう」
「えっ、そ、そんな！　悪いですよ！　私も持ちますから！」
「いや、重たいだろう？」
「う、うーん、じゃあ、せ、せめてこれだけでも……」
　おずおずと軽い荷物を荷物を手提げ鞄に詰め込んでからアミナは「本当にありがとうございます」と戸惑った様子で言った。
「いや、力になれたなら嬉しい」
　ルブラットはアミナにとって頼りになる存在だ。アミナには医学の心得はないがルブラットはアミナが不得手な部分を補ってくれる。
　ほら、例えば――転びそうになるアミナを支えてくれる手も。
「えへへ、有り難うございます」
「滑りやすいようだから足元にはどうか気をつけて」
「はい！」
　アミナはにまりと笑ってからはたと気付いたように「ルブラット」と呼び掛けた。
「サプライズイベントだったのですが、みんな喜んでくれるかなあ。楽しみですね！」
「きっと喜んでくれるだろう」
「……あっ、晩ごはん、食べて行きますよね？　行ってみたいお店があります！」
　共に食事をとは考えて居なかったルブラットにアミナは「楽しみですね」と笑うのだ。そんな顔を見れば、ついつい、絆されてしまうのだ――


　＊SS担当：夏あかね