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恋屍・愛無のsimaによる2人ピンナップクリスマス2023
恋屍・愛無のsimaによる2人ピンナップクリスマス2023
イラストSS
「ほあー」と声を漏した水夜子が炬燵の温もりを感じ取るように息を吐いた。
「暖かいですねえ」
「そうだね。炬燵は抜け出せなくなるともいうけれど、水夜子君もそうなってしまうのだろうか。
炬燵は魔物のようなものだから、暖かすぎるのも少し困りものであるのかもしれないけれどね」
「うふふ、炬燵で、ケーキを食べて、コーヒーまで用意して。あとは眠るだけになって終うとまんまるな私の出来上がりです」
愛無はちら、と水夜子を見た。そうやって朗らかに笑う彼女が愛おしい。これは『恋心』というのだと知っている。
何分、水夜子と言う娘はその辺りを気付いて居るのか気付いて居ないのか上手く避けて行ってしまうのだけれど――
「まんまるな水夜子君も可愛いよ」
「ありがとうございます。おでぶになってしまっても愛して下さいね」
「勿論」
こんなジョークを交して笑い合えるのはなんて幸せなのだろうか。
「さて、ケーキを食べようか。思う存分好きなだけ。炬燵に捕われてしまったならば其の儘眠ってしまっても構わないよ」
「至れり尽くせり! それでは、思う存分の怠惰を謳歌致しましょう」
うきうきと笑う彼女の顔を見て「すき」なんて思ったのは愛無にとっての何時ものことなのかも知れない。
*SS担当:夏あかね