イラストSS

　だいすきでしあわせ。
　溢れる想いはきっと伝わる。
　ひとつひとつ、丁寧に編んだマフラーはベスビアナイトと同じ緑色。
　アクセントにオレンジの毛糸を入れたマフラーをニルはベスビアナイトの首にそっと掛ける。
「苦しくない、ですか？」
「はい。丁度良いですよニル」
「がんばって、あみました。ベスビアナイトがあたたかな冬を過ごせますようにって、おまじないをこめました……まだ、すこし綺麗じゃないかもですが。でも、がんばって編みました」
　ニルが一生懸命編んでくれたマフラーをベスビアナイトは愛おしそうに触る。
「ありがとうございます、ニル」
　ベスビアナイトはニルをそっと抱き寄せた。
「わっ」
　少しだけ驚いたニルはベスビアナイトを見つめる。
「ニル……」
　ぎゅうと抱きしめられ、頬に柔らかな唇が落ちて来た。
　触れた場所から愛情があふれ出るみたいで、しあわせな気持ちが全身に広がる。
　くすぐったくてもっとしてほしくて、ニルはベスビアナイトにしがみついた。
「ベスビアナイト」
　次第に染まっていく頬の赤みは寒さのせいなのだろうか。
　あたたかく幸せな感情に包まれてニルは満面の笑みを零したのだ。

※SS担当：もみじ