イラスト詳細
ブーゲンビリア・グラヨール
ブーゲンビリア・グラヨール
詳細設定
https://rev1.reversion.jp/scenario/ssdetail/4837
●
わたしはお父様が大好きだった。
「おとうさま!」
「セラスチュームか。あまり走ると危ないだろう」
「ご、ごめんなさい」
小さなわたしを抱き上げてくれる掌は優しくて、大きくて。あまり笑うことはない人だったけれど、側にいると安心する大好きなひとだった。
「あのね、あのね」
「うん、どうした」
「おとうさまに、プレゼントを持ってきたのです」
不格好な花冠を銀髪の上に乗せる。満足気に笑うわたしに、お父様は微笑んだ。
「ありがとう。これはセアノサスにも自慢せねばなるまいな」
「えへへ! おにいさま、びっくりしちゃいます」