イラスト詳細
エッダ・フロールリジのおしかつによる3人ピンナップクリスマス2022
作者 | おしかつ |
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人物 | エッダ・フロールリジ ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ ユリーカ・ユリカ |
イラスト種別 | 3人ピンナップクリスマス2022(サイズアップ) |
納品日 | 2022年12月24日 |
イラストSS
シャイネンナハトの夜は、のんびりと自宅で過ごす。
そう決めたユリーカは忘れ物をしたとローレットへと訪れた。物音を感じてひょこりとエントランスホールを覗く――覗いたのが間違いだったのだ。
其処に居たのは大鮫のみのエッダとヴァレーリヤである。
「あ」とユリーカは呟いた。あの二人に巻込まれては地獄が待っている。
物音を立ててはならない。足音なんて以ての外。そろそろと、移動するユリーカはローレットを漸く抜け出せそうだとほっと汗を拭った瞬間に――
「あら、ユリーカではありませんの!」
見つかったのであった。
がしりと腕を掴まれたユリーカが振り返る。酔っ払いの気配がする。アルコールの臭いが漂っている。
赤ら顔の聖職者(に見えない魔物だ!)がにんまりと微笑んでいた。
「何処に行きますの?」
「か、帰るのです」
「あらっ! 折角のシャイネンナハトですのに!?」
「帰るのです! エッダ! エッダァ! ユリーカですわよー!」
手を振ったヴァレーリヤに「ヴァリューシャ?」と首を傾げたエッダがぴんと来たようにユリーカの腕を掴んだ。
「ヴァリューシャ、丁度良い相手を見付けましたな。
いや、なに。そろそろ二人では詰らないなと言う話しになって」
「ええ、そうですわ。結構の見ましたけれど。ひっく。おつまみも少なくなってきて『アテ』を探していましたの」
「ぼ、ボクは食べられないのですよ――――!?」
じたばたと脚を動かすユリーカにエッダとヴァレーリヤはにんまりと微笑む。
「お酒が減ってしまいますし、ボクは帰るのです」
「あら、遠慮しなくても良いんですのよ? お酒なら山ほどあるのですもの、ねえエッダ?」
「勿論。飲めるんでありましょう?飲めるよな? 飲め。
いやあユリーカ嬢と楽しく(!!)お酒を飲める日が来ようとは」
全然楽しくないとユリーカは叫び駆けた。逃げたくも腕を捕まえれて抜け出せない。
腕をぐいぐいと掴まれて「ジョッキを持っていろ」と促すアルコール・ハラスメント・鉄帝人にユリーカは「ボ、ボクは帰る」ともう一度抵抗したが。
「え?」
「何か言いまして?」
ムダだった。
「も、もう……もう疲れたのです……どうにでもするのです……」
虚ろな瞳になったユリーカが解放されたのは二人が盛大なる虹を吐出して、全てを荒らし回った後の朝であった。
*SS担当:夏あかね