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白薊 小夜の黒猫によるおまけイラスト
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「……ん……ぅ……」
寝苦しそうに、くぐもった声を上げる小夜。
その左右からは。
「すぅ……すぅ……」
「……ん……むにゃ……すぅ……」
狼耳と猫耳がぴこぴこと蠢き、小さな寝息が聞こえてくる。
すずなとフィーネ二人は、小夜を抱きしめるようにして、すやすやと眠りに付いている。
……外からはチュンチュンと雀の鳴き声が聞こえてきており、日の陽射しも燦々と差し込んでいる状況。
「ん……もう……朝……?」
ぼんやりと言葉を紡ぐ小夜。
身を揚げようとするが、すずなとフィーネにしっかりと抱きつかれていて、起きる事が出来ない。
「小夜……さん……」
左のフィーネが、無意識に小夜の名を呼ぶ。
布団の中故分からないが、暖かくもわっとした空気の流れを布団の中から感じる……無意識に嬉しさを感じており、尻尾を振っていた。
そして、逆側のすずなも。
「すぅ、すぅ……ふふ……」
寝顔の中に、うっすらと笑みを浮かべており、どこか楽しそうである。
そんな心地よい二人に挟まれていると……流石に暑くて汗が額に浮かぶものの、二人を引き剥がしてまで起きようとなんて気は起きる訳も無く。
「……そういえば、確かに昨日は遅くまで夜更かししてしまったわね。たまには……こう言う日があっても良い……かしら……」
今日は、シャイネンナハトの朝。
昨日はイブだからというのもあり、三人は一緒の部屋に集まって、深夜の刻まで色んな話を交わし、食べて、飲んで……思う存分シャイネンナハト・イブの夜を楽しんだ訳で。
同じ布団に身を寄せ合って眠りに付ついたのは、日付も変わった頃……雀が鳴いているという事も有り、まだ朝7時や8時辺りだろう。
今日の予定も特にないし、三人で一日ゆっくり過ごせれば、今日はそれでいい。
……そして、二人に左右からぎゅっと抱きしめられていると……また、ぼんやりとした眠気が。
「……ふわ……ん……もう一眠りしましょうか。二人共、ゆっくり……眠って……」
挟まれている腕をもぞもぞと動かして……二人の手をぎゅっと握る小夜。
「……ん……小夜さん……私も……好き……です……」
無意識であろうが……小夜の耳元に囁くすずな。
「……」
流石に、耳元でそんな言葉を囁かれれば、こっちまで恥ずかしく……頬を染めてしまう。
寝てるから、知られることはないとは思うものの……それを悟られないように。
「そうね……ゆっくり……おやすみなさい」
と小夜は、二人の髪に、そっと顔を埋めるのであった。
※SS担当者:緋月燕