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スティア・エイル・ヴァークライトの棘ナツによるおまけイラスト
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アレクシアとフランを招いてのパーティーを画策するスティア。だが何か足りない。パーティーなのだからもっと楽しくなるようなひと押しが。
「……いいこと思いついた! となると忙しくなるね!」
シャイネンナハト当日。天義のヴァークライト邸に招かれたアレクシアとフラン。
「すちー先輩お邪魔しま……なになになに?!」
「二人ともいらっしゃい! さあさあこっちへ!」
「スティア君?! どこに行くの?! 引っ張られる!」
スティアは二人を流れるようにドレスルームへと連れて行った。そこへぞろぞろと侍女や使用人も続く。
「うん、やっぱり似合う!」
ぱぁっと破顔するスティア。眼前にはドレスに着替えたアレクシアとフランが。
夜のような青いドレスのアレクシア。クチナシの花があしらわれ、胸元には銀細工が輝く。
うってかわってフランは太陽のようなオレンジ色のドレスだ。エネルギッシュな印象を与えつつもスカートに刺繍が施され、いつもはポニーテールの髪も下ろし夜会仕様だ。
そういうスティアも純白のドレスに身を包んでいる。色味は白で統一されているものの、レースやリボンで華やかな印象を受ける。
「こっちこっち!」
無邪気に手招きするスティア。
「ぴええ! 待って! すちー先輩とアレクシア先輩みたいに綺麗に歩けない!」
「フランさん。こうやってドレスの『すそ』を持つんだよ」
「あっ、こうかな?」
スティアの教えに従うフラン。
「びっくりしたけどせっかくのお友達の家だからね。楽しませてもらうよ」
アレクシアはドレス姿に落ち着かない様子ではあるものの前向きだ。
スティアはパーティー会場にいる貴族仲間、使用人、近隣に住む知り合いエトセトラエトセトラ……。多くの人にアレクシアとフランを紹介して回っている。
アレクシアは落ち着いた様子ではあるものの格式貼ったパーティーに慣れず内心少し驚いている。フランはずっとわたわたしっぱなしだ。
「じゃあ次はこっち!」
「スティア君ストップストップ!」
「すちー先輩待って〜……!」
「ご、ごめんね! 疲れちゃった? 大切なお友達が綺麗に着飾ったの自慢したかったんだけど」
スティアの言葉にアレクシアとフランがはっとする。アレクシアが微笑む。
「そういうことなら」
「そんな嬉しいこと言われちゃったらまだまだ張り切っちゃう!」
フランが元気に返す。
煌びやかな夜はまだ始まったばかり。
※SS担当者:7号